SBIソーシャルレンディングは、ネット証券でおなじみのSBIグループと連携して運営されています。
2019年2月には振込手数料無料でかつ、入金額が即時反映されるクイック入金が開始されました。
今回は、ソーシャルレンディングとして新たなサービス導入にも意欲的な事業者である「SBIソーシャルレンディング」について詳しく解説していきましょう。
目次
SBI ソーシャルレンディングは業歴が長い
SBIソーシャルレンディングは2011年にサービスを開始し、ソーシャルレンディング業界では古参といえる業歴を誇る事業社です。
グループ会社には、SBI証券といったさらに長く営業を続ける会社もあります。
SBIソーシャルレンディングでは、1万円から投資を始めることができます。
また、口座開設キャンペーンも多く実施しています。
そのため、初めてソーシャルレンディング投資に興味を持った方にも参入しやすい仕組みを設けている事業者なのです。
SBIグループを活かしたサービスが多彩
SBIソーシャルレンディングは、グループ会社にさまざまな金融機関があるため、連携をスムーズに取ることができる利点を持っていることが特徴です。
まず、入金・出金には住信SBIネット銀行を利用することができます。
住信SBIネット銀行を利用すれば、入出金を行うことはもちろん、ソーシャルレンディング投資に充てたいお金を、利息が付く形で保つことができるというメリットがあります。
ソーシャルレンディングに投資する際は、個別案件の内容精査が大事です。
納得がいく案件にめぐり合うまで待つことも大切です。
つまり、投資予定額が手元にあっても、待機資金として待つという姿勢です。
このようなときに、資金の待機先としてネット銀行口座を活用できるということは、とてもメリットが大きいのです。
また、SBIポイントをID連携の上、共通したプラットフォームで貯めることもできます。
SBIソーシャルレンディングでは、ID連携でポイント還元率のアップという恩恵を受けることができるのです。
1万円から投資可能で初心者に優しい
先ほどお伝えしたように、SBIソーシャルレンディングでは、ソーシャルレンディング投資を初めて行いたい方に向けた仕組みを充実させています。
テレビCMも多数放映しており、「かけはし」や「ソシャレン」など、キーフレーズが思い浮かぶ方も多いかもしれませんね。
SBIソーシャルレンディングでは、投資金額は1万円から可能であり、少額からでも分散投資に取り組むことができます。
実際に資金を投入し、分配金の受取状況を確認しながら複数の案件に投資してみることは、投資のスキルを磨くうえでとても大切です。
数万円で様子を見ながら分散投資も開始できることは、ソーシャルレンディングを始める入口としてとても良い環境だと言えます。
キャンペーンを実施している
そして、SBIソーシャルレンディングではキャンペーンもたびたび開催しています。
キャンペーン内容は、新規登録に関連したポイント進呈や、案件への投資に応じてポイント還元まで幅広く、初心者から上級者までさまざまな方を対象としています。
SBI ソーシャルレンディングのファンド内容
SBIソーシャルレンディングの募集ファンドは、2019年2月現在、次の3分野を軸に運営されています。
- オーダーメイド(随時募集)
- 不動産担保ローン事業者(常時募集)
- カンボジア技能実習生支援(常時募集)
予定年間利回りは、3パーセントから10パーセントと、比較的ローリスクからハイリスクまでバランスの良い取りそろえとなっています。
特徴は、利回り3パーセント台の案件を取り扱っているという点です。
利回り3パーセント台だと、ソーシャルレンディングの案件として、リスクリターンが合わないという見方をする方も多いかもしれませんね。
しかし、ハイリスク案件とローリスク案件の両方へ投資を行い、平均利回りとして6パーセントから7パーセントあたりを目指す分散投資させる場合、ローリスク案件の一翼を担うという考えでは、大事なラインナップなのです。
担保付き案件に強い
SBIソーシャルレンディングでは、担保を設定した案件を常設しています。
内容は、不動産担保ローンを取り扱う業者を対象としています。
当ローンの中身も、担保不動産評価額の70パーセントを上限と設定して、過剰融資からの貸し倒れ防止策をとっています。
また、担保だけに過信した審査ではありません。
不動産担保ローンを行う事業者への貸付という、もう1段階、最終資金用途先まで担保が入る設計をしています。
また、不動産担保ローン事業者の健全性を保つために、貸し倒れ基準や業歴なども厳しく判定しています。
特に、「業歴8年以上」や「利息制限法改正に伴う過払金の発生なし」を要件としています。
営業主体として業務が成り立つことと、過大なリスク要因を抱えないことを規定していると言えるでしょう。
人気案件は即完売
オーダーメイド案件は、常設ではなく組成された期間限定の募集となっています。
