2019年1月に運営を開始したソーシャルレンディングサイト「Funds(ファンズ)」。
株式会社クラウドポートが運営しているFundsですが、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社などを引受書とした第三者割当増資を2019年7月末に実施しました。
それに伴い、2019年7月末時点で6億3千万円、最終的には7億円の資金調達の見込みがあることを発表しています。
では、その資金調達の背景にについて迫ってみます。
サービス開始半年で会員数1万人を突破
出典:Funds(ファンズ)
Funds(ファンズ)は2019年1月からサイトの運営を開始しており、上のグラフのように、会員数はなんと半年で1万人を突破しています。
ソーシャルレンディングサイトの中では後発にあたるFundsですが、運営元のクラウドポートはソーシャルレンディング関係のメディア事業を展開していた会社です。
ソーシャルレンディング業界に通じていることもあり、サービス開始当初から、高い人気を得ています。
案件はすぐに募集金額へ到達
これまで募集を行ったソーシャルレンディング案件は、いずれも短時間で募集金額上限に達しています。
そのため、2019年6月からは人気の過熱ぶりに応えるため、抽選投資制度を導入しています。
Fundsでは、2019年内に融資先の会社数を増やし、合計20社ほどのソーシャルレンディング案件を組成できるようにしたいとしています。
社内体制強化・マーケティング費用捻出のために資金調達が必要に
ただし、ソーシャルレンディングの安全性が投資家から注目される中、Fundsではその融資先の審査も入念に行っています。
事業の妥当性や安全性、などを審査してから融資を行うために、高度な専門知識を持った人材が必要になるのです。
そこで、社内の体制強化や開発人員の増強、さらにマーケティングコストの捻出のために、Funds自身が今回の資金調達を行ったことを発表しています。
より多くの会社にとってソーシャルレンディングが資金調達を行う手段となること、そして日本の個人投資家が資産運用していく上で、ソーシャルレンディングがポピュラーな方法となること、それらをFundsでは目標としています。
資金調達先のベンチャーキャピタル
2019年7月末にFundsが資金調達を行ったベンチャーキャピタルは、次のようなラインナップです。
- 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社
- グローバル・ブレイン株式会社
- 三菱UFJキャピタル株式会社
- SV-FINTECHFund 他
出資を行った会社は、伊藤忠テクノロジーベンチャーズや三菱UFJキャピタルなど名だたるベンチャーキャピタルばかりです。
これらの会社が出資したことにより、Fundsの信用性はより高まっていくものだと考えられるでしょう。
まとめ
Funds(ファンズ)が今回の資金調達を行ったことにより、資金力が豊富になるだけではなく、対外的な信用を獲得したという意味での二重のメリットが見受けられます。
また、2019年8月現在、Fundsは人気が過熱しており、投資にあたっては抽選制が導入されています。
公平な投資機会は提供されますが、投資家にとっては資金を無駄に遊ばせるようになり、利益を得られない機会損失も頻発しています。
Fundsのソーシャルレンディング会社としての人気は高いですが、投資したくてもできないような状態が続くようでは、投資家からの信頼を失う可能性があります。
その状況を打破するために、営業人員を採用しより多くの案件を常時提供できるような状態にしていくことで、ソーシャルレンディング投資家の要望に応えることが、当面のFundsの目標となるでしょう。
Fundsはもともとメディアサイトを運営していたこともあり、ソーシャルレンディング投資家目線を他のソーシャルレンディング会社よりも意識している様子が見受けられます。
案件の利回りは1.5パーセントから6パーセントほどと決して高い水準ではありませんが、より確実性の高い資産運用を行っていくためには、Fundsのような会社こそが投資家に求められています。
これからのソーシャルレンディング投資は、利回りだけではなく「いかに情報開示を行っていくか」、そして「安全性の高い融資先を提供できるのか」が焦点となっていきそうです。
Fundsに関しては、こちらで詳しく解説しています。