投資をする目的は、お金を運用して増やすことです。
しかし、投資を始めたばかりで知識の少ない若者や高齢者を狙った詐欺は増え続けています。
「良い儲け話がある」「今すぐ始めれば絶対に稼げる」
このような投資の誘いがきたら、まずは疑うことが必要です。
この記事では、筆者自身が詐欺被害を受けた体験談を紹介しながら、よくある詐欺の種類や手口、見分け方までわかりやすく解説していきます。
詐欺に騙されないための参考にしてみてください。
目次
筆者プロフィール
筆者は、サラリーマン時代から行っていた事業と投資に成功し、脱サラした経験のあるフリーライターです。
フリーになった現在は、ライターとしてお金や投資に関する情報をインターネット上に発信しています。
脱サラを目指していたため、サラリーマン時代から新しいビジネスを行いさまざまな投資や事業の話を聞いて、挑戦をしてきました。
そのため、詐欺商品の勧誘を受けたり実際に騙されたりした経験が複数回あります。
この記事では、筆者が遭遇した詐欺の実体験を紹介すると同時に、詐欺の特徴や見抜くポイントまで解説していきます。
【体験談】こんな手口の詐欺に遭遇!
続いて、筆者が遭遇した詐欺の手口と、その際の状況を4つ紹介します。
体験談①:仮想通貨マイニング詐欺
仮想通貨投資は、ビットコインバブルによって2017年に大ブームを巻き起こした投資方法です。
その仮想通貨のマイニングという仕組みを利用した詐欺です。
マイニング詐欺は、仮想通貨の取引を記録するサーバーに出資すると、出資した金額に応じて配当金がもらえるというような内容でした。
「儲かるからやった方が良いよ」とこの詐欺を紹介してきたのは、筆者の母親でした。
なぜ、仮想通貨の知識ゼロの母親から詐欺の話が回ってきたのかというと、この投資をしてくれる紹介者を増やすと紹介した人も収益が増えるというマルチ商法だったことが理由です。
詐欺商品に1口20万円で投資すると、年利40パーセント以上の利益を得られるという破格な価格設定です。
よく作り上げられた資料でしたが、英語の資料ばかりで怪しいと感じたため筆者は参加しませんでした。
すでに資金20万円を預けて運用していた母親は、元本を回収する前に運営元が音信不通になるという最悪の結果に終わりました。
仮想通貨関連の詐欺は、日本国内ではなく海外の会社を利用した案件が多いという特徴があります。
運営会社が海外の場合、詐欺だとわかっても問い合わせもできず相談する人や公共機関もないため、泣き寝入りになる危険性が高くなってしまいます。
なんの努力もせずに、年利40パーセント以上の投資はあり得ないため、すべて詐欺だと思っておきましょう。
この詐欺のように、マルチ商法を利用して、投資についてよくわからない世代を巻き込んで被害者を増やす手口もあると知った体験でした。
体験談②:海外FXの自動売買詐欺
続いて、海外FX会社の自動売買ツールを利用した詐欺を紹介します。
海外で流行っている最新の自動売買ツールを使用すると安定して稼げるという内容でした。
「規制の厳しい日本ではなく、規制の緩い海外FXを利用した自動売買ツールに出資すると利益から配当金を毎月支払います」
これは筆者が詐欺師に言われた言葉です。
投資初心者だった筆者は、これで手っ取り早く稼げると思い、10万円を投資してしまいました。
最初の半年間程度は毎月1万円前後の配当金収入を得られていましたが、急に運営者とサイトがダウン、そのまま消えてしまいました。
結果的に、投資した10万円から回収できたのは4万円のみです。
今考えると、本当に自動売買ツールを開発していたのか、運用していたのかも不明確な内容でした。
FXの自動売買ツールは実際に誰でも利用できるシステムですが、仕組みを知らない人をターゲットにした詐欺に使われやすいです。
この詐欺に騙されてからは、自分の理解できないものにお金を払わないよう注意するようになりました。
体験談③:学生時代に騙された出資詐欺
続いて、筆者が学生時代に騙された出資目的の投資詐欺です。
