不動産投資の中でも比較的高い利回りを確保しやすいと言われるのが「アパート」の経営です。
その理由は、アパートはマンション物件よりも固定資産税が安く、またエレベーターなどの設備もあまりないため、ランニングコストを安くできるからです。
しかし、そんなアパート経営も、油断をすると思わぬ失敗を招くことがあります。
アパート経営の失敗を防ぐためには、どういった点に力を入れておけば良いのでしょうか?
アパート経営における失敗とは
アパート経営における失敗とは、「ローンを返済できずに物件を手放さざるを得ない状況に陥ること」や「収入以上の支出が発生してしまうこと」です。
投資である以上、運営しても利益が出なければすなわち「失敗」だと言えます。
たとえ満室経営ができていても、家賃収入だけでローンを返済できない事態に陥ってしまえば、それは損失が発生しているのも同然で失敗を意味するでしょう。
逆に、手間がかかっても多くても家賃収入が支出を上回っていれば、所有していても大きなリスクにはならず失敗ではないと言えます。
そこで、アパート経営を行いながら収入がローンの返済と各種の支出を上回る状態を維持していくためのポイントを説明していきましょう。
アパート経営で失敗するとどうなる?
アパート経営で失敗してしまうと、どのような事態に陥ってしまうのでしょうか?
損失の大きさによっても異なりますが、最悪の場合は自己資産の大半を失ってしまい地獄を味わう可能性があります。
では、どういった事態に陥るのかについて解説していきましょう。
ケース①:他の収入や貯金からローン返済しなければならなくなる
毎月数万円ほど支出とローン返済が収入を上回り、赤字が発生しているケースです。
この場合は、給与や他の収入からアパートの赤字分を補填し、アパートを維持していくことになるでしょう。
一時的にこういった状態に陥ることは、決して珍しいことではありません。
修繕して入居者が入る見込みがあれば、一時的に耐えることも必要です。
しかし、慢性的に赤字の状態が続くのであれば、そのアパート経営は所有するメリットがないので手放すことを検討した方が良いでしょう。
ケース②:アパートを売却せざるを得なくなる
アパートを運営して毎月の赤字が10万円以上にのぼれば、他の収入から赤字を補填することが難しくなります。
アパートは不動産ですから、所有しているだけで「固定資産税」が必ず課せられます。
毎月多大な赤字を生み出すアパートを所有し続ける意味はまったくないと言えるでしょう。
それだけの負担になると、修繕やリフォームを行っても黒字になる可能性自体が低いです。
そういった場合は、すぐにでも手放した方が良いのです。
すでにローンを支払い終わっていれば、手放すことは難しくありません。
赤字が拡大する前に相場よりも安くしてでも売ってしまった方が賢明です。
また、ローンを借りていたとしても、ローンの残金を売却価格が上回っていれば、ローンを貸した金融機関も売却を許可してくれるため、手放すことができます。
ケース③:自己破産しなければならなくなる
赤字アパートの所有で一番の問題は、売却価格がローンの残金を下回った場合です。
また、空室ばかりのアパートは、売ろうとしても誰も買い手がつかずに購入してくれないケースもあります。
その場合は自分の資産を処分し、ローンを返済しきれない分を補います。
さらに、自分の資産をすべて処分してもローンの残債を返しきれない時は、自己破産を選択せざるを得ない状況に至るかもしれません。
自己破産とは、裁判所に申し出ることで借金の免責が受けられる仕組みです。
社会的な救済制度の一つですが、自己破産を行うといったんは自分の資産の大半を失うことになります。
また、信用情報に傷がつき、新規の借り入れなどが一定期間できなくなります。
借金がなくなるメリットはありますが、生活の立て直しに時間がかかってしまうため、ペナルティは小さいものではありません。
自己破産とともに一家が離散するケースも少なくはありません。
このような事態を防ぐためには、アパート経営で家賃収入がローンの返済額と支出の額を上回る状態を維持しなければなりませんし、赤字が発生した場合でも速やかに売却できるようにしなければなりません。
【体験談】アパート経営において地獄を味わった失敗談
ここでは、筆者のアパート経営における信じられないような失敗談をお伝えしたいと思います。
「そんな大げさな」と思われるかもしれませんが、これを他山の石として学ぶことで、地獄を味わうような事態を避けるよう心がけてください。
不動産投資家の筆者のプロフィール
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年齢:45歳(男性)