SBIソーシャルレンディングのオーダーメイド案件といえば、一時募集直後に完売が繰り返され、投資枠の確保が難しいということで有名でした。
昨今は、募集期間を保つ案件もあります。
メガソーラー案件など、時流に乗った注目を浴びる案件内容が多いことが特徴です。
カンボジア技能実習生支援も社会貢献の側面を入れたファンドとして注目されます。
案件数は少なめ
オーダーメイド案件は常時行われるわけではなく、案件総数が少なめです。
案件総数が少なめという評判は、SBIソーシャルレンディングで評価されている点です。
それは、厳選した審査をもとに案件を選んでいるといえるからです。
早期償還が多い
また、早期償還が多めであるという特徴があります。
早期償還とは、想定していた投資期間前に元本が返ってきてしまうことです。
そのため、残りの投資想定期間分の利益を受け取れないというデメリットがあります。
しかし、借り手側に立つと、案件によっては10パーセント近い借入金利を負担していることとなります。
早く資金を返済したいという気持ちは、健全な事業を行っていれば普通の心境です。
例えば、計画として3ヶ月の販売期間を設定していた商品が、1ヶ月で完売したなど、借り手側の事業が好調な証でもあります。
それだけ健全な借り手を厳選しているとも見えるため、早期償還が多いという事は案件の質を見る上で良いポイントとも言えるのです。
SBIソーシャルレンディングでは2019年2月より入出金無料が可能に
2019年2月に、SBIソーシャルレンディングは入金時の「クイック入金対応」を開始しました。
これは、ソーシャルレンディング業界において他社に先駆ける形で開始されました。
これまでは、「出金」手数料は無料対応(事業者負担)が行われていました。
しかし、このクイック入金によって、「入出金」が無料で行われる形になりました。
今後、さらなる利便性の向上が見込まれます。
クイック入金の利用可能時間は、メンテナンス期間を除く原則24時間365日という活用の行いやすさです。
平日の銀行店舗が営業している時間はお仕事で手が出せないという方にも対応できやすいポイントです!
クイック入金で手数料無料・即時反映
クイック入金は、住信SBIネット銀行経由にて、所定の方法でネット振込を行うことを指します。
住信SBIネット銀行内の残高から、SBIソーシャルレンディングの対象案件まで即時反映できることが特徴です。
振込手数料が無料となることや、即時で入金できることがメリットですが、ソーシャルレンディング案件に投資する直前まで利息が付く預金口座に置いておける部分は見逃せません。
ソーシャルレンディングに投資をしようと考えていても、納得のいく案件に出会えず待機資金となることはよくあることです。
そのようなときでも、利息の付かない決済口座にプールするのではなく、預金もしくは株式といった他の代替投資先にアクセスしやすいネット銀行に資金を置いておくことができるというメリットがあるのです。
また、入出金手数料無料は、貸し手側の手残りという視点でも、実質利回りを向上させることとなります。
1万円からスタートできるSBIソーシャルレンディングの小回りの良さを生かすことができます。
例えば、1万円の投資で入出金に500円かかるとすれば、その手数料だけで投資額の5%を占めることとなります。
それだけ、少額の場合は特に入出金手数料の大小について影響が大きいのです。
出金も手数料無料
出金も、手数料無料(事業主負担)で行うことができます。
これにより、入出金を住信SBIネット銀行にまとめ、グループ内で上手に分散することができる形となります。
住信SBIネット銀行は、SBI証券との連携も行っています。
株式などに投資しておける口座の待機資金に充当されるため、ソーシャルレンディング投資の案件がない場合、他の投資商品もしくは準備資金に充てることが可能となります。
オーダーメイド案件の好案件がSBIソーシャルレンディングにて組成された際は、クイック入金で資金をすぐに移動することが可能となるわけです。
この流れによって、無駄なく資金活用を行うことが実現できるのです。
SBIソーシャルレンディングでは貸し倒れも発生!対応に注目
SBIソーシャルレンディングでは、個別案件の遅延や貸し倒れ(デフォルト)もあります。
しかし、多様な案件を取り扱う中で起きたマイナス面に対する対応の良さは評価されています。
評判につながる遅延、貸し倒れ時の動きについて取り上げて紹介しましょう。
報告と回収が早い
SBIソーシャルレンディングは、遅延が起こった際の報告をしっかりと実施しています。
個別案件では、2018年7月に利息の遅延が第一報として報じられています。
その後、7月および8月で一部回収という内容や、競売以外の方法も模索するなど、途中経過が逐次報告されています。
9月には、債権回収会社の元本相当における買取り提案を受ける形で一部の方向性を確定させています。
11月に競売によるスケジュールを確定させ、一連の回収案件すべてに道筋をつけています。
