目次
クラウドファンディングでできる投資
昨今、クラウドファンディングでできる投資に注目が集まっています。
とはいえ、クラウドファンディングにはさまざまな種類のものがあるため、具体的な投資法がわからないという人もいるでしょう。
数あるクラウドファンディングの中で、投資家が金銭的な利益を得られる手法は大きく分けて3つです。
- 株式投資型クラウドファンディング
- ファンド投資型クラウドファンディング
- 融資型(貸付型と言うことも)クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
それぞれの仕組みや利益の種類、サービスを展開している事業者(サイト)を解説していきましょう!
1.株式投資型クラウドファンディング
株式投資型クラウドファンディングは、ベンチャー企業など未上場企業の株に投資できるクラウドファンディングサービスです。
上場企業の株式投資と同じく、「株の売買による利益=キャピタルゲイン」がおもな利益となり、保有する株が将来的にIPO(Initial Public Offering:新規公開株/新規上場株式)などで大きく値上がりしたときのリターンが見込めることが大きな特徴です。
株式投資型クラウドファンディングが国内で初めて営業を開始したのは2017年のため、事業者や利用者の数はまだ多くはありません。
しかし、将来性のあるベンチャー企業に投資できるという仕組みに共感する人はいるでしょうし、未公開株が上場すれば一攫千金になるかもしれないという魅力もあります。
今後、株式投資型クラウドファンディングの対象企業が上場することがあれば、株式投資型クラウドファンディングもさらに大きな注目を集めるようになるでしょう!
株式投資型クラウドファンディングのサイト
①FUNDINNO(ファンディーノ)
日本で初めて株式投資型クラウドファンディングサービスを開始したサイトです。
2017年にサービスを開始してまだ2年ですが、累計成約額はすでに19億円を超えており、今後の躍進が期待されています。
②ユニコーン
2019年7月に第1号案件をリリース予定の新規サイトです。
IPOやM&Aなど金融業界で多くの経験を積んだ経営陣で立ち上げられたサイトで、サービスの開始はまだですが注目を集めています。
2.ファンド投資型クラウドファンディング
ファンド投資型クラウドファンディングは、特定の事業・企業に対して投資を行い、分配金や事業のサービス・商品が受け取れるクラウドファンディングサービスです。
特定の事業に投資して利益を得る仕組みは融資型クラウドファンディングと似ています。
しかし、ファンド投資型の場合は得られる利益が利子ではなく「分配金」で、ときには商品やサービスを受けることもできるなど、利益の種類が多様なことが違いであり大きな特徴です。
現在、日本でファンド投資型クラウドファンディングを展開しているサイトはまだ少ないのですが、融資型と似たサービスのため、融資型の市場が拡大していけばそれに伴いファンド投資型のサービスも増えていくことが予想されます。
ファンド投資型はさまざまな利益が得られる楽しさが魅力なので、今後の成長に期待したいですね。
ファンド投資型クラウドファンディングのサイト
①セキュリテ
出典:セキュリテ
2009年にサービスを開始したサイトで、地方の特産品や復興支援から重要文化財の支援など、投資対象が多種多様に用意されているのが大きな特徴です。
得られる利益は分配金だけでなくサービスや商品もあり、寄付することもできるので、投資も含めてさまざまな楽しみ方ができます。
②KAIKA
出典:KAIKA
山口県を中心に、広島県や福岡県などの各地域を活性化するビジネスを支援できるサイトです。
KAIKAの特徴は、日本で初めて行政機関や学術機関、金融機関などと連携してサービスを実施しているというポイントで、テレビなどのメディアでも広くPRされています。
地元のサッカーチームを応援したり、動物病院の設立を支援したり、さまざなプロジェクトが用意されています。
3.融資型クラウドファンディング
融資型クラウドファンディングは、インターネットを通じて特定の事業、企業に資金を貸し付けすることで、「貸付金に対する利子=インカムゲイン」が得られるクラウドファンディングサービスです。
融資型クラウドファンディングは別名「貸付型クラウドファンディング」、「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、国内のクラウドファンディングでもっともシェアがあり、知名度の高い投資手法です。
融資型クラウドファンディングの人気が高い理由は、あらかじめ得られる利益の目安が付けられること、比較的安定性があり投資しやすいことが挙げられます。
余裕資金を貸し付けて安定的なインカムゲインを得たいという人にはぴったりのサービスです。
SBIソーシャルレンディングやクラウドクレジットなど、大手事業者はテレビで紹介されたこともあり、今後もサービスのさらなる発展が期待されています。
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)のサイト
①maneo(マネオ)
出典:maneo(マネオ)
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)業界最大手で、1600億円超のローン成立額で業界を引っ張ってきたリーディングカンパニーです。
ローン成立額から見る実績は圧倒的ですが、その一方でプラットフォーム貸し出し事業により、運営に関わっていた企業が相次いで遅延などのトラブルを発生させ、2018年に行政処分を受けました。2019年春に社長が交代し、経営の立て直しを図っています。
②SBIソーシャルレンディング
ネット金融業界随一のシェアを誇るSBIグループが運営するサイトソーシャルレンディングサイトです。
SBIという大きな後ろ盾があることで、ベンチャー企業が多いクラウドファンディング業界でもトップクラスの信頼を集めており、億単位のローンを簡単に成立させるほど人気・実績共に高い事業者です。
2018年にはソーシャルレンディング業界初のテレビCMを実施、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」でもサイトが紹介されるなど、ソーシャルレンディングを世に大きく広めるきっかけを作っています。
③Crowd Bank(クラウドバンク)
証券会社が運営するソーシャルレンディングサイトで、過去2回行政処分を受けながらも態勢を立て直して経営を続け、遅延や貸し倒れ実績はいまだゼロという実績を誇ります。
最近では太陽光発電のファンドが多くなっていますが、元々不動産ファンドなど多様な案件を取り扱っていること、サイトが使いやすいことが大きな特徴です。
安定した投資がしやすいクラウドファンディングは融資型
クラウドファンディングの中でもっともシェアがあり投資しやすいのは「融資型」のソーシャルレンディングです。
シェアがあるということは投資家数が多いということで、サイト選びなどの投資のノウハウを比較的得やすくなっているからです。
ただ、クラウドファンディングでの投資はどの手法であっても特定の企業や事業、プロジェクトを応援するのが基本の仕組みなので、「自分が投資したいと思える案件かどうか」が何より大切です。
クラウドファンディングでの投資には元本保証はありません。
せっかく身銭を切って投資するなら、「投資したい」「応援したい」と思える案件に資金を投入することも投資先を決めるうえで重要なポイントではないでしょうか。
まとめ
クラウドファンディングでできる投資法についてお伝えしてきました。
重要なポイントは次の3点です。
- クラウドファンディングで投資ができる方法は大きく分けて3つ
- 株式投資型
- ファンド投資型
- 融資型(貸付型)
- どのクラウドファンディング手法でも特定の事業や企業、プロジェクトを不特定多数の投資家が応援してさまざまなリターンを得るという仕組みは同じだが、利益の種類が投資法により異なる
- 最もシェアがあり投資しやすいのは融資型だが、自分が投資したいと思える案件かどうかという物差しも重要
クラウドファンディング業界はまだ新しく、もっともシェアがある融資型ですら、さまざまな不祥事やトラブルがある「発展途上」の業界です。
どんな手法で投資するにしても元本保証はありませんし、100パーセント確実な投資先というものもありません。
大切なことは、自分自身で信頼できる事業者(サイト)を見つけ、投資先を選定する力を身に着けることなのです。