ソーシャルレンディングは、投資対象として利用するだけではなく、資金を必要とする事業者が資金を調達する手段として利用することも可能です。
「不動産を購入したい」、「新規事業の運転資金にしたい」といった理由で、ソーシャルレンディング会社に融資を申し込むことは可能です。
では、具体的にソーシャルレンディング会社からお金を借りるためにはどのような条件を満たせば良いのでしょうか?
目次
ソーシャルレンディング会社は個人への融資は行っていない
まず、前提として現在の日本のソーシャルレンディング会社は、個人への融資はおこなっていないため、お金を借りることはできません。
「SBIソーシャルレンディング」や「maneo」といった、比較的歴史の長いソーシャルレンディング会社は、かつて個人向け融資を行っていました。
しかし、これまでの運用実績を見るに、元本の損失が発生することが多かったことから、SBIソーシャルレンディングもmaneoも、現在個人向けの融資は中止しています。
そのため、個人がこれらのソーシャルレンディング会社からお金を借りようと融資を申し込んでも、門前払いされてしまうことでしょう。
一方で、海外のソーシャルレンディングでは、個人間の融資も行われています。
「クラウドクレジット」は海外のマイクロファイナンス案件を扱っているため、海外ではクラウドクレジットから個人で融資を受けている人もいます。
しかし、融資を受けられる国はペルーなど一部の国に限られています。
そのため、日本人がクラウドクレジットに融資を申し込んでも融資を受けられることはありません。
ソーシャルレンディング会社からお金を借りるには法人を設立する
では、ソーシャルレンディング会社からお金を借りて融資を受けているのはどのような人たちでなのでしょうか?
それは、法人です。
法人を設立していれば、ソーシャルレンディング会社に融資を申し込むことが可能です。
maneoの場合
例えば、maneoでは次のようなページを設置しています。
出典:maneo
こちらのページから、融資のための審査用記入シートをダウンロードすることができます。
審査用記入シートをダウンロードして記入し、maneoに送付すれば、ソーシャルレンディング融資の可否を聞くことができます。
SBIソーシャルレンディングの場合
SBIソーシャルレンディングでは、以下のページに同様のことが記載してあります。
出典:SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングでは、具体的な質問項目はなく、融資申請用のメールフォームのみ設置されています。
融資について気になる方は、ここからSBIソーシャルレンディングに融資の審査を申し込んでみると良いでしょう。
ラッキーバンクの場合
ラッキーバンクでは、現在はソーシャルレンディング案件の運用を行っていませんが、次のようなページが用意されています。
出典:ラッキーバンク
こちらから融資の可否を聞くことはできますが、現在ラッキーバンクでは案件を投資家に対して提供していないため、融資を受けることは非常に難しいと考えられます。
融資を受けるには担保があることが重要
では、SBIソーシャルレンディング会社からお金を借りる融資を受ける条件には何があるでしょうか?
maneoのヒアリングシートを見ていくと、法人の住所や代表者といった基本的な事項が記載されています。
その他にも、会社の事業内容や役員、株主などを記載しなければいけません。
そして、重要なのが担保です。
ソーシャルレンディングにおいて、投資家が投資の可否を判断する非常に重要な要素のひとつが担保です。
担保の換金性が高く、変動性が低いものであれば、投資家も投資を行いやすいのです。
逆に、担保が設定されていなかったり、価値が低く換金しにくかったりする場合は、なかなか投資を行ってくれません。
そして、それはソーシャルレンディング案件を投資家に提供する会社にとってのリスクになってしまいます。
事業としての収益性が低く、さらに担保がない案件を投資家に提供してしまうと、投資家が損失を負う可能性が高くなり、maneoの会社としての評価にも影響してしまうのです。
換金性の高い不動産・動産担保や債券や手形といったの担保を用意できない場合、融資を受けるのはかなり難しいと考えられます。
「担保」についてはこちらでチェック!
ソーシャルレンディング会社にとっても融資先が多いことは好ましい
では、ソーシャルレンディング会社からお金を借りることは難しいのでしょうか?
それは、NOです。
ソーシャルレンディング会社にとって、お金を借りてくれる、つまり融資を受けてくれる会社は顧客です。
そのため、融資を受けてくれる顧客がいなければ、自分たちの収入源がなくなってしまうのです。
利益拡大のためには、積極的に色々な会社に対して融資をする必要があります。
そのため、審査を申し込んでききた法人が、次のような条件を備えていれば、融資を受けられる可能性は高いです。
- 反社会的勢力との付き合いがない
- 最近数年間の事業で黒字を出している
- ある程度換金性の高い担保がある
ソーシャルレンディング会社からお金を借りることを検討している方は、ぜひ融資を申し込んでみると良いでしょう!
また、一度審査に落ちてしまったとしても、今後ずっと融資が受けられないわけではありません。
事業計画が整い、銀行より高い金利でも良く、換金性のある担保を用意することができたという条件をそろえることができたのであれば、再度審査を申し込むことで、融資を受けられる可能性は十分にあります。