投資は社会人になってから、お金持ちがやるものというイメージが一般的です。
ところが、実は大学生でも投資を始めることができます。
今回は、大学生が投資を始める際に、どんな手順で始めるべきか、注意すべき点やおすすめ勉強方法は何かを初心者にもわかりやすく解説します。
加えて、大学生がターゲットになりやすい「投資詐欺」についても触れていますので、騙されないように参考にしてください。
目次
大学生でも投資はできる
大学生でも、社会人と同じように投資や取引が可能です。
ただ、ほとんどの投資は取引できますが、未成年では取引に一定の制限がかかる場合があります。
対象の方はこれからお伝えする内容をしっかりとチェックしてください。
20歳未満は投資できる取引に制限がある
まずは、20歳未満の場合です。
大学生でも、20歳未満の未成年は投資できる取引内容に制限がかかる場合があります。
具体的には、「信用取引」や「FX」などのレバレッジ取引に制限がかかっています。
レバレッジ取引とは、少ない資金で大きな金額の取引ができる投資方法です。
一般的な投資よりもリスクが高いため、ほぼすべての証券会社において未成年の口座開設は認められていません。
口座開設が可能な投資においても、未成年なので親権者の承諾が必要な場合があります。
レバレッジ取引は、20歳以上の方でも初心者にはおすすめできない投資です。
大学生におすすめの投資方法は後半で紹介していくので、そちらを参考にしてください。
20歳以上ならすべての投資取引ができる
続いて、20際以上で成人している大学生の場合です。
大学生でも、20歳以上の成人ならほぼすべての投資方法を選択できます。
これは、大学生ではなく専門学校生でも同じく取引が可能です。
学生ではありますが、成人なので親権者の承諾が不要で自分だけの判断で投資を始められるのです。
逆を考えると、親権者の承諾もいらないということは、誰もその投資に責任を持ってくれないということです。
誰かが助けてくれるという甘い考えでスタートして、大きな損失を出さないために、最低限の勉強をしてから投資を始めましょう。
大学生が投資を始めるべき理由
大学生が投資を始めると、金銭面以外にもたくさんのメリットがあります。
それぞれの理由を3つに分けて具体的に解説していきましょう。
理由①:投資の経験を積める
投資の経験を積むためには、実践してみることが一番の近道です。
社会人になってからでも遅くないと思う方もいますが、早ければ早いほうが経験と知識が深まります。
さらに、大学生は大金を持っていることが少ないため、自然と大損する危険性も少なくなります。
筆者の経験からすると、社会人になってからボーナスなどのまとまったお金を一気に失ってしまう個人投資家が多いです。
それよりは、大学生うちから少ない金額で小さな成功と小さな失敗を経験することが大切だと言えるでしょう。
理由②:長期的に運用できる
社会人になってから投資を始めるよりも、大学生のうちから始めたほうが、単純に「時間」という力を使うことが可能です。
投資は、「時間」と「複利」の力を使うことで大きく資産を増やすことができます。
複利とは、投資で得た利益をそのまま投資することで、雪だるま式に資産を増やしていく方法です。
最初は、少ない金額しか利益が出なくても、その利益をまた投資していくことで、時間と共に大きな資産へと変化していきます。
将来が明確でない大学生の時期だからこそ、1日でも早く投資を始めるべきです。
なお、複利を知らない方は、こちらをチェックしておいてください。
理由③:就職活動に役立つ
投資によって身につけた知識は、今後の就職活動にも役立ちます。
なぜなら、投資商品を選択する際に調べる「企業業績」や「業界トレンド」などを調べることで自然と経済の勉強になるからです。
投資は、運によって勝敗が決まる「ギャンブル」とは異なり、経済的な知識が不可欠です。
就職活動のために、時事ニュースや経済新聞を読んでいても、為替や株価などの難しい用語はなかなか頭に入ってきません。
一方で、自分が投資している商品に関連する用語ならば自然と頭に入り、理解しやすくなります。
大学生を新卒で雇用する企業は、経済のことを積極的に勉強し理解している人、受動的ではなく主体的に行動できる人材を求めていることが多いです。
