不動産投資型クラウドファンディングサイトが増加している昨今、ユニークな特徴を持った不動産投資型クラウドファンディングサイトも登場しています。
2018年6月にサービスを運営した不動産投資型クラウドファンディングサイト「ハロー!RENOVATION」は、投資をしながら、町おこしに参加したい、古民家の再生などを行いたいという理念を持つ人の気持ちに応える、不動産投資型クラウドファンディングサイトです。
では、投資としての旨みはあるのでしょうか?
また、「ハロー!RENOVATION」の活動がどういったものなのでしょうか?
具体的なサービスについて紹介していきます。
目次
ハロー!RENOVATIONの概要
出典:ハロー!RENOVATION
ハロー!RENOVATIONは、「株式会社エンジョイワークス」が運営している不動産投資型クラウドファンディングサイトです。
株式会社エンジョイワークスの会社概要は次のとおりです。
エンジョイワークスの会社概要
社名 | 株式会社エンジョイワークス |
---|---|
代表者 | 福田和則 |
住所 | 〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-10-9 |
設立 | 2007年11月29日 |
資本金 | 100,000,000円 |
社員数 | 57名(パート・アルバイト含む)※2019年10月1日現在 |
許認可 | 不動産特定共同事業者[神奈川県知事第9号]
第二種金融商品取引業[関東財務局長(金商)第3148号] 宅地建物取引業[神奈川県知事(2)第28062号] 一級建築士事務所[神奈川県知事登録第16506号] 国土交通省PPP/PFI協定パートナー 住宅宿泊管理業者[国土交通大臣(01)第F00604号]※関連会社グッドネイバーズにて取得 |
会社の規模はそこまで大きいわけではありません。
2007年設立であり、ベンチャー企業に分類されるでしょう。
ハロー!RENOVATIONは、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと同じように不動産特定共同事業法によって運営されています。
そのため、小口での投資が可能です。
ハロー!RENOVATIONの特徴
他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと違い、ハロー!RENOVATIONはまちづくりに参加することができることが一番大きな特徴だと言えるでしょう。
投資家はハロー!RENOVATIONのサイトで、「投資型」「購入型」「寄付型」の3つのサービスに参加することができます。
投資型の特徴
投資型は、物件に対する収益を現金で受け取ることが可能です。
また、出資した元本の返済を受けることができます。
その他、一部のサービスにおいては、金銭以外の宿泊などのサービスを受け取ることもできます。
ただし、投資した物件の運営状況によっては、元本割れが発生したり予定通りの収入が得られないこともあります。
他社の不動産投資型クラウドファンディングサイトと同じ感覚で投資できます。
購入型の特徴
購入型は、提供された案件に関する物品やサービスを購入して、その案件内のプロジェクトを支援します。
金銭を受け取るのではなく、物品やサービスが自分のリターンです。
投資というよりも、支援的な側面が強いです。
CAMPFIRE (キャンプファイヤー)やREADYFOR (レディーフォー)のような、一般的なクラウドファンディングサイトに近いです。
寄付型の特徴
寄付型では、募金と同じように、そのプロジェクトに対して寄付を行います。
金銭や物品によるリターンはありません。
他の不動産投資型クラウドファンディングサイトでは、「購入型」および「寄付型」のサービスを提供しているサイトはほぼありません。
ハロー!RENOVATIONは投資家に対し金銭という収益を提供するだけではなく、町おこしのプロジェクトに参加することの意義を訴えかけています。
一般的な不動産投資型クラウドファンディングサイトでは、運営元の不動産会社が定めたプロジェクトに投資するだけです。
運営に対し、投資家が意見を出せる機会はありません。
しかし、ハロー!RENOVATIONでは、プロジェクトに対してどのような運営をしていくのか、建物のどのようにリノベーションをしていくかなどの提言も可能です。
運営会社から提供される案件に受け身で投資するのではなく、自分たちで作り収益を上げたいという意欲を持った方に向いているサイトだと言えます。
ハロー!RENOVATIONの良い口コミ・評判
ハロー!RENOVATIONの案件やサービスに関して、投資家はどのように感じているのでしょうか?
