日本国内のソーシャルレンディング会社において第1位の募集実績を誇るSBIソーシャルレンディング株式会社が、2020年6月26日(金)に2020年3月期の決算を発表しました。
そこで、SBIソーシャルレンディング株式会社の決算発表を見ながら、同社がどのような状態に置かれているのかを確認していきましょう。
目次
SBIソーシャルレンディングが2020年3月期の決算を発表
SBIソーシャルレンディング株式会社は、200億円以上の総資産があることから、大会社法の適用を受けます。
大会社法の適用を受けているため、SBIソーシャルレンディング株式会社は非上場企業ながら詳細な決算内容の開示義務があるのです。
決算発表でも、SBIソーシャルレンディング株式会社の「貸借対照表(B/S)」及び「損益計算書(P/L)」の両方が公開されています。
この2つの決算書を見てみましょう。
前年に続き増収増益
まず、気になる売上を確認してみましょう。
2019年に引き続き、決算内容は黒字です。
2019年3月期の決算の数字とも比較してみました。
項目 | 2020年3月期 | 2019年3月期 |
---|---|---|
貸付残高 | 約422億円 | 約310億円 |
売上高 | 約32億円 | 約25億円 |
営業利益 | 約26億円 | 約20億円 |
当期純利益 | 3億4千万円 | 約2億円 |
利益剰余金 | 3,200万円 | ▲約3億1千万円 |
売上高は、約25億円から約32億円にアップ。
それに伴い、営業利益も約20億円から約26億円、そして当期純利益も2億円から3億4,000万円にアップしています。
この数字を見ると、売上高が順調に増加し、それに伴って営業利益及び当期純利益も比例しながら増加していることがわかります。
では、なぜSBIソーシャルレンディングは売上高をアップすることができたのでしょうか?
それは、貸付残高が大きく増えているからです。
ソーシャルレンディング会社の主事業は、言うまでもなくソーシャルレンディングによるお金の貸付です。
事業資金を必要としている会社に投資家から集めたお金を融資し、その融資の際に設定された貸付金利の一部がソーシャルレンディング会社の収入となるのです。
そのため、貸付するお金が増えれば増えるほどソーシャルレンディング会社の売上は増加します。
SBIソーシャルレンディングの「貸借対照表」を見ると、売上等貸付残高が前年比の310億円から422億円に大幅に増加していることがわかります。
この貸付残高が増加したことが、SBIソーシャルレンディングの売上と利益へ貢献しているのです。
累積赤字を解消し黒字に転換
もう一点注目したいポイントが、「利益剰余金」の金額です。
この利益剰余金とは、SBIソーシャルレンディングの累計の営業黒字の数字を指します。
SBIソーシャルレンディングは今期で14期目ですが、14期の利益剰余金の数字は約3,200万円の黒字です。
第13期である2019年3月決算を見ると、利益剰余金は3億1,000万円の赤字でした。
13期までの累積の赤字を14期目にしてついに解消し、黒字に転換することができたのです。
これは、SBIソーシャルレンディングとっても一つの大きなターニングポイントと言えるでしょう。
SBIソーシャルレンディングの決算からわかる考察
SBIソーシャルレンディングかぶしき会社の決算の数字の中から、売上以外で同社の好調を示す数字を見ていきましょう。
匿名組合損益分配額
ソーシャルレンディング会社が実際にどの程度の配当を行っているのかを示す数字が「匿名組合損益分配額」です。
2019年3月期は約15億2,000万円でしたが、2020年3月期は23億8,800万円と前年比で1.5倍以上の伸びになっています。
SBIソーシャルレンディングを利用する投資家が増えているだけではなく、利益を得た投資家が多くいることを示しています。
これは、投資初心者の方がソーシャルレンディングサイトを選ぶ際に参考になる一つの数字と言えます。
ソフトウェア資産の数字
貸借対照表の無形固定資産の中に、ソフトウェア資産があります。
こちらは2019年3月期が約2,000万円、今回は約3,400万円となっています。
これを見ると、SBIソーシャルレンディングがソフトウェアの購入にも資金を投入し、セキュリティ体制や業務遂行体制などに投資していることがわかります。
これもその会社の信用につながる一つの要素と言えるでしょう。
SBIソーシャルレンディングの業績が好調な理由
SBIソーシャルレンディングは営業貸付金、売上高、利益面を見てもすべての数字が順調に成長しています。
SBIソーシャルレンディングは、なぜこのように成長を遂げることができているのでしょうか?