大学でお世話になっていた先輩から、スポーツのできる大型施設を建てるために投資して欲しいと頼まれました。
「投資金額に応じて毎月1割程度の金額が2年間以上返ってくる」という内容でした。
信頼していた先輩からの誘いだったため、筆者は50万円を投資しました。
その1割の毎月5万円を2年間もらえる計算です。
しかし、その5万円の支払いは3ヶ月目で急にストップ。
4ヶ月目からは音信不通で関係者との連絡も途絶えてしまいました。
また、この詐欺には筆者だけではなく共通の友人も複数参加しており、借金をして投資を行っている人もいたため、大学も巻き込んで大きな問題となりました。
そもそも、投資先の大型施設がどこにいつ建つのかという詳細も知らないまま投資したことが最大の失敗でした。
知識の少ない大学生を狙った詐欺は、今も昔も増加しているので注意してください。
知識の少ない人は、怪しい話の勧誘を親や投資経験のある人に相談するだけで、詐欺に騙されるリスクを減らせるでしょう。
体験談④:簡単に稼げる情報商材詐欺
最後に、誰でも簡単にいますぐ5万円稼げるという情報商材を購入して失敗した体験を紹介します。
Twitterのダイレクトメッセージに「簡単に5万円稼げる情報に興味ありませんか?」というメッセージが届いたことから始まります。
その情報商材の金額は1万円だったため、安いと感じて興味本位で購入してみました。
購入すると、テキストファイルのみが送られてきました。
内容を確認すると、ネット通販で初回限定特別価格として販売されている商品を購入し、ネットフリマで転売して稼ぐ方法と対象商品のリストが2ページ分に分けて書かれていました。
これは確かに稼げる方法なのですが、通販サイト側で禁止されている規約違反です。
つまり、この情報によって一時的に稼げる可能性はありますが、通販会社から登録会社でブラックリストに登録されたり賠償請求されたりする危険性があります。
情報商材の購入者が後から被害を受ける可能性が高いため、詐欺だと言えるでしょう。
このように、「Twitter」や「Instagram」などのSNSを通じて、誰でも簡単に稼げる情報を販売する悪質な業者は増えているため注意してください。
よくある投資の詐欺の種類
「投資を行う目的は、自分の手持ちのお金を増やすこと」そう考えている投資家の方は多いでしょう。
さらに、投資するならできるだけ早くお金を増やしたいですよね。
そういった「お金をたくさん増やしたい」「お金を早く増やしたい」という、人の欲望につけ込んで他人を騙す詐欺師は昔から後を絶ちません。
そこで、ここでは投資詐欺の実例を挙げながら、そのような詐欺に騙されなくなるための対策をお伝えします。
よくある詐欺の種類
- 仮想通貨の詐欺
- 出資商品の詐欺
- 不動産投資の詐欺
- 未公開株の詐欺
- 疑似恋愛による詐欺
- 商品開発詐欺
種類①:仮想通貨の詐欺
2010年代後半に開発された投資方法の中で、もっとも知名度が高いものは「仮想通貨」でしょう。
仮想通貨は価値の変動が激しく、購入した仮想通貨が値上がりすれば莫大な利益を生み出せます。
それだけに、仮想通貨に関する詐欺が世の中に横行しています。
最も多いのが、「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)詐欺」です。
「新しい仮想通貨が出るから、早く購入すれば後々値上がりする。市場に流通する前に買っておいた方が良い。」詐欺師の口上はこのとおりです。
ICO詐欺では、このように市場で流通する目処が立つ前の仮想通貨への出資を持ちかけ、投資家から資金を巻き上げます。
しかし、投資家から資金を集めた後に仮想通貨が市場に流通しなかったり、流通したとしてもほとんど値がつかず、いつのまにか市場から消えてしまうのです。
仮想通貨には、ビットコインやNEMといったようにさまざまな種類があります。
それだけに、仮想通貨がどういった仕組みで取引されているのか、どのように流通・管理されているのか、詳しく理解している人は少ないのかもしれません。
仮想通貨に対する知識が不足している人が多いからこそ、騙される人が多く出てしまうのです。
