投資の王道といえば株式投資です。
成功すると大きな富を得られたり、配当金を安定してもらえることが魅力ですが、失敗する投資家が多いこともご存知だと思います。
この記事では、なぜ株で失敗する人が多いのかについて考察し、原因や失敗しないための方法を筆者の経験とともに紹介していきます。
目次
【体験談】株で失敗!でも他の投資で成功できた
まずは、筆者のプロフィールと株式投資での失敗エピソードをお伝えしましょう。
筆者プロフィール
筆者は北海道で2人の子供を育てながら、投資からの収入と小さなビジネス収入だけで毎日ゆったりと過ごしている30代前半のライターです。
2年前までは普通のサラリーマンとして中小企業で営業職をしていました。
一生懸命働いてもなぜか給料が上がらないことを理由に、生活の苦しさを改善したいと考え始めます。
その後、投資や副業を始め、約5年間をかけて資産を増やすことに成功。
退職しセミリタイアを達成できました。
株の失敗談
現在は、複数の投資で収入を得ている筆者ですが、初めての投資体験は株式投資でした。
手元にあった10万円を使って某IT企業の個別株を購入したことが始まりです。
株式投資のことを少しも勉強せずに、金額と企業のイメージだけで株を購入しました。
購入後は、一度も取引をすることなく放置していましたが、約2ヶ月後に株を買った企業の不祥事がニュースとなり、株価が大暴落してしまいます。
初心者だった筆者は、値下がりしていく株価にどう対処すべきか分からず、不祥事が落ち着けばまた株価も戻るだろうと安易に思っていました。
しかし、その後半年経っても株価は戻らず結果的に購入時の10万円から3万円の価値になったところで損切りする結果となります。
とにかく、株式投資に関して無知だったことが失敗の原因です。
個別株での失敗後、新たに10万円を用意し「日経225」という株価の指標を使った信用取引でトレードを行ました。
それは、わずか数日でほぼすべての資金を溶かすという大失敗をしてしまいます。
株価が下がっている時にも利益を出せる「空売り注文」を行うなどさまざまなトレード手法を試しましたが、結果的に資金は戻ってきませんでした。
サラリーマンとして働いていた時間の出来事だったので、会社の個室トイレでスマホを見ながら絶望したことを今でも思い出します。
そこで株のトレードで利益を出すには、平日の昼間に働く会社員には難易度が高すぎる取引だと気付きます。
株で失敗してから他の投資で成功するまで
個別株、信用取引と立て続けに投資に失敗した筆者は、変わらずサラリーマンとして働きながら生活していました。
大切な給料をまた溶かしてしまう恐怖や失敗で新しい投資に挑戦する気持ちも少なくなっていきました。
しかし、サラリーマンの給料とは別に副業を始めたことが、新たに投資を始めるきっかけとなりました。
「副業で稼いだお金は無くなっても良い」これに気付いた筆者は、サラリーマンとは別に稼いだ副業収入を無くなっても良いお金だと割り切ってすべて投資に使う決定をしました。
株で失敗した経験があったため、株よりリスクが低い投資信託を選択し、その他のFXなどに幅広く投資していきました。
いろいろな商品に分散させて投資する方法が成功し、安定した利益を毎月得られるようになっていきました。
株式投資は、ある程度資金に余裕ができてから新しくスタートし、今ではストレスなく安定した配当金と株主優待を楽しむことができていました。
投資初心者のうちは、投資といえば株式投資だと思い込んでしまうことも多いですが、実は株以外にもたくさんの投資方法があります。
数ある商品の中から、自身に合った投資方法を見つけることが何よりも大切だと気付きました。
株における「失敗」とは?
