ソーシャルレンディング会社で人気のあるSBIソーシャルレンディングですが、過去にデフォルト(貸し倒れ)が起きています。
この事実を知って、SBIソーシャルレンディングにネガティブな印象を持った方も多いのではないでしょうか?
投資家にお金が戻って来なくなるかもしれないので、デフォルトしにくい会社で資産運用したいですよね。
確かにデフォルトしたことはありますが、SBIソーシャルレンディングはその後の対応が高く評価されている会社でもあります。
また、2020年現在は超ハイリスクの案件は停止状態で、低リスクのファンド中心の募集となっています。
総評として、初心者から上級者までおすすめできるソーシャルレンディング会社です。
この記事では、SBIソーシャルレンディングのデフォルトの実績や、会社の特徴を解説してきます。
投資するべきか迷っている方は、ヒントにしていただければと思います。
目次
SBIソーシャルレンディングの特徴
デフォルトの実績を紹介する前に、SBIソーシャルレンディングがどんな会社なのかを押さえておきましょう。主な特徴は以下の4点です。
特徴
- 業界最大手企業の一つ
- 大手金融グループが運営
- 利回りは比較的低め
- 不動産担保つきの案件が豊富
業界最大手企業の一つ
SBIソーシャルレンディングは、Crowd Bank(クラウドバンク)と並んでソーシャルレンディング業界最大手の企業です。
これまでの融資額の総額は150億円を超えており、融資額の実績では業界第1位です(2020年10月現在)。
SBIソーシャルレンディングに登録した人数は5万人を超えており、大勢の投資家が使っていることもわかります。
これだけ大勢が利用しているのは素晴らしい実績です。
大手金融グループが運営
SBIソーシャルレンディングは、大手金融グループのSBIホールディングスのグループ会社です。
他のグループ会社には、SBI証券や住信SBIネット銀行などがあります。
この後解説しますが、SBIソーシャルレンディングはデフォルト(貸し倒れ)時の対応が高く評価されていますが、これには一流の金融グループとしての経験やプライドが活かされていると考えられます。
投資家の利益を最優先に動いた実績があり、証券会社などを抱える大手金融グループらしい信頼を勝ち取っています。
ソーシャルレンディングは投資なので、SBIソーシャルレンディングでも元本割れのリスクをなくすことはできません。
それでも、母体がしっかりしているという事実は、運用のリスクを下げてくれます。
利回りは比較的低め
SBIソーシャルレンディングの公式ホームページでは、名目利回り2.5パーセントから10.0パーセントとなっていますが、最近は5パーセント以下の案件が多めです。
他社のソーシャルレンディングサービスだと6パーセント超えの利回りも珍しくはないため、ソーシャルレンディング業界ではやや低めの水準と言えます。
ですが、投資におけるリスクとリターンは比例するため、利回りが高ければ良いというものではありません。
SBIソーシャルレンディングの案件はリスクが低めのものが多いため、利回りも低めになっています。
それでも、2.5パーセントの利回りが取れれば銀行預金よりははるかに早くお金を増やすことができます。
「利回りの高いソーシャルレンディングで運用してみたいけど、リスクも高そう……」と思ってなかなか踏み出せない方には、SBIソーシャルレンディングがおすすめです。
不動産担保つきの案件が豊富
SBIソーシャルレンディングが現在取り扱っている案件の多くは、不動産担保がついています。
担保とは、お金を借りた企業が破綻してお金を返せなくなったら、売却して投資家への返済に充てるために設定されるものです。
つまり、担保がついているほど投資家の元本割れリスクは低くなります。
後で紹介するように、担保つきの案件はデフォルト発生率が非常に低いです。
SBIソーシャルレンディングで投資をするときは、案件ごとに添付される資料を見て、担保がついているか必ず確認してから投資をしましょう。
SBIソーシャルレンディングのデフォルト(貸し倒れ)の実績
ソーシャルレンディングにおけるデフォルト(貸し倒れ)とは、お金を貸し付けた企業が破綻し、資金を回収できなくなることです。
担保が設定されていれば一部または全額の回収が見込めますが、最悪の場合投資家は投資したお金をすべて失ってしまう可能性があります。
デフォルトは、起こらないに越したことはありません。
SBIソーシャルレンディングが取り扱っている案件でも、過去にデフォルトが発生しています。