種類②:出資商品の詐欺
「この商品を買えば、配当金が毎月もらえる。」高利回りを謳った投資商品の購入を勧誘するのが「出資詐欺」です。
出資詐欺は、昔からよくある詐欺の手法の一つです。
出資詐欺による被害者の増加や容疑者が逮捕された実例は、ニュースなどでもよく報道されるため、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
近年よくある出資詐欺の例としては、安愚楽牧場の肉牛出資詐欺があります。
これは、肉牛を購入して育て、売却金が投資家に配当されるとの名目で出資を募ったのものです。
しばらくは実際に配当が行われていたのですが、結局は肉牛の育成の失敗や売却がうまくいかなかったことから、投資家に対してお金が配当されなくなりました。
そして安愚楽牧場は倒産し、投資家は莫大な損失を被りました。
他には、最近の例にジャパンライフの健康器具の出資詐欺もあります。
「当社が販売する健康器具を購入して知人などに貸し出せば、高い配当金が得られる。」このような謳い文句で商品の購入を煽りました。
しかし、同社への出資は、いわゆる「ねずみ講」と同じ仕組みでした。
商品を借りた人間が別の人間に貸し出さない限り、利益が出ない仕組みになっていたのです。
購入した多くの人は、他人に貸し出すことができず価値のない健康器具だけが手元に残ったのです。
こういった詐欺においては、最初は配当があるため、投資した人が安心してしまうことが多いのです。
しかし、運営元の会社の資金繰りが窮したところで配当がなくなり、倒産。
その結果、多くの投資家が損失を被るという事態に陥っています。
種類③:不動産投資の詐欺
不動産投資においても、詐欺は頻繁にあります。
最も有名なのは「原野商法」であり、近ごろ多いのが「海外不動産詐欺」です。
原野商法
原野商法の謳い文句は「この土地は、開発計画によって何年後かに値上がりする」といったものです。
手口は巧妙で、価値のない山奥の土地を投資家に買わせます。
そして、そのまま業者が雲隠れしてしまうというものです。
購入者の手元には、価値のない山林の土地だけが残ります。
売ろうにも売れず、固定資産税を支払わねばならない状況になってしまうのです。
海外不動産詐欺
海外不動産にまつわる詐欺は近年増えています。
例えば、「東南アジアなどの発展が望める地域の不動産を買えば、物件が安いため高い利回りが得られる。人口も増えるので、収益性が安定している。」といったように、希望を持たせるような謳い文句を駆使して資金を集めます。
しかし、実際にはマンションの建築予定がなかったり、非常に安普請のマンションが建ち、満足な収益が得られない状況に陥ってしまうのです。
種類④:未公開株の詐欺
仮想通貨のICO詐欺に似ている手法が、未公開株式(IPO)に関する詐欺です。
「有望な会社があるから、上場前に株式を買っておけば、その後は大きく値上がりするので莫大な利益を得られる。」そういった謳い文句から、存在しない会社の株式を買わせるのです。
ホームページやパンフレットなどを作り、人を雇って仮のオフィスまで用意して投資家の信頼を得ようとするなど、用意周到な場合もあります。
そして、投資家から資金を集めた後、オフィスを引き払って業者はどこかへと消えてしまうのです。
未公開株式の詐欺自体は昭和の時代から存在しますが、平成から令和の時代に入って手法はより巧妙かつ狡猾なものになっているので注意が必要です。
種類⑤:疑似恋愛による詐欺
投資詐欺の手法として一風変わっているのが、疑似恋愛による詐欺です。
男性の顧客には女性の詐欺師を、女性の顧客には男性の詐欺師をあてがいます。
そして、恋愛感情を抱かせて商品を買わせ、その後雲隠れしてお金を騙し取るという手口です。
結婚詐欺では、「結婚後に2人で住むマンションが欲しいから、このマンションを買って欲しい」などと被害者に要求して高額なマンションを購入させます。
しかし、その後に詐欺師は姿をくらまし、連絡が一切取れなくなります。
