SBIソーシャルレンディングのような大手でも貸し倒れが起きているので、元本割れしたことはあります。
この事実を知ると「やめておいた方が良い会社かな」と思われてしまうかもしれません。
しかし、SBIソーシャルレンディングは貸し倒れが起きたときに迅速に対応してくれていることなどから、投資家からの信頼が厚い会社です。
どのソーシャルレンディング会社でも元本割れのリスクは多かれ少なかれあるので、SBIのようにきちんと対応してくれる会社を選んだ方が良いでしょう。
この記事では、過去にどんな元本割れがあったのかを中心に、SBIソーシャルレンディングの対応力などをお伝えしていきます。
ソーシャルレンディングで元本割れのリスクを低くする方法も紹介するので、参考にしてみてください。
目次
ソーシャルレンディングにおける「元本割れ」とは
ソーシャルレンディングで「元本割れ」が起きるのは、貸し倒れや遅延が起きたときです。
貸し倒れとは、お金を借りた企業が破綻するなどして、返済できなくなることです。
担保があれば売却して投資家への返済に充てられますが、満額が返ってくるとは限らず、投資家のお金が元本割れする可能性があります。
また、遅延も元本割れと考えることができます。
遅延とは、企業の財務状態の悪化などにより、利息の支払いや元本の返済が滞ることです。
遅れても支払われれば良いですが、そのまま貸し倒れというケースもとても多いです。
正確には、遅延は「元本割れするかどうかわからない状態」ですが、貸し倒れするリスクが大きいため、この記事では遅延も元本割れとして扱います。
SBIソーシャルレンディングの元本割れ実績
有名な大手企業であるSBIソーシャルレンディングでも、元本割れは起きています。
SBIでは、取り扱いファンドを次の4種類に分けているので、種類ごとにどれくらいの元本割れが発生したのかを解説していきます。
- オーダーメード型ローンファンド(継続中)
- 不動産担保ローン事業者ファンド(継続中)
- カンボジア技能実習生支援ローンファンド(募集停止)
- 個人向け無担保ローンファンド(募集停止)
オーダーメード型ローンファンド
2020年9月15日(火)までの集計では、オーダーメード型ローンファンドの貸付総額は約1,157億円で、そのうち約2億8,000万円が貸し倒れとなっています。
遅延しているファンドはなく、延滞中はゼロ円です。
これを割合に直すと約1.6パーセントであり、元本割れの発生率はかなり低いと言えます。
オーダーメード型ローンファンドの中で貸し倒れが発生したのは、2018年の「不動産バイヤーズローンファンド」です。
利息の支払いや元本の回収がスムーズに行かなくなり、担保の売却などの対応が速やかに行われました。
その結果、遅延していた不動産バイヤーズローンファンド5本のうち、2本は元本以上の返済がありました。
残念ながら3本は元本回収ができず、元本割れとなってしまいました。
以上のように、SBIソーシャルレンディングでも貸し倒れは起きています。
しかし、オーダーメード型ローンファンドは元本割れの発生率が低く、内訳をみてもほんの数社です。元本割れのリスクがあるソーシャルレンディングにおいて、かなりリスクの低いファンドであると言えるでしょう。
不動産担保ローン事業者ファンド
2020年9月15日(火)までの集計では、不動産担保ローン事業者ファンドで貸し倒れは1件も起きていません。
遅延中のファンドもありません。
これまでの貸付総額は約328億円と多額の金額を融資しているのに、1件も貸し倒れが起きていないのは素晴らしい実績です。
これまでに不動産担保ローン事業者ファンドに投資して満期を迎えた投資家は、一度も元本割れしていないことがわかります。
貸し倒れが起きていないのは、不動産担保との存在が大きいでしょう。
SBIソーシャルレンディングも適切に担保を評価できていると考えられます。
実績や審査能力を基に投資先を選ぶなら、SBIソーシャルレンディングの中でも不動産担保ローン事業者ファンドなら元本割れしにくい、と言えます。
カンボジア技能実習生支援ローンファンド
現在は案件の募集を停止している「カンボジア技能実習生支援ローンファンド」は、かなり元本割れリスクが高いことが言えます。
