※当記事は、2023年10月6日(金)時点の公開情報に基づき執筆しています。
続々と新規サービスサイトが登場している不動産投資型クラウドファンディング。
そして、2020年12月に新規の不動産投資型クラウドファンディングサイト「大家.com」が登場しました。
今回は、大家.comの概要について紹介していきましょう。
目次
大家.comの実績
画像引用元:大家.com
大家.com(大家ドットコム)は、2020年12月に運用を開始したばかりの不動産投資型クラウドファンディングです。
2023年10月6日(金)時点で累計募集件数は68件、累計募集金額は33億8,475万円です。
大家.comの総評
大家.com(大家ドットコム)を投資家の視点から見た時、どのような評価を与えられるでしょうか?
4つの視点の評価と総評をまとめてみました。
利回り:4
大家.comの第1号案件の利回りは、想定年利4パーセントです。
これは、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと比較すると標準的な数字です。
また、2021年2月に募集した第2号案件の想定利回りは6パーセントです。
こちらは、標準よりも高いと言えるでしょう。
したがって、利回りに関しては水準以上と言えそうです。
実績:3
大家.comは2020年12月にサイト運営を開始したばかりであり、まだ実績は多くはありません。
ただし、第1号案件の募集金額は2億円と大規模であり、今後も同程度の規模の募集が行われていけば、実績はすぐに評価できるような数字になっていくでしょう。
安全性:4
大家.comは、他の大半の不動産投資型クラウドファンディングサイトと同じように「優先劣後出資方式」を採用しています。
この優先劣後出資方式を採用することで、運用対象の不動産を売却したときでも、投資家資産の損失が起こりにくくなっています。
また、買取保証も付いているため、現金化できないということもありません。
このように、二重の資産保全対策を行っています。
情報開示:5
大家.comでは、取得物件の情報開示に関し住所以外の物件のさまざまな情報など、積極的な情報開示を行っています。
投資家以外には詳細な情報は公開していませんが、一度投資家登録をしてしまえば十分な量の物件情報を確認できます。
必ず投資する前には投資家登録を実行し、物件の詳細を確認しておきましょう。
総合評価:4
大家.comは、利回りも水準以上のものがあり、投資家の資産保全対策も優先劣後出資方式と買取保証の二重対策を行っています。
不安面はサービスが2020年12月に開始したばかりであり、実績がやや小さいといったところでしょう。
しかし、各種の取り組みは後発サイトであるだけに、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトでも見られない特徴を持っています。
総合評価では4ですが、実績を積み重ねていけば十分に5を与えられる不動産投資型クラウドファンディングサイトになるでしょう。
大家.comの案件の特徴
では、大家.com(大家ドットコム)が提供する案件は、どのような特徴を持っているでしょうか?
都心に建つ資産価値の高いマンションを少額から投資できるという点が主な特徴です。
案件の特徴
- 都心のマンション案件を扱う
- 優先劣後出資方式を採用している
- 1万円から投資できる
特徴①:都心のマンション案件を扱う
大家.comの第1号案件は、東京23区内のマンション案件です。
東京都心の地価はコロナ禍でも大きな値下がりはなく、十分に安定しています。
そのため、立地的な条件で資産価値の減少が起こりにくいと言えます。
資産減少リスクを避けたい人にとって、投資価値のある案件を提供しています。
特徴②:優先劣後出資方式を採用している
大家.comは、優先劣後出資方式を採用しています。
優先劣後出資方式とは、不動産物件の取得にあたり、投資家の出資する「優先出資分」と、不動産会社の出資する「劣後出資分」を分けて管理することです。
物件を売却した際に値下がりしたとしても、損失は劣後出資分から計上されていくため、投資家の資産減少が起こりにくくなっています。
劣後出資割合は案件により異なりますが、10パーセントから30パーセントとなっています。
特徴③:1万円から投資できる
大家.comの案件は、1万円から投資できます。
そのため、あまり投資に回せるお金がない人、最初はリスクを抑えた投資をしていきたいという人でも、十分に投資を始めやすいです。
不動産投資型クラウドファンディング投資に興味を持っている人は、まず大家.comへの投資から始めてみるのも良いでしょう。
大家.comの2023年7月~9月の募集実績
では、大家.com(大家ドットコム)の直近3ヶ月(2023年7月~9月)の募集実績を見てみましょう。
この3ヶ月で大家.comはどういった案件の募集を行っているでしょうか?