株式投資における「失敗」とはそもそも何なのかを定義しておきましょう
株の失敗は、買ったときの価格よりも安い価格で株を売り、損失を確定させたときはじめて損失(失敗)となります。
株価が下がっていても、そこで売らずに我慢しておけば、また価格が戻ってくることも考えられます。
逆に、買ったときよりも価格が上昇していても、まだ上がると考えて売らずにいると、いつの間にか下落して結果的にマイナスになってしまうパターンもあります。
つまり、株価がどう動いていても、損益を確定するタイミングが成功と失敗を決めるということです。
株で失敗した後の最悪パターン例
株での失敗は、小さな失敗から大きな失敗までさまざまなパターンがあります。
ここでは、株式投資におけるもっとも最悪な失敗パターン事例を紹介します。
極端な例ですが、誰にでもなり得る失敗なので、初心者は特に覚えておいてください。
最悪のパターン
- 生活費を使っていたことを家族に話せず借金する
- 一発逆転を狙って失敗し自己破産する
事例①:生活費を使っていたことを家族に話せず借金する
株式投資は始める場合、10万円単位の高額な資金が必要です。
生活に使うはずだったお金で株を買ってしまい、損失を抱えたことを家族に話せずに借金で補填するパターンがあります。
株式市場は、普段は大きな価格変動は起こりにくいため、「生活費が必要になったら株を売って現金にしよう」という甘い考えで始める方も多くいます。
しかし、リーマンショックやコロナショックなど経済不況の際には、誰もが予測不能な株価の動きになります。
「絶対に大丈夫」という甘い考えは捨て、最悪の事態を予測してから始めるようにしましょう。
事例②:一発逆転を狙って失敗し自己破産する
筆者の失敗例でも紹介した、株の信用取引でありがちな失敗です。
信用取引では、「レバレッジ」という仕組みを使って元手資金よりも多くの取引が可能となっています。
信用取引は、ギャンブル性が高く当たれば大金が手に入ることも少なくありません。
そのため、すでに借金がある人などは、借金を早く返すために一発逆転を狙った取引をやってしまいがちです。
逆転を目指すためにさらに借金をして投資をする悪循環に陥りやすく、最終的に首が回らなくなって自己破産という最悪のパターンになってしまいます。
株の取引では、一時的なラッキーで資産が増えることも確かにあります。
しかし、一発逆転は意図して起こすものではないということを理解しておきましょう。
株で失敗ばかりする主な原因
株による失敗の最悪パターンを紹介してきました。
ここからは、株で失敗する具体的な原因を4つ紹介します。
株式投資をしていて、「いつも失敗してばかりだ」という方の原因はここにある可能性が高いです。
株で失敗ばかりする原因
- 高値での購入
- ナンピン買いで塩漬け状態
- 倒産による上場廃止
- 信用取引でロスカット
原因①:高値での購入
株が大きく値上がりした高値のタイミングで株を買うことが原因の失敗です。
この高値掴みは、株価が上昇トレンドでまだまだ上昇するだろうという予測が外れることで起こる失敗です。
長い間、上昇が続いている株価でも必ず止まるタイミングや反発するポイントがあります。
いつまでも株価が高騰し続けることはあり得ません。
証券会社が発表している「値上がり率ランキング」や周りのみんなが買っているから大丈夫という判断で株を買うことは避けましょう。
原因②:ナンピン買いで塩漬け状態
ナンピン買いとは、すでに買っている株の価格が下がったときに株を買い増しすることです。
このナンピン買いが損失額を大きくする原因となる場合があります。
ナンピン買いをすると、平均購入価格が安くなることがメリットがある反面、予測が外れると含み損が増えてしまうデメリットがあります。
含み損が増えてしまい売ることができない状態を「塩漬け状態」と呼びます。
特に、株式投資の初心者はこの「塩漬け状態」になりやすいと言われています。
ナンピン買いは、バブルやアベノミクスなどで経済全体が盛り上がっている場合には有効な手段ですが、今後の経済市況のような見通しが立ちにくい相場にはおすすめできません。
原因③:倒産による上場廃止
保有する株式の企業が倒産した場合、株式が上場廃止となり失敗の原因となります。
基本的に上場廃止になると、保有する株の資産価値はゼロ円になってしまいます。
上場廃止のリスクは、どの上場企業にも考えられます。
万が一のために、ひとつの企業だけに全財産を投資するようなことはやめておきましょう。
原因④:信用取引でロスカット
信用取引とは、証券会社に預けたお金を担保にして株の取引を行う投資方法です。
