2020年2月、クラウドアンサー編集部は不動産投資型クラウドファンディングサイト「Rimple(リンプル)」の運営を開始したプロパティエージェント株式会社への取材を実施しました。
リンプルは2020年2月5日にサイトを開設、2020年3月から案件募集を開始する予定の不動産投資型クラウドファンディングサイトです。
多くの投資家から注目を集めているリンプル。
そこで、リンプルを運営するプロパティエージェント株式会社に、リンプルの強みや今後の目標などを伺ってきました。
プロパティエージェント株式会社について
まずは、運営元であるプロパティエージェント株式会社の概要を確認しましょう。
会社名 | プロパティエージェント株式会社 |
所在地 | 〒163-1306 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー6F |
資本金 | 5億7,891万円 |
設立年月日 | 平成16年2月6日 |
URL | https://www.propertyagent.co.jp/ |
代表者 | 代表取締役社長 中西 聖 |
上場市場 | 東京証券取引所市場第一部 証券コード3464 |
プロパティエージェント株式会社は、平成16年(2004年)に創業し、2020年現在東証一部市場への上場を果たしています。
まずは、短期間で飛躍的な成長を遂げた同社ならではの強みから聞いてみました。
今回のインタビューに際しては、リンプルのご担当者様にお話をお伺いしています。
短期間で東証一部上場までできた成長の要因は何でしょうか?
短期間の成長は、もちろん会社として高い目標を掲げ、それを成し遂げる組織構築を行い、戦略的に事業推進したという事実はありますが、これについて特別なことであるとは考えておらず、また、タイミングやさまざまな要素が絡み合った結果だとも思っています。
もちろん、地価の上昇が著しい東京23区内の物件開発に集中していたという私たちの狙いが、市場のニーズと一致したことに間違いはありません。
さらに、社員教育の実施など社員のスキル向上に取り組んでいった結果、お客様の支持を得られるようになったと思っています。
不動産業界は何かと社会問題になることも多いですが、当社ではそのような問題を未然に防ぐ取り組みも行っています。
貴社の不動産物件の特徴や強みを教えて頂けますか?
不動産開発販売事業における主軸は「クレイシア」という投資用物件が中心です。
また、居住用コンパクトマンション「ヴァースクレイシア」というブランドがあります。
クレイシアの開発においては、東京や横浜など資産性が高く、ニーズのある用地を、スコアリングという自社独自の基準を用い、一定の水準を超えた場合のみ購入しています。
また、クレイシアではブランドデザインを統一するのではなく、あえて統一感を持たせずそれぞれの街の雰囲気や景観に合わせたデザインにしています。
それゆえに高いニーズを獲得することに成功していると考えます。
あとは、一棟アパートも最近は増えています。
こちらは資金力のある中間富裕層向けです。
ドローン事業など不動産テック関係の事業も気になります。
代表の中西が社会を進化させる会社になることを目指していることや、お客様に対するサービスの差別化による満足度向上を重要視していることもあり、宅配ロボットやドローンなどに投資をしています。
まだ収益化や事業化までは至っていませんが、先行投資の意味合いもあり取り組んでいます。
こういったサービスを開発することで、不動産の価値を高めることができるでしょうし、当社の価値も高まるものだと思っています。
またIT企業が開発した技術を私たちが買い付けるよりも、不動産会社自身が開発した技術の方がより顧客や現場のニーズにマッチさせることができますし、普及も早いです。
そういった柔軟な発想の中から不動産投資型クラウドファンディングも生まれたのでしょうか?
そうですね、そういった側面もあります。
不動産投資型クラウドファンディングというビジネスについて
プロパティエージェント株式会社は、不動産物件の開発や販売だけではなく不動産を取り巻くテクノロジーの開発や投資にも意欲的です。
続いては、不動産投資型クラウドファンディング事業に乗り出した狙いについて迫ってみました。
不動産投資型クラウドファンディングに着目されたのはいつ頃でしょうか?
注目したのは3年ほど前です。
きっかけは主に2つあります
一つは、より不動産投資の間口を広げたいと思っていたからです。
すでに小口投資ができるアセット関係の不動産投資商品はありましたが、2017年の不動産特定共同事業法の改正がありました。
そこで、不動産投資型クラウドファンディングにより不動産投資を小口から始める可能性が高まったため、新しく企画を立ち上げました。
もう一つの理由としては、私たちが行った海外の不動産市場調査結果があります。
私たちは、不動産技術の調査なども随時行っています。
ちょうど宅配ロボット関係の調査をしていたときに、アメリカではすでに不動産投資型クラウドファンディング市場があることを知りました。
それならば、将来的には日本でもその市場の需要は生まれるのではないかと考えたんです。
この2つの理由で、数年前から不動産投資型クラドファンディングに興味を持ち出しました。
実際に運営することを決めた狙いは何でしょうか?
