クラウドアンサー編集部では、ここ数年増加している不動産投資型クラウドファンディングサイトを運営する会社様への取材を行っています。
今回は、2020年12月21日(月)に第2号案件の募集を開始した不動産投資型クラウドファンディングサイト「TREC FUNDING」の運営元であるトーセイ株式会社へのインタビューを実施しました。
トーセイ株式会社は、創業が1950年という歴史ある不動産会社です。
東京証券取引所第一部に上場しており、豊富な不動産の売買や開発、運用実績があります。
そのトーセイ株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングサイトは、どのような特徴を持っているのか、その点が気になる方も多いのではないでしょうか?
そこで、トーセイ株式会社のTREC FUNDINGご担当者様3名に、TREC FUNDINGについてのお話を聞いてみました。
- 取締役執行役員 兼 アセットソリューション第1本部、クラウドファンディング事業部担当大島様(中央)
- クラウドファンディング事業部マネージャー 風見様(右)
- クラウドファンディング事業部主任 野口様(左)
など、どなたがご回答頂いたかわかるように、ご回答内容の先頭に( )でお名前を記載しています(敬称略)。
トーセイ株式会社について
出典:トーセイ株式会社
まずは、トーセイ株式会社の会社概要を確認しましょう。
商号 | トーセイ株式会社 |
---|---|
代表者 | 山口誠一郎 |
設立 | 1950年(昭和25年)2月2日 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門四丁目2番3号 |
資本金(2020年5月31日時点) | 6,600,204千円 |
上場証券取引所 | 東京証券取引所第一部(証券コード:8923) |
シンガポール証券取引所メインボード(証券コード:S2D) | |
事業内容 | 不動産流動化事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業
不動産ファンド・コンサルティング事業、ホテル事業 |
許認可等 | 宅地建物取引業、特定建設業、一級建築士事務所、第二種金融商品取引業
投資助言・代理業、一般不動産投資顧問業、不動産特定共同事業 |
会社設立は1950年であり、日本国内だけではなくシンガポールの証券取引所にも上場しています。
国外にも進出を果たすなど、著しい躍進を見せている不動産会社です。
取り扱う不動産物件はマンション、オフィス、テナント、ホテルなど多種多様であり、J-REITの運用も行っています。
まず、トーセイ株式会社が不動産投資型クラウドファンディング事業を始めた理由についてお伺いしました。
不動産投資型クラウドファンディング事業を始めた理由を教えてください。
(大島)当社グループでは、マンションや戸建、オフィス、ホテル物流施設などの実物不動産の開発や販売だけではなく、不動産のコンサルティング事業、J-REITや不動産ファンドの運用まで、不動産全般の幅広い事業を手掛けています。
その一環として、クラウドファンディングにまで事業対象を広げることで、個人投資家の方の資産運用ポートフォリオ構築をお手伝いしたいという思いがあります。
これまでも、トーセイグループでは、個人投資家の方々に向けて「トーセイ・リート投資法人」を運営し、投資機会を提供しています。
そして、J-REITよりさらに少額から始められる個人向けの不動産投資商品として、不動産投資型クラウドファンディングに注目しました。
新しい投資家層を取り込むことが狙いでしょうか?
(大島)そうですね。
不動産投資型クラウドファンディングは、これまで不動産投資に興味を持ちながらも、多額の資金が必要となる等の理由により投資を始められなかった人たちを取り込むことができる手軽さがあると思っています。
J-REIT同様に、実物不動産を買うより手軽に不動産投資ができますし、その点に加えて、J-REITとは違う、より身近にある不動産、例えば、区分マンションや中古一棟マンション、駅前の中古店舗ビルから京町屋まで、様々な不動産を投資対象とすることができます。
J-REITでは味わえない、自分で不動産に投資している感覚。
そういった感覚を不動産投資型クラウドファンディングでは、より強く味わえるものと思います。
着想から運用開始までに時間はどれくらいかかりましたか?
(大島)不動産投資型クラウドファンディングに着目したのは2017年です。
これは、不動産特定共同事業法の改正が行われた時期です。
この改正により、不動産投資型クラウドファンディングに対応した環境整備が行われました。
不特法を用いたクラウドファンディングは、既に何社も事業開始しています。
少し専門的になりますが、それらはいずれも1号、2号事業という類型です。
これは、投資家にとっては倒産隔離の仕組みとなっていないこと、事業者である当社にとっては財務の圧縮効果がほとんどない、つまりオフバランスすることができない点が、大きなネックとなっていました。
そこで、当社では新しく整備された、3号、4号という、SPCを使ったオフバランス型(資産や取引などが事業の財務諸表に記載されない状態のこと)でのクラウドファンディングを行うための登録を行ってから、不動産投資型クラウドファンディングの運営を開始することを目指しました。
その過程においては、国土交通省さらには金融庁への認可申請や審査が必要であり、事業開始の計画を立ててから結果的に3年ほどの時間を要しました。
クラウドファンディングはどういった魅力のある事業とお考えでしょうか?
