目次
海外におけるクラウドファンディングの特徴
クラウドファンディングは日本で生まれたわけではなく、アメリカで生まれたサービスです。
アメリカで生まれたクラウドファンディングを、ヨーロッパや日本の企業が模倣し、各国で成長を遂げてきた歴史があります。
そのため、アメリカなどの海外のクラウドファンディングの特徴を知っておけば、今後日本のクラウドファンディングがどうなっていくのかつかみやすくなるはずです。
まずは、海外におけるクラウドファンディングの特徴を紹介しましょう。
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特徴①:募集金額が大きい
海外のクラウドファンディングサイトを見ると、募集金額が非常に大きいプロジェクトがあります。
数億円単位のものは当たり前で、中には数十億円規模のクラウドファンディングもあります。
もちろん、日本のクラウドファンディングでも1億円以上の規模を持つプロジェクトはあります。
しかし、大半のプロジェクトの規模は数千万円台で、個人が募集するプロジェクトでは数十万円から数百万円のものが中心です。
日本と比べて、海外はプロジェクトやファンドのスケールが非常に大きいのです。
特徴②:全世界から投資家が集まる
海外のクラウドファンディングは、英語で運営されているサイトがほとんどです。
そのため、世界中の人が利用します。
また、英語だけではなく、他の言語でも利用できるサイトもあります。
そのため、利用者は全世界に広がっています。
海外のクラウドファンディングサイトの中には、全世界の人から注目を集めるものもあります。
インターネットニュースなどで取り上げられ、情報が全世界に拡散して多額の資金が集まることもあるのです。
特徴③:案件数が多い
海外のクラウドファンディングサイトで募集されている案件数は膨大です。
アメリカの総人口は約3億3,000万人、ヨーロッパ全体では約7億人以上であり、日本の人口である1.3億人よりもはるかに多いです。
そのため、クラウドファンディングの利用者数も多いため、案件の数も多くなります。
また、プロジェクトやファンドの内容も多彩です。
サイトを一度でも閲覧すれば、思わず支援したくなるようなファンドが見つかるかもしれません。
日本と海外のクラウドファンディングの違い
日本と海外のクラウドファンディングを比較した場合、どういった点が大きく異なるのでしょうか?
その違いについて解説していきましょう。
違い①:知名度
先ほどもお伝えしたように、クラウドファンディングはアメリカで生まれたサービスです。
それだけに、アメリカ発のクラウドファンディングサイトで特に実績を持つサイトである「Kickstarter(キックスターター)」は、特に高い知名度を誇っています。
クラウドファンディングで支援を始めたいのであれば、まず、Kickstarter(キックスターター)を最初にチェックする人もいるほどです。
出典:kickstarter(キックスターター)
それに対し、日本のクラウドファンディングサイトは日本語で運営されているため、利用者はほぼ日本人です。
海外から日本のクラウドファンディングサイトを利用する人は少ないのです。
海外で運営されているクラウドファンディングサイトと日本国内のそれとでは、知名度に大きな差がついています。
違い②:資金需要
クラウドファンディングサイトで募集される金額の規模も違います。
例えば、アメリカで最も著名なクラウドファンディングサイトの「キックスターター」は、累計30億ドル(約3,300億円)を集めた実績を持っています(2020年2月末現在)。
一方で、日本のクラウドファンディングサイトでは、最大の募集実績を持つCAMPFIRE(キャンプファイヤー)でも、累計実績は176億円です(2020年2月末現在)。
日本のクラウドファンディングサイトは利用者数が少ないため、集まる資金は少額です。
多額の資金を集めたい人にとって、日本のクラウドファディングサイトは使いにくいと感じるかもしれません。
違い③:成功率
プロジェクトやファンドを募集した際の成功率も大きく違っています。
プロジェクトやファンドの質については、日本クラウドファンディングの方が高いと言われています。
例えば、日本のクラウドファンディングサイト「Readyfor(レディーフォー)」の成功率は50パーセントほど、「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)の成功率は40パーセントほどだそうです。
対して、「Kickstarter(キックスターター)」の成功率は、35パーセント程度です。
では、なぜ日本のクラウドファンディングの方が成功率が高いのでしょうか?