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給与収入:650万円(退職時)
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不動産収入:1,600万円(退職時:750万円)
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不動産投資歴:7年
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所有物件:
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ワンルームマンション×3部屋
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一棟アパート×3棟(合計24部屋)
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戸建て×3軒
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ワンルームマンションの購入から不動産投資を始め、その後一棟アパートと戸建てを購入、ワンルームマンションは売却も経験しています。
所有物件の場所は、東京都内(23区)と、神奈川県と埼玉県の東京に隣接する市です。
失敗談①:入居者が失踪し、部屋の中を見たら荒れ放題だった
昨今、中国などからの外国人留学生が増加しています。
そういった言葉の壁があったり、収入によって部屋を借りられなかったりする人に優先して部屋を貸していたことがありました。
社会貢献の一環にもなりますし、大学生であれば収入が手堅いだろうと思っていたのです。
しかし、それは大きな間違いでした。
中国人留学生が入居したのですが、入居後1年ほどで失踪してしまったのです。
連絡が取れないため勝手に部屋に入ることもできませんでした。
3ヶ月ほど連絡が取れなかったため契約を解除し部屋の中に立ち入ったのですが、なんと部屋の中は荒れ放題。
壁紙や床が汚れ、全体的に大幅にリフォームをしなければ再度貸し出すことができない状態でした。
家賃保証会社に入っていれば、そういった修繕費の保障が受けられます。
しかし、当時筆者は家賃保証会社を利用していなかったため、結局は自己負担で修繕する羽目になってしまったのです。
家賃収入を得るどころか、大幅なマイナスになってしまいました。
失敗談②:ペット飼育可能物件にしたら多額の修繕費が発生した
最近は、入居者確保のために「ペット飼育可能物件」にする部屋が増えています。
そこで問題となるのが、ペット対策のための設備の設置や壁や床の交換を行わないまま安易にペット飼育可能物件にしてしまうことです。
小型犬や猫でも、爪や牙によって部屋中に傷がつくことがあります。
筆者の場合、ペット対策を行わずに猫を飼っている人に部屋を貸し出してしまいました。
そのため、退去時には部屋中にたくさんの傷跡がついていました。
その修理費や塗装のため、なんと50万円以上の修繕費用がかかってしまったのです。
敷金は1ヶ月分だけ多く受け取っていたのですが、とてもそれだけでは賄えないような多額の修繕費がかかってしまいました。
ペット飼育可能物件にする場合は、傷がつきにくい床材に変えることが必要です。
失敗談③:高齢者の入居者を入れたら孤独死が発生した
70代の年金暮らしの人を入居者として入れていたことがありました。
年金が支給されているので一定の収入が見込めるため、家賃の支払いが安定すると思っていました。
ところが、どうやら持病があったらしく、夏に部屋の中で孤独死してしまったのです。
隣りの部屋の方が異臭に気づき警察に通報して発覚したのですが、その後処理が大変でした……。
部屋のクリーニングにお金がかかったことはもちろん、警察が部屋に来たことでアパートの住人もそのことを気にして、続々と退去してしまったのです。
高齢者の方に部屋を貸し出すことは孤独死のリスクがあるため、こまめに管理会社に頼んで入居者の状態をチェックすることが重要です。
今は孤独死保険に入るようにしていますが、孤独死が発生して事故物件になると、通常の運営に戻せるようになるまでには時間がかかります。
入居者の状態を管理することは、大家の務めと言えるでしょう。
アパート経営における失敗例
先に挙げた体験談は、筆者の具体的な失敗例です。
ここでは、やや特殊な失敗例だけではなく、誰にでも起こり得るようなより一般的な失敗例を7つ挙げていきます。
よくある失敗談だけに、これらには十分注意しておく必要があります。
失敗例①:建物の立地が悪く入居者が入らない
失敗として起こりやすいのが、アパートの立地が悪く入居者が入らないことです。
その場合、空室を埋められず家賃収入が見込めません。