不動産投資の間口を広げることですね。
より多くの方にとって不動産投資が取り組みやすい投資になるには、どうしたら良いのかを考えました。
間口を広げるというと不動産投資に関心を持つ人を増やしたいということでしょうか?
はい、不動産投資自体は、必ずしも多額の自己資金が必要なわけではありません。
ただし、高額な資金が必要であることには変わりはありませんし、融資を受けられない方はなかなか始められません。
どうしても敷居が高いというイメージもあり、敬遠される方もいます。
そこで、1万円から投資できる不動産投資商品として、不動産投資型クラウドファンディングの需要があると感じました。
そこから不動産投資に興味を持っていただければ幸いですし、クラウドファンディングで資産運用していただきたいと思っています。
私たちにとっても、自社で資金をそこまで用意せずとも物件を取得や運用できるメリットがあります。
不動産投資をマスに広げ、顧客も獲得できます。
また、ここから新規事業が生まれる可能性もありますし、メリットは数多くあると考えています。
3年前から着目されていてローンチが2020年になった理由はありますか?
不動産特定共同事業法は、認可にいくつかの種類があります。
第1号事業、第2号事業の認可だけであれば東京都への申請で良いのですが、私たちは第3号事業も認可を取っています。
第3号事業となると、国土交通省に申請しなければなりません。
そこでストップしてしまったので時間がかかりました。
2019年から不動産投資型クラウドファンディングを起ち上げる会社が増えていますがどう捉えていますか?
一気に増えた背景には、不動産投資型クラウドファンディングの電子取引が可能になったことが挙げられるでしょう。
募集にかかる手間が大きく減ったからです。
そのため、多くの不動産会社で不動産投資型クラウドファンディング事業に乗り出しやすくなったのです。
Rimple(リンプル)について
出典:Rimple(リンプル)
プロパティエージェント株式会社は、不動産投資型クラウドファンディングにも大変意欲的です。
そこで、読者のみなさんが気になる「Rimple(リンプル)」について詳しくお伺いしました。
女優の真矢ミキさんを起用したCMを制作するなど、大変な力の入れようであることも伝わってきます。
先行する他の不動産投資型クラウドファンディングサイトとは、何が違うのでしょうか。
Rimpleの運営において先行する他社と差別化を図ったポイントがあれば教えてください。
当社はディベロッパーなので、自社物件でファンドを組成できます。
物件を原価で所有できるため、利回りを高く設定できますし劣後出資分も大きくできます。
つまり、ファンドの条件面でのメリットがあります。
そして、自社物件は都内の好立地物件ばかりです。
郊外の物件などに比べて運用リスクが相対的に低く、反対に投資家のみなさまに安定して利益を提供できる可能性があります。
劣後出資30%はかなり高く感じますが今後も維持されていくでしょうか?
最初は、この劣後出資の割合は維持していきたいですね。
投資家の方々の資産の保全性を確保し、リンプルの良さを知っていただきたいと思っているためです。
一方で、今後は完成済みマンションだけではなく、他の不動産によるファンドも考えています。
不動産ごとにリスクは異なるため、利回りや募集金額などを柔軟に考え、劣後出資割合も柔軟に考えて行きたいと思ってます。
まずは、半年は完成済みのマンションファンドをメインに回していきます。
他社ポイントを使って投資できる点が気になる方が多いですが狙いは何でしょうか?
いかに多くの若い方に、不動産投資型クラウドファンディングを気軽に始めてもらえるかを考えた結果の施策です。
最近は、楽天ポイントなど現金ではなくポイントを使って投資できることをアピールする投資サービスが増えていますよね。
現金でなければ、「まあ試しに投資してみても良いか」という方も多くいます。
そういった方に訴求したいと思い、現金以外のポイントを投資に使えるようにしました。
セゾンさんが運営する永久不滅ポイントと交換連携させていただいています。
セゾンさんとは当社は付き合いが長いため、幸いにもご協力いただけました。
また、永久不滅ポイントはクレジットカードの付与ポイントですから、クレジットカードユーザーを取り込む狙いもあります。
Rimpleで取り扱う不動産物件の種類はどういったものを予定していますか?
