資産運用には失敗がつきものです。
この記事では、「資産運用に失敗する原因は何か?」「どうすれば資産運用での失敗を避けて成功できるのか?」を筆者の投資経験をもとに解説していきます。
筆者のプロフィール
筆者は、30歳でサラリーマンを辞め、資産運用の利益と小さなビジネスで得たお金で2人の息子を育てている父親です。
約10年間の投資経験がありますが、これまで何度も失敗を繰り返して成長してきました。
大きな失敗もある中で、長期間に渡って利益を出している資産運用もあります。
その2つの違いには共通点があると感じています。
この記事では、失敗しないためのコツから、おすすめの資産運用までを紹介します。
近年の仮想通貨バブルやコロナショックでも大きな失敗をしているため、リアルな失敗談も含めて書いていきます。
資産運用で合計130万円を失った失敗談
まずは、筆者が資産運用で合計130万円を一気に失った失敗談を紹介します。
失敗の原因までを考察するので、ぜひ今後の資産運用の参考にしてください!
失敗談①:仮想通貨バブルで30万円の損失
概要
2017年にビットコインを中心に仮想通貨の価値が高騰するバブルが起こりました。
2017年当初、1ビットコイン約8万円の価値だったものが、12月には1ビットコイン200万円以上に跳ね上がりました。
その後、1ヶ月程度でバブルが弾けたため、最高価格の半分以下まで価格が下落してしまいました。
筆者が初めて仮想通貨に投資したのが、2018年1月。
まさにバブルが弾けたタイミングでした。
資産運用だと思い仮想通貨に投資した50万円が、1ヶ月後には20万円以下まで価値が下落しており、絶望感を抱いたことを今も忘れられません。
原因
筆者の資産運用がなぜ失敗したのか、その原因を深掘りして考えていきます。
まず、資産運用だと思っていたこの仮想通貨投資こそが、資産運用ではなく投機(ギャンブル)だったことが失敗の原因でした。
資産運用は、いくらの利回りが返ってくるのかが明確になっているものにお金を預ける方法です。
投機は、上がるか下がるかを予想するだけのギャンブルに過ぎません。
自分の中でもその商品についてよく理解していなければ、さらにギャンブル性が強くなります。
「仮想通貨ってなんだかよくわからないけれど、儲かりそうだから流れに乗っておこう」というお金の預け方が失敗の原z因だと深く反省しています。
失敗談②:コロナショックで100万円の損失
概要
2019年末に中国に端を発した新型コロナウイルス感染が、日本のみならず全世界の経済に悪影響を与え、コロナショックと呼ばれていることはみなさんもご存知のとおりです。
筆者は、さまざまな資産運用を行っていますが、このコロナショックではFX投資で損失100万円の大失敗をしました。
FXとは、アメリカドルやユーロなど外国の通貨を取引する資産運用の一つです。
コロナショック当初の筆者は、マイナーな新興国通貨メキシコペソという通貨を約50万円分購入していました。
しかし、コロナショックにより大暴落が資産総額は大きく下落してしまいます。
投資資金の3分の2程度まで値下がりしましたが、ここまでは筆者の頭の中では想定の範囲内の値下がりでした。
あろうことか、筆者はここが安値で買えるチャンスだと考え、さらに50万円分を追加購入してしまいました。
その後に起こったさらなるコロナショックの大暴落により、強制決済金額(ロスカットライン)に達してしまい、合計100万円の投資資金がゼロになってしまう大失敗となりました。
原因
このコロナショックによる資産運用の失敗は、何が原因だったのかを考察していきましょう。
まずは、世界経済の影響を特に受けやすい新興国通貨を投資先に選択したことが一つの原因です。
さらに、最初の下落時に買い増し(ナンピン買い)してしまったことも、大暴落のリスクを甘く見ていた証拠です。
経済の影響を受けやすくギャンブル性が強い資産運用には、余裕を持った資金管理が必要でした。
FXで失敗を避けるためには、必要証拠金500%以上を目安に用意すべきだったと考えています。
FXには、特有の「レバレッジ倍率」や「証拠金維持率」など、専門的な用語が多いです。
複雑な仕組みを理解するまでは、レバレッジ倍率4倍以下を維持することを強くおすすめします。
コロナショックにおいての筆者の唯一の救いは、FX投資以外にもさまざまな資産運用に資金を分散させていたことです。
万が一、FXに全財産を預けていたら、今ごろ失敗がさらに大きくなり借金地獄になっていたことでしょう。
資産運用におけるよくある失敗例
続いては、資産運用でよくある失敗例を具体的に紹介していきます。