それは、日本のクラウドファンディングのプロジェクトが小規模だからです。
つまり、募集金額が小さいため、目標金額に到達しやすいのです。
極端な話ですが、その分ロジェクトは規模としてあまり大きなものではないことが多いです。
一方、海外では法人がプロジェクトで資金を集めることが多く、目標金額が最低でも1億円など大規模な募集が多いです。
1億円規模のプロジェクトでは、賛同する人が集まらなければ目標金額に達しないことは少なくありません。
そのため、目標達成率はどうしても低くなってしまうのです。
ただし、目標が達成した場合のプロジェクトは大きな意義を持ち、画期的なビジネスやサービスがクラウドファンディングサイトを通じて生まれています。
海外の著名なクラウドファンディングサイト
海外で運営されてるクラウドファンディングサイトには、どのようなものがあるでしょうか?
著名なクラウドファンディングサイトをお伝えしていくので、利用先を決める際の参考してみてください。
Kickstarter(アメリカ)
出典:Kickstarter(キックスターター)
Kickstarter(キックスターター)は2009年にニューヨークで設立され、世界最大規模のクラウドファンディングサイトです。
2,034万ドルを調達したプロジェクト(ペブルタイム)もあります。
アートやテクノロジー、映画など、さまざまなジャンルを取り扱っています。
これまでに1,700万人がプロジェクトを支援し、17万を超える案件が目標金額に達しています。
Indiegogo(アメリカ)
出典:Indiegogo(インディーゴーゴー)
Indiegogo(インディーゴーゴー)は、2008年にサンフランシスコで設立されたクラウドファンディングサイトです。
Kickstarter(キックスターター)と同じく世界最大規模のプラットフォームであり、誰でも簡単に利用できます。
電話、アウトドア、フィットネス、オーディオなど、商品ジャンルが豊富です。
235の国と地域で使われています。
Patreon(アメリカ)
出典:Patreon(パトレオン、ペイトリオン)
Patreon(パトレオン、ペイトリオン)は2013年にサンフランシスコで設立されたクラウドファンディングサイトです。
他のクラウドファンディングと異なるのは、毎月一定額を投じクリエーターやアーティストをサポートするシステムも導入している点です。
RocketHub(アメリカ)
出典:RocketHub(ロケットハブ)
RocketHub(ロケットハブ)は、起業家向けに展開しているクラウドファンディングサイトです。
2009年にニューヨークで設立され、アメリカのシューズメーカースピラ・フットウェアが49万ドル調達したことで話題になりました。
CircleUp(アメリカ)
出典:CircleUp(サークルアップ)
CircleUp(サークルアップ)は、2012年にサンフランシスコで誕生したクラウドファンディングサイトです。
誕生して間もない消費者ブランドを対象としており、ニーズに応じてクレジットやエクイティでサポートを受けることができます。
オーガニックチョコレートやオーガニックスナックなど、自然食品系のアイテムが数多く資金調達しています。
Teespring(アメリカ)
出典:Teespring(ティースプリング)
Teespring(ティースプリング)は、2011年にプロビデンスで誕生したクラウドファンディングサイトです。
他のクラウドファンディングとは一線を画す「Tシャツデザイン専門」です。
Teespring(ティースプリング)を利用すれば、誰でも簡単にオリジナルTシャツを作れて売り出すことができます。
Tシャツ以外にも、トートバッグやスマホケースの制作も可能です。
Lending Club(アメリカ)
出典:Lending Club(レンディングクラブ)
Lending Club(レンディングクラブ)は、2007年にサンフランシスコで設立されたクラウドファンディングサイトです。
経営関連の不祥事から一時期の人気と注目はなくなりましたが、利用者は150万人を超えています。
融資型であり、個人融資は最高4万ドルが可能です。
GoFundMe(アメリカ)
出典:GoFundMe(ゴーファンドミー)
GoFundMe(ゴーファンドミー)は、医療、教育、非営利団体などへの寄付だけでなく、旅行などの個人的な資金調達もできるクラウドファンディングプラットフォームです。
他のクラウドファンディングよりもビジネス感がないため、個人や家族で利用しやすいことが特徴です。
JustGiving(イギリス)
出典:JustGiving(ジャストギビング)
JustGiving(ジャストギビング)は、2001年運営開始と非常に歴史の長いクラウドファンディングサイトです。
全世界で2,400万人以上の利用実績があります。
チャリティ関係のプロジェクトが中心です。
海外のクラウドファンディングサイトに参加する方法
紹介してきた海外のクラウドファンディングサイトを見て、始めてみたいなど興味を持った方もいるかもしれませんね。
では、海外のクラウドファンディングサイトを利用したい場合はどうすれば良いのでしょうか?
