購入型を中心としたクラウドファンディングサイトの中では、日本でも屈指の知名度を誇るCAMPFIRE(キャンプファイヤー)。
そのCAMPFIREが、2019年9月から運営を始めた融資型クラウドファンディングサイトが「CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)です。
CAMPFIRE Ownersでは、2019年12月から投資資金の出金手数料無料化が実施されました。
現在募集中のカンボジア農家向けファンドを含めて、CAMPFIRE Ownersの最新の活動状況を確認してみましょう。
2019年12月から投資資金の出金手数料が無料に
CAMPFIRE Ownersで投資するためには、一度CAMPFIRE Ownersの口座内に資金を入金する必要があります。
投資の手順としては、まず投資金額枠を確保し、その後投資する資金を口座に入金します。
そして、配当金や元本の償還もその口座内に行われます。
従来のCAMPFIRE Ownersでは、入金する際や配当金の出金の際には手数料がかかりました。
しかし、2019年12月から出金手数料が無料になります。
そのため、投資にかかるコストを軽減できるようになりました。
そのため、実質的な利回りが少し高まる効果があります。
一方で、月2回目の出金は770円(税込み)出金手数料がかかります。
決して安いとは言えない出金手数料なので、CAMPFIRE Ownersで投資した資金を出金する際は必ず1回だけにして必要な金額を出金しましょう。
新規案件:カンボジアの農家向けファンド
出典:CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)
2019年9月の4案件
2019年9月のサイトのローンチの際に、CAMPFIRE Ownersでは次の4案件を募集していました。
ファンド名 | 融資先 |
コスメブランド研究開発ファンド | 日東電化工業株式会社 |
エチオピア環境リサイクルファンド | 株式会社フクナガエンジニアリング |
障がい者技術育成プロジェクトファンド | 特定非営利活動法人テイラーズ・ギルド |
ADHDサポート教育事業ファンド | 日本教育設計株式会社 |
4案件とも、満額募集に成功してます。
一方で、このファンドの募集以降、2ヶ月以上CAMPFIRE Ownersでは新規案件の募集を行っていませんでした。
そのため、投資家としては投資したいのになかなか投資する機会が恵まれないと感じる人もいたようです。
2019年12月の新規案件:カンボジア農家支援ファンド
2019年12月には、新規案件として次の案件が募集されています。
融資条件は次のとおりです。
資金使途 | カンボジア農家による農機購入ローン(JCF経由) |
融資先 | JC FINANCE PLC. /カンボジア |
目標募集金額 | 50,000,000円 |
最低成立金額 | 10,000,000円 |
予定利回り | (年率・税引前)6.0%(米ドル建てベース) |
運用通貨 | 米ドル |
予定運用期間 | 約11ヶ月(2020年1月~2020年11月) |
元本償還方法 | 契約終了時に一括償還 |
利益分配方法 | 四半期毎 |
担保・保証 | なし・なし |
為替ヘッジ | なし |
最低投資金額 | 10,000円以上10,000円単位 |
どういった用途のための資金なのか、その内容はホームページに記載されています。
その内容を次に引用します。
事業計画について
カンボジア農家による農機購入ローン(JCF経由)の原資として使用されます。
衛星画像による農家の耕作能力の審査や、収穫時期に合わせたオーダーメードな返済スケジュール作成等、現地の農家の活動に寄り添ったファイナンス提案をしています。
またGPSで農機の稼働状況を管理しており、稼働状況をもとに定期的にモニタリングを実施し、返済が滞った場合には遠隔でのエンジンロックの仕組みを備える資産保全の仕組みを導入しています。
カンボジア全域でマイクロファイナンス事業を展開しており、2019/12期では売上高148万米ドルで黒字化する計画となっています。
審査体制について
当社は、営業者から提⽰を受けた借⼊⼈の資料を基に財務状況、事業計画の内容及び資⾦使途等の項⽬について、ファンド出資持分の募集⼜は私募の取扱いを⾏うことの適切性を審査いたしました。
審査の結果、ファンド出資持分の募集⼜は私募の取扱いが承認されております。
※当社では「審査委員会」を設置し、ファンドの募集又は私募の取扱いに当たっての審査及び運⽤モニタリングを実施するルールを定めております。
投資家としては、為替ヘッジなし、また無担保・無保証である点がリスクとして気になるところでしょう。
スキームは、直接農家から回収するのではなく、融資先のカンボジアのマイクロファイナンス機関から資金を回収することになります。
マイクロファイナンス機関は多数の事業者に融資を行い、ある程度の貸し倒れを見込みながら、融資先の分散でリスクを軽減します。
すでにCrowd Credit(クラウドクレジット)でもマイクロファイナンス向けの融資案件は数多く扱っていますし、そちらも無担保・無保証案件がほとんどです。
そちらのリスクをよく確認しながら、融資を検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
カンボジアは発展が著しいアジアの一国として、日本のソーシャルレンディング会社でも数社が案件を取り扱っています。
リスクは確かに高く、為替リスクもあります。
ただし、米ドルでの運用なので比較的為替リスク自体は小さく、場合によっては為替変動益も望めます。
一方で、当該案件は社会的貢献的な意義もあるファンドです。
ソーシャルレンディング投資をしながら社会貢献をしたいという人は、ぜひとも投資を検討してみてはいかがでしょうか?
なお、CAMPFIRE Ownersについてはこちらで詳しく解説しています。