不動産の価値は、立地に等しいと言っても過言ではありません。
特に、今の日本は若者が減って地方では人口の減少が進んでいますから、立地が悪い場所にあるアパートにはほとんど人が入らないことも考えられます。
都心であれば「駅徒歩10分以内」、地方であれば「国道沿い」など、交通の便が良い場所の物件を購入するようにしましょう。
価格が安いからと駅から徒歩20分などのアパートを買ってしまうと、借りてくれる人を見つけることは大変難しいです。
また、立地の悪い場所は土地の価値もどんどん下がりますから、売ろうと思ってもなかなか売れるものではありません。
手放すことすら難しくなってしまいます。
失敗例②:建物の見た目が悪く入居者が決まらない
不動産投資初心者の方は、価格の安い物件につい目を向けがちです。
しかし、そういった物件の大半は、築30年や築40年の中古物件です。
古い物件は、新築や新しい物件に比べて入居者が入りにくいです。
確かに価格は安いのですが、築年数相応に見た目が汚れているものが多いです。
そういった古い物件の場合、不気味な雰囲気が漂い安全性に不安を感じる人も少なくありません。
特に、女性からは避けられる傾向にあります。
安いからといって、建物がみすぼらしく、とても住みたくないような雰囲気の物件を買ってしまうことはやめておいた方が良いです。
自分で「住みたい」と思えないところは、他の人にとっても住みたいと思えるところではないのです。
失敗例③:入居者が決まってもすぐに退去してしまう
せっかく入居者が決まっても、すぐに退去してしまっては収益率が大幅に低下してしまいます。
一度入居者が決まれば2年間は住んでくれるものと計算したいところですが、3ヶ月や6ヶ月と短期で退去してしまうと大幅な減収になります。
空室期間が発生するだけではなく、修繕費や仲介手数料、広告費などの支出が発生するからです。
一度入った入居者には、できるだけ長く住んでもらえるような対策を講じる必要があるでしょう。
退去の理由としては、他の住人との人間関係であったり、オーナーがクレームに対応してくれないなどの理由があったりします。
住民間のトラブルを防ぎ、また住人が部屋に不満を感じることがないように心がけておく必要があります。
失敗例④:地震や火災などで大きな被害を受けて修繕費がかかる
自然災害などで建物が深刻なダメージを負ってしまうと、そこに人を住まわせることができなくなってしまいます。
その結果、賃貸物件としての運営が不可能になり、アパートの運営を断念せざるを得ない状況に陥ることもあるのです。
しかし、自然災害がいつ発生するのかは、誰にもわかるものではありません。
特に、日本は地震や台風などの自然災害が発生しやすい災害大国です。
そういった自然災害の被害を一度でも受けてしまうと、建物を直すために莫大な修繕費がかかりますし、修繕中は人に貸すことができずに収入が減少します。
自然災害のリスクは、特に大きなリスクだと言えるのです。
失敗例⑤:毎月の返済額が大きく少しでも空室が発生すると「返済>収入」になる
毎月のローンの返済額が収入に対する割合を示す指標として、返済比率があります。
例えば、家賃収入が30万円で毎月のローンの返済額が15万円の場合は、次のように計算されます。
- 返済比率=15万円÷30万円=50%
返済比率は50パーセントです。
返済比率が高い場合は、退去が少しでも発生すると、あっという間に毎月の収入がマイナスになる可能性があります。
このような状態では安定した収入を得ることができませんし、すぐ赤字になってしまうため、他に収入源がない場合は手放すことを検討せざるを得ない状況に追い込まれてしまうのです。
ローンの借入額が多い人ほど、こういったリスクが大きくなってしまいます。
失敗例⑥:節税目的に安易に購入してしまう
「アパート経営は節税に役立つ」と謳う不動産会社があります。
不動産は「減価償却」という支出を伴わない経費を計上できるからです。
また、給与所得(サラリーマンの給料など)との「損益通算」ということが可能で、簡単に言えば不動産投資が赤字になった場合、所得税や住民税から還付を受けることができるということです。
ただし、この「節税」だけを目的に不動産を買ってしまうことは、大きなリスクを伴います。
給与所得から還付が受けられると言っても、不動産投資を行う本来の目的は収入を得ることのはずです。
節税だけが目的となっていて、アパート運営で赤字が発生し続けては、不動産を持っている意味がありません。
結局は、マイナスのキャッシュフローを生んでいるだけです。
失敗例⑦:サブリース契約を結んでしまう
近年における不動産投資の失敗例としてよく挙げられるのが、サブリース契約です。