大学の授業やニュースで勉強できる情報のみ知っている学生と比較すると、経済市況を見る目に圧倒的な差が生まれるでしょう。
大学生が投資をする際の注意点
ここからは、大学生が投資をする際に注意すべき注意点を紹介します。
スマホだけで簡単に投資ができるようになった今だからこそ、失敗を減らすための注意点を勉強しておきましょう。
注意点①:楽に儲けようと考えない
「投資」と「不労所得」を同じ言葉のように捉えている人が多いです。
しかし、投資をしたからといって誰でも楽に儲けることはできません。
不労所得を作って、働かずにお金を稼ぎたいという気持ちでの投資はやめましょう。
一般的に、簡単に大きな利益を出そうと思っている投資初心者は、ほぼ全員が失敗します。
なぜなら、大きな利益を得られる投資はリスクも高く、大資本家や金融機関などのプロと同じ土俵で戦うことになるからです。
一方で、自分自身に合ったリスクの少ない投資を選択して投資できれば、初心者がプロと正面から戦わずに利益を出すことが可能です。
リスクを抑えた投資方法を探すためには、勉強時間や実践を繰り返す必要があるため、根気のいる作業です。
普通なら面倒だと思う作業を、楽しみながら勉強をできる人が成功できる投資家になれるでしょう。
注意点②:生活費を投資に使わない
投資資金には学費や生活費を使わず、必ず「余剰資金」で行いましょう。
少しでも早く、多くの資金を投資して資金を回したいという気持ちはわかりますが、「投資用の余剰資金だけ」を使うようにしてください。
学費や生活費を使って損失を抱えてしまうと、借金を抱えてしまったり学校に通えなくなる危険性があるからです。
余剰資金で投資をすれば、損をしても借金を抱えることにはなりません。
一時的な値上がりや値下がりに一喜一憂してストレスを抱えてしまう投資家が多い理由も、生活資金を投資に使ってしまう場合がほとんどです。
注意点③:大学生を狙う投資詐欺が多い
大学生をターゲットにした投資詐欺が多くあります。
詐欺の種類によっては、大学生の名義で消費者金融から借金をさせ、投資資金にさせる悪質な手法もあります。
さらに、大学の友人や先輩などを通じて悪質な投資話が伝わり大きく被害が拡大するパターンが増えています。
大学生は、将来が明確ではなく、経済の知識も少ないため詐欺師に狙われやすいと理解しておきましょう。
詐欺の手法や種類は、次の項目で具体的に解説していきます。
大学生が狙われやすい投資詐欺の種類
続いて、大学生が狙われやすい投資詐欺の種類について具体的に解説します。
近年、特に増加している詐欺手法を2つに分けて紹介します。
詐欺①:情報商材
情報商材とは、「知るだけで稼げる情報」を有料で販売する詐欺手法です。
「言われた通りに投資するだけで簡単に儲けられる」という謳い文句でUSBディスクやデータが高値で販売されています。
情報商材の内容は、主にFXや信用取引で値動きを予想して利益を出す投資方法となっており、友達を紹介すると紹介料をもらえるパターンが多いです。
情報商材を購入したばかりの新規会員だけを一定額まで稼がせることで、詐欺の発覚を遅らせる手法が一般的です。
すぐに返済できるからと、学生ローンを組ませて契約することもあります。
「簡単に稼げる」や「年利40%以上」などの現実離れした投資話やを紹介されたら、その場では判断せず、必ず信頼できる大人にかならず相談してください。
詐欺②:仮想通貨投資
近年、特に流行している詐欺が仮想通貨関連の投資詐欺です。
海外で発行された仮想通貨を取り扱う投資家から、「今のうちに買っておけば今後値上がりしたときに億万長者になれる」と期待させ購入させる詐欺手法です。
海外の口座で購入する必要があるため、「代理で購入してあげる」と言われるがまま現金を詐欺師に渡してしまう手法です。
情報商材と同じく、数ヶ月だけ利益が出ているように見せたり、友人が実際に短期間で儲けている様子を見せることで、本当に稼げると錯覚させられます。
紹介した友人にも紹介マージンが支払われる仕組みになっていることが多いです。
海外で発行した期待できる仮想通貨があることは事実ですが、他人に現金を支払って代理購入するなどあり得ない話です。
どうしても購入したい場合は、必ず自分で購入する方法を探して購入しましょう。
購入できる方法が一つも見つからない場合、それは100%詐欺ですよ!