この一連の報告から、「回収対応に対して素早く適切な対応実績」との評判になっています。
遅延・貸し倒れが発生しているジャンル
貸し倒れは主にオーダーメイド案件で発生しており、個別案件の精査は必要です。
また、遅延はカンボジア技能実習生支援案件で複数件発生しています。
10パーセント近い利回りというリターンに比例したリスク量を引き受けているとも言えます。
貸し倒れのリスクも引き受けた上での投資であるという基本スタンスは確認しておきたいポイントです。
グループ会社の後ろ盾が強力!SBIグループの連携強化
SBIグループの一角を担うSBIソーシャルレンディングは、バックグラウンドがしっかりしていることによるメリットも多いです。
まず、SBIグループ会社は証券や銀行など、他のさまざまなサービスを展開しています。
これは、単体でソーシャルレンディング会社を営んでいた際に、気になる事業体リスクを低減させる内容といえます。
例えば、ソーシャルレンディングでお金だけを集め資金を持ち逃げするなどということは、他の事業での信用を失墜させてしまうため不可能でしょう。
また、借り手に対する審査にも強みがあります。
証券会社での個別企業調査や、銀行での融資業務など、審査ノウハウがグループ内で蓄積されています。
効果がある判別ラインを共有できるということは、グループ会社ならではの強みと言って良いでしょう。
会社内での健全性確保
SBIソーシャルレンディングは、グループ会社を含めた会社としての内部健全性にも注目が集まっています。
ソーシャルレンディング投資では、借り手の担当者と事業者側が担当者ベースで不正を行ってしまっては、前提として成り立ちません。
大企業であるメリットは、このような従業員モラルの破綻を予防するだけのノウハウがあることです。
組織立った内部チェック機能は、金融機関にとって根幹ともいえる部分です。
過去に起こった他社重大事例などから予防策の大切さを把握しており、徹底した対応を取っているのです。
SBIグループ本体と連携強化
SBIグループとして、ソーシャルレンディング事業単体では行い難い領域へ推進できるメリットもあります。
クイック入金も、住信SBIネット銀行との連携があってこそ実現できるもののひとつです。
今後も、さらに連携は強化されていくと考えられます。
現状ソーシャルレンディングでは行われていない分野に対して、他の業界では常識的に行われていることを取り入れる向きが加速すると思われます。
また、投資案件をPRしていく側面でも、グループ会社としての打ち出していくことが考えられます。
ソーシャルレンディングの斬新な商品性を特色とするか、利回り面から分散投資の手段として打ち出すかはまだわかりません。
単に「ソーシャルレンディング投資」という枠組みにとらわれない形でPRされていくことが想定されます。
SBI ソーシャルレンディングの今後を展望
証券口座や銀行との連携強化など、SBIソーシャルレンディングの今後を展望します。
金融サービスに強い面から、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)など、ソーシャルレンディングが採用される可能性のある分野にもいち早く参入できるのではないかと筆者は考えます。
斬新な新商品への期待
既存の個別案件で、独自の視点から新商品が出てくると予想されます。
例えば、社会貢献的な視点からの面が考えられます。
カンボジア技能実習生支援ファンドも、こうした側面から誕生した案件だと考えられます。
採算度外視の社会貢献ではなく、貸し手もリスク管理を行った上で採算ベースで考えた投資案件になることが大切です。
今後は、さらに時流に沿った新案件が開発されていくと筆者は考えます。
SBI債などの債券概念を活かした人気商品がソーシャルレンディング投資版として投入されることもありそうです。
ソーシャルレンディング業界の新展開に対応
ソーシャルレンディング案件のNISAやiDeCo採用も期待される分野です。
これらが仮に採用となった場合、窓口自体をソーシャルレンディングの運営会社が行うか、証券会社や銀行などに据え置いたままサービス内に商品ラインナップを増やすかという点が議論されるでしょう。
しかし、SBIグループであれば、どちらの場合でもスムーズに対応することができるのです。
例えば、SBI証券は現状NISAもiDeCoもどちらも取り扱っているのです。
仮に解禁となった際は、SBIグループはいち早く取り組める会社なのです。
まとめ
SBIソーシャルレンディングは、クイック入金などSBIグループとしてのサービス提供体制を活かした機能に魅力がある事業社です。
投資案件も、比較的ローリスクなものから、予定利回り10パーセントといったものまで、幅広く取りそろえています。
今後も、ソーシャルレンディングと他の金融機関の融合という観点から他社に先駆けた新サービス投入が期待され、目が離せない事業者ですよ。