小規模ながら着実に募集実績を積み重ねているソーシャルレンディング会社LENDEX(レンデックス)。
2019年7月には1億円規模の案件も1日ほどで上限まで集めるなど、その資金募集ペースはどんどん早くなっています。
そのレンデックスから、2019年7月5日(金)に社長を変更するとのメールが投資家に送付されました。
2019年3月に就任したばかりの田川社長はなぜ退任をするのか?
そして、新社長深澤氏はどのような人物なのかについて探ってみましょう。
2019年3月の社長変更の背景
2019年3月に、LENDEX(レンデックス)前任社長である筧悦生氏が退任しています。
その理由は、レンデックスの公式サイトに「本業の会計事務所の業務に専念するため」とありました。
また、筧元社長はレンデックスの管理部長として引き続き業務に携わるということでした。
そして、田川社長は金融庁出身の人間として2019年3月1日にレンデックスの社長に就任したのです。
田川前社長の経歴
田川社長の経歴は次のようになっています。
- 代表取締役社⻑田川徳彦(たがわのりひこ)
- 1960年生まれ 中央大学法学部法律学科卒業
- 1984年4月:大蔵省入省
- 1994年3月:金属鉱業事業団キャンベラ事務所副所⻑
- 2001年7月:総務省行政管理局副管理官
- 2013年7月:財務省国際局調査課為替実査室⻑
- 2015年7月:財務省預金保険機構検査部審理役
- 2017年1月:退官
しかし、2019年7月5日(金)に就任から4ヶ月で退任するとの発表がありました。
田川前社長の退任の背景
今回、2019年7月5日(金)にレンデックスから投資家に送られたメールを引用します。
以下、引用。
この度、令和元年7月1日をもちまして、下記の通り弊社代表者の変更を行いましたのでご案内申し上げます。
田川前社長は当社のソーシャルレンディング事業に尽力してきましたが、一身上の都合により、この度代表者を辞任いたしました。
なお、前社長は我が国のソーシャルレンディング事業の発展に大きく貢献したいとの希望をもたれており、引き続き、当社の支援をお願いして参ります。
新体制のもと、社員一同、皆様のご期待にお応えすべく一層の精進をいたす所存でございますので、今後とも倍旧のご愛顧を賜りますよう、何卒宜しくお願い申しあげます。
敬具
代表者の変更
【新代表者】代表取締役社長深澤克己(ふかさわかつみ)
〈略歴〉
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1968年生まれ。東京大学教養学部基礎科学科第2(システム基礎科学)卒業
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1992年4月第一勧業銀行(現:みずほ銀行)入行
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2005年3月みずほ信託銀行に転籍資産管理サービス信託銀行出向
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2018年2月みずほ信託銀行退職
引用終わり。
田川前社長は、一身上の都合により退職したとされています。
その理由として想像できることは、健康上の理由というところでしょう。
レンデックスの社長に就任したものの、激務で思ったような業務ができなかったということが考えられます。
特に、田川前社長は金融庁の出身ですから、民間企業の経験がありません。
金融を監査する業務には慣れていたとしても、自分で融資の実行や営業先を探すような仕事は得意でなかったとも考えられます。
しかし、2019年3月から2019年6月中のレンデックスは、リファイナンス案件で募集金額が目標に達しなかったことはあるものの、他の案件では順調に資金を集めることに成功しています。
2019年6月だけで3億円以上集めています。
さらに、早期償還も積極的に行っています。
したがって、業務的には大きな問題があったとは考えにくいです。
新社長の深澤克己氏について
深澤克己社長は、第一勧銀、みずほ銀行、みずほ信託銀行と金融関連の業務に長期間携わってきた経歴を持っています。
金融庁出身の田川社長と比べても、融資関連の業務に関してはまさに百戦錬磨のプロと言える人材でしょう。
レンデックスとしては、田川社長の早期退任は想定外の事態だったかもしれません。
しかし、結果的にはソーシャルレンディング会社に必要な人材を採用できたと言うことができそうです。
田川前社長は今後も業務に関わっていくとしていますが、具体的内容については未定となっています。
健康面に不安があったかもしれない人材を使い続けるよりは、金融のプロといえる人間を短期間で採用できたのは、ある意味ではラッキーだったと言えるかもしれません。
まとめ
LENDEX(レンデックス)の短期の社長交代は、投資家にとっても、そしてレンデックスにとっても想定外の事態と言えるでしょう。
ただし、新社長の経歴は金融関係の実務に携わった期間が長く、ソーシャルレンディング会社には求められている経歴を満たした人物と言えます。
当サイトでは、なぜこのような社長変更が短期で起こったのか、直接レンデックスに確認をしてみたいと思っています。
どうぞご期待ください。