同社の案件は大きく分けて次の4種類で、種類によってデフォルトした割合が異なります。
SBIソーシャルレンディングの案件の種類
- オーダーメード型ローンファンド(継続中)
- 不動産担保ローン事業者ファンド(継続中)
- カンボジア技能実習生支援ローンファンド(募集停止)
- 個人向け無担保ローンファンド(募集停止)
ここからは、種類ごとにどのようなデフォルト事例があったのか、詳しく見ていきましょう。
オーダーメード型ローンファンド
2020年9月15日(火)までの集計だと、オーダーメード型ローンファンドの貸付総額は約1,157億円で、そのうち約2億8,000万円がデフォルトしています。
割合にすると約1.6パーセントであり、かなり低いデフォルト発生率と言えるでしょう。
なお、2020年10月現在延滞中(遅延中)のファンドはありません。
デフォルトするかしないか怪しい宙ぶらりんな案件は、今のところ発生していないことがわかります。
オーダーメード型ローンファンドの中にもいくつかの種類がありますが、デフォルトが発生したのは2018年の「不動産バイヤーズローンファンド」です。
資金の借り手と連絡が取れなくなり、利息の支払いや元本の回収がスムーズにできなくなったことが原因でデフォルトに至りました。
とはいえ、デフォルトした不動産バイヤーズローンファンドでも、一部のお金は投資家に返還されています。
SBIソーシャルレンディングが担保の不動産の売却などの対応に速やかに動いたためです。
全額をまかなうことはできなかったのか、デフォルトの実績がついてしまいましたが、それでも約1.6パーセントのデフォルト発生率です。
1,000億円以上のファンドを運用していて、ここまで発生率を低く抑えているのは、さすが大手金融グループという印象です。
不動産担保ローン事業者ファンド
2020年9月15日(火)までの集計だと、不動産担保ローン事業者ファンドでデフォルトは1件も起きていません。
これまでの貸付総額は約328億円とかなり潤沢に融資を行っていますが、1件もデフォルトが発生していないのは優秀なソーシャルレンディングサービスと言えます。
延滞中(遅延中)の案件も現在はなく、これまでに扱ったすべてのファンドが正常に運用できています。
ここまで低リスクの運用ができているのも、「不動産担保」のおかげでしょう。
不動産担保とは、ソーシャルレンディングでお金を借りるとき、企業が「万が一、返せなくなったらこの不動産を売って、その資金を返済に充ててください」という意味で差し出すものです。
担保がついていない案件より、ついている案件の方が元本の回収見込みが高まります。
「不動産担保ローン事業者ファンド」が低リスクなのは、その仕組み上は当然とも言えますね。
このことからもわかるとおり、SBIソーシャルレンディングで投資をするときも、案件に不動産担保がついているか確認するべきです。
不動産担保がついた案件では、これまでデフォルトが起きていないため、担保を確認することで投資家もデフォルトリスクを下げられます。
カンボジア技能実習生支援ローンファンド
2020年9月15日(火)までの集計だと、カンボジア技能実習生支援ローンファンドは貸付総額が約5,278万円なのに対し、デフォルトしたのは8,600円です。
ただし、延滞中(遅延中)が非常に多く、約715万円です。
デフォルトと延滞を合わせた発生率は、約13.6パーセントに上ります。
こんな状態がこれからも続くなら、SBIソーシャルレンディングの信頼性はどうかと思いますよね。
ですが、カンボジア技能実習生支援ローンファンドは2019年7月を最後に、案件の募集がされていません。
SBIも回収見込みが低い相手に貸し付けていたことがわかったのでしょう。
2020年10月現在は、このハイリスクなファンドに投資することはできませんし、比較的低リスクの案件が充実しています。
個人向け無担保ローンファンド
2020年9月15日(火)までの集計だと、個人向け無担保ローンファンドの貸付総額は7,857万円で、デフォルトしたのは約1,011万円です。
延滞(遅延)は約45万円発生しています。
デフォルトと遅延を合わせた発生率は、約13.4パーセントととても高いです。
このファンドも、投資するにはかなりリスクが高いと言えるでしょう。
ですが、個人向け無担保ローンファンドは2013年を最後に案件の募集がされていません。
無担保だったので、返済できない借り手が多くデフォルトしたのだと考えられます。
SBIソーシャルレンディングも、この収益性の悪さに気付いたのでしょう。
