累計募集金額が1,100億円を超え、ソーシャルレンディング業界で第1位(※1)の実績を持つSBIソーシャルレンディング。
そのSBIソーシャルレンディングが2019年10月25日(金)、SBIソーシャルレンディング本社(泉ガーデンタワー:東京都港区六本木)にてソーシャルレンディング投資家を対象としたセミナーを開催しました。
そのセミナーにクラウドアンサー編集部も参加しました。
質疑応答の内容を中心に、セミナーの内容をレポートします。(※1)富士キメラ総研などでも基準として用いられています融資残高で比較
なお、セミナーは、次の3部構成で行われました。
- SBIソーシャルレンディングの状況
- ソーシャルレンディング投資の仕組み
- 質疑応答
1.SBIソーシャルレンディングの状況の説明
SBIグループの1社であるSBIソーシャルレンディングは、2011年設立です。
ただし、海外でのソーシャルレンディング投資の状況を調査し、2008年から事業の準備は行われていたということ。
2018年に総資産が200億円を突破し、2019年3月には370億円以上となっています。
これは大会社法の適応を受ける基準を超え、2019年10月現在では監査法人からの監査を受けているということです。
外部の審査が入ることにより、その事業内容や財務状況が適正な状況であることが、証明されていると考えられるでしょう。
当初は個人向け融資を行っていたSBIソーシャルレンディングですが、滞納や遅延が多かったことなどから、2019年10月現在の新規融資は法人向けのみの取扱いです。
2016年には再生可能エネルギー事業などに取り組んでいる玄海インベストメントアドバイザー株式会社と提携。
当初はソーシャルレンディング事業が軌道に乗るまでは時間を要しましたが、この業務提携によって太陽光発電支援ファンドなどを投入できるようになったことにより、投資家数が増加。
現在のSBIソーシャルレンディングの発展につながりました。
2019年からは金融庁の方針変更を受け、融資先の情報開示にも積極的に取り組んでいます。
2018年からはテレビCMの放送を開始。
テレビCMではソーシャルレンディングを「ソシャレン」と連呼し、その用語の認知度の向上を図っています。
また、社会貢献的な意義のある案件の開発にも取り組んでおり、直近では
カンボジアの事業者向けの案件を提供しています。
利益を伸ばすとともに、社会性のある事業に取り組み、ソーシャルレンディング業界を牽引する存在として投資家からも高い支持を得ています。
2.ソーシャルレンディングの仕組み
SBIソーシャルレンディングのセミナーの第2部は、ソーシャルレンディングの融資スキームなどに関する説明でした。
これは、ソーシャルレンディング投資をしたことがある人であれば、知っている内容が中心でした。
SBIソーシャルレンディングの独自性
ソーシャルレンディングのスキームの説明の中で、SBIソーシャルレンディングの特徴が挙げられました。
SBIソーシャルレンディングは、自社で「貸金業登録」「第二種金融商品取引業登録」を行っており、1社で募集と貸付ができます。
他のソーシャルレンディング会社では、2つの免許登録を行っている会社は僅かであり、自社内での案件開発や営業活動が行いやすいということでした。
SBIソーシャルレンディングの融資内容
SBIソーシャルレンディングがどのような条件で貸付を行っているのかに関する説明も行われました。
管理手数料は、案件情報に明記されているように融資金額の1パーセントです。
SBIソーシャルレンディングを不動産事業者などが利用する理由としては、次の項目が挙げられていました。
- 銀行は融資の審査に時間かかる
- 銀行は不動産開発案件には融資しない
不動産事業者は、まず土地の取得費用と建物の建築費に関して、SBIソーシャルレンディングから融資を受けます。
そして、建物が完成したらより金利の安い金融機関への借り換えを行うとのこと。
つまり、つなぎ融資的な存在として、利用されているそうです。
SBIソーシャルレンディングのスタンスとしては、「銀行が貸さない会社には融資しないが、銀行が貸せない事業には融資する」だそうです。
また、利益相反取引にならないように、グループ企業への融資は行っていません。
グループ企業への融資で問題になったソーシャルレンディング会社もありましたが、SBIソーシャルレンディングでは営業開始当初から、そのような関係性には留意していたそうです。
第二種金融商品取引業協会の調査によれば、2019年度のソーシャルレンディング業界の貸付金額の規模は約1,300億円。
SBIソーシャルレンディングは333億円を記録しており、業界内で25パーセントの割合を占めています。
投資家からアンケートと結果では、SBIソーシャルレンディングが利用される理由として次の3点が大きく挙げられていたそうです。
- SBIグループの安心感
- 利回りの高さ
- 毎月分配がある
SBIソーシャルレンディングの案件でもデフォルトが発生したことがありますが、速やかに担保を売却し投資家に資金を返済しています。
今後の課題は、KPIとして2020年3月時点に次の達成を目指しています。
- 投資家数:5万人
- 融資残高:500億円
また、AIの活用でマーケティングを行うこと、サーバー環境の増強も目標としていました。
3.質疑応答
SBIソーシャルレンディングのセミナー第3部は、投資家からの質問に対する質疑応答でした。
制限時間いっぱいまで熱心な質問が投資家から投げかけられました。
その質問の内容とSBIソーシャルレンディングの回答を紹介していきましょう。
Q.「常時募集ファンド」はどういう仕組みになっているのか?
