投資信託は、資産運用の知識がない初心者でも始めやすい低リスクの投資方法です。
そんな宣伝文句によって投資信託を購入した筆者は、運用に何度も失敗しています。
そこで、今回は低リスクなのに失敗する理由と、よくある失敗例を筆者の実体験を交えながら紹介していきます。
最後には、失敗しにくい投資信託の選び方も紹介しているので参考にしてみてください。
目次
【体験談】筆者が投資信託で失敗した経験
まずは、筆者が実際に体験した投資信託での失敗体験を2つ紹介しましょう。
筆者プロフィール
筆者は、北海道で2人の息子を育てながら生活している現在31歳男性のライターです。
投資歴は約10年、投資信託以外にも不動産や株式投資、FXなど有名な投資にはすべて手を出してきました。
現在では、主に投資利益と小さなビジネス収入で生活できるようになりましたが、投資生活の8割以上が失敗です。
失敗をするたび、「何が原因だったのか?」を分析することで、結果的に成功確率を上げていくことができ、今に至ります。
この記事では、投資信託での失敗談を交えながら、投資に失敗する理由とその対策を解説していきます。
失敗談①:中国株式ファンドでの失敗
投資信託による一つ目の失敗談は、「中国株式ファンド」というテーマ型ファンドの購入による失敗です。
この投資信託は、約4年前に積み立てではなく資金をまとめて一度に購入しました。
中国株式ファンドを購入した理由は次の2点です。
|
しかし、この中国株式ファンド購入後に起きた日米貿易摩擦の影響で、約1年で元本の約15パーセントがなくなってしまいました。
その後、2年間価格が戻るのを持ち続け、元本が少しずつ回復してきたのを確認したところで売却に至りました。
結果的に、この投資信託では1円たりとも稼ぐことができなかったという失敗談です。
また、この投資信託では運用時の管理費用(信託手数料)が2パーセント以上と他の投資信託よりも高額だったことで運用益からコストが取られていたことを売却後に知りました。
同じ失敗をしないための対策として、次の2点を対策として現在の投資信託運用に生かしています。
中国株式ファンドでの失敗から学んだ教訓 |
|
手数料で搾取されずに、リスク分散をした投資信託運用が何より大切だと学んだ失敗談です。
失敗談②:暴落時の損切りによる失敗
相場全体の暴落時に損切りを急いでしまったことによる失敗談です。
6年ほど前、投資信託に積み立て投資を1年ほどしていたとのことです。
原油暴落や中国経済不安により一時的に株式市場全体が暴落する相場がありました。
投資初心者だった筆者は、一時的に20パーセント値下がりをした価格を見て「これ以上損をしたくない」という気持ちが働き、衝動で保有していた商品すべてを売却してしまいました。
しかし、それは一時的な先行き不安から起こった暴落だったため、約1ヶ月後には暴落前の価格へと価格は戻っていたという失敗です。
この経験から、投資信託に積み立て投資する場合、基本的に損切りは不要だと学びました。
なぜなら、積み立て投資の場合は元本が増えるまで時間がかかり、分配金をさらに元本に追加して長期運用することが利益を増やすために必要だったからです。
一時的な損切りは今まで積み立てた利益を、結果的に無駄にしてしまうことでした。
同じ失敗をしないための対策として、次の2点を対策として現在の投資信託運用に生かしています。
暴落時の損切りによる失敗から学んだ教訓 |
|
本屋さんの投資本にはあまり書かれていない実体験から学んだ事実です。
投資信託でよくある失敗例
ここからは、投資信託でよくある失敗例を紹介します。
初心者が誰しも一度は失敗する内容ばかりなので、事前に勉強しておきましょう。
投資信託でよくある失敗例
- 手数料をチェックせずに購入してしまう
- 人気ランキングを鵜吞みにして購入してしまう
- 知人が儲かった投資信託を購入してしまう
- 損失が出たらすぐに売却してしまう
失敗例①:手数料をチェックせずに購入してしまう
投資信託を販売する金融機関や証券会社は、顧客に買ってもらった投資信託の手数料から儲けを出しています。
投資信託に発生する手数料には、主に次の2種類があります。
