【2019年9月25日追記】
maneoの社長交代が発表されました。
ついにmaneo(マネオ)社長退任!グリフラはどうなる?
訴訟中のグリーンインフラレンディング(グリフラ)について、貸し倒れ(デフォルト)の可能性がささやかれています。
▼訴訟の経緯について詳しくはこちら▼
ただ、貸し倒れがささやかれているのはグリーンインフラレンディングだけではありません。
グリーンインフラレンディングの運営元であったmaneo(マネオ)を始め、maneoファミリーの遅延総額はついに300億円を超えました。
雲行きはどこまでも怪しくなっていく一方です。
「このままグリーンインフラレンディングも、maneoファミリーも貸し倒れになるのでは」そう思っている投資家は少なくないでしょう。
そんな中、2019年4月1日付けのmaneoのお知らせで、maneoマーケット代表、瀧本憲治社長の退任が伝えられました。
2019年3月29日に開催された取締役会におきまして、
弊社代表取締役社長の瀧本憲治が退任し、取締役の安達義夫が代表取締役社長に就任することとなりましたので、ご報告いたします。
ソーシャルレンディング黎明期の時代からmaneo(マネオ)を支え、業界最大手にまで育て上げた瀧本社長がついに退任することになりました。
2018年7月の行政処分以降、maneoや瀧本社長への批判は高まる一方、maneoファミリーの遅延もふくらむ一方でした。
ここで一区切りをつけるためにも、社長退任・交代は避けられない事態と言えます。
今回の社長退任・交代劇でmaneoファミリーはどうなるのでしょうか?
グリーンインフラレンディングで貸し倒れになる可能性についても考えていきましょう。
【2019年9月17日追記】
maneoが株式の約85%をNLHD社へ譲渡することが判明しました。
詳しくはこちらで解説しています。
maneo(マネオ)社長交代劇で期待できる点
maneo(マネオ)の社長交代劇により、グリーンインフラレンディングの貸し倒れを回避できる可能性はあるのでしょうか?
結論から言えば、貸し倒れになる可能性はまだ回避できていません。
グリーンインフラレンディングの遅延総額は100億円超と、遅延を起こしている事業者の中でも金額が文字通り桁違いです。
2018年時点で留保されている供託金が15.5億円ありましたが、それでも遅延総額すべてを返還する額には到底足りません。
また、グリーンインフラレンディングの親会会社、株式会社JCサービスによると、多数の案件の契約完了で見込める返済の目途は「募集総額の60パーセント程度」です。
引用元:「グリーンインフラレンディングによるファンド資金の返済について」
つまり、残り40パーセントの返済については何の目途も経っていないということです。
さらに、maneoもグリーンインフラレンディングも訴訟を抱えています。
訴訟問題を抱えながら、グリーンインフラレンディングの遅延案件すべての返還を期待するのは難しく、いずれかの案件・ファンドは貸し倒れになる可能性はあるでしょう。
では、maneo社長交代劇で何も得るものはないかと言えば、そうでもありません。
新社長のもと、経営態勢が刷新されればmaneoファミリーが抱える諸問題はより早期解決に向かうはずです。
maneoが今後、企業再生を目指していく中で、訴訟や遅延問題の長期化はマイナスにしかなりません。
社長交代で貸し倒れの可能性がなくなったわけではありませんが、問題の解決が早まる可能性はでてきたということは、いくらかプラスになるのではないでしょうか。
グリーンインフラレンディングの遅延状況
残念ながら、グリーンインフラレンディングで貸し倒れになる可能性はあります。
そもそも、貸し倒れの可能性がある遅延案件の状況はどうなっているのでしょうか?
2019年4月時点の遅延状況
- 遅延総額:約126.7億円(22案件)
- JCサービスによる返済の見込み:多数の案件の契約締結が決まっており、募集総額の60%程度は返済の目途が立つ見込み
遅延総額は、2019年3月時点で約134.6億円だったのですが、約8億円だけ減っています。
この8億円は、2018年時点で確保できていた供託金15.5億円の一部だと思われます。
供託金15.5億円については「返済原資を確認するまでは分配できない」として長期間留保された状態が続いていたため、「訴訟で訴えられた費用の返済に充当する気なのでは?」という噂もでていました。
しかし、投資家への分配・償還が決まり、ようやく供託金の返還に進展が見られることになりました(対象の案件は太陽光開発事業支援ローン 3 案件)。
また、JCサービスの報告によると、供託金の他に投資家口座に預けられている預かり資金約1億8000万円の返還も行われたようです。
▼maneo側のお知らせ(2019年3月26日)▼
▼グリーンインフラレンディング(JCサービス)側のお知らせ(2019年3月29日)▼
返済に向けて少しずつ進展が見られたグリーンインフラレンディングですが、依然としてグリーンインフラレンディングの親会社、JCサービスとmaneoとの間で協議が長引いています。
供託金の返済にしても、2018年7月時点で資金が確保されていたものが、8ヶ月もかかってようやく返済されたことになります。
8ヶ月も協議が長引くなんて、よっぽど交渉が決裂しているのでしょう。
遅延総額はまだ100億円以上あります。
残りの供託金約7.5億円についてはまだ「協議を継続せざるを得ない状況」のようですが、2019年4月20日ごろに進捗状況の報告がされる予定です。
今後のmaneo新体制と共に、早く良い報告が聞けるよう祈るばかりです!
まとめ
maneo(マネオ)社長退任を受け、グリーンインフラレンディングの貸し倒れの可能性、遅延の状況についてまとめてきました。
重要なポイントは次のの4点です(※2019年4月時点)。
- maneo社長退任、新社長態勢により諸問題の解決が早まる可能性はある。ただし、グリーンインフラレンディングの貸し倒れ回避は難しい。
- グリーンインフラレンディングの遅延総額は約126.7億円(22案件)。
- 供託金約15.5億円のうち、ついに約8億円(太陽光開発事業支援ローン3案件)の返還が決定したが、残りの約7億円はまだ協議継続中。
- グリーンインフラレンディングの親会社(JCサービス)の報告によれば、募集総額の60パーセントは返済の目途が立つことになる
グリーンインフラレンディングの遅延問題はまだ長引きそうですが、少しだけ進展のきざしを見せました。
maneoの社長交代により、今後グリーンインフラレンディングの遅延問題がどう動いていくのか、引き続き状況を注視していくようにしましょう!
そして、状況を注視しながら今まで以上に事業者や案件の選定に気をつけなければいけません。
業界最大手のmaneoやグリーンインフラレンディングなど、maneoファミリーの抱える遅延総額は300億円以上です。
数年前のmaneoファミリーの勢いを考えると、このような事態になるなんて誰も想像できなかったのではないでしょうか?
maneoとグリーンインフラレンディングの遅延問題は、どんな事業者であっても貸し倒れ、元本割れ、遅延の可能性は絶対にあるということを改めて学ぶ機会になりました。
これからソーシャルレンディングを続ける人は、これら遅延事件を鑑み、「貸し倒れが起きてもトータルリターンがプラスになる」投資を心がけ、慎重にポートフォリオを組むことが大切です。
なお、こちらでは実際にmaneoに投資する投資家が、マネオ本社へ実際に出向いたときの様子をレポートにまとめています。
マネオへの投資の危険性については、こちらの記事がしっかりと解説していますので、投資家の方はぜひ目を通しておくことをおすすめします。