担保を元手にするため、手元資金よりも多くの金額の株式を売買することが可能です。
損失が発生した場合に、一定ラインよりも損失が拡大しないように強制的に決済する仕組み「ロスカット」があります。
ロスカットが原因で、多くの資金を失いやすい特徴があります。
信用取引では、価格が値下がりするタイミングでも利益を出せる「空売り」が大きな魅力です。
一方で、この空売りによって、どんな相場においても大きなリターンを得られる反面、資金を失うリスクも大きくなるため注意が必要です。
株で失敗しやすい人の特徴
株で失敗しやすい人には、共通する特徴があります。
成功をマネするのは難しいですが、失敗をしない方法をマネすることはできます。
ここで紹介する失敗の特徴を知っておけば、成功に一歩近付くはずです。
株で失敗しやすい人の特徴
- 周りの情報に流されやすい
- 少ない資金で信用取引する
- 短期トレードで稼ごうとする
特徴①:周りの情報に流されやすい
株で失敗する原因のほとんどは、周りの人に言われた情報やおすすめに流されて株を買ってしまうことが原因です。
自分自身が理解していないのに株を買ってしまうと、値上がりして利益が出ていても「いつ売ればいいのかわからない」状態になるため、売り時を逃してしまいがちです。
友人やネットの情報をヒントに株を選ぶこと自体は問題ありませんが、自分自身が理解できない情報には投資しないことを徹底しましょう。
特徴②:少ない資金で信用取引する
投資初心者の方は、10万円以下の少ない資金で株式投資を始める場合も多いです。
株の信用取引では、資金が少なければ少ないほどロスカットに関わる「証拠金維持率」が不足するスピードも早くなっています。
少ない資金で株の信用取引をすると短期間で利益を出せまずが、すぐに資金がゼロ円になる大きな失敗につながりやすいです。
信用取引のメリットを生かして短期間で大きな利益を求めることも一つの投資方法ですが、初心者はまずは長期的な目線で投資をスタートすることを意識しましょう。
特徴③:短期トレードで稼ごうとする
副業で株式投資を始める人には、短期トレードで稼ごうとして失敗する特徴があります。
短期トレードとは、短い期間で株の売り買いを繰り返して利益を積み重ねるトレード手法です。
安く買って高く売る、またはその逆を繰り返すだけなので簡単だと思われがちですが実はもっとも難易度が高い方法です。
数億円規模の資金を使って市場を動かすプロトレーダー(機関投資家)と戦うことになるため、相当なトレード知識を勉強しなければなりません。
株で失敗しないための方法
株で失敗する原因はわかったところで、どうすれば防ぐことができるでしょうか?
続いては、株で失敗しないための方法を具体的に5つ紹介します。
株で失敗しないための方法
- 生活費で株を買わない
- 短期的な利益を目的にしない
- 一つの銘柄に集中投資しない
- 損切りルールを決めておく
- 株式投資だけにこだわらない
方法①:生活費で株を買わない
まず、生活に使うかもしれない資金を株式投資に利用しないことが重要です。
現在は生活に使わないと思っていても、「いつか必要になるお金ではないか?」を確認しておきましょう。
急な出費に備えていた貯金で株を買い失敗するケースが多いです。
生活費と投資資金は完全に財布を別にしておき、万が一、失敗しても大丈夫な精神状態で株を買いましょう。
方法②:短期的な利益を目的にしない
株の売買で失敗をしたくなければ、短期間での利益を目的にすることはやめましょう。
ここまでも特別な勉強をしてトレーダーになるわけでなければ、数ヶ月から1年以上をかけて投資しましょう。
いくら儲かったかを示す「利益」ではなく、年間で何パーセント儲かったかを示す「利回り」を意識してみましょう。
方法③:一つの銘柄に集中投資しない
一つの株に集中投資しないという方法です。
全資金を投資した株で損失が発生すると、大きなダメージを受けてしまいます、
しかし、事前に複数の株に資金を分散しておくだけでリスクを限定的にできます。
株の中でも同じ業界の株を選択するとリスク分散の効果が少なくなってしまいます。
業界だけではなく、投資国や購入時期を分けることでさらにリスク分散が可能です。
方法④:損切りルールを決めておく
株式投資では、すべてが自身の思い通りの値動きになるとは限りません。
予想が外れ値下がりした場合に、どのラインで損切りするのかマイルールを作っておくことがおすすめです。
失敗例でも紹介したように、損切りできずに塩漬け状態で放置している個人投資家が多いです。
「待っていればいつか値上がりする」と偶然に期待している時間自体が大きな損失になっていることも忘れないでください。
