2019年に運営を開始したソーシャルレンディングサイトには、貸付ファンドのオンラインマーケットを謳うFunds(ファンズ)、そして在日外国人企業への融資案件を専門とするCOOL(クール)の2つがあります。
Fundsはさまざまな企業との提携を行い、その効果もあって順調に会員を伸ばしています。
一方で、COOLはサービス開始から早々にZUUにサイトを売却し、今後はZUU CROWDFUNDINGとしてソーシャルレンディングサイトの運営を行うとしています。
そういった動きの中、ロックハラード証券が運営する新規ソーシャルレンディングサイト「willcrowd(ウィルクラウド)」が2019年11月12日(火)から投資会員の先行受付を開始しました。
このwillcrowd(ウィルクラウド)がどのような特徴を持つソーシャルレンディングサイトになるのか、その内容を同社のサイトなどで確認してみました。
目次
ロックハラード証券の会社概要
出典:ロックハラード証券ウェブサイト
まずは、willcrowd(ウィルクラウド)運営元のロックハラード証券の概要を見てみましょう。
商号 | ロックハラード証券株式会社 |
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設立 | 平成12年7月 |
宅地建物取引業 | 東京都知事(2)第92155号 |
資本金 | 393,125千円 |
取締役会長 | 鈴木 壯治 |
代表取締役社長 | 西岡 正城 |
所在地 | 東京都中央区日本橋2-8-6 太陽生命ひまわり日本橋ビル4階 |
TEL | 03-3516-2100 |
加入団体 | 日本証券業協会 東京都宅地建物取引業協会 |
登録 | 第一種金融商品取引業 第二種金融商品取引業 |
登録番号 | 金融商品取引業者:関東財務局長(金商) 第 73 号 |
貸金業登録は行っていません。
不動産関係の事業登録を行っています。
willcrowd(ウィルクラウド)の特徴
出典:willcrowd(ウィルクラウド)
投資家の方がまず関心を持つことは、willcrowd(ウィルクラウド)ではどういった案件にどのような条件で投資できるのか、またその安全性はどうなっているのかといったところでしょう。
そこで、まずwillcrowd(ウィルクラウド)の特徴をピックアップしてみました。
案件の特徴①:運営元が証券会社である
ウィルクラドを運営するのは、ロックハラード証券という証券会社です。
ロックハラード証券は第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業登録を行っている事業者です。
第一種金融商品取引業登録を行う会社は、業務の監視体制、コンプライアンス、また資本力などにおいて、第二種金融商品取引業事業者より高い水準を満たす必要があります。
2019年現在、国内のソーシャルレンディング会社で証券会社が運営しているのは日本クラウド証券のCrowd Bank(クラウドバンク)、そしてSAMURAI証券のSAMURAIのみです。
willcrowd(ウィルクラウド)もこの2サイトと同様の水準での運営体制になっているといえます。
また、証券会社に在籍する金融のプロが見定めた、魅力のある投資商品を投資家に提供していくとしています。
案件の特徴②:短期中心で利回りは3%~8%
投資案件の利回りは、投資先を選ぶときに多くの投資家が最初に見る数字です。
willcrowd(ウィルクラウド)においては案件の年間利回りを3パーセントから8パーセントにするとしています。
この利回りは銀行預金や国債、社債などよりも高い数字であることはもちろん、既存のソーシャルレンディングサイトと比べても、決して引けを取る数字では有りません。
徐々に利回りが下がる傾向にあるソーシャルレンディング投資ですが、8パーセントの利回りともなれば、多くの投資家にとって魅力的な数字になるでしょう。
また、分配金の配当も毎月行うとしています。
一方で、小口投資可能、短期案件の運用としていますが、その具体的な数字はまだ明らかにはされていません。
案件の特徴③:投資家の安全性確保を念頭に置いて案件の提供を行う
ソーシャルレンディング投資においては、万が一の貸し倒れの際の資金回収をどのようにおこなうのかも重視される傾向にあります。
willcrowd(ウィルクラウド)では投資対象に対し、不動産や売掛債権等の担保を融資時に設定するとしています。
担保力や保全面を投資家のために重視し、案件自体も厳選していくとのことです。
また、回収が必要な場面になった時には、不動産を競売、任意売却、買取など様々な手段でできるだけ速やかに現金化し、かつ出資金の元本の可能な限り回収できるように注力しするとのことです。
案件の特徴④:会員登録や年会費は無料
willcrowd(ウィルクラウド)の会員登録は無料であり、年会費などに費用も発生しません。
willcrowd(ウィルクラウド)の融資スキーム
willcrowd(ウィルクラウド)ではどのような融資スキームを構築しているのか。その点も投資前に確認しておきたいポイントです。
同社の融資図を見ながら、スキームを確認していきましょう。
出典:willcrowd(ウィルクラウド)
このスキーム図を見る限り、案件の組成は第一種金融商品取引業登録者であるロックハラード証券が行い、貸付は関連会社のロックハラードレンディング株式会社(LHL)が行うことがわかります。
これは、クラウドバンクと同様のスキームです。
関連会社が貸付を行うことは、珍しいものではありません。
債務者は主に不動産事業者・不動産担保ローン事業者中心であり、その事業用資金を融資します。
LHLは債務者の決算書・財務諸表、事業計画書を見て融資の可否を判断し、貸付可能と判断したら、willcrowd(ウィルクラウド)のサイト上で募集が行われます。
そして、投資家から集めた資金が案件の成立必要金額に達したら、LHLは投資家からの出資金を原資に貸付を実行します。
その後、LHLが投資家に利息に基づいた分配を実施し、完済された後に最後の分配と元本を返済します。
また早期償還も起こりえます。
返済の滞納時に担保の競売や任意売却、保証人への保証履行請求、債権譲渡などを行い、回収額を増やすように努めるとのことです。
スキームは一般的なソーシャルレンディング会社とほぼ同じです。
まとめ
willcrowd(ウィルクラウド)は、第一種金融商品取引業事業者としての、信用性が大きな特徴です。
また、安全性の確保に努めながら、最高利回りは8パーセントと、高めの数字である点も期待できるでしょう。
一方で、その他の具体的な条件は案件が未定なだけに、十分判断できる材料は揃っていません。
融資先は他のソーシャルレンディング会社でも融資先となりやすい不動産関係の会社が中心であり、投資先事業の分散を行いたい人にとっては使い勝手が悪い側面もあります。
担保や保証を見てから判断したいという方は、まず会員登録を行い詳細な案件の条件や融資先を見てから投資の是非を決めていくと良いでしょう。
そのためにはまず無料会員登録を済ませる必要があります。
まずはwillcrowd(ウィルクラウド)のサイトを見て確認し、登録を行ってみてはいかがでしょうか?