資産運用初心者が特にやってしまいがちな失敗ばかりなので、参考になるはずです。
よくある失敗例
- 経済不況の影響を受けてしまう
- 銀行に勧められるがまま投資してしまう
- 投資詐欺の被害にあってしまう
- 一つの銘柄に集中投資してしまう
失敗例①:経済不況の影響を受けてしまう
概要
経済不況とは、先ほどの失敗談でも紹介した「コロナショック」や「リーマンショック」などの世界的な経済不況です。
資産運用の種類によって、経済不況の影響を受けやすい商品と受けにく商品があります。
被害の大きい商品では、資産が10分の1まで下落することもあります。
FXなど、レバレッジをかけて取引をする場合は、相場の急落により資金が不足すると強制決済(ロスカット)され投資資金のほぼすべてを失ってしまいます。
原因
経済不況の影響を受けやすい原因は、分散投資をせずに楽観的に資産運用してしまうことが主な原因です。
世界的な経済不況は、個人投資家には予測が不能だと言えます。
アベノミクスのような上昇トレンドが続いていたことで油断を招き、コロナショックで大きな失敗をした投資家も多いでしょう。
不況に影響されやすい株式投資やFXなどは、損切りラインを事前に決めることで、失敗を小さくできます。
失敗例②:銀行にすすめられるがまま投資してしまう
概要
銀行には資産運用の相談窓口があり、投資信託や外貨預金などを提案されます。
銀行にすすめめられた投資信託をよく理解しないまま資産運用していたけれど、数年後にほとんど資産が増加しておらず、高額な手数料を取られていることが発覚する失敗例があります。
また、外貨預金では金利の高さをセールスポイントに勧誘されます。
こちらも、手数料が高く為替変動に対するリスクを専門用語でわかりにくくすることで、資産運用初心者を投資させているというのが実態です。
原因
銀行は違法な商品を販売しているわけではありませんが、資産運用として紹介している商品は総じて手数料が高いことが失敗の原因です。
銀行はその手数料が主な収入源となっているため、できるだけ手数料を取れる商品を投資家にすすめるのです。
そのため、せっかく利益が出るはずの資産運用でも、高額な手数料があることによって少しも増えないという失敗になりかねません。
したがって、銀行の窓口からおすすめされた商品を資産運用として利用することはあまりおすすめできません。
おすすめされた中に気になる商品があったなら、インターネットの証券会社を利用し、手数料の低い商品を選ぶことで失敗を防げるでしょう。
失敗例③:投資詐欺の被害にあってしまう
概要
資産運用をしたことがない初心者や学生に多いのが投資詐欺の被害にあってしまう失敗例です。
「絶対に儲かる」や「半年後には倍に増える資産運用」など、初心者が欲に負けてしまいそうな言葉を並べた詐欺が多くあります。
実際には、数ヶ月後に投資案件自体が消滅してしまっていたり、友人を紹介しなければ利益が増えていかないなどの悪質な詐欺があります。
原因
投資詐欺の被害にあう人は、資産運用に関する基礎的な知識がないことが主な原因です。
少しでも知識のある人が聞くと、怪しいと感じたり、絶対に儲かる資産運用がないことはわかります。
資産運用やお金に関する知識は、一生勉強し続けるつもりでいることが大切です。
自身で理解ができない資産運用には挑戦せず、必ず信頼のできる人に相談してから運用を始めるように心がけましょう。
資産運用の知識は、知っているだけで失敗を減らすことができ、大切なお金を守ることにつながります。
後半で紹介する資産運用に失敗しないためのコツや、おすすめの資産運用を参考にしながら、ご自身で判断した商品を運用してみてください。
失敗例④:一つの銘柄に集中投資してしまう
概要
資産運用に使えるお金を一つの銘柄や投資商品に集中してしまい、価格の暴落などに大きく影響を受ける失敗例です。
投資先企業の倒産などで、持っている株の価値がゼロになってしまう失敗例などを聞いたことがある方もいるはずです。
不動産投資では、投資した物件の近くにあった大型商業施設が移転して大きく資産価値が下がり、結局借金を支払えないなどの失敗があります。
原因
一つの商品に集中投資することは、大きく利益を伸ばすためには有効な方法ですが、リスクが非常に高くなりやすく失敗の原因になります。
資産運用先を分散するには、次の3つを意識するだけで一気に資産を失うリスクを抑えやすくなります。
分散すべきもの |
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資産運用の初心者は、少ない金額での分散投資を心がけ、多くの商品を利用した投資の経験を増やすことが大切です。