2023年9月の募集実績
2023年9月には以下の案件の募集を行っています。
- 募集案件数:1件
- 募集金額:3,300万円
投資家からすると少し物足りない募集ボリュームかもしれません。
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | 区分マンション(新宿区四谷)#68 | 12ヶ月 | 3,300万円 | 3.7% |
2023年8月の募集実績
2023年8月には、2案件の募集を行っています。
安定感の有るマンション案件です。
- 募集案件数:2件
- 募集金額:6,020万円
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | 世田谷区中古アパート#67(二次募集) | 7ヶ月 | 3,020万円 | 3.5% |
2023年7月の募集実績
2023年7月には、2案件の募集を行っています。
やや募集金額は少なめでした。
- 募集案件数:2件
- 募集金額:4,800万円
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | 横浜市保土ヶ谷区中古アパート#65 | 12ヶ月 | 3,000万円 | 5.0% |
2 | 横浜市保土ヶ谷区中古アパート#65 | 12ヶ月 | 1,800万円 | 4.0% |
大家.comのメリット
では、大家.com(大家ドットコム)ならではのメリットは、どういったポイントが挙げられるでしょうか?
他の不動産投資型クラウドファンディングサイトとの差別化となる、大家.comのセールスポイントをピックアップします。
メリット
- 運用中でも他者に投資分を譲渡できる
- JASDAQ上場企業が運営している
- 株主優待を利用すれば利回りを1%アップできる
メリット①:運用中でも他者に投資分を譲渡できる
大家.comの最大の特徴は、STOスキームを採用し案件の運用中でも自分の投資分を他者に譲渡可能であることです。
STOとは(Security Token Offering)の略称です。
大家.comの運営元である株式会社グローベルスに、セキュリティートークンの発行を依頼すし、セキュリティートークンが発行された出資者は、ブロックチェーンを用いた独自のプラットフォーム上で、大家.com出資分の譲渡が可能になります。
従来、不動産投資型クラウドファンディングサイトでは、投資しているお金を他の人間に譲渡することはできず、案件運用中のキャンセルは非常に難しかったのです。
しかし、大家comは自分の投資分を他者に譲渡できるので運用資金の現金化や、リスク回避のための現金化が行うことができるので、リスクを抑えられます。
メリット②:JASDAQ上場企業が運営している
大家.comの運営元である株式会社グローベルスは、JASDAQ上場企業株式会社KeyHolderのグループ企業です。
そのため、資本力、反社会勢力との交際、社内監視体制などに一定の保全性があると言えます。
上場企業の関連会社だから100パーセント問題が起こらないとは言えませんが、未上場企業より、業務遂行能力や不正行為の発生のしにくさにおいて一定の信頼性が置けるでしょう。
メリット③:株主優待を利用すれば利回りを1%アップできる
大家.comの運営元である株式会社KeyHolderの株主優待もチェックしておくべきポイントです。
株式会社KeyHolderの株を持っていれば、株主優待で大家.comに投資した資金の1パーセントがキャッシュバックされるのです。
つまり、大家.comの利回りは、実質的に1パーセントプラスされるのです。
そのため、第1号案件では年利5パーセント、第2号案件はなんと7パーセントという高い利回りが提供されます。
大家.comに投資する場合は、株主優待もぜひ利用したいところです。
大家.comのデメリット
続いては、大家.com(大家ドットコム)のデメリットを見ていきましょう。
投資を検討する前には、前もってデメリットも知っておくことでリスク回避対策を立てることができます。
デメリット:元本保証が付いているわけではない
これは大家.comならではのデメリットというわけではありませんが、大家.comをはじめとする不動産投資型クラウドファンディングには、元本保証がありません。
配当が無事に行われていても、物件の運用終了後、売却した時に物件の資産価値が大きく下がっていれば、元本が満額返済されない可能性があります。
ただし、大家.comでは、リスク回避のために優先劣後出資方式の採用や、買取保証を設定しているため、リスクはやや低めです。
大家.comのリスク対策
大家.com(大家ドットコム)では、投資家の資産保全のためにどのような対策をとっているでしょうか?
