国内で第2位の規模を誇るソーシャルレンディング会社「SBIソーシャルレンディング」。
SBIホールディングスを親会社に持つなど、そのバックボーンの信頼度などから、人気の高いソーシャルレンディング会社です。
当サイト「クラウドアンサー」でも、確実性の高い投資先としてSBIソーシャルレンディングを推薦しています。
そこで、2019年7月に募集が行われたSBIソーシャルレンディングの案件に投資してみました。
実際に投資するにあたって、どようなポイントを見ながらSBIソーシャルレンディングの案件を選んだのかについてお伝えしていきます。
利回りは平均的な6%
今回投資したSBIソーシャルレンディングの案件はこちらの「SBISL不動産担保ローン事業者ファンドNeo 3号」です。
利回り
名目利回りは6パーセントとなっており、SBIソーシャルレンディングの案件では平均的な利回りです。
投資であればできるだけ利回りが高いものを選びたくなるところですが、あまりにも高い利回りは貸し倒れや返済遅延が発生するリスクも高くなります。
貸付金利が高いと、融資を受けた側にとっては返済難易度が上がってしまうからです。
貸付金利
当該案件に関しては、貸付金利も公開されています。
貸付金利は7パーセント、利回り6パーセントです。
つまり、SBIソーシャルレンディングの取り分は貸付金額の1パーセントということです。
総額は20億円ですから、2,000万円です。
貸付金利の7パーセントは、ソーシャルレンディング業界では比較的低い数字です。
融資を受ける側にとってもそう負担が大きくない数字と判断し、今回はこの利回り6パーセントである案件を投資対象として選びました。
運用期間は12ヶ月の案件
ソーシャルレンディング投資の際には、運用期間をしっかりとチェックしておきたいところです。
ソーシャルレンディング案件のリスクの一つとして、投資中の解約ができず資金が長期間拘束される点があるためです。
そのため、18ヶ月や24ヶ月といった長期案件は基本的に避けた方が良いでしょう。
ただ、短期運用案件ばかり投資をしていると、投資から収益が発生するまでのタイムロスや、運用が終わってから自分の手元にお金が戻ってくるまでのタイムロスが多く発生します。
投資前と投資後合わせて1ヶ月ほどタイムロスを見込んでおかなければなりません。
3ヶ月短期案件に投資しても、実際には資金は4ヶ月拘束されますし、6ヶ月案件の場合は7ヶ月拘束されることになるのです。
今回クラウドアンサーが投資したSBIソーシャルレンディングの案件の運用期間は12ヶ月です。
短期案件ばかりに投資していると資金の運用効率が悪くなるため、中期案件の12ヶ月のものを選びました。
担保設定がしっかりと設定された案件
ソーシャルレンディングに投資する前に一番確認しておくべきポイントは、案件に設定されている担保や保証です。
今回クラウドアンサーが投資したSBIソーシャルレンディングの案件に関する担保や保証を引用してみましょう。
担保種類
【質権設定】
借手が「第三債務者」に対して有する「抵当権によって担保された貸付債権」に質権を設定します。
※これにより、弊社は担保不動産に対して抵当権を実行することができます。
①不動産担保ローン事業者である借手は、第三債務者(借手の貸付先)へ不動産を担保(抵当権設定)に貸付けを行います。
②弊社は①の貸付債権に対し、質権を設定します。
担保価値
担保価値は、以下の価値の算定方法を基に算出します。
担保価値の85%から先順位債権額を引いた金額(先順位がいる場合)を貸付額の上限としています。
価値の算定方法
■底地、自家利用物件の場合
公的価格指標や取引事例を基に、物件個別の要因を加味して不動産価値を算出します。
■収益物件の場合
地代や家賃などの収益を基に、収益還元法で不動産価値を算出します。
担保は質権です。
そして、詳細情報から確認できますが、当該案件における融資先は貸金業事業者です。
融資先は投資家のみに開示される情報で、チェックすることが可能です。
この業者自体は融資の際に担保に抵当権を設定しており、質権によってSBIソーシャルレンディングは、貸し倒れの際に抵当権を行使して資金を回収するできるようになっています。
事実上、不動産が担保に設定されていると考えて良いです。
担保価値は第一順位の抵当権を差し引いた数字の85パーセントが貸付上限です。