それでもまだマンションが手元に残れば、そこまで被害は大きくならないのかもしれません。
ところが、恋愛詐欺ではマンションの売買契約すら結ばれず、手付金だけが取られてしまうことがあるのです。
つまり、初期費用としてお金をだまし取られマンションが手に入らないため、手元には何も残らないというわけです。
被害者に対して、経済的のみならず精神的に大損害を与える大変狡猾かつ卑劣な詐欺の手法です。
種類⑥:商品開発詐欺
出資詐欺に似ているのが、商品開発詐欺です。
架空の会社を用意し、「絶対に売れる商品を現在開発中だが、商品開発には多額の費用がかかる。商品が無事に市場に出れば、莫大な利益が得られる」といった謳い文句で個人投資家などから出資を募ります。
しかし、実際には商品は開発・発売されず、詐欺師は姿をくらましてしまいます。
そのため、投資家の手元には何も残りません。
将来的に「必ず値が上がる」などと謳う投資商品のリスクは計り知れないものがあります。
覚えておきたい投資詐欺の手口と見分け方
投資に関する詐欺には、共通点と似通った特徴があります。
そういった詐欺商品の特徴をしっかりと覚えていれば、詐欺師に騙されずに済みます。
ここでは、詐欺の特徴や見分け方についてお伝えします。
詐欺の特徴
- 利回りが異常に高い
- 元本保証を謳っている
- 海外へ投資することになっている
- 聞いたことのない投資商品になっている
- 「未公開」であることを謳っている
- 投資できるのが「今だけ」とアピールしてくる
- 数年後大幅に値上がりすると言ってくる
- 大手金融機関や政府系の名前を真似た社名になっている
詐欺の特徴①:利回りが異常に高い
詐欺商品の特徴として、どれも利回りが非常に高い点が挙げられます。
多くの詐欺商品は、年間利回りにして30パーセント以上です。
中には、年間利回り100パーセントから200パーセントなど、常識では考えられないような利回りを投資家に提示しているものあります。
健全な投資商品の利回りですが、投資信託やREIT(不動産投資信託)で年間3パーセントから5パーセントほど、不動産投資場合は投資商品によって異なりますが、リスクが低いものは年間の利回りで3パーセントほどです。
どんなに高いものであっても15パーセントほどです。
そのため、年利で30パーセントを超えるような利回りは、あまりにも非常識です。
あまりに高い利回りを謳う商品は詐欺の可能性が非常に高いです。
適切な利回りの相場を知っておきましょう。
他にも、配当が毎月支払われる約束だったにも関わらず、蓋を開けてみると数ヶ月後に配当されることが判明するという詐欺もあります。
投資家をいったん安心させた後に、投資家との連絡を絶ってしまうのです。
支払われなくなった後に連絡がついたとしても、「今月はたまたま遅れた。来月はしっかりと支払う」などと時間稼ぎをし、投資家からクレームを受ける前に雲隠れしてしまうのです。
詐欺の特徴②:元本保証を謳っている
「元本は一切減らずに、必ず利益が出る。」投資商品の中には、元本保証を謳っている商品があります。
しかし、日本の出資法において、投資商品で元本保証を謳うことは禁止されています。
つまり、そのような謳い文句を掲げる投資商品は、日本の法律に則って運用されていないことになります。
元本保証を謳う時点で、投資詐欺の可能性が非常に高いと判断できます。
詐欺の特徴③:海外へ投資することになっている
海外の不動産や海外発の仮想通貨を対象とした投資詐欺も、よくある詐欺の手法です。
ある意味で、日本人の外国に対するコンプレックスを逆手に取った詐欺だと言えます。
つまり、海外の先進国の不動産や仮想通貨は日本よりも品質が高く、値上がりは間違いないと思い込んでしまう投資家が非常に多いのです。
また、「人口が急激に増えて成長するので、発展途上国の不動産は将来的に値上がりする。」などと理詰めで語り、いかにも「それらしい」データを見せます。
しかし、経済成長は事実でも、発展途上国は日本ほど法律が整備されておらず、商習慣も違います。
