LENDEX(レンデックス)は、2017年7月からソーシャルレンディング事業に進出した会社です。
ソーシャルレンディングに従事し、約2年半が経過しました。
これまで、貸し倒れや返済遅延を発生させたことはありません。
そのLENDEXが2020年5月26日(火)に2019年12月期決算を発表しました。
ここではその決算の内容を分析していきます。
目次
筆者プロフィール
筆者は、第二種金融商品取引業登録が必要な事業を営む会社に勤務しています。
ソーシャルレンディングについても、注目の投資手法として、数百万円を投資しています。
第二種金融商品取引業とは、ネットを通じて資金を募る投資商品を運営していく事業です。
ソーシャルレンディング業界についても親しい業界として、常に観察と分析を行っています。
今回は、LENDEXの決算公告やLENDEXの公開情報を見ながら、同社の状況について解説していきます。
LENDEX(レンデックス)の2019年12月期決算概要
LENDEXの2019年12月期決算は、LENDEXホームページの「企業情報」に掲載されています。
決算の結果(B/S:貸借対照表)は下記の表のとおりです。
なお損益計算書は掲載されていません。
この貸借対照表からわかることを考察していきましょう。
2019年12月期は5,281万円の赤字
2019年12月期は、上記画像の注釈*4にあるように、当期純損失5,281万円という結果でした。
昨年2018年12月期の決算では約1,400万円の赤字であり、3,800万円も赤字幅が
拡大しています。
一見業績好調に見えるLENDEXですが、赤字の拡大というあまり好ましくない結果に終わっています。
投資家からの預り金は12億8千万円
貸借対照表の中でわかる数字の一つに、投資家からの「預り金」があります。
つまり、ソーシャルレンディングで資金を集め、事業者に融資している資金の総額です。
LENDEXでは、2019年12月末時点で12億8千万円を融資していることがわかります(「匿名組合預り金」の部分)。
ソーシャルレンディング業界最大手のSBIソーシャルレンディングでは毎月この数字を公開しており、その金額は300億円を超えています。
LENDEXの売上規模を図る一つの指標になってくるでしょう。
売上は不明
LENDEXの決算は「貸借対照表」のみの公開であるため、売上や経費の額は不明です。
上場企業ではないため、LENDEXは詳細な業績の数字を公開する義務はありません。
決して良い結果に終わったとは言えない決算結果を、自ら発表していることはLENDEXの情報開示の姿勢として評価できるポイントです。
LENDEX(レンデックス)のブログで説明された赤字の理由
LENDEX(レンデックス)は、赤字似終わった2019年度決算の理由を、自社ブログ上で説明しています。
その内容を確認してみましょう。
理由①:人件費や本社移転費の増加
赤字の理由として挙げられているのが、人件費や本社移転に伴う経費の増加です。
LENDEXは、2019年4月に初代社長である筧悦生氏が退任し、直後に2代目社長の田川徳彦氏が就任しました。
しかし、2019年7月にはわずか在任4ヶ月で田川社長が退任しています。
その後、2019年8月に現在の社長である深澤克己社長が就任しています。
二度にわたる短期での社長交代があったことにより、人材採用費が想定以上にかかったであろうことは想像に難くありません。
また、2019年7月には本社を九段下から家賃相場がより高い渋谷駅周辺に移転しています。
移転費用がかかっただけではなく、オフィス面積を拡大しています。
実際、LENDEXの新オフィスではセミナーが行われています。
人件費、オフィス費という固定費が増えたことが赤字拡大の理由のようです。
理由②:広告宣伝費の増加
LENDEXが赤字拡大の理由として挙げているkとが、広告宣伝費の増加です。
LENDEXの投資会員数は、2019年11月まで3,500人ほどでした。
しかし、2020年3月には1万人を突破しています。
短期間で大幅に会員を増やした背景には、定期的な案件の募集といった営業努力だけではなく、インターネット上での積極的な広告展開が挙げられます。
2019年の広告費の増加が、2020年の大幅な会員増につながっており、その費用が赤字の一員となっています。
一時的な支出増である「広告宣伝費」、そして継続的な支出の増加につながる「人件費」と「オフィス費用」の増加により、赤字額が前年比約4千万円の増加につながったと言えます。
【予想】2020年12月期のLENDEX(レンデックス)の決算はどうなる?
LENDEX(レンデックス)の会社規模から言えば、5,200万円の赤字は決して小さくはない金額です。
しかし、5,200万円の赤字は、挽回不可能な規模の数字ではありません。
LENDEXのソーシャルレンディング事業が順調に推移すれば、2020年12月期には黒字転換も十分可能と言えるでしょう。
では、2020年12月期のLENDEXの決算は、どうなることが予測されるでしょうか?
募集金額は順調に推移中
下のグラフは、LENDEXのブログに記載されている、2019年1月から2020年5月までの募集金額の推移です。
2019年の募集金額の総額は、約22億8千万円。
2020年は1月から5月だけで約23億円です。
また、2020年6月時点で融資残高が、20億円を突破したという内容も記載されています。
融資残高が増えれば、LENDEXの売上はそれだけ増加します。
仮に、2020年だけで50億円を集めて融資すれば、営業者報酬が2パーセントでも、LENDEXの売り上げは
- 50億円×2%=1億円
です。
前年比で27億円募集金額が増加すれば5,400万円の売上増につながり、赤字を解消できる見込みが立つでしょう。
新規事業として不動産事業に進出
LENDEXでは、ソーシャルレンディング以外の事業として、不動産売買事業に進出するとの発表を行っています。
LENDEXのホームページには、宅地建物取引事業者としての登録番号が記載されています。
不動産売買や仲介による収入が入ってくれば、取り扱い金額の規模によっては、1回の取引で数千万円の売り上げを確保することができます。
営業者報酬の増加が売上に寄与
LENDEXでは、全案件で融資先への貸付金利とLENDEXの営業者報酬、また投資家への配当金利が公開されています。
LENDEXの営業者報酬は2パーセントと設定されている案件がほとんどですが、ブログでは営業利益を確保するために営業者報酬3パーセントの案件も増やしていくとしています。
投資家の配当利回りが減る可能性がありますが、売上のの増加でLENDEXの赤字解消が進めば、経営の安定と倒産リスクの縮小が発生します。
投資家としては、リスクが減っていくことは、喜ばしいことでしょう。
まとめ:総論
LENDEX(レンデックス)の2019年度決算の概要について解説しました。
LENDEXは月間8件から10件のペースで定期にソーシャルレンディング案件の供給を行っており、投資家にとって次のようなメリットがあるソーシャルレンディングサイトです。
- 高利回り
- 出金手数料無料
- 最大LTV80%の不動産担保
2020年の営業は順調であり、黒字化を達成して経営が安定すればさらにLENDEXの信頼性が増し、投資家もこれまで以上に安心して投資できるようになるでしょう。
2020年のLENDEXのソーシャルレンディング事業への取り組みには、ますます注目が集まるところです。
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