例えば、当該案件に対し30億円の担保があったとしましょう。
第一順位の債権者がおり、6億円の融資を行ったとします。
残りの24億円に対する85パーセントが今回の融資の上限金額です。
24億円の85パーセントは20.4億円。
24億円前後の担保が設定されていると見て取れます。
ただ、必ずしもこの評価額で不動産を売却できるとは限らないことには注意しましょう。
また、価値の算定方法も掲載されています。
当該案件に関してはどのような不動産が設定されているかわからないため、あくまで参考程度です。
不動産担保に設定されており、かつ第二順位ながらもLTVが85パーセントなので、担保に信頼がおける案件と考え投資対象にしました。
債権の回収における管理体制
ソーシャルレンディングに投資する際にもう一つ確認したいこととして、債権の回収における管理体制があります。
ソーシャルレンディング会社では、貸し倒れが起きた際に回収が上手くできず、投資家に資金が返済されない事態が相次いでいます。
では、SBIソーシャルレンディングはどのような体制でしか債権の改修を行おうとしているのかについて解説してみましょう。
貸付審査態勢
各部門による審査を経て、取締役の合議により、貸付けを決定します。
審査手続き
借手から徴求した資料等に基づき、その財政状態等について精査し、資金使途を確認するとともに、貸付金債権等の回収可能性等について精査し、これらを総合的に勘案した上で、貸付額、貸付期間、貸付金利を決定します。
債権管理態勢
貸付債権等の返済予定表に基づき、借手からの利息支払日における利息支払額、元金返済期日における元金返済額を管理します。また、貸し倒れの兆候を早期に発見すべく、借手に対する継続的なモニタリングを実施します。
債権回収方針
借手からの利払いの遅延等があった場合には、担保目的物の任意売却を含む借手との弁済交渉を開始し、貸付債権等の回収の長期化や、貸し倒れの兆候が認められる場合には、債権譲渡による回収や競売等による担保権の実行を検討します。
延滞時の回収プロセス
任意売却を含む弁済交渉及び債権譲渡、競売等の回収方針の決定については、各部門及び顧問弁護士による検討を経て、取締役の合議により、決定します。
ここで確認しておきたいことは、債権の回収方針と延滞時の回収プロセスです。
債権の回収は、まず任意売却を中心に弁済交渉を開始し、難航した場合は債権譲渡や競売を行うとしています。
また、回収プロセスにおいては各部門および顧問弁護士による検討を行うとあります。
内容としては妥当ですが、他社ではこのような記載があってもうまく債権回収が行われなかった例があります。
一方で、SBIソーシャルレンディングでは債権回収を1ヶ月程度で終わらせた実績があるため、ある程度の信頼を置くことができるでしょう。
ただし、案件毎のケースバイケースだと考えてください。
情報開示欄
そして、ソーシャルレンディング投資する際には情報開示欄もきちんと確認しておきましょう。
当該案件では融資先の名前は公開されていますが、規約によりこちらに掲載することは控えます。
融資先は、想定の通り不動産担保ローンの事業者です。
重要なことは、SBIソーシャルレンディングと資本関係があるかどうかです。
情報開示内では「なし」として記載されています。
虚偽表示は金融庁からの指導を招くため表示内容に問題はないと思われますが、念のため自分でも調査をしておくと良いでしょう。
まとめ
クラウドアンサーが2019年7月に投資したSBIソーシャルレンディングの案件の概要について解説しました。
- 不動産担保が行われて設定されていること
- 担保のLTVが85%程度であること
の2点を鑑みて投資を決定しました。
また、SBIソーシャルレンディングにおいては、過去に債権回収の実績があることも加味して投資しても良いものだと判断しています。
まずは、何よりも「担保がどのように設定されているか」、そして「貸し倒れ時に資金を回収できるか」をきちんと確認しておきましょう。
そうしておけば、ソーシャルレンディング投資家としてある程度のリスクに備えることができますよ。
当該案件の進捗状況は、随時レポートしていきますのでお楽しみに!
SBIソーシャルレンディングで投資を検討したい方は、こちらで会社の概要について詳しく解説していますよ。