おすすめの損切りライン決定方法は、株式の購入と同時に損切りラインを設定することです。
筆者は、この損切りマイルールを設定してから株価の動きに一喜一憂するストレスや感情をコントロールできるようになるメリットがありました。
方法⑤:株式投資だけにこだわらない
投資は、株式投資以外にもたくさんの種類があります。
株で失敗したことのある方に、筆者がもっともおすすめしたいのがこの方法です。
株式投資は、投資の王道なのでライバルが非常に多いです。
そして、大資本を持った投資家が株価をコントロールしやすいことも知られています。
初心者が、このような難易度の高い土俵で戦わなくても、別の投資で利回りを得ることは可能です。
もし、株式投資にこだわる理由が無いのなら、その他の投資方法にも挑戦してみてください。
時代の変化によって、常に新しい投資商品が出てきているため、ご自身に合った商品が見つかるはずです。
株式投資よりもおすすめしたい投資
最後に、さまざまな投資で収入を稼いできた筆者が、株式投資よりも本当におすすめしたい4つの投資を紹介します。
おすすめの投資
- 投資信託
- 不動産投資
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
投資①:投資信託
まずおすすめする商品は、投資信託です。
投資信託とは、個人投資家から集めた資金を資産運用のプロに任せる商品です。
株との大きな違いは、複数の株や債券にまとめて投資できる点です。
高額な資金が必要な個別株やリスクが高い海外の株など、個人ではなかなか手を出しづらい商品を少ない資金で購入できます。
このメリットに加えて、利益の一定額が非課税になる制度「積立NISA」などを利用すればさらにお得に投資できます。
投資②:不動産投資
不動産投資とは、アパートやマンション、一戸建てを自身のためではなく他人への貸し出しを目的に購入する投資方法です。
株との大きな違いは、売買の流動性が少なく価格が変動しにくいことです。
そして、全世界に情報が開示されている株式投資と違い、不動産業界は閉鎖的な世界であるため、地域や個人を通じて有益な情報を得られる場合が多いことがメリットです。
筆者もアパート経営を行っているため、非常におすすめしたい投資方法なのですが、初期資金が非常に高額になるデメリットがあります。
数百万円から数千万円の資金を、場合によっては金融機関からの融資によって用意します。
潤沢な資金がある方や、融資が通る見込みがある方には株よりも確実におすすめしたい投資です。
投資③:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、資金を借りたい企業(借主)とお金を運用したい個人(貸主)をインターネット上でマッチングするサービスです。
平均利回りが5%以上と高利回りなことが最大の魅力です。
さらに、投資が完了するとその後は毎月決まった分配金を得ることができ、株式投資のように価格変動もないため、ほったらかしできるメリットがあります。
多くの勉強時間が必要で、平日の昼間にトレードが必要な株式投資よりも高利回りで不労所得を稼げるソーシャルレンディングは、サラリーマンにおすすめの方法だと考えられます。
さらに詳しい内容は、こちらで解説されているので参考にしてください。
投資④:不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産を購入したい企業に個人投資家が運用資金を貸し出す商品です。
個人投資家は、企業の投資収益から配当金を受け取ることができます。
クラウドファンディングという名前から寄付と勘違いされますが、リターンありきの投資商品です
不動産投資型クラウドファンディングは、比較的新しい投資商品なのでまだ世間一般に知られていません。
株式投資のようにライバルが多くないため、今からでも高利回りな商品を見つけられるチャンスがあります。
1万円から少額でスタートできるので、まずはお試しからでも投資の勉強になるでしょう。
さらに詳しい内容はこちらで解説されています。
まとめ
筆者が過去に株で失敗してきた経験から成功するまでの道のりから、株で失敗しないための方法を紹介しました。
今までにさまざまな投資を経験してきましたが、株式投資は特に難しい投資だと感じています。
今でもわからないことが多く、試行錯誤の毎日です。
投資家によって向き不向きが分かれるのが株だと思っています。
気になった投資を色々と試してみて、自身に合っているかを確認することが投資上達のコツです。
最後に紹介したおすすめ投資は少額からも始められる商品が多いです。
気になったものをまずは2つ試してみてください。