「株を始めたいけどなんだか難しそう」「何から勉強すればいいのかわからない」株式投資や資産運用の相談を受けると、このような不安や疑問を多くの人が聞いてきます。
株式投資の勉強には、取引方法や目標によって適切な勉強方法があります。
この記事では、投資初心者に向けて株式投資を始める際におすすめの勉強方法と注意点を紹介していきます。
目次
筆者プロフィール
筆者は、北海道在住で2人の子供を育てながら、投資からの収入で生活している30代前半のフリーライターです。
20代は中小企業のサラリーマンとして働いていましたが、給料の低さや昇級の難しさに嫌気が差したことが原因で投資を始めました。
副業として行っていた投資では何度も失敗はしましたが、結果的に現在は継続的な利益を得られるまで成長できました。
その後は脱サラし、投資や個人で稼ぐことを中心にネットで記事を執筆するフリーライターとして活動しています。
この記事では、筆者が株式投資初心者だった頃のエピソードから、勉強方法までリアルな実体験をもとにお伝えしていきます。
そのため、これから株式投資を始めたい初心者の役に立つに内容となっているはずです。
【体験談】株初心者に勉強は必要なのか?
まずは、筆者が株式投資初心者だったころに勉強不足で失敗したエピソードを紹介していきましょう。
好きな銘柄だけを買って失敗
現在ではさまざまな投資先に資産を分散している筆者も、初めての投資は株式投資でした。
とにかく、何かのキッカケで現状を変えたいという気持ちだけでネット証券会社の口座を開設していました。
そして、手元にあった数十万円を口座に入金、自分の好きなゲーム開発会社やたまたま名前の知っていた企業の個別株に投資したのです。
勉強ゼロからのスタートだったので、経済状況や企業の将来性などはまったくわからない状態でした。
株式投資で得られる分配金や利回りなどの基礎知識もなく、とにかく根拠のない取引を行いました。
そのような取引が上手くいくはずもなく、保有する個別株の株価が少し値下がりしたタイミングに怖くなって売却し、損失を確定させました。
いつどのように利益が出て、いつ売ればいいのかがわからない状態だったので当然でしょう。
この経験をした後に、「このままではダメだ」と思い、本格的に株や資産運用全体の勉強を開始しました。
株の勉強後に変化したこと
投資の勉強を開始した後、まずわかったことは「株式投資が投資の中でも特に難易度の高い投資先」だという事実です。
知名度の高さや配当金や株主優待などにより、稼げるイメージだけが先行していました。
しかし、株式市場で取引するのは証券会社や金融機関のプロや、個人で数億円の資金を動かすような大資本家ばかりです。
そのようなプロ集団が戦う戦場に、初心者が挑んでも勝てるわけがありませんでした。
その後は、初心者に勝てる世界ではないという基礎知識を大前提にして、個人が勝てる方法を探しながら勉強していきました。
まずは株式投資を諦めて、個人でも勝てると感じた「仮想通貨」や「中古不動産投資」などに挑戦し、コツコツと利益を積み上げていきました。
そこで得た利益を元手に、再度株式投資に挑戦しました。
短期的なトレードではなく長期的な運用を意識して継続した配当金を得られるようになりました。
個人投資家は、株で勝つことを目標にするのではなく、負けないためにはどうすれば良いのかを勉強すべきです。
この言葉は、株式投資の書籍で勉強した言葉です。
諦めずに勉強と挑戦を続けていれば必ず自分なりの勝ち方やルールを作れるようになります。
個人によって大きく異なるため答えはありません。
しかし、筆者が実際に行った勉強方法と注意点をこの先の内容で紹介していきます。
株の初心者におすすめの勉強方法
株の初心者におすすめの勉強方法を6つ紹介していきます。
何から始めれば良いのかわからない方は、上から順番に試してみてください!