ゆえに、詐欺に巻き込まれる可能性が日本よりも高いのです。
何よりも、海外の案件には言語の壁があります。
投資商品のことを詳しく調べたくても、調べられることに限界があることは少なくありません。
投資商品のことをよく知らない相手の無知につけ込み、詐欺商品を売ろうとするのです。
詐欺の特徴④:聞いたことのない投資商品になっている
仮想通貨詐欺に近い手法として、聞いたことのない投資商品を売ろうとする会社は詐欺の可能性があります。
専門用語を駆使して投資家の混乱を招き、「先進性があって画期的である」などと投資家に信じ込ませるのです。
しかし、海外案件の詐欺と同じく、よく理解できない投資商品を購入することは大変危険です。
人の無知につけ込むように投資商品を売ろうとする業者は、かなりの確率で詐欺師だと思った方が良いでしょう。
理解できない商品には、絶対に投資してはなりません。
詐欺の特徴⑤:「未公開」であることを謳っている
詐欺商品の特徴の一つに、「未公開だからこそのプレミア性」を謳うことがあります。
しかし、これも詐欺師にありがちな売り文句です。
「あなただけに未公開情報を教える」というのはウソです。
なぜ、相手はあなただけに未公開商品を売ろうとするのか考えてみてください!
未公開であるなら、自分たちで買い占めた方がよっぽど利益を独占できるのではないでしょうか?
結局は、投資家の購買意欲を掻き立てるために「未公開」「先行投資」「利益の独占」を謳っているだけです。
このような安直な謳い文句に引っかからないようにしましょう。
詐欺の特徴⑥:投資できるのが「今だけ」とアピールしてくる
未公開詐欺と似ているのが、「投資できるのは今だけ」などとタイミングを限定しているケースです。
これは、相手の判断力を低下させ買わせようとする手法です。
「今しかない!」「今投資しなければ利益は得られない!」などと伝え、相手の焦りを煽ります。
焦りは判断能力の低下を招きますが、コロッと詐欺商品を購入してしまう人は意外にも少なくありません。
焦りを食いものにするような人は警戒した方が良いでしょう。
詐欺の特徴⑦:数年後大幅に値上がりすると言ってくる
「今は値段が安いが、数年後には間違いなく値上がりする」ような投資商品を売ろうとする会社もあります。
しかし、将来値上がりするような保証なんてどこにもありません。
未公開詐欺と同じように、値上がりが確実であれば情報を持つ側が買い占めるのが当然だと思いませんか?
わざわざ他人に儲け話を教える必然性は、どこにもありません!
こういった投資の場合、「元本保証」をアピールする会社もあります。
こちらは、法律で禁じられているとお伝えしたとおりですね。
詐欺の特徴⑧:大手金融機関や政府系の名前を真似た社名になっている
詐欺会社の中には、社名に三井や三菱といった財閥系や大企業のような名前をつける会社があります。
これは、名前を聞いた人を「聞いたことがある会社だ」と錯覚させるためです。
財閥系や政府機関を錯覚させるような社名をつけ、投資家を信用させるのです。
また、パンフレットなどに政治家や芸能人と一緒に撮った写真を掲載し、信頼を勝ち取ろうとするのも詐欺師の常套手段です。
社名や有名人が利用しているというのは何の保証にもなりませんので、安易に信じないようにしましょう。
投資の詐欺の手口に騙されやすい人の特徴
これまで数々の投資詐欺の実例を挙げましたが、詐欺に騙されやすい人には共通点があります。
ここでは、詐欺に騙されやすい人の特徴を紹介しましょう。
騙されやすい人の特徴を知り、自分が当てはまる場合は騙されないように注意するようにしてください。
騙されやすい人の特徴
- 複数の角度から情報を集めない
- 人の話を聞き入れない
- 実態を確認しない
- 相手に情を持ってしまう
特徴①:複数の角度から情報を集めない
相手から言われた話を鵜呑みにする人は騙されやすいです。
もらった情報をさまざまな角度から分析する必要があります。
- 会社の情報は正しいのか
- 提示されたデータは公的な資料で確認できるのか
- 会社の運営実績はどれ程あるのか
