※2020年の決算分析はこちらから。
2019年6月27日(木)、SBIソーシャルレンディングが2018年12月期の決算発表を行いました。
maneoマーケットが行政処分などにより信用を失い、募集金額の鈍化が見える中、現在最も順調に業績を伸ばしているソーシャルレンディング会社は、SBIソーシャルレンディングと言えるでしょう。
実際に、2018年5月から2019年5月までの期間で、累計貸付金額は400億円以上の伸びを見せており、2019年6月中には累計貸付金額が1,000億円を超える勢いです。
そのSBIソーシャルレンディングの決算発表内容と、前期と比較した数字を確認していきます。
目次
2018年12月期は2億円の黒字。売上高は約25億円
SBIソーシャルレンディングの2018年12月期の決算発表は、公式サイトで確認できます。
貸借対照表(B/S)
まず、SBIソーシャルレンディングの2019年3月31日時点での貸借対照表です。
損益計算書(P/L)
次に、SBIソーシャルレンディングの2019年3月31日時点での損益計算書です。
2018年3月期決算の解説
貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)から、次のことがわかります。
- 貸付残高:約310億円
- 売上高:約25億円
- 営業利益:約20億円
- 当期純利益:約2億円
貸付残高とは、現在SBIソーシャルレンディングが資金を必要としている事業主に対して融資を行っている金額の総額です。
単期での黒字化を達成しており、SBIソーシャルレンディングの現在の順調な営業の様子が伝わってくる結果でしょう。
累計の利益剰余金は3億1千万円の赤字
一方で、気になるのが「利益剰余金」です。
利益剰余金とは、これまでの営業におけるSBIソーシャルレンディングの黒字、もしくは赤字を指します。
SBIソーシャルレンディングの今季の利益剰余金は、マイナス3億1千万です。
SBIソーシャルレンディングは2011年創業ですが、SBIソーシャルレンディングを持ってしても累計の数字は赤字なのです。
2018年3月期決算との比較
では、SBIソーシャルレンディングの前期(2017年12月期)の決算と比較してみましょう!
貸借対照表(B/S)
まず、SBIソーシャルレンディングの2018年3月31日時点での貸借対照表です。
損益計算書(P/L)
次に、SBIソーシャルレンディングの2018年3月31日時点での損益計算書です。
2019年3月期決算と2018年3月期決算の比較
まず、2018年3月期の決算をまとめると次のようになります。
- 貸付残高:約210億円
- 売上高:約14億円
- 営業利益:約10億3千万円
- 当期純利益:約1億4千万円
- 利益剰余金:▲約5億1千万円
では、2019年3月期決算と2018年3月期決算を比較してみましょう。
項目 | 2019年3月期 | 2018年3月期 |
---|---|---|
貸付残高 | 約310億円 | 約210億円 |
売上高 | 約25億円 | 約14億円 |
営業利益 | 約20億円 | 約10億3千万円 |
当期純利益 | 約2億円 | 約1億4千万円 |
利益剰余金 | ▲約3億1千万円 | ▲約5億1千万円 |
売上にして約10億円、利益にして6千万円のアップ、利益剰余金は約2億円減らすことに成功しています。
2018年度(2019年3月期)と2017年(2018年3月期)と比較すると大変順調な推移であることがわかります。
今後のSBIソーシャルレンディングの展望
SBIソーシャルレンディングの、各年の融資総額を年末ベースで比較します。
- 2017年3月時点:245億円
- 2018年3月時点:530億円(+285億円)当期純利益:1億4千万円
- 2019年3月時点:920億円(+390億円)当期純利益:2億円
2017年度に融資した総額は285億円で、営業利益は約10億
2018年度に融資した総額は390億円で、営業利益は約20億
融資総額に対し、営業利益の伸びは良くなっています。ただし当期純利益で言えば融資総額にほぼ比例しています。
2018年にSBIソーシャルレンディングはTVCMを展開しており、販促費にもかなりの金額をかけているとも考えられます。
営業利益が伸びた分、販促費を増やしたというところでしょう。
利益を出すための体制づくりも整ってきていると言えます。
まとめ
SBIソーシャルレンディングは、このペースで行けば2期後、早ければ来期にも利益剰余金のマイナスも解消できるでしょう。
SBIソーシャルレンディングの今後の展望は明るいものがあると言えます。
投資対象としても適切な会社だと言うことができるでしょう。