- 本・雑誌
- 新聞
- アプリでデモトレード
- 証券会社のホームページ
- ブログ
本・雑誌
これから投資を始めようと思っている初心者は、できるだけ雑誌ではなく初心者向けに書かれた専門書からの勉強をおすすめします。
なぜなら、雑誌の情報はリアルタイムで断片的な情報が多く、初心者向けではないからです。
初心者は、専門書籍で基礎知識から応用までを体系的に勉強していきましょう。
その中でも何から読めば良いかわからない場合は、「ベストセラー」と言われている本から順に手に読んでみてください。
投資を開始する前に、最低でも3冊は読むようにしましょう。
複数の本を読むことで、記憶に定着しやすくなるからです。
読者さんの中には、本を読むことに抵抗がある方も多いとは思いますが、筆者を含めて株式投資で成功する方は勉強家ばかりです。
基礎知識がなければ、一流投資家たちの足元にも及ばない状態になってしまいます。
少しずつでも本での勉強にチャレンジしてみましょう。
新聞
新聞を読んで、経済市況や専門家の考え方を勉強していきましょう。
新聞での勉強は、あくまでリアルタイムに起きている事柄がどのように市場に影響を及ぼすのかを知るための応用です。
新聞の種類は、できれば日経新聞(日本経済新聞)がおすすめです。
理由は、地方紙には載らない株式市場の情報が掲載されるからです。
特に、時事用語を初心者向けに解説した「きょうのことば」など、多くの勉強になる内容があります。
スマホやネットニュースでも経済や投資の情報も得られますが、不要な情報も目に入りやすいため、できれば有料版のニュースサイトを利用しましょう。
株式投資を始めると、保有する株式に関するニュースや関連記事が出てきます。
初心者のうちは、関連するニュースや気になる言葉だけを読み流すだけでも勉強になるでしょう。
すぐに完璧に理解することは不可能なので、気軽に長い目で勉強する気持ちが上達するコツです。
アプリでデモトレード
デモトレードアプリとは、仮想の資金を利用して株取引を行えるスマホアプリやWebサービスです。
使うお金は仮想ですが、実際に取引できる銘柄や値動きは実践の株式投資と同じように行えます。
株初心者は注文方法やチャートの見方などの基本的な操作方法で戸惑うことが多いため、まずはデモトレードで操作を覚えましょう。
デモトレードで慣れておくと、本番の取引で操作ミスなどを防げます。
ただし、デモトレードでは基本操作は覚えられてもトレードスキルを向上させることはできません。
なぜなら、実際のお金を使う精神状態と仮想のお金での精神状態はあまりにも違いがあるからです。
デモトレードで上手くいったからといって実践でも上手くいくとは限らないと覚えておきましょう。
証券会社のホームページ
株式投資を行える証券会社のホームページには、利用ユーザーに対してわかりやすく投資情報をまとめる会社が増えています。
まだ口座を開設していない人向けのコンテンツはもちろんですが、口座を開設している人だけが見られる記事やコンテンツでの勉強は特におすすめです。
初心者ではなく中級者向けの情報も多く難易度が高いですが、毎日の市場動向やプロ目線からの市場予測なども見どころがあります。
近年は、動画コンテンツなども増えているため、筆者はさらに期待しています。
ぜひ、利用してみてください。
ブログ
ブログとは、個人投資家が投資情報を発信しているブログのことを指します。
近年は、個人投資家でも投資結果や手法をブログで解説する人も増えています。
そのため、普段は会うことのできないさまざまな投資家の考え方や手法を勉強できるチャンスです。
筆者も気になるブロガーや最新情報を書いてくれるブロガーを中心に、ブログを定期的に読んでいます。
ただし、ブログの情報は3割ほどの情報が自分を大きく見せるためのウソか、有料情報につなげるための記事であることが多いです。
本当の情報とウソの情報を見極められない人にはおすすめできません。
信頼できる情報を発信しているブログ記事だけを読んでいきましょう。
Twitterとは、リアルタイムで短い文章や画像をシェアできるSNSサービスです。
筆者は、Twitterをリアルタイムな情報や市場のトレンドをつかむ勉強場所として利用しています。
株式投資に関する有益な情報やリアルタイム情報をつぶやいてくれる人だけをフォローすることで、開くたびに勉強できる環境を自分なりに作ることが可能です。
ただし、ブログと同じくTwitterの情報はウソやデマ情報が多いです。
Twitter情報だけを頼りに株を買ったり売ったりすると失敗するので注意しましょう。
慣れてきたら、自身でも投資の知識を発信すると勉強効率がアップするのでおすすめです。
