日本には、複数の海外関係のソーシャルレンディング案件を扱うソーシャルレンディングサイトがあります。
海外案件への投資を考えている人向けに、海外案件を扱う会社の一つである 「CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)」の海外案件の内容について詳しくお伝えしていきます。
ソーシャルレンディングの海外案件に興味を持っている方は、投資前に一度読んでみてください。
目次
CAMPFIRE Ownersとは
出典:CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)
キャンプファイヤーオーナーズは、海外案件を取り扱うソーシャルレンディングサイトの一つです。
そこで、まずキャンプファイヤーオーナーズの運営元がどういった会社なのか知ることで、投資先としての妥当性を判断できるようになります。
「CAMPFIRE」のソーシャルレンディングサイト
キャンプファイヤーオーナーズは、「購入型クラウドファンディング」サイトとして有名なCAMPFIREと運営元と同じとするソーシャルレンディングサイトです。
CAMPFIREは、サービスや商品の開発案件などを取り上げる購入型クラウドファンディングサイトです。
CAMPFIREの運営は、株式会社CAMPFIREが行なっています。
一方、キャンプファイヤーオーナーズの運営元は株式会社CAMPFIREの関連会社である「株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL」です。
株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITALは、ソーシャルレンディングサイトの運営に必要な「第二種金融商品取引業登録」を行っています。
株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL が案件を組成し、キャンプファイヤーオーナーズサイト上で投資家から資金を募集する融資スキームです。
そして、株式会社CAMPFIREに貸付を行い、株式会社CAMPFIRE が資金を必要とする事業者に融資を行います。
このスキームは他のソーシャルレンディングサイトでもよく見られる一般的なものです。
2019年9月から運営開始
キャンプファイヤーオーナーズがソーシャルレンディングサイトの運営を開始したのは、2019年9月です。
2020年1月現在、日本で運営されているソーシャルレンディングサイトの中では、最も新しくサービスを開始したサイトです。
それだけに、募集実績はまだあまり多くありません。
CAMPFIRE Ownersの海外案件の特徴
CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)の募集実績は、2020年1月現在累計でまだ5件のみです。
その中で、2019年11月に募集されたのがカンボジアの農家への融資案件です。
その特徴について詳しく解説していきましょう。
【案件概要】カンボジアの農家への融資
キャンプファイヤーオーナーズでは、投資家から集めた資金を「マイクロファイナンス機関」を通じて農家に対して融資を行いました(マイクロファイナンス機関については後で説明します)。
ファンド名 | カンボジア農家支援ファンド |
---|---|
予定運用期間 | 11ヶ月 |
名目利回り | 6.0% |
募集入金済額 | 5,000万円 |
運用通貨 | 米ドル |
特徴①:融資先はネクストシフトファンドと同じ会社
キャンプファイヤーオーナーズのカンボジア融資案件は、直接農家に融資するわけではありません。
融資先の会社は JC FINANCE PLC.という、カンボジアの農家への融資を専門としたマイクロファイナンス機関です。
このJC FINANCE PLC.は、国内のソーシャルレンディングサイト「ネクストシフトファンド」でも募集実績があります。
JC FINANCE PLC.は、「ネクストシフトファンド」、そして「キャンプファイヤーオーナーズ」の2サイトを通じて資金調達を行っているのです。
特徴②:マイクロファイナンス機関を通じた融資
カンボジア融資案件の大きな特徴の一つが、「マイクロファイナンス機関」を通じた 融資という点です。
マイクロファイナンス機関とは、発展途上国内の金融機関であり、融資を小規模な事業者に限定しています。
自力で資金調達が難しい小規模な事業者への融資を専門とすることで、その国の経済の基盤の発展を支援するのです。
融資に際して担保を設定しませんが、小規模な事業者と日常的に密着した関係性を保ち、定期的に融資したお金の回収を行っています。
また、融資先の分散を行うことで、リスク対策も行っています。
数パーセントの貸し倒れが起こるとの想定で融資金利を設定します。
貸し倒れが起きても、総合的に見ればきちんと資金をを回収し、金利収入でマイクロファイナンス機関の利益が出るようにシステム構築を行っています。
特徴③:農業器具などの購入が資金の用途