その理由を考察してみました。
SBIソーシャルレンディングの業績が好調である理由
- 大手金融グループに属しているという信用性があるから
- 豊富な募集実績があるから
- 常時募集ファンドがあり投資しやすいから
- 監査法人の監査を受けているから
理由①:大手金融グループに属しているという信用性があるから
SBIソーシャルレンディングが投資家から支持を受けている理由としてまず考えられるのが、大手金融グループSBIグループの一員であることです。
SBIソーシャルレンディングの親会社である「SBIホールディングス株式会社」は、東証一部に上場している企業です。
もし子会社であるSBIソーシャルレンディング株式会社が投資家に対して不利益を起こスような不正行為をすれば、親会社の評判にも傷がつきかねません。
そうするとSBIホールディングス株式会社の株価が下落し、SBIグループ全体が大きな損害を被る可能性もあります。
親会社・グループ会社の知名度が高いだけに、「その信用を傷つけないためにSBIソーシャルレンディングは投資家に対して不利益を起こすような不正行為を働かない」そういった信用を、投資家からSBIソーシャルレンディングは獲得しているのです。
理由②:豊富な募集実績があるから
SBIソーシャルレンディングは、2020年7月時点で約1,400億円の募集実績があります。
これは、日本国内で現在営業しているソーシャルレンディング会社の中でも、群を抜いて高い数字です。
これだけの豊富な運用実績がある上に、投資家に多額の利益を配当してきた実績もあります。
案件を組成する実績、そして案件を運用し極力貸し倒れを起こさず、投資家にきちんと返済を続けてきた実績が評価されているため、これだけの支持を得ているのでしょう。
理由③:常時募集ファンドがあり投資しやすいから
SBIソーシャルレンディングの他のソーシャルレンディングサイトにない特徴として「常時募集ファンド」が挙げられます。
ソーシャルレンディングに投資をする際は、ソーシャルレンディング会社が案件の募集を行ってくれないと投資できません。
タイミングが悪かったり抽選に外れてしまうと、投資できず資金を遊ばせてしまうことになるのです。
しかし、SBIソーシャルレンディングは「常時募集ファンド」といういつでも投資できるファンドがあるため、投資家は常に資金を運用できます。
常に投資で利益を得たい投資家にとっては、SBIソーシャルレンディングは大変に使い勝手の良いサイトなのです。
理由④:監査法人の監査を受けているから
SBIソーシャルレンディングは、大会社法の適用を受けているため監査法人からの監査を受ける義務があります。
そして、SBIソーシャルレンディングの会社概要には大手監査法人である「株式会社トーマツ」に監査を受けていることが記載されています。
知名度の高い監査法人に監査を受けていることもあり、SBIソーシャルレンディングの決算の数字の信用性は非常に高いです。
会社規模や実績、そして実際に記載されている監査体制などを総合し、SBIソーシャルレンディングは、投資家に多く利用されていると言えるのでしょう。
まとめ
SBIソーシャルレンディングの決算書をもとに、決算の内容を独自に分析して解説しました。
SBIソーシャルレンディングはここ数年好調な業績を重ねており、ついに累積損失を解消しました。
これから先も日本のソーシャルレンディングのリーディングカンパニーとして、業界を牽引していくことが期待されます。
その積み重ねた数字と信頼は、ソーシャルレンディング投資の初心者が初めて投資するソーシャルレンディング会社としても、ふさわしいものがあるでしょう。
SBIソーシャルレンディングのことを詳しく知りたい方は、下記リンク先の記事もぜひご一読ください。