売買取引で稼ぎたい人向けの勉強方法
ここからは、株式の売買取引(トレード)で稼ぎたい人向けの勉強方法を紹介します。
そもそも売買取引とは
株の売買取引とは、安い価格で株を買い、値上がりしたところで売ることで差額の利益を得る取引手法です。
逆に、高い価格で売って安くなったら買い戻す方法でも利益を得られます。
株の売買利益をメインとする人のことを「トレーダー」と呼びます。
近年では、株の売買取引はスマホとパソコンのみで誰でも行うことが可能です。
そのため、金融機関などに所属するプロトレーダーと、筆者のような個人トレーダーが同じ場所で取引できるようになっています。
チャート分析を勉強する
売買取引をメインに株式投資を行いたい人は、基本的に1日に何度も売買したり、数日に1回程度の取引をする必要があります。
このような短期的な売買に有効な勉強方法は、「チャート分析(テクニカル分析)」です。
チャート分析とは、株価の値動きを表すグラフ(チャート)から市場の値動きや投資家心理を読み取って、利益の出る取引を行うための分析方法です。
株式市場のチャート値動きは、投資家たちの心理状態を表しているとも言われています。
市場参加者の心理や戦略を読むことが求められます。
チャート分析の専門書に数多くの本があるため、気になる方はすべて読むつもりで勉強してみましょう。
また、株取引を実践しながらテクニックを習得することも有効な勉強方法です。
資金に余裕のある方は、少ない金額から実践でトレーニングをしてみてください。
株主優待・配当金で稼ぎたい人向けの勉強方法
続いて、株主優待や配当金を中心に稼ぎたい人向けの勉強方法を紹介します。
株主優待・配当金とは
株主優待とは、企業が発行する株式を保有してくれている株主に対して、企業が提供するサービスや自社商品を贈呈するサービスです。
あくまで任意の制度なので、すべての上場企業が行っている制度ではありません。
また、配当金とは企業の利益の一部を株主に還元することです。
株主は保有株の数量に対して定期的に配当を受け取ることができます。
一般的に株の配当金利回りは年間2パーセントから5パーセントです。
ファンダメンタル分析を勉強する
株式投資で得られる配当金は、日本株で年2回の配当が基本です。
そのため、配当金で稼ぐためには半年から1年以上の長期間を意識した運用が必要です。
中長期の市場動向を読むためには、ファンダメンタルズ分析を利用した勉強方法がおすすめです。
ファンダメンタル分析とは、企業の業績分析や経済指標などのデータに基づき、企業の成長性や価値を分析する方法です。
企業の価値が本来の価値より低いと感じた場合は株を買い、逆の評価の場合は株を売却し利益を目指す方法です。
配当金が高いからといって株式を保有していても、結果的に株価が下がれば損失を抱えてしまいます。
そのような失敗を防ぐために、ファンダメンタル分析が有効です。
ファンダメンタル分析は、企業の業績や財務、国の政策など多角的に影響を受けます。
日本国内のみならず世界の経済活動全体を勉強する必要があるでしょう。
株初心者が投資の勉強をする際の注意点
続いて、株式投資の初心者が投資の勉強をする際の注意点を3つ紹介します。
- 株は高額な元手資金が必要
- 投資の中でも株は難易度が高い
- 勉強してもすぐには身につかない
注意点①:株は高額な元手資金が必要
株は、企業によって数百万円の元手資金が必要な場合があります。
そのため、株式投資について勉強したにもかかわらず、元手資金不足で買いたい株式を買えない可能性があります。
そもそも、ご自身が株式投資をできる状態なのかを確認しておきましょう。
特に、東証一部上場企業や米国株などは株価が高い傾向にあるため注意が必要です。
注意点②:投資の中でも株は難易度が高い
投資の中でも、株式投資は特に難易度の高い投資だと理解しておかなくてはなりません。
株式投資は、金融機関のプロトレーダーや数百億円を動かせるような大資本家も参加しています。
初心者簡単に勝てるような世界ではないと知っておきましょう。
勝つためには、最低限の勉強をしてスタートラインに立つための準備が必要です。
注意点③:勉強してもすぐには身につかない
ここまでお伝えしてきたように、株式投資は単純な勉強をしただけですぐに稼げる投資ではありません。
株の値動きは単純な要因だけではなく、世界経済全体の影響を受け続けているからです。
そのため、株の勉強以外に経済全体を学ぶことも必要です。
投資初心者は、株式投資だけにこだわらず複数の投資に挑戦して経験を積み重ねることをおすすめします。
筆者は現在も、株式投資は10種類以上ある資産運用先の一部であり、今後も投資先を分散して利益を得る予定です。
