2019年1月に、「貸付ファンドのオンラインマーケット」として投資サービス開始したFunds(ファンズ)。
会員は順調に増加し、現在の会員数は1万人以上となっています。
一方で、案件の供給が足りていないという側面もあり、投資家に公平に投資機会を提供するために、現在は抽選制度を導入しています。
また、案件数を増やすために、さまざまな分野の有名企業と業務提携を行っています。
Fundsは2019年10月16日(水)に大阪王将を運営する「株式会社イートアンドとの提携」を発表しており、ユニークな取り組みとして大阪王将で使える割引券がもらえるファンドの提供を行いました。
Fundsファンズでは、2019年11月13日(水)に不動産販売事業を手掛ける株式会社サンセイランディックの子会社との業務提携を発表しました。
その内容を確認し、投資家に与える影響を考えてみましょう。
目次
株式会社サンセイランディックの概要
出典:サンセイランディック
株式会社サンセイランディックは、東証一部に上場している不動産販売会社です。
まずは、その概要を確認しましょう。
創業から40年以上経過しており、事業運営歴の長い会社だと言えます。
商 号 | 株式会社サンセイランディック |
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代表取締役 | 松﨑 隆司 |
設 立 | 昭和51年2月 |
資本金 | 814067600円(令和元年9月末日現在) |
本社所在地 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-5-1 丸の内二丁目ビル5階 |
電話番号 | 03-5252-7511(代表) |
事業内容 | 底地の仕入れ及び企画販売/底地の管理 |
免 許 | 国土交通大臣(4)第6282号 |
加盟団体 | 一般社団法人全国住宅産業協会
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会 公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会 東京都不動産のれん会 |
従業員数 | 155名(連結183名)(令和元年9月末日現在) |
事業内容
株式会社サンセイランディックは、底地の売買を中心とした不動産販売事業を日本全国で展開しています。
底地とは賃借権などが設定されている土地であり、通常の土地よりも扱いにくく、それゆえに格安で販売されることも多い不動産です。
株式会社サンセイランディックではそのような底地を処分したい土地所有者より買い取り、自分たちで他の所有権を持つ人との交渉を行い、土地の価値を上げて販売や運営をしています。
底地売買は、大変にノウハウの必要とされる事業ですが、株式会社サンセイランディックは底地販売と売却のプロとして多大な実績を持っています。
不動産業界でも特殊な分野だけに、専門的に底地を扱い利益を出している株式会社サンセイランディックは、独自性のある事業を展開していると言えるのです。
底地販売と売却においては、まさに不動産業界でもリーディングカンパニーとして存在感を放っています。
サンセイランディックがFundsと業務提携した背景とは
株式会社サンセイランディックがFunds(ファンズ)と業務提携を行った理由は、Fundsのリリースで次のように発表されています。
不動産の売買においては、底地の所有者と建物の所有者の権利が分かれていると、物件の市場価値が低くなりがちです。
サンセイランディック社が手がける底地事業は、こうした権利が土地と建物で分かれており、自由な活用が制限されている不動産の権利調整を行い、その土地の価値を、本来から持っている価値まで高める事業です。
同社はFunds(ファンズ)でのファンド募集を通じて、底地事業の認知度向上を図るとともに、資金調達チャネルの多様化を目指します。
株式会社サンセイランディックでは、底地の仕入れを行ってから交渉などでバリューアップを図ります。
しかし、底地はそのままでは価値が低く、銀行も積極的な融資を行ってくれないことがあります。
それだけに、底地購入用の費用の調達先としてソーシャルレンディングに着目したのでしょう。
会社にもよりますが、ソーシャルレンディングは銀行の融資よりも審査時間が短く、貸付金利は高いものの早期償還手数料などが低く、不動産の売却に成功したらすぐに返済することが可能です。
そのため、資金を一時的に調達したい企業にとっては使い勝手の良い資金調達ルートだと言えます。
したがって、Fundsを通じて個人投資家から資金調達できるソーシャルレンディングは、株式会社サンセイランディックにとって利用価値が高いのでしょう。
サンセイランディックとFundsの業務提携が投資家に与える影響
株式会社サンセイランディックとFunds(ファンズ)の業務提携が投資家に与える影響は、大きく次の2点が考えられます。
投資家への影響①:案件数の増加
Fundsの業務提携先は増えれば、案件数が増え投資機会が増える効果があります。
投資家にとっては喜ばしいことでしょう。
投資家への影響②:利回りの高い案件の増加
不動産関係のソーシャルレンディング案件は、5パーセントから8パーセントといった比較的利回りが高いものが多いです。
Fundsの案件は一般的に2パーセントから4パーセントとあまり利回りが高くはありませんが、売却益を見込める株式会社サンセイランディックの案件は5パーセント前後とFundsの中では高めの利回りが期待できそうです。
まとめ
Funds(ファンズ)では、2019年度内に業務提携を行う企業を合計で20社にしていきたいとしています。
現状では10社ほどですから、あと4ヶ月半ほどの期間でさらに10社ほどの業務提携が発表される可能性があります。
今回の業務提携は東証一部上場企業の子会社への融資であり、融資先の情報開示および信用度の高い融資先を選んでいるという点においては、Fundsは他のソーシャルレンディング会社の追随を許さないものがあるといえるでしょう。
ただし、そのぶん利回りがやや低めであったり、リコースローンとはいえ無担保無保証という貸し倒れリスクを無視できない点があることもまた事実です。
リスクを自己分析しながら、自分で妥当性を判断してから意思決定できる投資先を探してる方は、ぜひFundsで口座開設してみてください。
詳しくはこちらで解説しています。