当社が投資家の皆様に提供する投資商品は、これまで一定以上の投資金額を有している、いわゆる「プロ向け」の商品が多くありました。
一方で個人投資家の方でも参加しやすい、いわゆる「一般投資家向け」の商品は少なかったと言えます。
しかし、不動産投資型クラウドファンディングであれば個人投資家の方々でも参加しやすいですし、幅広い層にアピールできるため、当社の知名度を上げる効果も期待できます。
また、案件の運用においてSPC(Special Purpose Company:特別目的会社)を組成し、いったんそのSPCに不動産物件を売却することで、当社にとっては、流動化事業における出口戦略の一つとなるメリットもございます。
TREC FUNDINGの特徴・魅力とは?
出典:TREC FUNDING
東証一部上場企業が運営する不動産投資型クラウドファンディングサイトとして、投資家から期待が高いTREC FUNDING。
そこで、不動産投資型クラウドファンディングとしての特徴やメリットについて伺いました。
他社との差別化で意識した点を教えてください。
(大島)当社が扱う多様な不動産流動化物件、しかも1都3県、都内中心の物件という流動性の高い不動産に投資できる点が、TREC FUNDINGとして投資家の皆様にご提供できるメリットの一つだと思っています。
当社は創業70年の歴史があり、その歴史の中で多様な不動産物件を仕入れ、バリューアップしたうえで販売するノウハウがあります。
経験豊富なプロの目利きで仕入れた物件を、不動産投資型クラウドファンディングという参加しやすい投資商品に加工して、投資家の皆様にご提供させて頂きます。
また、投資対象となる不動産も様々なタイプのものが提供できることも強みです。
例えば、2021年現在、新型コロナウイルスの影響により、ホテルや民泊など観光関係の不動産物件は売上が低下しているものも見られます。
一方、当社では物流不動産やマンションなど、不況下でも売上が下がりにくい物件も多数取り扱っています。
そのため、コロナ禍においても継続的に売上を見込める不動産物件を対象としたクラウドファンディング案件を投資家の皆様に提供することができるのです。
逆に、2019年以前のような観光関係の景気が良い時期であれば、ホテル事業の案件を提供して高い収益性を獲得できる案件を提供することが可能です。
このように、不動産市況の変化に対応できる案件を提供できることも強みです。
SPCは投資家の方にどのようなメリットがあるのでしょうか?
(大島)不動産物件の所有は当社(トーセイ株式会社)が行うのではなく、SPC(特別目的会社)を設立し、SPCが不動産物件を所有、当社(トーセイ株式会社)が運営を行います。
出典:TREC FUNDING
そのため、仮に当社(トーセイ株式会社)が案件の運営中に業績が悪化し破綻するようなことがあったとしても、物件を所有するSPCへの影響はないため、投資家の方へ影響が出ないような、いわゆる倒産隔離の仕組みとなっています。
事業者の業績に影響されることなく、運用物件の売上や資産価値が安定していれば、投資家の皆様は着実に利益を受け取ることができます。
不特法の下での、SPCを用いた不動産投資型クラウドファンディングは当社が初めででしょう。
TREC FUNDINGが提供する案件は?
投資家保護のための独自性のある取り組みを行っているTREC FUNDING。
投資家として次に気になるのは、TREC FUNDINGが今後どのような案件を提供していくかといった点でしょう。
TREC FUNDINGでは、2021年12月21日(月)から第2号案件の募集を行っています。
第2号案件の内容や、また今後の案件募集について踏み込んで聞いてみました。
第1号案件はマンション、第2号はオフィスビルでしたが今後はどういった案件が中心でしょうか?
出典:TREC FUNDING公式サイト
(大島)第2号案件は、川崎駅から徒歩9分というオフィスエリアに所在する物件であるため、資産価値が下がりにくく、投資家の皆様に安定した利益を提供できる物件を用意できたと思っています。
諸経費含め物件取得価格で、募集金額は3億2,540万円ですが、今後取り扱う物件規模としては3億円から8億円規模の範囲を予定しています。
今後はさらに大規模な案件を提供していくということですね。
そうですね、投資家の皆様に、より多くの投資機会を提供するためには、1号案件のように借入を行うことによりこれくらいの規模の案件の取組みが必要だと考えています。
幸いにも、トーセイ株式会社が保有する販売用不動産は豊富にあります。
その中から、個人投資家の皆様にとってより良い投資対象物件を選定して商品化したいと考えています。
市況によっては様々な種類の案件を提供されるということでしょうか?