2020年9月15日(火)までの集計では、貸付総額が約5,278万円なのに対し、貸し倒れしたのは8,600円です。
また、遅延中が約715万円もあります。
貸し倒れと遅延を合わせると、約13.6パーセントも予定どおりの返済ができていないことになります。
つまり、元本割れが約13.6パーセント発生したと言えます。
これだけ元本割れリスクが高いと不安ですが、このファンドは2019年を最後に現在は募集していません。
ハイリスクの案件はなくなったため、2020年10月現在は投資しやすいソーシャルレンディングサービスになっています。
個人向け無担保ローンファンド
個人向け無担保ローンファンドも、元本割れリスクが高いファンドでした。
2020年9月15日(火)までの集計では貸付総額は7,857万円で、貸し倒れが約1,011万円、遅延が約45万円発生しています。
貸し倒れと遅延を合わせると、約13.4パーセントの発生率です。
元本割れの割合が1割を超え、高いと感じる方も多いでしょう。
ですが、個人向け無担保ローンファンドも、2013年を最後に現在は募集していません。
2020年10月現在はもっと低リスクで投資しやすい案件が中心になっています。
SBIソーシャルレンディングへ投資しても大丈夫?
これまで解説してきたように、SBIソーシャルレンディングでも多少の元本割れは発生しています。
投資して良いサービスなのか、心配になってしまう人の気持ちもよくわかります。
結論としては、2020年10月現在は低リスクの案件が中心であるため、投資したいソーシャルレンディングだと言えます。
その理由を詳しくお伝えしていきましょう。
- 貸し倒れ時の対応が評価されている
- 不動産担保ローン事業者ファンドは貸し倒れ未発生
貸し倒れ時の対応が評価されている
SBIソーシャルレンディングは、貸し倒れが発生したときの対応が丁寧で高く評価されています。
貸し倒れはどのソーシャルレンディング会社の案件でも起き得ることなので、しっかりと対応してくれる会社を選ばなければなりません。
適当な運営の会社だと、貸付先となあなあの関係でいることもあります。
このような体質だと、いざ貸し倒れが起きたときに担保の売却などに踏み切れず、ずるずる遅延した後に貸し倒れとなりやすいです。
SBIソーシャルレンディングの場合、これまでの貸し倒れへの対応から、そのような体質ではないことがわかります。
確かに一部は元本割れとなりましたが、担保の売却にすぐに踏み切り一部は元本を超える金額の償還がありました。
これだけの対応力があるため、投資家からの信頼も厚いです。
不動産担保ローン事業者ファンドは貸し倒れ未発生
取り扱いファンドの中で、不動産担保ローン事業者ファンドは貸し倒れも遅延も発生していません。
今のところ元本割れは発生していないため、ソーシャルレンディングを使ってみたいけど元本割れのリスクが怖い方にもおすすめできます。
投資なので今後も元本割れが発生しない保証はできませんが、元本割れのリスクは低いと考えられます。
不動産担保が設定されている案件のみの取り扱いなので、万が一企業が破綻しても、資金を回収できる可能性が高いからです。
SBIソーシャルレンディングは、担保の評価能力も高いと言われています。
適当な運営の会社だと、市場評価よりも高く担保の不動産を評価してしまい、売却したときに思ったほど資金を得られないケースがあります。
こうなると元本割れになるので、ソーシャルレンディング会社の担保を評価する能力は非常に重要です。
SBIソーシャルレンディングは、ソーシャルレンディング業界でも古株ですし、大手金融グループのSBIホールディングスのグループ企業であることから、評価能力も高いとされています。
業界平均よりは、元本割れしにくいリスクの低い運用ができるでしょう。
ソーシャルレンディングの元本割れリスクを下げる方法
最後に、SBIソーシャルレンディングに限らず、ソーシャルレンディングで元本割れのリスクを下げる方法も解説していきます。
これから説明する5つのポイントを守れば、ハイリスク・ハイリターンと言われるソーシャルレンディングでも、リスクを低く抑えることができるでしょう。
- 利回りだけで投資先を決めない
- 担保付きの案件を選ぶ
- 投資先を分散させる