資産運用で失敗しないためのコツ
絶対に失敗しない資産運用はありませんが、失敗を防ぐコツは存在します。
ここでは資産運用で、失敗しないための3つのコツを紹介しましょう。
資産運用で失敗しないためのコツ
- 生活資金を使わない
- 長期投資する
- 毎日の値動きに一喜一憂しない
コツ①:生活資金を使わない
生活に必要な資金を資産運用に使わないことが、失敗しないためにもっとも大切なコツだと言えます。
家賃や食費を資産運用に使ってしまい、お金が必要なときに解約すれば良いと考える投資家は少なくありません。
しかし、コロナショックなどの急激な経済不況が起きた際に、一気に生活資金まで失ってしまう危険性があります。
失敗例で紹介した「投資詐欺」では、高利回りなのですぐに資金を取り返せると勘違いし、借金をして資産運用を始めてしまうこともあります。
何があっても生活資金だけは確保することは忘れずに資産運用をしていきましょう。
筆者も、コロナショックなどで大きな失敗をしましたが、生活費には含まれない余剰資金で資産運用を行っていました。
「もし生活資金を使ってしまっていたら……」と考えるだけでもゾッとする失敗体験です。
コツ②:長期投資する
資産運用で失敗しないためには、長期的な目線で投資するのがコツです。
短期的に稼ぐための資産運用は、同時にリスクも高くなります。
数ヶ月から数年単位の長期間を使い資産を増やすことを前提に投資することで、失敗を減らしやすくなります。
資産運用では、最初は小さな利益でもその利益をまた運用していくことで、どんどん利益が大きくなっていく「複利」という仕組みがあります。
「投資の最大の魅力は複利効果だ」という投資家もいるくらいです。
短期的に稼ぐよりも、長期的にコツコツと不労所得を増やしていくことが失敗を減らすコツです。
コツ③:毎日の値動きに一喜一憂しない
資産運用した商品は、日々価格が変化しています。
毎日の変化に一喜一憂していると精神的なダメージが大きく、投資判断を鈍らせてしまいます。
運用をスタートしている商品の値動きをできる限り気にしないことが、資産運用で失敗しないためのコツです。
値動きに一喜一憂しないためには「分散投資」がもっとも効果的な方法です。
先ほどの失敗例でも紹介した「分散投資」をすることで、それぞれの投資商品ごとの金額が少なくなります。
大きな金額よりも少ない金額の値動きなら精神的にも気にならず、予想外の値動きにも冷静に判断できるためおすすめです。
資産運用に失敗しやすい投資の種類
資産運用方法の中には、失敗しやすいものがあります。
失敗しやすいとは、「難易度が高い」「リスクが高い」などさまざまな理由が考えられます。
なぜ失敗しやすいのか、それぞれの種類に分けて詳しく解説していきます。
失敗しやすい資産運用
- FX
- 株式投資
- 仮想通貨
- 不動産投資
種類①:FX
FX(外国為替証拠金取引)とは、外国の通貨を売買して金額差の利益を得たり、金利の差を利用して利益を得られる資産運用です。
FXでは、「レバレッジ」という仕組みを利用することで、投資した資金よりも大きな金額で取引できることが特徴の投資です。
FXが失敗しやすい理由は、持っている資金よりも大きな金額を取引することで利益も大きくできるけれど、損失も大きくなりやすいからです。
加えて、「レバレッジ」や「証拠金維持率」といったように、初心者にはわかりにくい専門用語が多いことが難易度を高くする原因です。
FX投資歴6年の筆者でも、コロナショックで100万円以上の損失を抱えてしまいました。
初心者が始める場合は、失敗を防ぐためにしっかり仕組みを理解してからにすることをおすすめします。
種類②:株式投資
株式投資とは、企業の株式を購入し株主になることで利益額の一部を配当金として受け取れる資産運用です(インカムゲイン)。
配当金に加えて、株式を買った時点よりも株価が上昇した時に株式を売却することで、価格差益を得る方法があります(キャピタルゲイン)。
株式投資が失敗しやすいのは、投資を始めるための資金が高額なことが主な原因だと言えます。
例えば、一社の株式を購入するためには、数万円から数十万円の投資資金が必要です。
豊富な投資資金がある投資家でなければ、分散投資が難しくなってしまいます。
分散投資ができなければ、少ない投資先の株価に依存する状態が続いてしまうため、リスクが高くなってしまうのです。
種類③:仮想通貨
仮想通貨とは、インターネット上で売買可能なデジタル通貨のことです。
主に「ビットコイン」が有名ですが、その他にも数千種類の仮想通貨があります。
