瀧本憲司前社長
出典:全国賃貸住宅新
1,500億円以上の投資家からの募集実績を持つ、国内最大のソーシャルレンディング会社maneoマーケット。
しかし、現在maneoのシステムを利用していたmaneoファミリーの貸倒れや、本社事態の返済遅延問題から、投資家から訴訟を受ける事態に至っています。
そして、ついには2019年4月1日(月)に、maneoマーケットの2代目社長であった瀧本憲治氏が退任しました。
maneo(マネオ)の立て直しを図るため安達義夫新社長が就任しましたが、今後maneoはソーシャルレンディング事業の再起を図ることが可能になるのでしょうか?
【2019年9月17日追記】
maneoが株式の約85%をNLHD社へ譲渡することが判明しました。
詳しくはこちらで解説しています。
【2019年9月25日追記】
maneoの社長交代が発表されました。
目次
maneo(マネオ)の瀧本憲司社長退任の理由とは
まず、maneoマーケット車では瀧本憲治氏が退任した理由を次のように発表しています。
出典:マネオ公式サイト
2018年7月13日の業務改善命令を受け、
弊社は、経営改善委員会の提言に沿って、経営体制の見直しに取り組んでいるところでございます。
新任の代表取締役による新体制を早期に構築し、
一層の経営管理態勢の強化を推進するとともに、投資家の皆様の信頼回復に向け、
社員一丸となり業務改善の諸施策の遂行に専心努力する所存でございます。
また、更なる経営統治の強化を推進すべく、資本構成の見直しにも取り組んでまいります。
こちらは2019年4月1日(月)のリリースですが、新任の代表取締役による新体制を構築することで、経営管理体制をしっかりとしたものへ、推進していくことを表明しています。
またそれで、投資家からの信頼を回復していきたいとしています。
ただし、2019年4月末時点でも具体的な対応はまだまだ一切公開されておらず、また、下の記事にもあるように投資家に対して誠意のある対応できているとはとても言えない状況が続いています。
また、2019年4月1日(月)の瀧本前社長退任の前に、2019年3月28日(木)に以下のような発表も行われています。
2.当社瀧本代表取締役の役員からの退任、社外役員の増員を含め、代表取締役の業務執行に対する牽制が担保される体制を構築すること
>代表取締役個人の影響力を低減させる観点から、代表取締役の保有する株式の売却等による株主構成の見直し、全般的な経営体制の見直しの検討を進めております。
株主構成にあたっては、株式を売却するスポンサー企業の選定にあたり、客観的なプロセスを踏んだうえでスポンサー企業の選定を進めております。
具体的には、スポンサー企業としては、金融商品取引業者であるか、又は金融商品取引法に精通した経営陣を有し、当社のガバナンスの強化に主体的に関与できること、当社の現経営陣と利害関係を有しないこと等の、投資家保護及び当社の経営改善を推進することのできる企業を選定することが適切と考えられることから、かかる方針を反映した選定基準に基づき、客観的なプロセスを検討、及び実施し、複数のスポンサー企業から提出された提案を慎重に検討する形で、スポンサー企業の選定にあたっております。
加えて、経営体制の見直しとして、現在の代表取締役である瀧本が当社及び子会社の役員から退任するとともに、当社は、上述の社外役員の増員を含め、代表取締役の業務執行に対する牽制が有効に機能する体制を構築致します。
実際、2019年3月28日(木)の時点で、瀧本氏が社長から退任することは発表されていました。
上のリリースを見るに、代表取締役個人の影響力を低減させるという記載があります。
つまり、これまで瀧本氏の影響力が非常に大きい体制が構築されており、さらに社内での相互監視の体制が機能していなかったということがわかります。
そこで、瀧本氏が所有するmaneoマーケットの株式を売却し、さらにその株式を購入してくれるスポンサー企業を選定するとしています。
スポンサー企業を入れることで経営監視体制を強化し、外部の眼が社内を監視する体制を構築していきたいという考えがここからは見えてきます。
現在のmaneo(マネオ)のスポンサー企業は
現在、maneo(マネオ)のホームページに記載されている株主は、以下のようになっています。
- 瀧本憲治
- GMOフィナンシャルホールディングス株式会社
- 株式会社VOYAGEVENTURES
- MICイノベーション4号投資事業有限責任組合
- SMBCベンチャーキャピタル2号投資事業有限責任組合
- SpiralVenturesJapanFund1号投資事業有限責任組合
- アイビス新成長投資事業組合第4号
- 池田泉州キャピタルニュービジネスファンド4号、5号投資事業有限責任組合
- SV-FINTECH1号投資事業有限責任組合
出典:マネオ公式サイト
瀧本氏は退任したとありながら、株主として筆頭の位置に名前を連ねています。
所有する全株を売却する方針ではないのか、それとも単純に瀧本氏が全株式を売却することは決まっているのに対し、まだ買取先となるスポンサー企業が見つかっていないのかははっきりと言えない状況です。
GMOファイナルホールディングスという大変大きな会社がスポンサー株主として名前を出しており、これだけを見てmaneoマーケットは信頼できる会社と判断してしまった人もいるのではないでしょうか。
しかし、現在のmaneoマーケットのソーシャルレンディング事業の状況を見るに、投資家の期待は残念ながら裏切られたとしか言えない結果になっています。
maneo(マネオ)に電話で確認!スポンサーの名乗りがあったので選定中
maneoマーケット社に対して、実際に電話で現在スポンサー企業の選定が進んででいるのかどうか確認してみました。
その結果によれば、maneoマーケットに対し、いくつかスポンサー企業の名乗りは出てきているため、現在株主になってくれる企業を選定中だということです。
ただし、さまざまな投資家が感じているように、maneoマーケットの対応、特に電話対応について満足な結果を感じている人は少ないでしょう。
あくまでも「選定中」と言っておきながら、株主が決まらなかったという結果になることも十分に考えられます。
特に、現在のmaneoマーケットがはソーシャルレンディング投資家から支持を失っており、そして数々の訴訟を起こされている状態から見れば、企業イメージや事業の成功面で見ても、好き好んで株主になってくれる企業はそう多くはないかもしれません。
maneo(マネオ)のスポンサーが決まる可能性は低いのか
maneoマーケットは、2代目社長であった瀧本憲治氏と交代し、現在は安達義夫氏が社長に就任しています。
それまでの瀧本憲司氏の影響は非常に大きなものがあり、これまでmaneoマーケットを大きくしたのは、瀧本憲司社長の手腕とも言えます。
しかし、事業拡大の裏では、瀧本氏が主導した無理のある融資が行われたことから、現在のような結果を招いているとも想像できます。
また、瀧本氏の退任にあたって株式を売却するとmaneoマーケットでも発表していますが、現在も株主であることは変わっていません。
そして、maneoのスポンサー企業の名前も、2019年3月のリリースから1ヶ月ほど経った現在2019年4月末現在でも、具体的な名前は提示されていない状態です。
maneoマーケットの現在の状況を見るに、有力なスポンサー企業が見つかる可能性は高くはないと感じられるのが正直なところです。
投資家の見解としては貸し倒れが頻発していることもあり、maneoマーケットからは一刻も早く資金を引き出したほうが良いと感じます。
信頼できるソーシャルレンディング会社、特にSBIソーシャルレンディングやオーナーズブック、もしくは不動産クラウドファンディングで資金を回した方が得策と言えるでしょう。