主に、「優先劣後出資方式」と「買取保証」という2つの資産保全対策が行なわれています。
リスク対策
- 優先劣後出資方式を採用している
- 買取保証が付いている
リスク対策①:優先劣後出資方式を採用している
大家.comでは、不動産物件の取得にあたり「優先劣後出資方式」を採用しています。
先ほども解説したように、投資家から集めたお金を優先出資分、不動産会社が出資する分を劣後出資分として分別管理し、不動産物件の売却時に損失が発生した場合は劣後出資分から計上する方式です。
そのため、不動産価格の値下がりが起きても、一定の範囲内であれば投資家資産の損失が起こりません。
その劣後出資分の割合は案件毎に異なり、10パーセントから30パーセントとなっています。
劣後出資割合が高い案件に投資すれば、投資元本損失リスクを大幅に下げられます。
リスク対策②:買取保証が付いている
大家.comのサイトには、リスク対策のために買取保証が設定されているという記載があります。
ただし、この買取保証は必ず元本が返ってくるというわけではありません。
買取保証の詳細は書いてありませんが、物件が売却できなくなった時にこの買取保証を利用することで、一定の金額での現金化ができるものだと思われます。
大家.comのポジティブな口コミ・評判
不動産投資型クラウドファンディングに興味ある投資家の方から見て、大家.com(大家ドットコム)はどのような評価を受けているのでしょうか?
SNSから評判や口コミを拾ってみました。
ポジティブな口コミ・評判
- 株主優待で利回りを高められる
- STOスキームの採用で運用中でも現金化できる
ポジティブな口コミ・評判①:株主優待で利回りを高められる
大家.comが投資家から評価されているポイントは、株式会社KeyHolderの株主優待を利用すれば利回りがプラス1パーセントされる点です。
利回りが直接上がるという、投資家にとって大変メリットのある株主優待は、他社では見られません。
投資する金額が多ければどんどん大きくなるメリットだけに、積極的に投資額を増やしたいという投資家の方もいます。
ポジティブな口コミ・評判②:STOスキームの採用で運用中でも現金化できる
もう一つの大きな特徴が、STOスキームの採用で運用中でも現金化が可能な点です。
このSTOスキームの導入も、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトには無かったものです。
新しい技術を積極的に投入する大家.comの姿勢を評価する声も聞かれました。
大家.comのネガティブな口コミ・評判
ポジティブな評判だけではなく、大家.com(大家ドットコム)に対するネガティブな評判も見られました。
買取保証の詳細がわからない
大家.comのホームページには、買取保証がついているという記載があります。
しかし、この買取保証の詳細がわからないということを不満にもつ投資家の方もいます。
買取保証はどんな時に発動するのか、またどれくらいの金額で買い取ってもらえるのか。
そういった点がわからなければ、実際には保証として機能しないという厳しい指摘もありました。
大家.comをおすすめする人
大家.com(大家ドットコム)は、どういった志向を持つ投資家の方に向いていた不動産投資型クラウドファンディングでしょうか?
それは、リスクを避けながらも株投資や不動産調査でクラウドファンディング投資に積極的にお金をつぎ込み、資産運用したい人向けだと言えそうです。
おすすめの人
- 株投資と不動産投資型クラウドファンディング投資の両方を行っている人
- リスクの低い都心不動産に投資したい人
株投資と不動産投資型クラウドファンディング投資の両方を行っている人
大家.comは、株主優待により利回りをアップできる、唯一の不動産投資型クラウドファンディングです。
株投資と不動産投資型クラウドファンディングの両方を同時に行うことで、収益性アップというメリットが生まれます。
株投資を行っている方にこそ大きなメリットのある投資先として、おすすめできます。
リスクの低い都心不動産に投資したい人
大家.comでは、優先劣後出資方式の採用、買取保証などを採用して資産保全対策を行っています。
さらに、資産価値が下がりにくい都心の不動産物件を扱っており、入念なリスク対策を行う不動産投資型クラウドファンディングという評価を与えられます。
収益性だけではなく、リスクを避けて投資元本の損失が起こる事を避けたい人に向いています。
大家.comの口座開設手順
大家.com(大家ドットコム)で口座を開設する手順は、次の3つのステップです。
口座開設手順
- メールアドレスを入力し仮登録する
- 送付されたメールでアクセスするサイトで本人確認、口座確認の画像をアップロードする
- 自宅に送付されるはがきを受け取る
ステップ①:メールアドレスを入力する
まずは、大家.com(大家ドットコム)のサイトにアクセスします。
TOPのウインドウにメールアドレスを入力し、「投資を始める」ボタンをクリックします。
スマホも流れは同じです。
スマホトップの運動にメールアドレスを入力し、「新規口座開設」をクリックします。
その後、メールアドレスに大家.comからメールが送られてきます。
ステップ②:規約確認、本人確認、口座確認の画像をアップロード
メールには登録用サイトのアドレスが記載されています。
そのアドレスをクリックするとサイト遷移します。
まずは、大家.comの規約を確認します。
