スマートレンド(SmartLend)の概要
出典:スマートレンド(SmartLend)
スマートレンドは、東京に拠点を置くSmartLend株式会社によるソーシャルレンディングサービスです。
SmartLend株式会社は2015年10月に設立され、2016年4月よりサービスを開始しています。
スマートレンドは貸金業の登録はしていますが(東京都知事 (2) 第31595号)、ファンド募集に必要となる第二種金融商品取引業登録は受けていないため、maneoマーケットと匿名組合出資取扱契約を締結することでファンド募集をおこなっています。
貸付件数は1,250件あり、成立ローン総額8,822,690,000円は、分配金総額7,154,510,000円で遅延や返済遅延はありません。(2019年6月時点)
主に家賃保証事業者案件や香港の消費者金融案件を取り扱っています。
ここでは、スマートレンドの投資案件の主な特徴や評判について見ていきましょう。
スマートレンドの投資案件の特徴
まずは、スマートレンドの投資案件にどのような特徴があるのか見ていきましょう。
特徴を知ることで、スマートレンドへの理解が深まるだけでなく、他社との比較もしやすくなります。
案件の特徴①:2万円から投資ができる
スマートレンドのソーシャルレンディングは、最低投資可能額が2万円となっています。
他のソーシャルレンディングだと2万円以上かかるものも多いですし、別の金融商品であれば10万円以上かかるものもたくさんあります。
まとまった資金がなくても投資することが可能です。
案件の特徴②:運用期間が短いものも多い
スマートレンドの投資案件は、運用期間が短いものが多いです。
他のソーシャルレンディングだと運用期間が1年以上あるものもたくさんあります。
運用期間が長くなるほど、リスクも高くなるものです。
スマートレンドのソーシャルレンディングでは、運用期間は1年未満のものが多く、短いものだと3ヶ月ほどです。
リスクを抑えながら、早いタイミングで利益を確定させることができます。
案件の特徴③:金融事業に特化
スマートレンドの投資案件は、金融事業に特化しています。
具体的には、一般消費者向けの保証事業や融資事業を展開している企業を対象としています。
なぜなら、スマートレンドから企業へ融資されたお金がたくさんの消費者に小口分散して行き渡るため、万が一貸し倒れがあったとしても影響を限定的に抑えられるためです。
金融事業は、小口に分かれて融資ができリスクを分散できるため、事業運営も安定しています。
案件の特徴④:投資対象は貸し倒れが低いと判断された企業のみ
スマートレンドのソーシャルレンディングでは、貸し倒れのリスクが低い企業・案件を選定するために独自の基準を設定しています。
独自の基準とは、大きく分けて次の2つです。
- 経営関与度の高い企業
- 利益率が高くて自己資本が厚い企業
たとえば、自己資本率が高く現金化しやすい金融事業であれば、返済負担以上の資金的余裕があるため、借入の返済確度も高いです。
そして、不特定多数の企業ではなく、スマートレンドの主要株主と資本関係があるなど、経営体制を把握しやすい企業を選ぶことでリスクを回避しています。
案件の特徴⑤:利回りが高い
スマートレンドの投資案件の平均利回りは7パーセントから8パーセントほどとなっています。
利回り6パーセントから7パーセントのソーシャルレンディングも多い中で、比較的高い水準で運用することが可能です。
中には、10パーセントを超える案件もあります。
他の金融商品と比較しても、高い利回りで運用できることが魅力です。
リスクを低減するために厳選された案件でありながら、高い利回りでの運用を目指すことができます。
スマートレンドの案件の良い評判
続いて、スマートレンドで取り扱う投資案件の良い評判についても見ていきましょう。
実際の利用者(投資家)や検討者の評判を知ることで、より具体的に検討がしやすくなります。
良い口コミ・評判①:少額資金で投資できる
2万円という少ない資金でソーシャルレンディング投資を始められることに対して、好意的な意見が多く見られます。
多くの投資案件が2万円から投資できるため、最初にまとまったお金を準備する必要がありません。
また、10万円あれば5つのファンドに投資することも可能など、複数への投資も比較的手軽にできます。
良い口コミ・評判②:投資案件のリスクを低減している
高いリターンを期待しつつも、できるだけリスクは抑えたいものです。
スマートレンドは、小口融資でリスクが分散できる金融事業に特化しており、投資対象となる企業は自己資本が厚い企業といった独自の基準で選定しています。
これにより、投資家はよりリスクを抑えた運用が可能です。
投資家は100パーセント安心ということはありませんが、リスクを低減する姿勢に対して安心感を覚えるものです。
良い口コミ・評判③:遅延や貸し倒れがなく返還実績が高い