- 購入手数料
- 信託手数料
しかし、近年は「購入手数料なし」の商品が増加しています。
投資信託では、「購入手数料」以上に「信託手数料」をチェックしておくべきでしょう。
信託手数料とは、ひと言でいうと運営にかかる維持手数料のことです。
手数料が無料だと勘違いして購入してしまい「信託手数料」に気づかないことがあります。
もし、購入した投資信託の信託手数料が1パーセントだった場合、運用している限り毎年1パーセントの手数料が発生します。
この手数料が2パーセント以上と高額になると、運用利益が出ても手数料によって結果的にマイナスになってしまうことがあるため注意が必要です。
失敗例②:人気ランキング鵜吞みにして購入してしまう
証券会社が発表している人気ランキングから気になるものを直感で購入してしまい、失敗する例です。
発表されているランキングすべてが悪いとは言い切れませんが、単純にランキングだけを頼りに投資信託を購入するのは失敗のもとになります。
例えば「月間値上がりランキング」などで上位にある投資信託から購入したとしても、今後も継続して値上がりする保証はありません。
通常よりも大きく値上がりしている場合は、逆に大きく反発して値下がりすることも多く、失敗につながる原因となるでしょう。
人気ランキングを参考にすることも大切ですが、その中には手数料が高く設定されている商品も混在していることを忘れずにいてください。
「その投資信託がなぜランキング上位にあるのか?」「今後の見通しは予測できるのか?」をご自身で理解できる商品のみに絞って購入することが失敗を防ぐコツです。
失敗例③:知人が儲かった投資信託を購入してしまう
知人、友人から儲かっているという話を聞いて、同じ商品を購入してしまう失敗例です。
この失敗は、投資信託だけでなく投資全般によくある例なのでよく理解しておきましょう。
なぜ知人が儲かっている商品を買うと失敗するのかというと、人に話したくなるほど儲かった商品はすでに価格が上がりきっていることが多いからです。
投資信託のような相場は、常に価格が上がったり下がったりを繰り返しているため、ずっと上昇し続けることはありません。
ここで、自分も稼げると勘違いをして大金を投資してしまうと、後戻りができない状況になりかねません。
投資するとしても少額からの購入に留めておくべきでしょう。
平成のバブル崩壊や仮想通貨バブルを教訓に、上り調子なときほど警戒することが大切です。
投資初心者は知識が少ないため、知人の意見を参考にするのは当然です。
あくまでも参考にしながら、ご自身も納得のできる商品にだけ投資しましょう。
失敗例④:損失が出たらすぐに売却してしまう
購入した投資信託で損失が発生した場合に、すぐに所有する投資信託を売却してしまう失敗例です。
筆者の失敗談でも紹介した内容にも同じような失敗がありました。
投資信託は、長期的に運用することで徐々に利益が増えていきやすいという特徴があります。
そのため、一時的に損失が出たからといって売却してしまうと、メリットを生かしきれずに損失が確定してしまいます。
投資信託で短期的に大きな利益を得ることは難しいと理解した上で、余裕のある資金で購入しましょう。
余剰資金で投資することで、損失が出ても売却したくなる気持ちを抑えることができます。
投資信託で失敗しないための方法
次に、投資信託で失敗しないための方法を4つ紹介していきましょう。
投資信託で失敗しないための方法
- 目論見書を確認する
- 分散投資をする
- 値上がりには期待しない
- 長期的に積立投資をする
方法①:目論見書を確認する
すべての投資信託には、目論見書(もくろみしょ)と呼ばれる商品の詳細を記載した解説書を購入者が閲覧できるようになっています。
この目論見書には、商品販売に関する重要事項から運用方針、投資対象や比率までが細かく記載されています。
専門用語が多く、投資初心者にはわかりにくい内容となっていますが、購入前には必ず一度目を通しておきましょう。
すべて読むのが難しい方は、「投資先」と「手数料・分配金」が記載している部分だけでも読むことをおすすめします。