サブリース契約とは、不動産会社に自分の所有するアパートを一棟ごと貸し出し、一定額の手数料を支払うことで毎月の収入を保証してもらうシステムです。
空室が出ても家賃収入が保証されるため、一見大きなメリットがあるように映ります。
サブリース契約は、新築アパートの建設に付随するオプション契約として提供されます。
ここに大きな罠があるのです。
サブリース契約とセットで建てる新築アパートの建築費は、通常の相場よりも高い建築費が取られます。
例えば、1億円で建てられるようなアパートが1億5,000万円になったりします。
また、家賃保証があると言っても、2年ごとに家賃の額が見直されてどんどん下げられるケースが多いのです。
そして、「5年後や10年後に修繕を定期的に行わなければ、契約を破棄する」などの契約破棄に関する条項が盛り込まれたりします。
この定期的な修繕工事で、多額の出費が強いられるのです。
サブリース契約を行った結果、家賃がどんどん下げられ、毎月のローンの返済額が収入額を上回ってしまうという不都合が発生してしまいかねません。
他にも、契約を解除しようと思っても違約金を支払わなければ解除できないといった場合もあります。
サブリース契約にはたくさんの罠があることを知っておきましょう。
この他にも、もっと詳しくリスクを知りたいという慎重派の方は、こちらにも目を通しておいてください。
アパート経営で失敗しないためのリスク対策
それでは、先ほど紹介した失敗例を参考にして、失敗を防ぐにはどういった対策を立てれば良いかについて説明しましょう。
不動産投資は何百年も歴史がある投資だけに、リスク対策もしっかりと確立されています。
これからお伝えする対策を知っておけば、致命的な失敗を避けることは可能です。
リスク対策①:10年後・20年後を見越して建物の立地を検討する
不動産の収益を安定させるために最も重視するべき要素は、物件の立地です。
駅の近くにあったり、人口が増えるエリアに建ったりする物件であれば、10年後や20年後でも安定した居住の需要が見込めますし、売りたくなったときにも高く売ることができます。
見た目の利回りが良い、または単純に価格が安いからと安易に立地が悪い物件を購入してしまうと、不動産経営に大きな支障をきたす可能性が高くなります。
自治体が発表する人口動態や鉄道会社などの鉄道延伸計画などから、10年後や20年後でも確実に居住の需要が見込めるエリアにアパートを購入しましょう。
リスク対策②:建物のデザインや設備は現地で入念にチェックする
物件の状態を確認するためには、インターネット上の情報だけではなく現地に行ってさまざまな箇所をチェックすることが重要です。
入念にチェックし見た目や設備に問題がなければ、多額の修繕費を掛けることなくアパートを経営することができ、キャッシュフローが良くなるでしょう。
現地でアパートを見て第一印象が悪い物件と思った物件は、入居者からも選ばれないものです。
また、外壁塗装や屋根塗装を自分で行うにしても、費用をそれほどかけずに行うことができるのか、非常に大掛かりな工事になるのかは現地でしっかりと確認しましょう。
現地ではまず目につきやすい外観のチェックを行い、排水管や雨樋、郵便受けや照明などの設備の状態もチェックしましょう。
余裕があれば、建物周辺の環境や雰囲気などもチェックしておいた方が無難です。
購入後に莫大な修繕費が発生を防ぐためには、現地での念入りな調査が必須です。
リスク対策③:良い管理会社を選ぶ
好立地かつ良い状態の建物であれば、100パーセント確実に入居者は入るのでしょうか?
そういうわけではありません。
家賃収入に直結するのが、客付けを行う管理会社の能力です。
そのため、入居者を決めるノウハウを持つ管理会社を選ぶことも重要です。
そして、客付けの能力があるだけではなく、入居者のサポートを迅速に行ってくれることも重要ポイントです。
クレームへの対応力があれば入居者も決まりやすく、長期間入居してもらうことが可能です。
はじめは評判などをもとに不動産管理会社を決め、もし能力が足りないと感じられたら別の不動産管理会社に変更し、優秀な管理会社を探していくと良いでしょう
リスク対策④:ケチらず十分な保険に加入する
自然災害のリスクを避けるためには、まず災害に遭いにくい場所の物件を購入することが重要です。
しかし、何事も予測不能の事態は起こり得るもの。
災害によって予測以上の修繕が必要な被害を受けたときの対策として、十分な補償が受けられる火災保険に入っておくことが重要です。
火災保険に入っていれば修繕費を受け取ることができますし、修繕工事を行うことで築古物件を新しい物件にリニューアルできるのです。
年間で10万円ほどの保険料がかかったとしても、被災時に数百万円単位の保険金が受け取れるのであれば、コストパフォーマンスは決して悪くないでしょう。
