100万円を投資したらどのように増えていくのか?
投資によって増え方がどう違うのかを理解している方は少ないものです。
手元にある100万円を使って投資する場合、どのような投資先があるのでしょうか?
この記事では、筆者の経験をもとに100万円の投資先として何がおすすめなのかをリスク別に紹介していきます。
また、実際に運用シミュレーションも用意したので参考にしてみてください。
目次
筆者プロフィール
筆者は、北海道に住む30代前半のフリーライターです。
20代の頃は、中小企業のサラリーマンとしてごく普通の生活をしていました。
しかし、副業や投資に力を入れてからはお金を増やすことに夢中になり、サラリーマンを辞めて投資とライターを本業として活動しています。
肩書きはフリーライターですが、主に投資家としてさまざまな投資を行ってきました。
現在は、投資先からの配当金は収入により、いつ仕事がなくなっても生活に困らない金額を得ています。
とはいえ、すべての投資がうまくいったわけではなく、失敗も繰り返してきました。
この記事では、筆者が投資で100万円を失った体験談から紹介していきます。
そして、もし手元に100万円があったらどの投資先に資金を預けるべきかを解説します。
【体験談】投資で100万円を失った経験と教訓
まずは、筆者が投資で100万円を失った経験と、そこから学んだ教訓を紹介していきましょう。
筆者は、ハイリスク・ハイリターンの投資を特に好んで、今でも複数の投資先で運用しています。
ハイリスクなので、一瞬で元本を失うこともありますが、大きく勝てることもあるギャンブル性を好んでいました。
最大のリスクを予測したうえで投資を行っているため、多少の経済不況でも想定の範囲内でした。
しかし、コロナショックだけは自分自身の予想をはるかに超えていました。
なぜなら、コロナと直接関係のない銘柄や外貨が軒並み大暴落したり、大きな価格変動が続いたからです。
所有していた高配当株式やFXなど、リスクの高い投資先はほぼすべて想像以上に下落してしまいます。
コロナショックでは、たった1日で100万円を失いました。
この経験で学んだことは、過去の指標や相場には正解がなく、「そろそろ下げ止まるだろう」という憶測は通用しないことです。
コロナショックがあってからは、リスクを抑えてコツコツと増やせる投資を中心とした手法に切り替えていきました。
投資初心者の方には難しい話だったかもしれませんが、投資をしていくうえで必ず大きな不況を経験する日は来るので覚えておいてください。
ここからは、投資でお金が増える基本的な仕組みと投資方法を紹介したうえで100万円の投資先を考えていきます。
投資でお金が増える仕組み
投資でお金が増える仕組みは大きく2つに分けられます。
この仕組みを理解しておかないと適切な投資先を選べないため、今のうちに覚えておきましょう。
仕組み①:インカムゲインとキャピタルゲイン
投資における「インカムゲイン」とは、保有しているだけで得られる収入のことです。
一度に得られる金額は少ないけれど、継続して入ることが特徴です。
一方「キャピタルゲイン」は、売却したときにだけ得られる収入のことです。
一度しか入りませんが、大きな金額になることが特徴です。
不動産投資では下記に例えると、所有するマンションの住人から毎月入ってくる家賃収益を「インカムゲイン」であり、所有するマンションを売却したときに入る売却収益が「キャピタルゲイン」です。
仕組み②:単利と複利
続いて、「単利と複利」を解説していきましょう。
日常生活では使われない言葉なため、初めて聞く方も多いかと思います。
「単利運用」や「複利運用」のように主に資産運用で使う用語です。
「単利運用」とは、元本の金額だけをもとにして運用していく運用方法です。
例えば、100万円を利回り5パーセントで単利運用した場合、1年経つごとに5万円ずつ増えていく仕組みです。
一方で、「複利運用」とは元本金額に対して利益が増えるたびに上乗せして運用していく方法です。
例えば、100万円を利回り5パーセントで複利運用した場合、1年後は105万です。
しかし、2年後からは利益を上乗せした105万円に対する利回り5パーセントで運用されます。
そのため、約110万3千円となり、単利と比較すると3千円増加しています。
2年ほどでは、金額が小さく感じるかもしれません。
しかし、長期的に運用することでお金が雪だるま式に増えていきます。
物理学者のアインシュタインは、「複利」の力が「人類最大の発明」「宇宙でもっとも偉大な力」だと呼んだことでも知られています。
100万円で投資を始める前の準備
続いて、投資を始める前の準備をしていきましょう。準備をせずに投資をすると利益が出ているのに売却に踏み切れなかったり、不安になってしまうなど精神に悪影響を及ぼします。
あまり知られていませんが、投資はマインドが整っていなければ不安や欲望に負けて失敗やすくなります。
準備
- 目標設定
- 投資先の設定
準備①:目標設定
最初の準備は、目標金額の設定です。
- 手元の100万円をいくらに増やしたいのか?