- 他社と類似する投資商品がないか
こういった点を調べ上げてください。
大金を投資に回すのですから、念には念を入れてデータを確認し分析する必要があります。
面倒な作業を惜しむ人は、詐欺に引っかかりやすいですよ。
特徴②:人の話を聞き入れない
投資詐欺に遭いやすい人は、人の話を良く聞かないところがあります。
目の前にぶら下がった飴に目がくらんだ挙句、「こんな情報を他人にバラすのは損だ」と思い込み、一人で情報を抱え込んでしまうのです。
しかし、そのように偏向した情報の中には、投資に慣れた人であれば明らかに詐欺商品だと見抜ける場合があります。
特に、世間に知られていない投資商品の情報はなかなか集まらず、独善的に投資の妥当性に甘んじてしまいがちです。
他人が知らない投資商品だからこそ、他人のアドバイスを聞いた上で投資に値するのか、しっかりと判断するようにしましょう。
特徴③:実態を確認しない
詐欺商品の多くは、営業活動の実態や投資商品の実態がありません。
本当に投資対象の商品が存在するのかどうか、手間を惜しむあまり実態を確認する癖のない人は騙されやすいと言えます。
詐欺師は、まるで投資商品本当に存在しているかのように見せかけて資金だけを集めます。
そして、必要なだけ資金をせしめたところで姿をくらまします。
実態を確認できない商品は、投資を避ける方が無難です。
特徴④:相手に情を持ってしまう
詐欺師の常套手段として、高齢者に優しくして情に訴えかけ、詐欺商品を売りつける「浪花節」に似た手法があります。
「相手が良くしてくれたから、つい買ってしまった」こういった人は、詐欺師の格好の餌食です。
そのような薄っぺらな情にほだされて、投資の是非を見誤ってはいけません。
営業マンの悲喜こもごもの口ぶりやオーバーなジェスチャーではなく、すすめられた投資商品で「利益が出るかどうか」の一点をシビアに捉えるようにしましょう。
冷静な判断ができない人は、詐欺師のカモになる可能性が高いです。
相手をしてくれる人がほとんどいない高齢者は、話し相手になってくれるからという理由で、詐欺師を信じ込んで商品を購入してしまうことがあります。
恋愛に似た感情を相手に抱かせて高価な商品を売りつけたり、結婚を前提にして不動産を買わせたりするような詐欺師もまた、同様の手口でお人好しを毒牙にかけようとします。
では、詐欺師はなぜ情に訴えかけるのでしょうか?
それは、まったくと言って良いほど商品に魅力や需要がなく売れないからです。
利益が出る商品であれば、しつこいセールスをせずとも順調に売れるものです。
相手が熱心かつ執拗にセールスをかけるのか、しっかりと理由を考えてみてください。
投資での詐欺を見抜くポイント
投資での詐欺に騙されやすい人について知ったところで、詐欺師に騙されないようにするにはどういった点に注意を払えば良いのでしょうか?
詐欺を見抜くポイントは次の5点です。
それぞれ詳しく解説していきますね。
投資の詐欺を見抜くポイント
- 会社の実態があるのか確認する
- ネット上で口コミ・評判を探す
- 経営者の過去の経歴を調べる
- 法律に詳しい人に問題がないか確認する
- 金融庁のウェブサイトでチェックする
見分け方①:会社の実態があるのか確認する
会社の実態を確認することが最も重要です。
実態がない会社は、100パーセント詐欺と言っても過言ではありません。
会社名を検索し、次のような項目を調べてみてください。
調べるべき項目 |
|
可能であれば会社を実際に訪れ、オフィスを開設した時期や従業員数を聞いてみても良いでしょう。
もちろん、会社運営の歴史があるからといって、必ず安心できるわけでありません。
ただ、1年前に設立したばかりの会社よりも歴史のある会社の方が信用できるでしょう。
見分け方②:ネット上で口コミ・評判を探す
インターネットが普及して、スマホやパソコンで簡単に情報を収集できるようになりました。
そのため、会社の口コミや評判、詐欺の履歴についても比較的簡単に手に入ります。
今、ご自身が手を出そうとしている投資は真っ当なものでしょうか?