今後復活しないとも限りませんが、少なくとも現在は超ハイリスクの個人向け無担保ローンファンドの募集は行われていません。
これからSBIソーシャルレンディングを使おうか考えている方にも、ここまでのハイリスク案件はないことをお伝えしたいです。
SBIソーシャルレンディングはデフォルト時の対応が評価されている
先ほどお伝えしたように、大手のSBIソーシャルレンディングでもデフォルトは発生しています。
しかし、デフォルト発生時の対応が高く評価されている企業で、投資家からの信頼も厚いです。
2018年の不動産バイヤーズローンファンドのデフォルトのときは、投資家への連絡や担保の売却などの資金回収が迅速だったと高い評判があります。
それでも一部は貸し倒れとなりましたが、16号と21号のファンドは元本を超える償還がありました。
SBIソーシャルレンディングの強みは、万が一のときの対応力と言っても過言ではないでしょう。
大手金融グループの一員であり大量の案件を扱っている実績があるため、これからソーシャルレンディングを始める方も気が楽なのではないでしょうか。
不動産担保ローン事業者ファンドではデフォルトは発生していない
「不動産担保ローン事業者ファンド」ではこれまでにデフォルトも遅延も発生していません。
これは、SBIソーシャルレンディングの企業や担保の評価能力が高いことを示しています。
貸付先の企業がすぐに破綻するようなボロボロの状態でないことはもちろん、不動産担保の評価も適切に行えていることがわかります。
「不動産担保の評価」がクセモノで、いい加減なソーシャルレンディング会社だと実態より高い評価額をつけてしまうことがあるため、適切に評価できるかは重要なポイントです。
過剰評価された担保を基に大金を貸し付けた場合、デフォルトしたら担保を売却しますが、売却しても元本に満たない可能性が高くなります。
そのため、ソーシャルレンディング会社が担保の評価を厳しく行っているかも、投資家にとって重要です。
その点、SBIソーシャルレンディングはこれまでの実績から言うと審査能力は問題ないでしょう。
過去の不動産担保つきの案件ではデフォルトが出ていないので、適切に評価されていると考えられます。
SBIソーシャルレンディングソーシャルレンディング事業から撤退
2021年2月に、SBIソーシャルレンディングから「融資先のモニタリングにおいて重大な懸念事項がある」との発表が行われました。
その後第三者委員会の設置を行い、SBIソーシャルレンディングが問題を究明した結果、融資先の企業において用途外の資金流用などが認められ、SBIソーシャルレンディングの親会社であるSBIホールディングスでは、最大150億円規模の損失を計上しています。
投資家へは出資元本の返済を行うとしているものの、莫大な金額の損失を受け、SBIソーシャルレンディングはソーシャルレンディング事業からの撤退を発表しました。
ソーシャルレンディングでは、融資先の企業のモニタリングの不備による問題が過去数社で発生しています。
一方で投資家への出資元本の返還は行われる予定となっており、その点は大手金融グループの1社ならではの信用性が保証になってくれたとも言えます。
SBIソーシャルレンディングへの投資はできなくなりましたが、新しい投資先を探している方は、不動産投資型クラウドファンディングで随一の実績を持つCREAL(クリアル)への投資を検討されてみてはいかがでしょうか?
CREAL(クリアル)はサービス運営歴約2年半、取り扱い金額100億円を超えるなど、日本の不動産投資型クラウドファンディングサイトでは他社を引き離す実績を誇っています。
またこれまで貸し倒れ、返済遅延ともに発生しておらず、かつ不動産投資型クラウドファンディングは運用する不動産の住所、面積、築年数等の数字が全て明らかになっています。
自分でしっかりと運用不動産の実在を確認してから投資できる点は、ソーシャルレンディングにはない強みです。
資産保全対策に留意して投資先を決めたいという方にも、CREAL(クリアル)はおすすめできます。
まとめ
SBIソーシャルレンディングでデフォルトした案件を中心に、企業の特徴をお伝えしてきました。
SBIソーシャルレンディングは残念ながらモニタリング不備により、ソーシャルレンディング事業からの撤退という結果に終わりました。
新しい投資先を探している方には、不動産投資型クラウドファンディング運用実績第1位のCREAL(クリアル)をおすすめいたします。
下の「サービスサイト」から口座開設できますよ。