- 利回りは何パーセントを目標とするのか?
実現できるかできないかは後回しで構いません。
具体的な目標を決めていきましょう。
加えて、リスクの許容範囲についても設定しておいてください。
リスク許容範囲とは、投資先に預けた100万円が元本割れした場合、いくらまでの下落なら耐えられるのかを設定する作業です。
いつ来るかわからない経済不況に混乱しないための準備だと思ってください。
- 100万円が90万円になるまでなら耐えられる
- 最悪ゼロ円になっても大丈夫
このように、人によってさまざまな価値観があると気付くはずです。
準備②:投資先の設定
目標とリスク許容度設定が完了したら、投資先を設定しましょう。
投資先を探す際は、主に次の2つを意識しましょう。
- 目標額を達成できる投資先を見つける
- リスクの高さを確認する
まずは、先ほど決めた目標額を達成できる投資を見つけなければなりません。
投資による平均利回りを確認すると利益額の想像がしやすいはずです。
次にリスクの高さを確認しておきましょう。
リスクの高さを確認する方法は、価格変動の大きさや国や業界の安定感を意識すると良いでしょう。
この先の内容では、リスク別におすすめの投資を紹介します。
100万円の投資先:低リスク編
では、低リスクで100万円を投資できるおすすめの投資先を3つ紹介していきましょう。
投資初心者やリスクを抑えて少しずつ増やしていきたい方は、まずこの中から選んでみてはいかがでしょうか?
低リスクの100万円の運用方法
- 投資信託
- 外貨預金
- 不動産投資型クラウドファンディング
投資先①:投資信託
投資信託とは、個人投資家から集めた資金を金融機関が代わりに運用してくれる投資方法です。
個人投資家は、お金を預けるだけでプロが運用してくれるため複雑な取引が不要になるというメリットがあります。
一方で、金融機関に支払う手数料が高いことがデメリットです。
投資信託では、年間利回りは1パーセントから3パーセントを目指せます。
リスクが低い分、利回りも低めとなっています。
インカムゲインによる分配金を再投資しながら、複利運用をしたい方に向いている投資方法でしょう。
投資先②:外貨預金
外貨預金とは、日本円で海外の通貨を価格変動に合わせて売買したり、金利差を利息として受け取ることが可能です。
単純に海外の銀行にお金を預けることだというと理解しやすいでしょう。
日本よりも金利の高い通貨が多いため、ほったらかしにしていても複利運用できるメリットがあります。
一方で、口座維持費用や取引手数料が高かったり、為替変動による元本割れもリスクです。
外貨預金の目安となる利回りは2パーセントから5パーセントで、購入する通貨によって大きく変化します。
長期的な運用を目的とする方は、複利運用のメリットを最大限活かすことができるでしょう。
投資先③:不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産会社が個人投資家から集めた資金をもとに不動産運用を行い、運用益を個人投資家に分配する投資です。
商業物件ではなく、アパートやマンションなどの居住目的物件が多いことが特徴となっています。
不動産投資型クラウドファンディングの目安となる利回りは、3パーセントから5パーセントです。
売買取引を行わないため、インカムゲインとして分配金を得るための投資先だと理解しておきましょう。
不動産投資型クラウドファンディングは最低1万円から投資できるため、投資初心者におすすめです。
また、分散投資の一つとしても選びやすいでしょう。
こちらで詳しく解説されているので、初めて知ったという方はチェックしておいてください。
100万円の投資先:ハイリスク編
続いて、ハイリスク・ハイリターンを目指せる100万円の投資先を3つ紹介します。
多少リスクをとってもしっかりと増やしたい方に向けたおすすめ投資先です。
ハイリスクの100万円の運用方法
- 株式投資
- FX(外国為替証拠金取引)
- ソーシャルレンディング
投資先①:株式投資
株式投資とは、企業が発行する株式を買うことで投資先から利益の一部を配当金として受け取れる投資です。
配当金利回りは、3パーセントから5パーセントで銘柄によって変化します。
他の投資先と比べて株価の変動による影響が大きいという特徴があります。
そのため、配当金の利回りが高くでも、株価が下落すると損失となるリスクがあります。
株式投資は、配当金からのインカムゲインと、売買取引によるキャピタルゲインどちらも得られます。
経済市況を読むのが好きな方や、特別に応援したい企業がある方におすすめです。
投資先②:FX(外国為替証拠金取引)
FX(外国為替証拠金取引)とは、日本円を含む外国通貨を売買して利益を得る投資方法です。
基本的なお金の流れは外貨預金と同じです。
大きな違いは「レバレッジ」という仕組みを利用して元手資金よりも大きな金額の取引ができる部分です。
この「レバレッジ」によって、外貨預金よりもハイリスク・ハイリターンの投資になっています。
FXは、取引方法やトレード方法よっては利回り10パーセント以上も可能です。
一方で、投資した瞬間に元手資金がゼロになってしまうこともあるほどハイリスクです。
お金を失うリスクの許容範囲が狭い方は、FXは向いていません。