常時募集ファンドは、不動産担保ローン事業を営んでいる会社への融資である。
まず投資家からお金を集めておき、不動産担保ローン事業を行う会社へ当社から融資の提案している。
対して、一般的な「オーダーメード型ファンド」は借り手からの要望に対し、当社が案件を組成している。
Q.なぜ「常時募集ファンド」を作ったのか?
投資したいときに案件がないという投資家の方からの要望に応えた結果である。
これは他社にはない、SBIソーシャルレンディングのみの特徴だと言える。
ただし、最近ではロールオーバー(※)が増えており、投資してから実際に貸し付けが行われるまでの期間に時間的なロスが発生している。
当社としては不動産担保ローン事業会社と相談し、借り手需要をいかに喚起していくかを課題としている。
※ロールオーバーとは:借手への貸付実行期間の終了後に、投資家の出資金に余剰資金が生じた場合に、その余剰資金が同種のファンドへの出資に充てられること(SBIソーシャルレンディングのサイトより引用)。
Q.常時募集ファンドはオーダーメード型ファンドよりも利回りが低いがメリットがあるのか?
常時募集ファンドは6社に融資しているため、自動的に分散投資できる。
オーダーメード型ファンドは一案件につき融資先は1社なので、常時募集ファンドに比べると返済リスクが高い。
分散すれば、融資先の倒産が起きてもある程度リスクを抑えられる。
ただし、この会社は利用したくないと感じる会社がある方にとっては投資したくない会社に、自動的に融資されるデメリットもある。
Q.ソーシャルレンディング会社として投資家が案件のどういった点を特にチェックしてると感じるか?
利回りを重視される方が多いと感じる。
利回りが高めのオーダーメード型ファンドは、募集開始時にサーバーの負荷が増大するなど投資家の方のモチベーションが高い。
次いで、運用期間、融資先を見る投資家の方が多い。
当社では社会貢献的な意義のあるファンドの組成を始めているが、まだそちらに対するモチベーションはそれほど高くないと感じる。
Q.他社では利回り13%という非常に利回りが高い案件もあるが、 SBI ソーシャルレンディングはそのような案件には取り組まないのか?
当然ながら、利回りが高いと返済リスクも高い。
特に、当社の案件のロットは1億円以上など、金額が大きいので返済リスクが非常に高くなる。
数千万円規模のファンドであれば、高金利でも支払い金利はそれほど大きくない。
しかし、1億円以上の案件では支払い金利の負担も大変大きいので、投資家保護の観点から安易に組成できない。
昔はカンボジア留学生支援ファンドで利回り10パーセント案件を提供していたが、実際に返済が遅延する案件も多かった。
その教訓を今は生かしている。
Q.常時募集ファンドには担保が設定されていない。 リスクが高いと感じるが?
常時募集ファンドの貸付先は不動産担保ローン事業者であり、そちらも貸金業者である。
それらの事業者の融資時には、担保が設定されている。
そして、その貸金業者が倒産しても、貸付債権に対して我々は質権を設定できている。
まとめ
SBI ソーシャルレンディングは、2019年現在日本のソーシャルレンディング会社内のトップを走る企業と言えます。
そのセミナー内容は、同社の現況が大変に好調であることがわかる内容となっていました。
また、質疑応答では投資家からの疑問に対しても非常に丁寧な説明が行われ、納得できる内容になっていました。
投資家が安心して投資できるソーシャルレンディング会社として、その信用性の高さは日本国内で1位2位を争うものがあるでしょう。
SBIソーシャルレンディングへの口座開設を検討される方は、こちらでも詳しく解説しています。
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