(大島)TREC FUNDINGの1号案件として、投資家の皆様にとってメリットがわかりやすい物件ということで、都心部の賃貸マンションを選定し、第2号は1号とは相対するオフィスビルを選定しました。
今後は他の種類の不動産物件を用いた商品の組成も検討していきます。
優先劣後出資方式を採用されていない理由はありますか?
(大島)優先劣後出資方式を用いていない理由は、投資家の皆様により実物不動産投資に近い商品を提供するためです。
優先劣後出資方式がないことで、家賃収入を原資とした定期的な配当に加え、物件運用終了時にはマンションを売却し、その売却益も投資家の皆様に提供することが可能となります。
優先劣後出資方式ですと、一般的に劣後出資者に売却益の多くが分配され、優先出資者は比較的低い固定された配当率となることが多くなります。
これでは、皆様に不動産投資の醍醐味を味わって頂けません。
当社では、不動産をより高い価格で売却するために、リノベーションを施してバリューアップも図っています。
そこには当社が長年培ってきたノウハウを存分に盛り込んでいます。
バリューアップにより、テナントの入れ替わりが起きるタイミングで家賃設定を変更し、物件の収益性を上げ、より高い価格での売却を狙います。
物件の売却が思ったようにいかなかった場合のリスクはありますが、物件の立地などの情報を見ていただければわかるように、地価が上がっているエリアであり、賃貸需要は十分にあると考えられます。
また、投資判断の根拠となる物件情報に関しては、証券化対象不動産の鑑定評価の実務指針に基づき作成された不動産鑑定・エンジニアリングレポートを取得し、提供させて頂いています。
投資対象として妥当かどうかについては、慎重に案件情報をご確認頂きご検討頂ければと思います。
もちろん、当社としては投資家の皆様のお眼鏡にかなうような収益性と資産の保全性を両立させた案件を提供しているという自信があります。
TREC FUNDINGの目標と今後のビジョン
募集金額1億6千万円、3億2千万という大規模な案件ながら、今後はさらに大規模な案件も継続的に提供していきたいと考えているTREC FUNDING。
最後に、募集金額や会員数といった数値的な目標や、今後の予定について伺いました。
会員数や案件募集などの数値目標はありますでしょうか?
(大島)TREC FUNDINGの累計資産残高としては、3年間で90億円を目標の一つとしています。
ただし、市況を見ながら案件の運用を行うので、数字を達成するために無理な募集や案件の組成をするというわけではありません。
一方で、投資対象となる案件を定期的にご提供していかないと、投資家の皆様にTREC FUNDINGを利用頂く意味薄れてしまうと考えています。
そのため、2ヶ月で1案件というペースを早めに達成することが目先の目標です。
そして、数億円規模の案件を精力的に提供していきたいと思っています。
投資家の方に伝えたいメッセージをお願いします!
(大島)当社の強みである流動性の高い首都圏の不動産への投資を手軽に体験できることがTREC FUNDINGの魅力です。
当社では、「不動産ビジネスの実績と信頼、トーセイと始めるクラウドファンディング」をTREC FUNDINGのキャッチフレーズとして謳っています。
これを見てTREC FUNDINGのことを調べた投資家の方が、キャッチフレーズの内容に納得して頂けるような案件を提供し、そして信頼を裏切らないように邁進していきます。
まとめ
TREC FUNDINGを運営する東証一部上場企業のトーセイ株式会社では、市況に合わせた多様な物件の取り扱いができます。
将来的には、投資家が自分でリスクをきちんと判断しながら投資対象を選べる不動産投資型クラウドファンディングサイトになるのではないかとクラウドアンサー編集部は取材を通して感じました。
そして、市場的に需要の高い不動産を扱うことで高い確率で家賃収入を確保し、その後は売買益も狙うことができます。
さらに、物件の運営やリノベーションのノウハウを有しているため、バリューアップしながら市況の変化に応じて柔軟に売却も行うことができることも特徴だと言えるでしょう。
コロナ禍における不動産の市況変化は未知数です。
しかし、トーセイ株式会社は戦後日本のさまざまな経済や市況の変化を乗り越えてきた実績があります。
つまり、ピンチをチャンスに変える術を熟知している不動産会社だと言えるでしょう。
コロナ禍でどんな不動産投資型クラウドファンディングに投資すれば良いのかわからないという方は、豊富な実績や経験を持つ、トーセイ株式会社のTREC FUNDINGへの投資を検討してみてはいかがでしょうか?
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