ご自身が今からどんな投資先に出資して利益を得ようとしているのかを理解してお金を預けることが、成長にもつながります。
方法②:分散投資をする
多くの資金を持っている方は特に、分散投資を意識して投資信託を購入しましょう。
分散投資とは、一つの投資信託にすべての資金を利用せず複数の商品に分散させる投資方法です。
一つの投資信託にまとめて購入した場合、その商品が大きく下落した場合に損失が大きくなりやすいですが、複数に分散しておくことで被害を少なくすることができます。
複数の投資信託に分散する場合は、似たような商品に分散すると効果が薄くなるため業界や投資する国を分けることをおすすめします。
また、投資信託以外の資産運用にも分散させると、さらなるリスク分散が可能になるのでおすすめです。
方法③:値上がりには期待しない
トレードによって大きな利益を狙う株式投資やFXなどのハイリスクな投資と違い、投資信託は価格変動を利用したトレードや差益を目的としません。
つまり、基本的に大きなリターンを狙わずリスクを抑えた運用になるため大きな値上がりは期待できません。
投資信託を運用するのなら、値上がりによる売却利益を目指すのではなく、配当金などの運用益による安定して継続的に入る利益を目指しましょう。
ローリスク・ローリターンで継続した利益が期待できる投資信託の選び方は、後ほど紹介しているので参考にしてください。
方法④:長期的に積立投資をする
投資信託は、積み立て投資で長期運用することで失敗するリスクを抑えることができます。
一度にまとめて購入するのではなく毎月積み立てにすることでリスク分散が可能です。
なぜなら、上がったり下がったりする価格を毎月一定の金額で購入していくと、購入平均価格を平準化できるからです。
また、資金に余裕があるかたはジャンルの違う2つ以上の投資信託に毎月同じ金額で積み立て投資をしてみましょう。
2つの値動きや運用利益を見比べることによって、投資家としての感覚を身につけることができます。
まとまった余剰資金が無い方でも、毎月可能な分だけ投資する積み立て投資はおすすめです。
近年では、100円ほどから始められるので、貯金の代わりに投資信託を買っていくのも良いでしょう。
失敗しにくい投資信託の選び方
ここでは、失敗したくない方に向けて投資信託の選び方を紹介します。
紹介する2つの選び方を実践するだけで無駄な失敗を減らすことができるでしょう。
失敗しにくい投資信託の選び方
- アクティブ型よりインデックス型
- 分配金は少ない方が良い
選び方①:アクティブ型よりインデックス型
投資信託には、「アクティブ型」と「インデックス型」の2種類があります。
アクティブ型は、金融機関の担当者が直接取引を行って利益を出していくファンドです。
平均よりも大きな利益を目指した積極的な取引を行うため、手数料が高くなる傾向があります。
一方で、インデックス型は日経平均やアメリカダウ平均などの指数・指標を基準にした平均的な取引をするファンドです。
アクティブ型とは違い、機械的な取引が中心となるため手数料が安くなる傾向があります。
投資信託で失敗しないためには、迷わずインデックス型ファンドを選択しましょう。
なぜなら、インデックス型の方がリスクと手数料を同時に抑えることができるため、長期運用が前提の投資信託に向いているからです。
選び方②:分配金は少ない方が良い
投資信託で失敗しないためには、あえて分配金が少ない商品を選ぶことをおすすめします。
なぜ分配金が少ない商品を選ぶのかというと、投資信託では運用利益が出ていないにもかかわらず元本から分配金を出す「特別分配金」があるからです。
この特別分配金は、分配するお金がないのに元本から還元してしまうため、運用資金が減少してしまいます。
元本を削ってリスクが拡大する可能性がある商品よりも、もともと分配金を少なくして確実に運用利益を高めてくれる商品の選択をおすすめします。
投資信託で失敗しないためにはとにかくリスクを少なく、そして長期的な運用をすることが鉄則です。
投資信託は低リスクで低利回りの投資
ここまで、投資信託で失敗しないための方法から失敗しない投資信託の選び方のコツを紹介してきました。