株より多くの勉強時間が必要な投資方法
ここからは、株式投資よりも多くの勉強時間が必要で、難易度の高い投資を紹介します。
投資初心者は、初めての投資先としてこの2つは避けておきましょう。
- FX(外国為替証拠金取引)
- 不動産投資
FX(外国為替証拠金取引)
FX(外国為替証拠金取引)とは、世界各国の通貨を売買することで差額の利益を得たり、金利の差によって利益を得たりする投資方法です。
シンプルな投資方法ですが、「レバレッジ」という仕組みを使うことでハイリスク・ハイリターンになりやすいことが特徴です。
レバレッジを利用すると少ない資金でも大きな金額の取引が可能であるため、リスクとリターンが大きくなります。
投資初心者がFXを行うと、一瞬にして資金がゼロになるリスクがあるためおすすめしません。
また、FX取引で稼ぐためには、チャート分析の勉強だけではなく海外市場の勉強も必須となります。
不動産投資
不動産投資とは、投資用にマンションやアパートを購入して貸し出すことで家賃収入を得たり、売買によって利益を得たりする投資方法です。
不動産投資で成功するためには、物件のある地域の特性や建物の専門知識を勉強しなければなりません。
そもそも、不動産投資に数千万円規模の投資ができる個人投資家は少ないでしょう。
初期資金という高いハードルが必要なので、勉強だけで成功を目指すことは困難です。
株より少ない勉強時間で始められる投資方法
続いて、株よりも少ない勉強時間で始められるおすすめの投資方法を3つ紹介していきます。
ここまでの内容で、株式投資は難しそうだと感じた方はこの中から気になる投資を探してみましょう。
- 投資信託
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
投資信託
投資信託とは、個人投資家が金融機関にお金を預けることで、集めたお金をまとめて運用してくれる投資商品です。
プロに任せるため手数料が高いことがデメリットですが、証券会社によっては最低100円から投資が可能というメリットもあります。
そのため、初めて投資をする人でも複雑な勉強不要で投資を始められます。
投資信託の運用商品には株式も含まれているため、同時に株式投資の経験を積めるでしょう。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい個人(投資家)」をインターネット上で結びつけるサービスです。
クラウドファンディングの一種であり、「貸付型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。
個人投資家が企業に融資し、融資金額に上乗せした金額を定期的に受け取れる仕組みです。
ソーシャルレンディングの大きなメリットは、5パーセントから10パーセントの高利回りを目指せることです。
比較的新しい投資方法ですが、人気が上昇しています。
そのため、人気の案件ではすぐに枠が埋まってしまうこともあります。
最低1万円から始められるため、分散投資先の一つとして挑戦してみてください。
初めて聞いたという方は、こちらで概要をチェックしておくと良いでしょう。
不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産投資を行いたい事業者に対して個人投資家が投資できるサービスです。
事業者は、個人投資家から集めた資金を使い、アパートやマンションなどの主に居住向け物件の運用に利用します。
その後、不動産からの運用利益が個人投資家に分配される仕組みです。
本来、不動産投資を行う際に必要な登記代や税金が不要だったり、投資後は取引不要で不労所得を得られることが個人投資家にとってのメリットです。
また、1万円と少額から投資できる点も不動産投資型クラウドファンディングが人気の要因でしょう。
毎月貯金する代わりに、不動産投資型クラウドファンディングに投資してみるのはいかがでしょうか?
不動産投資型クラウドファンディングも、近頃人気が高くなっています。
知らなかった方は、概要を確認しておいてください。
まとめ
筆者の経験をもとに、株式投資におすすめの勉強方法から注意点までを紹介してきました。
「資産運用と言えば株式投資」というイメージを多くの人が持っていますが、株式投資は長時間の勉強が必要で難易度の高い投資です。
どうしても株式投資にこだわりたい方は記事内でおすすめした勉強方法を参考にしてください。
もし、お金を増やすことを目的に資産運用を始めるのなら、初心者でも簡単に始められる投資から始める方が良いでしょう
最後に紹介した「ソーシャルレンディング」や「不動産投資型クラウドファンディング」は特におすすめの投資ですよ。