その方法をお伝えしていきますね。
方法①:自分でサイトに登録する
英語など外国語が問題なく理解でき、海外で使える決済手段を持っているのであれば、自分で海外のクラウドファンディングサイトに登録してみましょう。
それぞれのサイトに会員登録用のフォームがあるので、個人情報や決済手段を入れていきます。
決済手段としてはPayPal(ペイパル)が有名です。
登録を行えば、海外クラウドファンディングサイトへの参加が可能になるので、気に入ったプロジェクトをどんどん支援していきましょう。
方法②:代行業者に依頼する
英語が苦手な方は、代行業者を利用すると良いでしょう。
Samepage(セイムペイジ)という海外クラウドファンディングヘの投資を行ってくれるサイトがあります。
出典:Samepage(セイムペイジ)
また、海外のプロジェクトに投資経験のある人に代行投資してもらうことも一つの手です。
代行してくれる人を探すには、インターネット上のクラウドソーシングサービスを使うと良いでしょう。
過去に海外のクラウドファンディングサービスに投資したことがある人を探してやり方を聞いたり、英語が得意な人にサイトへの登録を依頼したりすると良いです。
プロジェクトの内容を翻訳してもらえれば海外のクラウドファンディングサイトに参加できます。
ただし、登録に際しては個人情報や決済のためのクレジットカードに関する情報を知らせなければなりません。
そのため、情報の取り扱いにはきちんと注意を払う人や代行実績が確かな人を利用しましょう。
ただ単に英語がわかるという理由だけで作業を依頼すると、個人情報やクレジットカードに関する情報を盗まれて悪用される可能性があります。
個人情報の取り扱いには十分に注意しましょう。
方法③:日本の海外クラウドファンディングサイトに参加する
日本国内には、クラウドファンディングの一つである「貸付型クラウドファンディング」(ソーシャルレンディング)を運営しているサイトがあります。
そういったサイトでは、主に海外の貧しい人たちのためのファンドを組成し、融資しています。
そういったサイトを利用すれば、日本国内から海外で運用されるファンドに日本語で参加することができるのです。
こういったファンドは、投資として毎年5パーセント前後の利回りを得ることができます。
日本にいながら日本語を使って投資できるため、言語の壁はなくサポートも日本語で受けられます。
投資したお金は発展途上国の小規模事業者などに融資され、その国の産業の底上げに使われます。
投資で利益を得ながら社会貢献もできるという二重のメリットがあります。
では、おすすめの貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)を運営しているサイトを2つ紹介しましょう。
クラウドクレジット
クラウドクレジット(CrowdCredit)は、ソーシャルレンディングと呼ばれる貸付型クラウドファンディングを運営している会社です。
2014年からサイトを運営しており、現在は2万人以上の会員がいます。
クラウドクレジットは、発展途上国を中心に世界30ヶ国以上でファンドを運営しています。
テレビ東京系の「ガイアの夜明け」などでも取り上げられたことがあり、社会的に注目を浴びるサイトの一つです。
また、ファンドの利回りは3パーセントから10パーセントと業界の水準よりも高い傾向にあります。
特に、途上国で運営されるファンドはその国の経済成長率が高いこともあり、年7パーセントから10パーセントとかなり高い利回りを得ることができます。
貸付型クラウドファンディングでは、貸し倒れが発生するリスクがあります。
投資先を分散して、リスクをカバーすると良いでしょう。
ネクストシフトファンド
出典:ネクストシフトファンド
ネクストシフトファンドも、クラウドクレジットと同じようにカンボジアやジョージアなどの発展途上国の小規模事業主への融資を行っている貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)サイトです。
途上国において個人事業主の資金調達の手段であるマイクロファイナンスを通じ、金融機関に投資します。
利回りは年5パーセント以上の案件が多く、高い収益性を期待できます。
また、発展途上国の経済の発展に貢献するという満足感も得ることができるでしょう。
海外のクラウドファンディングサイトを利用するメリット
海外のクラウドファンディングサイトを利用することには、どういったメリットが得られるのでしょうか?
金銭的なメリットだけではなく、多くのプロジェクトを支援して社会や技術の発展に貢献できるといったメリットがあります。
メリット①:金銭的なリターンを得ることができる
海外のクラウドファンディングの中には、金銭的なリターンを投資家に提供しているファンドもあります。
金融関係のファンドに投資すれば、投資家はファンドの運用が成功した場合に年利で10パーセント以上もの非常に高い利回りを得られます。
もちろん、必ずしもファンドの運用が成功する保証はありませんが、投資対象の分散目的で投資しても良いでしょう。
資産運用の一環として、海外のクラウドファンディングサイトを利用してみてはいかがでしょうか?