その後、住所や勤務先、連絡先などの個人情報を入力します。
さらに本人確認書類をアップロードします。
写真付き本人確認書類(1つでOK) |
|
2つ以上の提出が必要な本人確認書類 |
|
次に、出金先の銀行口座の情報を登録します。
以下の書類をアップロードします。
銀行口座の情報登録 |
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ステップ③:自宅に送付されるはがきを受け取る
個人情報と本人確認書類、口座関係の書類をアップロードすると、大家.comの審査が行われます。
問題がなければ自宅に住所確認用のはがきが送付されるので、自宅で受け取りできれば口座開設は完了します。
その後入金すれば大家.comに投資できるようになります。
大家.comの概要
2021年2月8日時点で公開されている情報から、大家.com(大家ドットコム)の概要を確認していきましょう。
2020年12月にサイト運営を開始した不動産投資型クラウドファンディング
大家.comは、2020年12月にサービス運営を開始した新規不動産投資型クラウドファンディングサイトです。
2020年8月に不動産特定共同事業法事業者としての認可を国土交通省から受けています。
2020年10月に会員募集を開始し、2020年12月に第1号案件の募集が開始されました。
1万円からの投資が可能
大家.comの取り扱い不動産投資型クラウドファンディング案件は、一口1万円から投資が可能となる見込みです。
最低投資可能金額は、不動産投資型クラウドファンディングサイトの中でも最低水準だと言えるでしょう。
投資を始めるまでのハードルが低いため、収入がそこまで多くない人や貯金がそれほど多くない人でも投資を始めやすいと言えます。
不動産投資に興味はあるけれどお金がないので始められないという人でも、大家.comであれば気軽に不動産投資に取り組むことができるでしょう。
大家.comの運営会社はJASDAQ上場のKeyHolderの子会社
出典:株式会社グローベルス
不動産投資型クラウドファンディングサイトを選ぶ際には、運営会社についてもよく確認しておきたいものです。
運営会社の規模が大きければ倒産リスクは低くなりますし、事業内容次第で多様な投資案件の提供が行われることが期待できるからです。
最後に、大家.com(大家ドットコム)を運営する会社について紹介してきましょう。
株式会社グローベルスの会社概要
大家.comの運営会社は、JASDAQ上場企業株式会社KeyHolderの子会社である株式会社グローベルスです。
株式会社グローベルスの会社概要は次のようになっています。
マンションなどの居住用不動産だけではなく、商業施設の開発なども行なってお多彩な不動産物件の扱いを得意としている会社です。
会社名 | 株式会社グローベルス |
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会社所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 虎ノ門ファーストガーデン11F |
代表取締役社長 | 藤田 賢一 |
会社設立 | 平成8年7月10日 |
資本金 | 10億円 |
事業内容 | 不動産売買業(一戸建住宅及びマンションの開発分譲)
中古住宅再生事業(中古住宅を仕入れ、リノベーションして販売する業態) 商業施設建築事業(商業施設の設計、施工) 不動産仲介業 コンサルティング事業 |
宅建業免許 | 国土交通大臣(3)第7845号 |
一級建築士事務所 | 東京都知事登録 第62093号(東京本社) |
特定建設業 | 東京都知事 許可(特-2) 第135078号 |
不動産特定共同事業 | 東京都知事 許可 第134号 |
株式会社グローベルスの狙い
株式会社グローベルスが不動産投資型クラウドファンディング事業に進出する狙いですが、プレルリリースでは同社がすでに所有している収益不動産そして商業施設建築事業との相乗効果を狙うとしています。
投資家から物件取得や物件改修用の費用を集め、その資金をもとに物件を購入したり、改修しながら収益性を上げたりすることで、利益を伸ばしていくことを想定していると考えられます。
物件運営から得られた家賃収入が投資家に配当されていけば、投資家も自分で作業することなく不動産収入を得ることができます。
運営会社と投資家のそれぞれにメリットのある取り込みだからこそ、不動産投資型クラウドファンディング事業に乗り出したと考えられそうです。
不動産物件の取得に対する銀行からの融資は、数年前に比べれば厳しくなっていると言われています。
そこで、不動産投資型クラウドファンディングを通じて一般の個人投資家から資金を集めることができれば、株式会社グローベルスの不動産物件取得のスピードが速くなるというメリットもありそうです。
まとめ
新規不動産投資型クラウドファンディングサイト「大家.com(大家ドットコム)」について紹介しました。
株式会社グローベルスの取り扱う物件を見る限り、マンションなどの居住用不動産だけではなくショッピングセンターなどの商業施設への投資案件の提供も期待できそうです。
今から会員登録をしておき、大家.comが配信する情報をしっかりとキャッチし、サービス内容を知っておきましょう。
そのためには、下の「サービスサイト」から口座開設しておきましょう。
無料で解説できますよ。