基本的には、居住物件がメインです。
自社物件だからこその高利回り・好立地というメリットを活かしやすいですし、利回りが安定しているからです。
オフィス物件はボラティリティが高く、収益性がそこまで安定していません。
そのため、ある意味ハイリスク・ハイリターンです。
ただし、だからといってオフィスやテナントビルは絶対やらないというわけではなく、投資家の方からのご要望があれば検討もしますし、お客様にはさまざまな投資先を提供したいと考えています。
サイトローンチ後の投資家からの反響はいかがでしたか?
2020年2月5日にサイトを公開してから、25日間で累計登録者数が1万人を突破しました(https://newscast.jp/news/204166)。
広告はそこまで展開しなかったのですが、口コミ中心に広がってくれました。
一定数の会員を得るまでにかなりの時間を要すると思ったのですが、実際には予定の5倍ほどのスピードで登録者数が増加しています。
それほど反響があった理由はどのようにお考えですか?
他社ポイントを、リアルエステートコインに替えて投資できるという、この他社サイトにはないサービスの独自性が注目を集めたのではないでしょうか。
お金がなくても、ポイントが余っていればそれで投資できる、それならば試しに投資してみようかという方を呼び込めました。
2020年2月時点では、リアルエステートコインに変えられる他社ポイントはまだ1種類です。
いろいろな会社様にアプローチしているため、こちらも随時増やしていく予定です。
第1号案件は2020年3月募集予定ですが「先着」と「抽選」どちらの方式ですか?
抽選にする予定です。
先着にしてしまうと、募集開始時間にパソコンやスマートフォンをチェックできない方が投資できなくなり、「投資できないからいいや」と諦めてしまうかもしれないためです。
できるだけ多くの方にリンプルを使っていただきたいと思っているため、まずは抽選方式を採用します。
プロパティエージェント・Rimple(リンプル)が目指す先
ポイント投資という画期的なシステムを導入したRimple(リンプル)。
運営元であるプロパティエージェント株式会社は、投資家の反響も良いことからこのビジネスに大きな手応えを感じています。
そこで、今後のプロパティエージェント株式会社・リンプルの目標を聞いてみました。
Rimpleが目指す会員数、案件数、募集実績など目標を教えてください。
まずは、3年で会員数を5万人にすることです。2020年2月5日のサイト開設から、25日で会員数は1万人を突破しており、順調に推移しています。
案件募集のペースは1ヶ月1本以上を目指し、募集金額は5,000万円から1億円の中規模案件を増やしたいですね。
幸いにも反響が多いためこれだけのニーズがあると考えますし、そのニーズに応えるのが私たちの役目だと思います。
投資家の方に伝えたいRimpleの強みやセールスポイントがあればお願いします。
リアルエステートコインを使い他社ポイントで投資ができるという取り組みは、社員同士の何気ない会話から生まれたアイデアです。
私たちは常日頃新しいテクノロジーに注目しており、今後もリンプルを通じて他では見ないような新しいキャンペーンやサービスの開発に取り組んでいきたいと思っています。
また、クラウドファンディングだけではなく、他の投資商品の開発も検討しています。
そんな柔軟性があることが、プロパティエージェント株式会社の強みだと考えます。
その社内風土は社長から生まれるものでもあり、またそれを実現する実行力を持つ人材もいます。
リンプルに関する部署は6人のチームであり、当社の主要事業とするべく邁進しています。
物件やファンドの質はもちろんのこと、私たちが挑戦する不動産ビジネスに注目していただければ幸いです。
まとめ
不動産会社というと、どちらかといえば画期的なビジネスを手掛けるより、慣習にのっとった手堅いビジネスを展開する会社が多いという先入観を持った方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、プロパティエージェント株式会社は違いました。
不動産テックの導入にも積極的であり、不動産投資型クラウドファンディングでも他社が挑戦しないサービスを取り入れています。
差別化のために敢えてやるというよりも「おもしろそうだからやる」「あったら嬉しいからやる」という自由闊達な雰囲気が感じ取られました。
今後も、プロパティエージェント株式会社はドキドキ・ワクワクするようなサービスを生み出すのではないかという期待が膨らみます。
ファンドの条件にも優れており、投資対象として注目する価値は十分にありそうです。
今後も、プロパティエージェント株式会社から不動産業界の常識を覆すような画期的なサービスやファンドが生まれることを期待したいです。
リンプルのサービスが気になる方は、こちらのページもご覧ください。