メリット②:新規性のある技術の発展に貢献できる
海外のクラウドファンディングサイトでは、新規の技術の開発にあたって計画を進めるための資金が足りないため、プロジェクトの運用資金を集めることを目的に募集されるファンドが数多くあります。
画期的な新製品のアイデアはあるものの、資金不足で開発ができないときにクラウドファンディングで資金を募集する会社が多いのです。
クラウドファンディングに参加すれば、世界を変えるようなテクノロジーの発展に貢献できるため、大きな意義があるでしょう。
メリット③:大規模なコンテンツ制作の支援ができる
海外のクラウドファンディングサイト、特にアメリカのクラウドファンディングサイトは、利用者が全世界にいるためプロジェクトは大規模です。
過去には、テレビゲーム開発用の資金調達プロジェクトで、全世界から100億円近いお金を集めることに成功したものもありました。
日本国内のクラウドファンディングサイトでは、100億円規模のプロジェクトの成功事例どころか、募集実績すらありません。
しかし、多くの利用者がいる海外のクラウドファンディングサイトでは、大規模なプロジェクトに資金が集まる可能性があるのです。
そんなビッグなプロジェクトに参加できるのも、海外のクラウドファンディングサイトならではの醍醐味と言えるでしょう。
海外のクラウドファンディングサイトを利用するデメリット
海外のクラウドファンディングサイトを利用することは、もちろんメリットだけではありません。
国や言語という壁が立ちはだかるので、なかなかスムーズに投資できないこともあります。
デメリット①:代行手数料がかかる
日本国内から海外のクラウドファンディングサイトに参加する場合、英語が苦手な人は代行サイトを利用することになります。
日本国内にも海外のクラウドファンディングへの参加代行サイトがありますが、そういったサイトを利用すると代行手数料が発生します。
手数料自体は投資金額の5パーセント前後と、そこまで高くはありません。
それでも、資金にあまり余裕がない場合、手数料がネックになって参加できないこともあるかもしれません。
デメリット②:現地に行って成果を確認することが難しい
自分が支援したプロジェクトが達成されたら、実際にその成果を自分の目で確認したくなるでしょう。
日本国内であれば、現地確認にそこまで費用はかかりませんし1日あれば現地まで行くことができます。
しかし、海外で運用されるプロジェクトの場合、成果を自分の目で確認するためには海外まで行かなくてはなりません。
海外への渡航費用がかかりますし、時間もかかります。
会社を休んで行かなければいけない人も多いでしょう。
せっかく支援したプロジェクトが完成しても、インターネットを通じてしか実体を確認できないのでは、寂しいものがあります。
アメリカや先進国でしたら渡航もそこまでネックにはならないかもしれませんが、途上国のプロジェクトの場合は渡航に危険が伴う可能性があります。
海外のプロジェクトへの参加には、そういった距離的な問題点があるのです。
まとめ
海外のクラウドファンディングサイトの規模は、日本国内のものよりも大きいです。
元々クラウドファンディングはアメリカで生まれたこともあり、発祥の国だけあってアメリカのクラウドファンディングサイトの利用者数は、日本とは桁が違います。
また、世界的に共通の言語である英語で運用されている強みもあり、アメリカ以外の英語圏の国々、そして全世界からサイトを利用する人が集まっているのです。
プロジェクトの規模・種類からして、本国内のクラウドファンディングサイトではなかなか見られないようなプロジェクトの募集が行われていることもあります。
もし、海外のクラウドファンディングサイトに参加したい人は代行業者を使ったり、自分で英語を勉強しながら少しずつ資金を入れたりすると良いでしょう。
いきなり多額のお金で参加しようとすると、詐欺などのリスクに巻き込まれる可能性がありますし、プロジェクトが失敗した場合の損失も大きいです。
海外で運用されるクラウドファンディングに安全に参加したい人は、海外で運用されるファンドを日本国内で提供しているクラウドファンディングサイトの利用を検討してみましょう。
発展途上国の事業支援を目的としたファンドが多いため、社会に貢献しながら高い利回りが得られるメリットもあります。
そういった投資と社会貢献を併せ持ったクラウドファンディングサイトに興味がある方は、今回紹介した次の2社に登録してみると良いでしょう。
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