2019年現在、ソーシャルレンディング業界では遅延や貸し倒れの発生が問題となっていますが、スマートレンドは遅延・貸し倒れなしで運営ができています。
サービスがスタートして間もないというものもありますし、この先も絶対ないと保証されているわけではありませんが、遅延・返済遅延がないことは大きな安心感へとつながります。
良い口コミ・評判④:利回りが高め
投資家にとって、ソーシャルレンディング投資をする大きな理由となるのが利回りの高さです。
ソーシャルレンディングの業者によって利回りは異なり、6パーセントから7パーセント程度のところもあれば、9パーセント前後やそれ以上のケースもあります。
スマートレンドの平均利回りは7パーセントから8パーセントと高めです。
株式投資や投資信託などは2パーセントから4パーセントほどなので、他の投資に比べて2倍以上の利回りでの運用を実現することができます。
良い口コミ・評判⑤:初心者でも始めやすい
スマートレンドの投資案件は、リスクを分散できる金融事業で、かつ少額資金で投資できます。
また、運用期間が短い案件も多いため、初心者でも手軽に投資を始めることが可能です。
スマートレンドの案件の悪い評判
スマートレンドの良い評判だけでなく、悪い評判についても確認をしていきましょう。
どちらの評判も知っておけば、より比較・検討がしやすくなります。
悪い口コミ・評判①:maneoマーケットを利用していることが不安
スマートレンドは、ファンド募集に必要となる第二種金融商品取引業登録を行っていないため、maneoマーケットと提携してサービス提供をおこなっています。
maneoマーケットが募集の取り扱いや投資家管理をしており、スマートレンド以外のソーシャルレンディングとも提携しています。
しかし、2018年から2019年にかけて、maneoファミリーの中で遅延が発生している案件が多数出てきており、投資家からの信頼が大きく揺らいでいる状況です。
そのため、maneoマーケットと提携するスマートレンドに対して不安視する声が多く見られます。
悪い口コミ・評判②:が少なく規模が小さい
スマートレンドはサービス開始が2016年ということもあり、まだまだ実績が少なく規模も小さめです。
そのため、他のソーシャルレンディングと比べて不安に感じる人も多いようです。
大手のソーシャルレンディングになると、募集金額は1,000億円を超えますが、スマートレンドは2019年6月末時点では100億円にも満たない状況です。
今後の成長は期待できますが、現時点での実績や規模は十分とは言えません。
悪い口コミ・評判③:担保保証が全案件についているわけではない
スマートレンドの評判を見ていると、全案件に担保保証がついているわけではない点について不安視する声もあります。
担保保証があれば、万一の際にお金が戻ってこなくなるのを防ぐことが可能です。
業者選定などでリスク低減を図っていますが、案件によっては担保がないケースもあることを理解しておきましょう。
スマートレンドの総評
スマートレンドの評価を5段階で表してみましょう。
利回り:5
10パーセント以上の案件を扱うソーシャルレンディング会社は、今では貴重です。
収益性を求める人であれば、ぜひ利用したいところです
実績:4
今でも運営を続けているソーシャルレンディング会社の中では一定の実績を持っており、遅延や貸し倒れは0件です。
手堅い運営をしていると言えます。
安全性:3
maneoマーケットのシステムを利用しているため、maneoマーケットが第二種金融商品取引業を剥奪されると資金の募集を行えなくなります。
また、maneoの審査が甘いという可能性も孕んでいるため、慎重に見るべきでしょう。
また、香港にある金融機関への融資案件は現地の法律が適用されるため、日本人にとっては未知の部分があります。
リスクに直結する部分ですので、回収のフローが日本と異なる可能性もあります。
情報開示:3
金融庁の方針変更が入ったあとも、特に情報開示を行っていません。
総合評価:3
スマートレンドは maneoファミリー の中では、現在も順調に募集を続けることに成功しているソーシャルレンディング会社です。
また融資先は香港の金融機関が中心であり、その利回りは10パーセント以上とかなり高いものになっています。
しかし、利回りだけを追求すると、グリーンインフラレンディングやクラウドリースを見るように、大規模な返済遅延と貸し倒れが発生する可能性もあります。
そして、スマートレンドの高金利案件は香港の法律が適用されます。
情勢が不安定な状況が続く香港だけに、想定外のリスクが発生する可能性があります。
大金を一気に投入することはできる限り避け、まずは小額ずつスマートレンドの様々な案件に投資をしてみると良いでしょう。
利回りの高い案件を程度リスクを見込んで運用する際には、他の利回り低め、安全性の高い会社のソーシャルレンディング案件と組み合わせて、リスクと収益性の平均化を図っていきましょう。