- 複数のソーシャルレンディング会社で運用する
- 貸し倒れに対応した実績がある会社を選ぶ
利回りだけで投資先を決めない
利回りの高さだけで投資先を決めることはおすすめできません。
基本的に、利回りが高い案件はリスクも大きいからです。
リスクを想像して納得できるなら構いませんが、その段階を飛ばして利回りだけで投資先を決めることは危ないです。
一般的に、利回りが高い案件ほど貸し倒れのリスクも大きいです。
最低でも、担保や保証がついているか、担保の評価額は十分かなどを確認するべきです。
可能なら、企業の財務状況なども考慮し、利息の支払いや元本の返済が滞るリスクは大きいか小さいか考えた方が良いです。
リスクを下げて投資したいなら、利回りだけでなく他の情報も吟味した上で投資判断をしましょう。
担保付きの案件を選ぶ
ソーシャルレンディングの案件によって、担保や保証がついているかどうかが異なります。
おすすめは、不動産担保つきの案件に投資することです。
不動産担保がついている場合、融資額を上回る評価額の担保が設定されていることがあるからです。
企業が破綻するなどしてお金を返済できなくなっても、十分な担保が設定されていれば、資金を回収できる可能性は高めです。
他の種類の担保や保証でもないよりはずっと良いのですが、回収可能性は不動産担保に比べると弱くなるケースがあります。
担保の種類や保証まではわからないという人も、不動産担保がついているかどうかは確認しましょう。
その意味では、SBIソーシャルレンディングの不動産担保ローン事業者ファンドはかなり投資しやすいファンドです。
このファンドなら不動産担保がついているので、その中で投資したい案件を選ぶと良いでしょう。
投資先を分散させる
一つの案件に資金全額を集中投資するのではなく、複数の案件に少しずつ投資をする分散投資がおすすめです。
集中投資していた場合、その案件が遅延したり貸し倒れになったりしたら、資産を大きく減らしてしまいます。
しかし、分散投資をしていれば、一部のファンドで貸し倒れが起きても全財産を失うようなことにはならないでしょう。
リスクの高いソーシャルレンディングだからこそ、複数の案件に分散させるのがおすすめです。
複数のソーシャルレンディング会社で運用する
案件を複数に分けるのと同時に、できれば複数のソーシャルレンディング会社を使うことをおすすめします。
ソーシャルレンディング会社によって、企業の審査能力や担保の評価能力が異なるため、ひどい会社で集中投資をしないためにも複数に分散した方が良いでしょう。
SBIソーシャルレンディングはリスクが低いのでもちろんおすすめですが、他にも優良な会社はあります。
複数社を併用することで、より低リスクな運用をしましょう。
貸し倒れに対応した実績がある会社を選ぶ
貸し倒れ時の対応実績があり、評価されているソーシャルレンディング会社を選ぶことも重要です。
万が一のとき、投資家の利益を優先して動いてくれる企業ということなので、投資家も使いやすいからです。
その意味では、SBIソーシャルレンディングが良いでしょう。
上述のとおり、不動産バイヤーズローンファンドの貸し倒れ時には迅速に対応し、投資家の資金回収に尽力してくれました。
もし同じことがまた起きても、SBIソーシャルレンディングなら同じように投資家のために動いてくれると考えられます。
まとめ
SBIソーシャルレンディングで元本割れが起きたファンドや、貸し倒れ時の対応などについて解説してきました。
貸し倒れに伴う元本割れは、ソーシャルレンディングではどの会社を使っても多かれ少なかれ存在するリスクです。
そのリスクをできるだけ下げるために重要なのが、会社選びでしょう。
SBIソーシャルレンディングは、過去の貸し倒れ時の対応から、今後も投資家の利益のために万が一の事態に対応してくれると考えられます。
また、不動産担保の審査能力も高いことがうかがえます。
以上のことから、低リスクに運用するならSBIソーシャルレンディングがおすすめです。
ソーシャルレンディング初心者から上級者まで、誰にでも自身を持っておすすめできる優秀な会社です。
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