2019年9月25日(水)、ロードスターキャピタル株式会社が運営するソーシャルレンディングサイト「Owners Book(オーナーズブック)」から投資家に対し、投資用資金の管理を変更するという内容のメールが送られました。
その背景にある第二種金融商品取引業協会からの要請、またオーナーズブックが対応した理由を確認してみましょう。
オーナーズブックの投資家資金はロードスターキャピタルの管理に変更
従来、OwnersBook(オーナーズブック)では投資家の資金をロードスターファンディング株式会社が管理していました。
しかし、2019年10月3日(木)以降は、「ロードスターファンディング株式会社」ではなく、「ロードスターキャピタル株式会社」へ投資家預り金の分別管理をしている口座が譲渡されます。
また、それに伴い、3ヶ月以上マイページへログインしていない投資家、また投資口座への入金がない投資家の資金は個人口座に払い戻しされます。
なお、この場合の資金の払い戻し手数料は投資家負担です。
メールでは次のように記載されています。
①預かり金の分別管理をしている預金口座(投資口座)を、ロード
スターファンディング株式会社(LDF社)からロードスターキャ ピタル株式会社(LDS社)に移管(譲渡)いたします。
②今後、3ヶ月以上マイページへのログイン又は投資口座へのご入金がないお客様に対して、預かり金全額を払戻しいたします。 【①投資口座の移管(譲渡)について】
2019年10月3日以降、OwnersBookへのお客様専用の振込用口座(投資口座)の受取人名義が変更となります。
・変更前:ロードスターファンディング(カ)オーナーズブックグチ
・変更後:ロードスターキャピタル(カ)オーナーズブックグチ
変更後のお客様の投資口座情報については、2019年10月3日の正午以降、マイページの投資口座画面にてご確認いただけます。
この変更に伴い、投資家側では個人口座上で振込先登録している場合、受取人名義の変更を行う必要があります。
また、マイページから払い戻しを行う際の名義は「ロードスターファンディング株式会社」ではなく、「ロードスターキャピタル株式会社」から振り込まれます。
口座管理の変更の目的と理由
投資家目線になると、OwnersBook(オーナーズブック)がなぜこのような口座管理の変更を行ったのかが気になるところでしょう。
その理由に関して、ロードスターキャピタル株式会社では、次のように説明しています。
これまでOwnersBookでは、LDF社にて預かり金専用の
銀行口座を開設し、お客様からの預かり金を他の金銭とは厳格に分 別し、口座上及び帳簿上の管理を徹底してまいりました。 しかし、当社(LDS社)の所属する一般社団法人第二種金融商品
取引業協会(二種業協会)より、 2018年10月に預かり金の預託について、以下のコメントが発 表されたため、その指導に従い今般の変更を行うこととしました。 ①実際に投資を行う事業者(OwnersBookの貸付型案件に
おけるLDF社)ではなく、投資の募集業務を担う第二種金融商品 取引業者(OwnersBookにおけるLDS社)がかかる預か り金の預託を受けること。 ②預かり金の預託を受ける場合には、少なくとも3ヶ月に一度お客
様の投資意思を確認する必要があり、確認できない場合には速やか に預かり金を払い出す必要がある。
つまり、第二種金融商品取引業協会の意向に従った変更です。
- 第二種金融商品取引業事業者が自社で資金管理を行うことが適切である
- 預り金をデポジット用の口座に預け入れておくことに問題がある
この2点を第二種金融商品取引業協会では問題視しています。
これは第二種金融商品取引業登録を行っていない事業者での問題の多発と、倒産時のデポジット口座資金の管理問題が起こりうることを想定した指導と言えます。
他のソーシャルレンディング業者でも、今後このような措置が取られる可能性は高いでしょう。
また、今回の口座変更に伴い、ロードスターキャピタル株式会社とロードスターファンディング株式会社の取引に関する書面が一部変更されています。
- OwnersBook取引約款
- 投資口座開設に当たっての重要事項説明書
- 電磁的方法による書面の提供及び電磁的方法による提供に対する
同意書
気になる方は確認をしておくと良いでしょう。
まとめ
OwnersBook(オーナーズブック)は、いち早く第二種金融商品取引業協会の指導に従った口座管理に関する変更を行いました。
これはロードスターキャピタル株式会社のコンプライアンスの高さの現れとも言えます。
また、筆者が聞いた話では、第二種金融商品取引業協会では「SBIソーシャルレンディング」を見本にするように、との指導がなされているということです。
今後は、マイページ内のデポジット口座での資金管理を取りやめ、直接投資用口座への入金及び配当金や元本も直接個人口座に振り込まれるようになっていく可能性が高いと見られます。
システムの管理変更には何かとコストが掛かりますが、適切にシステム変更というコストを支払える業者は、会社の体力、法令遵守意識の両面で評価できるでしょう。
なお、OwnersBook(オーナーズブック)についてはこちらで詳しく解説しています。