【体験談】大学生時代に騙された投資詐欺
続いては、筆者が大学生の時に購入したことがある投資詐欺を紹介します。
約10年前に当時筆者が通っていた大学のスポーツサークルの先輩から紹介された投資案件でした。
具体的には、「新しいスポーツ施設の建設に投資しないか?」という内容です。
最低投資金額が10万円からで、投資してくれれば毎月投資金額の10%が1年間以上振り込まれるという内容です。
加えて、投資してくれる友人を紹介してくれたら紹介料も払うという内容でした。
冷静に考えると非常に幼稚な詐欺だったのですが、当時お世話になっていた先輩で信頼しており、筆者もアルバイトばかりの生活で貯金があったため、50万円もの大金を支払ってしまっ絶対にたのです。
紹介してきた先輩も詐欺だと知らず、紹介料目当てでした。
投資後、3ヶ月間は5万円ずつ返済されましたが、4ヶ月目からはパッタリと音信不通となり、詐欺だと気づいたのです。
その後、詐欺師に対して集団訴訟を起こしたりさまざまな方法を試みましたが、1円すら返って来ることはありませんでした。
大学生が投資詐欺のターゲットになりやすい原因は、「お金の知識が乏しい」「信頼する友人の意見を素直に聞いてしまう」という性質が大きいと考えられます。
筆者と同じような失敗をしないように、現役大学生の方は気をつけてくださいね!
なお、社会人であっても投資の詐欺に騙される人は後を絶ちません。
こちらでは、さまざまな投資で被害に遭った投資家がその恐ろしい体験談を赤裸々に紹介してくれています。
大学生が投資知識を深めるための勉強法
投資で利益を出すためには、経済全体の情勢を見極める知識と判断力が必要です。
大学生が投資の知識を深めるためにおすすめの勉強法を紹介します。
勉強方法①:本を読む
投資や経済の知識が少ない方は、まずは投資初心者向けの書籍を読むことをおすすめします。
インターネット検索や知人からの情報でも最低限の知識をつけることはできますが、書籍のように全体の構造を体系的に学べる方法はありません。
ネット上には嘘の情報が多く、初心者には見極める力がまだありません。
基礎的な知識をつけるためにも、投資初心者に向けた書籍を探して何冊か読んでみましょう。
投資にはどんな種類があり、どんな方法で資金が動いているかを学ぶことからがスタートです。
勉強方法②:10万円以下で実践する
書籍で投資の全体像を学ぶことができたら、次に10万円以下での実践による勉強方法です。
もし、投資に使える資金が50万円、100万円と余裕があったとしても、最初は10万円以下で始めることをおすすめします。
実践するポイントとしては、誰かのアドバイスやネット上でおすすめされていた投資商品ではなく、ご自身で考えて投資したいと思った商品に投資することが大切なポイントです。
近年はデモトレードといわれる、自己資金ではなく仮想の投資資金で取引体験ができる証券会社が増えてきています。
実践での取引注文ミスなど、基本的な操作ミスを防ぐためにも、まずはデモトレードで操作方法に慣れることをおすすめしますが、操作に慣れたらすぐに少額で実践的な取引に挑戦してみましょう。
実際のお金が動くほうが真剣な取引ができ、理解する速度も早くなります。
勉強方法③:セミナーや勉強会へ参加する
少額で実践経験を積んだ後は、専門的な知識を深めるために投資に関するセミナーや勉強会への参加をおすすめします。
参加したことのない方にとっては、セミナーは怪しい場所というイメージがあるかもしれませんが、証券会社や金融機関が主宰しているセミナーなら怪しくはありません。
特定の投資商品への勧誘も少なからずありますが、専門家から役立つ情報を得られます。
投資している商品に関連する内容やこれから投資したいと思っている商品についてのセミナーを探してみましょう。
セミナーによっては、大学生が参加不可の場合もあるため、事前に確認してから参加しましょう。
勉強方法④:大学生以外の投資仲間を作る
大学生以外に投資をしている仲間を作りましょう。
大学生は、現役で働く社会人と比較すると経済を見る視点が違います。
社会人として働きながら投資家としても活躍している人と出会うことは、投資家として大きく成長するきっかけになります。
投資をしていると、自分だけで集められる情報量とスピードには限界があることに気づきます。
他の投資家と情報を共有することで最新のトレンドを素早く追うことが可能になります。
ただし、信頼できる人の意見だとしても最終的な投資判断は個人で決定してください。
投資は自己責任という言葉を忘れずに取引しましょう。
なお、筆者は元々会社員でしたが、投資などの副業をサラリーマン時代から行い、セミリタイアすることに成功しています。
その際にどうやって勉強したのかについて、こちらで余すところなく公開しているので、投資を始めたいと思っている大学生は目を通しておいた方が良いでしょう。
【体験談】投資の勉強は何をすべき?月10万円稼ぎ会社員生活を終えた7つの勉強方法
投資を始めるまでの手順
続いては、投資をしたいと思ってから、実際に取引するまでの手順を3つに分けて解説していきましょう。
手順①:投資商品を選ぶ