当該案件で融資を受ける農家は、そのお金で農地の開拓に必要な農業器具を購入したり、農薬を購入します。
つまり、農業の収益性を上げるための資金として活用するのです。
新しい作物の育成に取り組むことで、収入がアップしたりより確実に収穫ができる作物の育成に取り組めるようになるのです。
CAMPFIRE Ownersの海外案件のメリット
CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)を通じた「カンボジアへの融資案件」に興味を持った方もいるでしょう。
しかし、投資上のメリットがなければ投資する意味はないと考える方もいるはずです。
そこで、カンボジアへの融資案件に投資することで、投資家自身がどのようなメリットを得られるのかについて解説しましょう。
メリット①:利回りが高い
キャンプファイヤーオーナーズのカンボジア融資案件の利回りは、6パーセントです。
日本のソーシャルレンディングサイトの中では平均的な利回りですが、キャンプファイヤーオーナーズの中で見れば、かなり高い数字です。
「キャンプファイヤーオーナーズの理念に共感して投資している」でも、同時に「できるだけ利回りが高い案件に投資したい」そう考えるのであれば、この案件は狙い目です。
メリット②:投資で社会貢献できる
カンボジアへの融資案件など発展途上国への投資は、「社会的インパクト投資」とも呼ばれます。
「発展途上国の農業の進歩に寄与したい」「投資をしながら社会の役にも立ちたい」という2つの願いを満たすことができます。
先進国に生きる人間として、発展途上国にもできるだけ進歩して欲しいという願望を叶えるために投資しても良いでしょう。
CAMPFIRE Ownersの海外案件のデメリット・リスク
投資である以上、常に融資先のリスクやデメリットはきちんと把握してく必要があります。
リスクを知らないと、思わぬ損失が発生してしまう可能性があります。
CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)の海外案件には、どういったデメリットやリスクがあるでしょうか?
デメリット①:担保や保証がない
基本的に、マイクロファイナンス機関への融資は担保や保証がありません。
それは、融資を受ける側が担保や保証になる資産を持たないからです。
そのため、一般の金融機関から融資を受けられないため、マイクロファイナンス機関を利用するのです。
一般の金融機関から融資を受けられないような小規模事業者への融資のため、貸し倒れが起こる可能性は決して小さくはありません。
投資元本の損失が起こる可能性を含んでいます。
ただし、先にお伝えしたように、融資先を分散することでリスクの分散を行なっています。
デメリット②:投資できる案件数が少ない
キャンプファイヤーオーナーズでの海外案件の募集は、2019年11月に1件あったのみです。
その後、2020年1月時点では目立ったソーシャルレンディング案件の募集が行われていません。
せっかく社会的インパクト投資をしたいと思っても、投資機会がないのでは資金を遊ばせてしまうことになります。
満足な投資案件の提供が行われないことは、投資先としてのデメリットでしょう。
【総評】CAMPFIRE Ownersの海外案件への評価
カンボジア融資案件の利回りは、CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)の中では高いですが、他のソーシャルレンディングサイトと比べると、決して高いとは言えない数字です。
また、ソーシャルレンディングサイトとしての実績が少なく、信用できる投資先なのかと疑問を持つ方もいるでしょう。
投資する際には、もう少しキャンプファイヤーオーナーズの案件提供が安定し、返済実績を積み重ねてから判断した方が良いとも考えられます。
一方、海外案件を専門とする「Crowd Credit(クラウドクレジット)」では、マイクロファイナンス機関への融資案件を定期的に提供しており、安定した運用が行われています。
- 【サービスサイト】クラウドクレジット(CrowdCredit)
- 【関連ページ】クラウドクレジット(CrowdCredit)の評判・口コミ
「マイクロファイナンス機関=無担保」なので、リスクが高いというわけではありません。
まとめ
CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)は2019年9月から運用を開始しましたが、まだ募集実績はわずかなものです。
一方、親会社は株式会社CAMPFIREという、購入型クラウドファンディングの中でも大手のサイトです。
案件の供給体制が整えば、一気に投資家数が増えサイト運営が軌道に乗る可能性があります。
カンボジアを中心とした海外案件は、他社でも多く取り扱われており、他社での実績は豊富なものがあります。
そのため、「海外案件だから」「先進国ではないから」といって、リスクが高いわけでもありません。
まずは、キャンプファイヤーオーナーズに会員登録して、案件の内容をよく調べてから投資の判断しても良いかもしれません。