投資先③:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい人(投資家)」をインターネット上で結び付けて融資を行うサービスです。
クラウドファンディングの一種であり、「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれています。
ソーシャルレンディングは、利回りが5パーセントから10パーセントと高くなっており、投資後に放置していてもインカムゲインが得られる仕組みも人気の理由です。
近年人気が高まっており案件によってはすぐに埋まってしまうため、投資するために先着や抽選に申し込まなければなりません。
最低1万円から投資を始められるので、まだ投資がしたことがない人でも始めやすい特徴があります。
こちらで詳しく解説されているので、初めて聞いたという方はチェックしておいてください。
100万円投資した際の運用シミュレーション
ここまで、低リスクとハイリスクの投資方法を紹介してきました。
ここからは、実際に100万円を運用すると、どのように投資資金が増えていくのかを運用シミュレーションしていきましょう。
筆者おすすめの投資方法から「投資信託」と「ソーシャルレンディング」の2パターンを紹介していきます。
- 投資信託:「3%」の「複利運用」
- ソーシャルレンディング:「7%」の「複利運用」
シミュレーション①:投資信託を年利3%で運用する場合
画像引用:アセットマネジメントOne参照
上のグラフが、投資信託を利回り3パーセントで複利運用した場合をシミュレーションした結果です。
100万円が15年後に約150万円となっています。
このシミュレーションでは、初回に元手100万円を一括投資しています。
そのため、さらに追加投資をしていけば運用利益をさらに増やすことが可能です。
シミュレーション②:ソーシャルレンディングを年利7%で運用する場合
画像引用:アセットマネジメントOne参照
続いて、上のグラフはソーシャルレンディングを利回り7パーセントで複利運用した場合をシミュレーションした結果です。
100万円を投資してから15年後には、約280万円まで増加していることがわかります。
一つ目の「投資信託」のシミュレーションと比較すると、年数が経つごとに金額差が大きく広がっているとわかるでしょう。
複利運用では、利回り4パーセントの違いでこれだけ大きな差が生まれるのです。
この複利運用をさらに長い期間続けていくと、さらに金額に差が現れます。
投資初心者の方は、少ない資金からも複利運用を目指せるソーシャルレンディングを検討してみてはいかがでしょうか?
失敗しないためのポイント
最後に、投資で失敗しないためのポイントを2つ紹介します。
効率の良い投資先を決めていても、一度の失敗で大きな損をしてしまうのが投資です。
ここで紹介するポイントは、決して失敗しない方法ではなく、いつか失敗することを前提として取り返しのつかないことをしないための方法です。
失敗しないポイント
- 分散投資をする
- 余剰資金で運用する
ポイント①:分散投資をする
投資は分散投資をしていなければ必ずどこかで大きな損失が発生します。
なぜなら、100パーセントの確率で失敗しない投資家は存在しないからです。
万が一、損失を発生したときに新しく挑戦するためにも分散投資は心がけましょう。
分散投資で効率良くリスクを抑えるためには、単純に資金を分けて投資する方法以外にも、投資先の業界から国や地域を分けると良いでしょう。
分散投資といっても、似ている業界や同じ国ばかりに資金を集めてしまうと急なリスクや世界不況に対応できなくなってしまいます。
詳しくはこちらで学ぶと良いでしょう。
ポイント②:余剰資金で運用する
2つ目のポイントとして、投資に使うお金はすべて余剰資金での運用を意識しましょう。
余剰資金とは、生活費はもちろんのこと、今後も長期的に使う予定のないお金のことです。
迷った場合は、1年以上先までを見通してこの資金を使わないと確信できるかを確認しましょう。
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00万円を投資する場合も、あとで生活費が足りなくなったら10万円分を売却すれば大丈夫と考える方もいます。
しかし、その考え方もコロナショックのような経済不況にも対応できない可能性があるため危険です。
もし、まとまった余剰資金が用意できない方は、今は高額な投資商品に手を出す時期ではないでしょう。
まずは少額から投資できる商品から始めることをおすすめします。
投資資金の目安として、貯蓄額の6割以上は使わないように意識してみてください。
まとめ
100万円を投資に使うなら何に使うべきかというおすすめから、実際に運用するとどのくらい増えるのかをシミュレーションしました。
100万円を投資に利用できる方は少ないですよね。
そのお金をどう使いたいのか、それともいくらまで増やしたいのか、ライフプランを計画しながら目的を持った運用をおすすめします。
もし、初めての投資先で悩んでいる方はこの記事で紹介した「低リスク編」と「ハイリスク編」から一つずつ選んで分散投資をしてみてください。
投資におけるリスクの違いを実感できるでしょう。