その評判や口コミをまとめてみました。
良い口コミ・評判①:まちづくりに積極的に参加できる
ハロー!RENOVATIONを利用する最も大きなメリットは、地方創生といったまちづくりにプロジェクトから参加できることだという声が多く聞かれます。
自分の故郷で活用されずに眠っている建物を再生し、それを町のランドマークにして街を活性化するといった形です。
一人の力ではなかなか実現できるではありませんが、ハロー!RENOVATIONを使えば、同じ意欲を持った人とのつながりを持つことができます。
多くの知恵とお金と使えば、街の再生も不可能ではないでしょう。
そのような活動に興味ある人にとって、ハローリノベーションは大変興味深いサービスです。
良い口コミ・評判②:利回りが高いものがある
ハロー!RENOVATIONの案件の利回りを見てみると、基本は3パーセントから5パーセントとなっています。
中には想定利回り8パーセントというかなり高い利回りの案件もあります。
ただ、高利回り案件は、あくまで運用が予定通り順調に推移した場合の数字です。
それでも、投資家に収益を与えようとしている点は評価できるでしょう。
利回り3パーセントから5パーセントという数字も、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと同水準の利回りです。
純粋に投資目的で利用するサイトとしても、検討に値する価値を持っています。
ハロー!RENOVATIONの悪い口コミ・評判
ハロー!RENOVATIONは、2019年10月現在1年半ほどの運営歴があります。
リスクやデメリットを感じる人はどのような点を見ているのでしょうか?
悪い口コミ・評判①:運用期間が長い
ハロー!RENOVATIONの案件は、2年から5年という長期案件がメインになっています。
長期間資金を拘束されることを、リスクと感じる人は多いようです。
運用途中での解約もできません。
悪い口コミ・評判②:配当が年1回しかない
ハロー!RENOVATIONの案件は、配当金を受け取るタイミングが年1回のみです。
ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングに比べると、配当の頻度が少ないです。
そのため、複利運用のための再投資がしにくいというデメリットがあります。
悪い口コミ・評判③:担保や保証が弱い
多くの不動産投資型クラウドファンディングでは、投資家の資産を守るために、優先劣後出資方式を採用しています。
優先劣後出資方式とは、運営する不動産が値下がりした場合、劣後出資した不動産投資型クラウドファンディングの運営会社が優先的に損失を負うシステムのことです。
しかし、ハロー!RENOVATIONではそのような取り組みがなされておらず、発生した損失は投資家が負います。
損失が発生する可能性は、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトより高いと言わざるを得ないでしょう。
悪い口コミ・評判④:まちづくりに興味がない人には魅力が薄い
ハロー!RENOVATIONは、自分での手でまちづくりに参加することに興味がある人を対象とした不動産投資型クラウドファンディングサイトです。
そのため、まちづくりに興味がなく、投資しか行いたくないという人にとってはそのサービスは逆に面倒に感じるかもしれません。
運営のための会議に参加したいと思わない、運営されるお店に行きたくない、宿泊施設に泊まりたいと思わない人にとっては、まちづくりに参加できるというメリットは、魅力どころか煩わしいだけかもしれません。
まとめ:ハローリノベーションの総評
不動産投資型クラウドファンディングサイトのサービス内容は、多くの事業者間で大差があまりありません。
しかし、ハロー!RENOVATIONはまちづくりに参加できるという独自の特徴を持った不動産投資型クラウドファンディングサイトです。
ただ、金銭的なリターンを求める投資を行いたいという人はあまり大きなメリットを感じず、寄付型クラウドファンディングへの参加などやりがいを求める人向けのサービスだと言えるでしょう。
もちろん、自分が企画から参加して高い収益性を発揮できるプロジェクトを作成することもできます。
プロジェクトの運営がうまく行けば、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトよりも高い利回りを得るとことも不可能ではありません。
どうしても手間はかかるため、手軽に不労所得を得たいという人にとっては魅力的に映らないかもしれません。
それでも、自分で事業を生み出す醍醐味を味わいたい方には、大いに利用する価値があるサイトです。
さまざまプロジェクトを見ながら、自分の出身地など興味がある案件を見つけられたら、一度参加してみるとおもしろいかもしれません。