ここまで読んでいただいた方ならおわかりのように、投資信託で失敗しないためには、徹底的にリスクと手数料を抑えて長期投資をしなければなりません。
利回りは良くて平均3パーセントだと理解しておきましょう。
「投資信託って、そんなに儲からないんだな……」と思った方も多いはずです。筆者もこの真実を知ったときは同じ気持ちになりました。
低リスク低利回りでも着実に増やしていける投資信託は魅力も大きいですが、投資するならもっと増やしたいと思うかたもいるはずです。
そんな方のために、最後はさまざまな投資で資産を増やしてきた筆者がおすすめしたい高利回りの投資方法を紹介しましょう。
高利回りで資産を増やしたい人におすすめの投資
筆者が今から始める方に特におすすめしたい投資を3つに厳選しました。
では、それぞれを詳しく紹介していきます。
赤いタイトル
- 不動産投資
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
投資①:不動産投資
不動産投資とは、アパートやマンションなどの建物を購入して家賃収入を得る投資方法です。
物件を購入するため多額の初期資金が必要となりますが、物件によっては利回り10パーセント以上を目指すことが可能です。
さらに、社会的信用度の高いサラリーマンなら金融機関から融資を受けて物件購入資金に充てられるメリットがあります。
ただし、所有物件の空室リスクや災害リスクなど大きなデメリットも含まれています。
投資に使えるまとまった資金がある方は検討してみてください。
投資②:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、投資をしたい人(個人)と運用資金を借りたい人(企業)とをインターネット上で結びつけるサービスです。
投資商品としての特徴は、お金を投資した個人に対して企業が分配金を支払うシステムにあります。
この分配金の金額と分配時期は投資をする前から開示されています。
そのため、いつまでにいくら分配されるのかを理解した上で投資できるメリットがあります。
しかし、一部の企業では運用に失敗したことが原因で分配金の支払いが遅れたり貸し倒れ状態になるデメリットもあります。
このソーシャルレンディングは、5パーセントから10パーセントという高利回りを目指すことが可能です。
そのため、比較的新しい投資にも関わらず、話題の案件ではすぐに募集が埋まるほど人気の投資です。
さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をしっかりとチェックしてください。
投資③:不動産投資型クラウドファンディング
不動産型投資型クラウドファンディングは、不動産運用をする企業に対して個人がお金を投資する商品です。
寄付型のクラウドファンディグとは違い、投資した個人は運用利益を分配金として受け取ることが可能です。
この不動産投資型クラウドファンディングは、1万円と少額からスタートできるメリットがあります。
将来的に不動産投資をやりたいけど、資金面でまだ始められないという方はまず少額から投資して勉強することができるでしょう。
不動産投資型クラウドファンディングは、ソーシャルレンディングと同じく比較的まだ新しい投資です。
今後利用する投資家が増えると、案件が気軽に投資しにくくなる可能性があるため、気になるかたはいますぐに始めることをおすすめします。
もっと詳しく知りたい方はこちらで詳細を確認するようにしてください。
まとめ
投資信託で筆者が失敗した体験談から、失敗を防ぐための方法までを紹介しました。
投資信託は、誰でも手軽で簡単にできるおすすめ投資方法です。
今回紹介したように手数料を抑えた低リスクな商品を購入すれば、一定の結果を出すことは難しくはありません。
しかし、筆者のように投資利益だけで生活したいという方は、投資信託だけでその夢を叶えることは難しいのが現状です。
投資利益を増やしたい方はさまざまな投資にチャレンジし、失敗と成功の経験を積み重ねていくしかありません。
最後に紹介した「ソーシャルレンディング」や「不動産投資型クラウドファンディング」など、利回りの方い投資方法にもチャレンジしてみてください。