それよりも、火災保険や地震保険に入らずに修繕できないほどの致命的な損害を受けてしまう方が、結果的には失敗につながります。
十分な補償が受けられるだけの保険に入っておけば災害リスクにも対応できます。
リスク対策⑤:良い条件で融資を受けられる物件を選ぶ
毎月のローンを返済できないという返済リスクを下げるためには、毎月のローン返済額を抑えることが重要です。
そのためには、金利や返済期間などの条件面で有利な融資が受けられる金融機関を探すようにしましょう。
例えば、返済期間が25年間で3,000万円の融資を受けた際の金利が2パーセントと3パーセントの場合を比較してみましょう。
月々の返済額は次のとおりです。
- 金利2%の場合:127,156円
- 金利3%の場合:142,263円
15,000円も違うことがわかりますね。
「同じ融資額だから毎月の返済額はそれほど変わらないだろう」と思っていても、融資の条件次第では金額はまったく異なります。
また、2.5パーセントの金利で3,000万円を「20年間」で借りた場合と「30年間」で借りた時でも、月々の返済額は大きく異なります。
- 20年間の場合:158,970円
- 30年間の場合:118,536円
なんと、毎月の返済額は4万円も違います。
返済リスクを下げるためには、極力「返済金利」を低くし「返済期間」を長く設定することを意識する必要があります。
金利が良い条件で融資を受けるためには、まずはさまざまな金融機関で融資を申し込んで交渉を行うと良いです。
金融機関は、建物の収益性や状態をチェックして融資の期間を設定します。
新しい物件の方が、返済期間は長く設定されます。
対して、木造物件で築30年を超えているようなアパートでは、なかなか長期間の融資は難しいです。
ただし、利回りを十分に確保できるような、収益性が高い物件であれば、木造築古物件でも良い条件で融資してくれることがあります。
融資を受けるためには、良い物件を探すことが重要なのです。
リスク対策⑥:節税ではなくキャッシュフローを重視する
節税の効果があるからといってアパートを購入したところで、結局のところ支払う税金を減らすだけに過ぎません。
つまり、自分の収入を増やすことにはつながりません。
「不動産を買って30万円の節税効果があった。しかし、不動産経営の方では50万円の赤字になった。」
これでは本末転倒で、まったく意味がないことは自明の理ですよね。
しかも、節税効果が見込めるのは、「不動産取得税」や「登録免許税」などの支出が多い物件購入後1年目から2年目のみです。
単体で黒字が出ない物件を持っていても、節税効果はほとんど生まれないばかりか、支出が増えるだけです。
それよりも収益性が高く、毎月きちんと手元に現金が残る不動産物件を購入するようにしましょう。
リスク対策⑦:サブリース契約は結ばない
基本的に、サブリース契約は結ばないようにしましょう。
サブリース契約は収入が安定する良い契約に思えるかもしれませんが、結局は割高な建築費と割高かつ定期的な修繕費を支払わされるだけです。
では、なぜサブリース会社はサブリース契約を持ちかけてくるのでしょうか?
それは、自社に利益が出さなければならないからです。
不動産投資家のためではないのです。
サブリース会社はサブリース契約手数料以外にも、高い建築費を持ちかけて建築時点で利益を出そうとしてきますし、高額な修繕工事でも利益を出そうとしてきます。
サブリース契約は、基本的に新築物件の建築とセットです。
しかし、新築物件であればサブリース契約に頼らずとも安定した収入を確保することは可能です。
また、安易にサブリース契約を結んでしまうと自分で客付けを行わないため、大家としての能力を高めることができません。
結局は、自分でアパートを運営できる能力を身につけることこそ、不動産分野で失敗しないための一番のリスク対策につながるのです。
まとめ
アパート物件は利回りが高いものが多いため、ついつい不動産投資の初心者が安易に手を出しがちです。
しかし、物件の立地条件や建物の状態を確認しないでアパートを購入してしまうと、思いがけないリスクを背負う可能性が高くなります。
そうなると、最終的に経営に失敗して物件を手放してしまうことも多いです。
不動産投資はきちんとノウハウが確立されている投資ですし、利益が出た人と同じことをすれば、きちんと利益が出る「成功の再現性」が非常に高い投資方法です。
つまり、勉強すればきちんと利益を出すことができるのです。
そのためには、先輩大家などの意見や体験談をよく研究し、「失敗をしない方法」をよく知って実践していきましょう。
こちらでは、筆者が不動産投資を通して独立に成功した体験談を余すところなくお伝えしています。
筆者のように成功したい方は、後に回さずいましっかりとチェックしてください。