ソーシャルレンディングサイトでも最大手のmaneoマーケット(通称:マネオ)。
2019年7月中旬からmaneoのシステムを利用している会社を含め、案件の募集を停止しています。
そのmaneoが、2019年9月9日(月)に連結決算を発表しました。
そこで、maneoの現在の状況を確認していきたいと思います。
【2019年9月17日追記】
maneoが株式の約85%をNLHD社へ譲渡することが判明しました。
詳しくはこちらで解説しています。
maneoの
maneo(マネオ)の連結決算は黒字
maneo(マネオ)は、第12期(2018年度)は黒字化を達成しています。
決算は、maneoマーケット以外にも、maneo、リクレ、maneoエスクローなど6社の連結決算です。
連結貸借対照表(B/S)と連結損益計算書(P/L)をそれぞれ見ていきましょう。
連結貸借対照表
まずは、貸借対照表から見てみましょう。
出典:maneo(マネオ)
連結貸借対照表を見ると、「現金及び預金」が77億円から64億円へと減少しています。
「営業貸付金」も348億円から289億円へと減少しています。
また、ソーシャルレンディングで融資している金額を示す「匿名組合出資金」も355億から277億に減少し、「貸倒引当金」が2億円から34億円へと増加していることがわかります。
つまり、貸し倒れによる損失を大きく見込んでいるということでしょう。
連結損益計算書
続いて、損益計算書を見ていきます。
出典:maneo(マネオ)
「売上」は32億円から40億円へと増加。
一方で、「売上原価」も17億円から24億円へと7億円ほど増加しており、利益面で見れば「営業利益」は7,000万円ほどの増加です。
「当期純利益」は、4億6千万円から4億2千万円へと若干の減少という結果でした。
maneoマーケット単体での決算情報
官報では、maneoマーケット単体の決算情報も確認することができます。
マネオ単体での「当期純利益」は1億1,000万円の赤字、「利益剰余金」は1,300万円の赤字という結果です。
マネオ単体ではあまり良い状況ではないことがわかりました。
まとめ
maneoマーケットは、2018年度だけ見れば貸し倒れなどの問題は発生したものの、定期的に案件の募集を行っていたため売上も利益も十分な数字を確保できています。
一方で、案件の見直しや宣伝費などを含んだ営業に関係する費用も多くなっており、また貸倒引当金が大幅に増加するといった要素もあります。
また、マネオ単体で見てみると1億1,000万円の赤字になっているなど、関連会社は好調だけれどマネオの状態は前期と比べて悪化していることがわかりました。
マネオは、2019年7月から案件の募集も実施しておらず売上を立てられない状況が続いています。
社内に現金及び預金は64億円ほどあるので猶予はありますが、今後の貸し倒れや遅延によっては事態が悪化する可能性もあるかもしれません。
なお、マネオについてはこちらで詳しく解説しています。