株式市場やFXのように、仮想通貨の値段は毎日変化しており、買った価格よりも高い価格になったときに売却して利益を得ることができます。
仮想通貨が失敗しやすいのは、毎日の値動きが激しく予測しにくいことが挙げられます。
仮想通貨の知識を持っていて今後の値動き予測ができるのならおすすめですが、「なんとなく儲かりそう」という理由で投資を始めるにはリスクが大きいため注意してください。
筆者は仮想通貨のことはよくわからず、トレンドだったことを理由に投資をしてしまい損をしてしまいました。
自分が理解できない資産運用には投資しないことが失敗しないためのコツの一つです。
種類④:不動産投資
不動産投資とは、マンションやアパートを購入して家賃収入を得る資産運用です。
他の資産運用と比べて、家賃での安定した利回りを期待でき、経済不況の影響も受けにくい特徴があります。
一方で、サラリーマンが借金をして新築ワンルームマンションを購入する資産運用は失敗しやすいです。
資産価値が長持ちしやすい新築物件は魅力的に感じますが、ローンの組み方に失敗の原因があります。
投資用物件を35年フルローンで購入してしまうと、物件からの家賃収入だけではローンを返済できず、不足分をサラリーマンの給料から補填しなければならなくなります。
このように、毎月の収支がマイナスから始まる資産運用はリスクに対応できません。
失敗を減らすためには、自己資金を多めに用意してから始めるか、安価な中古物件で高利回りな物件を目指すことをおすすめします。
資産運用におすすめの投資方法
最後に、資産運用に失敗しにくいおすすめの投資を紹介します。
それぞれがなぜおすすめなのかも解説していきますので、参考にしてください。
資産運用におすすめの投資方法
- 投資信託
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
投資①:投資信託
投資信託とは、個人投資家から集めた資金を一つにまとめ、金融機関が代わりに資産運用してくれる投資です。
個人投資家は、プロに資金を預けることで利益の中から分配金を受け取れます。
資産運用の専門知識がなくても簡単に始められること、ほったらかしでも大丈夫なことがおすすめな理由です。
ただし、商品によっては取引手数料が高いため運用前に必ず手数料を確認してから購入を判断しましょう。
失敗例でも紹介したように、銀行から勧められる投資信託では手数料が高額になっていることが多いため、注意が必要です。
投資②:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、資金を借りたい企業と投資目的でお金を貸したい個人をインターネット上でつなぐサービスです。
投資した金額に応じて、分配金として毎月収入を得られるメリットがあります。
一方で、貸した企業の業績によって資金を回収できない可能性があることがデメリットです。
資産運用の中でソーシャルレンディングをおすすめする理由は、投資した後は放置していても5パーセント以上の高利回りで分配金が入ってくる特徴があるからです。
さらに、ソーシャルレンディングは最低1万円から始められるため、分散投資の一つに検討してみてください。
詳しくは、こちらで解説されています。
投資③:不動産型クラウドファンディング
不動産型クラウドファンディングとは、不動産運用をしたい企業に個人投資家が運用資金を投資する資産運用です。
個人投資家は、企業から不動産投資の収益を分配金としてもらうことができます。
不動産投資型クラウドファンディングは、1万円といった少ない投資金額から始められることや、比較的新しくまだ世間に広く知られておらずライバルが少ないことがおすすめの理由です。
投資先は、主にマンションやアパートなどの居住物件を運営する傾向が高いです。
将来は自身で不動産経営を行いたいけれど、今は資金が足りないという方にも不動産投資の勉強になるためおすすめしたいです。
資産運用の中でも、特に近年人気があがってきているのが不動産型クラウドファンディングです。
今のうちから注目していきましょう。
詳しくは、こちらをチェックしてください。
まとめ
筆者の経験をもとに、資産運用によくある失敗と防ぐためのコツを紹介しました。
失敗は完全に防ぐことはできませんが、コツを知っているだけで被害を小さくできます。
今回紹介したおすすめ資産運用は、すべて1万円ほどの少ない金額で投資が可能です。
気になった投資に資金を分散することでリスクを減らしつつ、投資経験を積むことができます。
筆者のように、資産運用で100万円以上の失敗をしないように気をつけてください。