似たような詐欺の事例が過去に実在するケースもあるので、投資の前には必ず、ネットで口コミなどを検索し、会社の評判をチェックするようにしましょう。
過去に詐欺に騙された人、その人を担当した弁護士が投資詐欺の実態を広めるために作ったホームページがある場合もあります。
また、消費者センターなどを通して、自治体や官公庁が詐欺の実態を知らせるために用意したサイトもありますよ。
見分け方③:経営者の過去の経歴を調べる
投資先企業の経営者の経歴も、必ずチェックしましょう。
問題のある経営者は、何度も会社をたたみほとぼりが冷めたころに新しく商売を始める傾向にあります。
ただ、名前を変えているケースもあるため注意が必要です。
見分け方④:法律に詳しい人に問題がないか確認する
可能であれば、会社がアピールする投資について法的な問題がないか法律に詳しい人の判断を仰ぎたいところです。
例えば、投資会社がネット上で資金を集めるのであれば、「第二種金融商品取引業登録」が必要です。
また、貸金事業を行うためには「貸金業登録」が必要です。
このように、免許の取得の有無や投資前に交わす約款、投資に関する同意書などの内容に法的な問題がないかを確認するのです。
投資商品の販売が訪問による場合、1週間はクーリングオフが可能です。
クーリングオフの記載がない投資商品は、それだけで詐欺だと言えます。
また、投資を募る場合は、パンフレットやホームページに電話番号など会社の連絡先を記載する義務があります。
基本的な情報の開示が行われていない会社は、詐欺の可能性が非常に高いでしょう。
見分け方⑤:金融庁のウェブサイトでチェックする
投資家から資金を集めて運用するには、金融庁への登録が必要です。
投資商品を提供する会社が金融庁に登録しているか否かを調べるには、金融庁のウェブサイトで登録番号などをチェックすると良いですよ。
金融庁に登録がない会社は非合法の業者であり、詐欺を行う可能性が高いと言えるでしょう。
投資での詐欺を疑った際の相談先
もし、投資商品の話を聞いて詐欺の可能性が高いと思ったときは、速やかに適切な機関に連絡してみてください。
詐欺を疑った場合に相談できる2つの公的機関を紹介しますね。
相談先①:金融サービス利用相談室
「金融サービス利用相談室」は、金融庁が運営する組織です。
金融関係のサービスに関する疑問やクレームなどを伝えることで、運営会社に対して適切な処置が取られます。
メールで問い合わせることもできますし、ホームページには電話番号やFAXも記載されています。
気になった場合は、金融サービス利用相談室に相談すると良いでしょう。
相談先②:消費者ホットライン
消費者ホットラインは、消費者庁の認可を受けた独立行政法人消費者センターが運営する組織です。
消費者として不利益を被った生活上の事例について相談することができたり、投資に限らず日常生活で被ったトラブルを気軽に相談できます。
電話番号は「188」ですよ。
まとめ
投資の詐欺について、具体的な事例、詐欺の特徴と見分け方、騙されやすい人の特徴についてお伝えしました。
お金は、人の目を曇らせ欲望をかき立てます。
お金儲けの手段として詐欺商品を売りつけようする輩は、古今東西、今も昔も後を絶ちません。
情報技術の発達によって詐欺の手法はさらなる発展を見せ、より巧妙・狡猾になっています。
そのような投資商品に騙されないための基本的な心構えや対策は、昔から変わりません。
さまざまな人に話を聞き、よく情報を調べ、自らの頭で冷静に考える、そしてまずは疑ってかかることです。
近ごろ詐欺的な投資商品の相談が急増しています。
美味しい話には必ず裏があるものです。
あまりにも高い利回りを謳う商品は、詐欺の可能性が高いと心得ましょう。
投資のイロハを学んで一人前になりたいのであれば、投資初心者はまず一般に知られた投資方法から始めた方が賢明です。
こちらで紹介しているように、初めての投資としておすすめされているようなものから始めてみてはいかがでしょうか?