まずは、投資したい商品を自身の判断で選択しましょう。
投資には、株やFX、不動産などさまざまな種類があります。
リスクとリターンをよく理解して投資商品を決定しましょう。
可能であれば、2つ以上の投資を選択してことをおすすめします。
手順②:口座を開設する
いずれの投資商品でも、証券会社や取引会社でご自身の口座が必要です。
口座開設には、インターネットの申し込みフォームから必要事項を入力、運転免許証などの身分証明書を送信して手続きをします。
手続きから約1週間程度で口座開設が完了し、取引に必要なIDやパスワードが送付されます。
複数の投資商品で迷っている場合は、分散して投資することをおすすめします。
どの投資商品でも無料で口座開設が可能です。
大学生で20歳未満の場合、親権者の同意が必要です。事前に親権者に確認しておきましょう。
手順③:入金・取引
証券会社の口座開設が完了したら、取引に使う資金を口座に入金します。
必要な分だけの投資資金を入金しましょう。
レバレッジを利用して取引をするFXや信用取引では、取引金額とは別に証拠金の入金が必要なので注意しましょう。
購入金額だけ入金しても必要証拠金が足りなくなる場合があります。
初心者はレバレッジや証拠金の必要がない投資から始めることをおすすめします。
レバレッジを使わないおすすめ投資方法については、次から紹介していきます。
大学生におすすめの投資方法
最後に、大学生におすすめの投資方法を紹介します。
大きなリスクを抑えつつも、高利回りを目指すことも可能な3つの投資方法です。
経済は、運用資金の貸し借りと金利によって回っていることを大学生のうちから理解できれば、将来のビジネススキル向上にもつながるでしょう。
特に、将来起業を目指している大学生には必須なスキルです。
投資①:投資信託
投資信託とは、個人投資家から集めた資金をまとめてプロが資産運用してくれる仕組みです。
運用から発生した利益は個人投資家に分配されます。
プロが代わりに運用してくれるため、投資が初めての大学生投資家におすすめです。
リスクとリターンについても、事前に公表されている「目論見書」の情報によって確認できます。
ただし、商品によっては購入手数料や運用手数料が高い場合があるため注意が必要です。
証券会社によっては、100円から少額で積み立て投資ができるサービスがあるため、資金の少ない大学生でも投資が可能です。
比較的リスクの少ない方法なので、投資信託に資金全額を投資するのではなく、他の投資と組み合わせて運用するのがおすすめです。
投資②:不動産型クラウドファンディング
不動産投資に興味がある方は、不動産型クラウドファンディングがおすすめです。
マンションや商業施設を購入したい不動産会社が個人投資家から資金を集めて購入する仕組みです。
購入した不動産から発生した利益は出資した投資家に分配されます。
一般的に、個人が不動産投資をするためには、数千万円単位でローンを組む必要がありますが、不動産型クラウドファンディングならローンを組まずに投資ができます。
加えて、不動産購入にかかる固定資産税なども不要で、最低1万円から投資できるというメリットがあります。
一方で、投資案件によっては運用期間中のキャンセルができない場合があります。
運用中に現金を引き出したくてもできなかったり、損失が出そうな市況でも損切りできずに損失が増えるリスクがあります。
不動産投資型クラウドファンディングについては、こちらでかなり詳しく解説されています。
どのような投資方法なのか知らなかった人は、このタイミングで確認しておくと良いでしょう。
投資③:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい企業とお金を貸したい個人をマッチングする投資商品です。
個人投資家は、貸し付けた資金に利息を上乗せした金額を定期的に返済してもらいます。
この貸し付け金利が投資家の利益となることが特徴です。
ソーシャルレンディングは、貸付先企業の情報公開範囲が少ない場合が多いため、貸し倒れリスクがあります。
ここで紹介した3つの投資方法の中ではもっともリスクが高いですが、利回りも5パーセント以上の高利回りを目指すことが可能です。
すべての資金をソーシャルレンディングに投資すべきではありませんが、分散投資の一つとして運用するにはおすすめの投資方法です。
ソーシャルレンディングについては、こちらでこと細かく解説されています。
初めて聞いたという人は、このタイミングで確認しておいてくださいね。
まとめ
大学生でも投資をしてみたいと思っている方に向けて、投資をやるべき理由と投資方法まで紹介しました。
将来への不安感や社会経験が少ないことが原因で、大学生が詐欺師に狙われる機会が増える時期でもあります。
投資は、簡単に稼ぐための方法ではありません。
長期的に運用し、利益を雪だるまのように増やした結果、仕事をせずに暮らせるほどの資産になっていくものです。
その一点だけを勘違いせず、すべてが勉強のつもりで投資をしていけば、成功は近付くはずです。
この記事で紹介した方法を参考に、貴重な投資経験を積んでみてくださいね。