2020年11月6日(金)、貸付投資のオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」と、オリックス銀行の業務提携が発表されました。
ここでは、その業務提携の内容と、業務提携により生まれる新規案件の意味、そして投資先としての妥当性などについて解説していきます。
目次
Funds(ファンズ)とオリックス銀行が業務提携
出典:Funds(ファンズ)
まず、Funds(ファンズ)とオリックス銀行が業務提携をした背景と、業務提携により発生する効果を確認しましょう。
業務提携の理由
Funds(ファンズ)は、上場企業を中心とした会社への融資を行うといった特徴を持つソーシャルレンディングサイトです。
今回の提携では、業務提携の理由を以下のように記しています。
地方を拠点とした企業にとっても、地元に加えて全国的な認知を獲得することや、顧客のファン化は課題の一つになっているケースもあります。
今回のオリックス銀行との業務提携では、同行の持つネットワークと当社を活用したファイナンスを掛け合わせることで、同行の取引先企業への資金調達の多様化やファンづくりの支援を行います。また、地方に拠点を置く企業については、まだ知られていない地方の魅力的な商品やサービスを知っていただく機会を提供してまいります。
Funds(ファンズ)では、「FinCommunity」という活動を行っており、投資家に対して融資案件を提供する時に、配当金と併せて融資先の企業の魅力を伝える特典を提供することを促進しています。
今回のオリックス銀行の提携では、オリックス銀行の従来の融資顧客に対しFunds(ファンズ)を通じた融資を行います。
オリックス銀行の持つ豊富な融資顧客を紹介してもらうことで、FinCommunity活動をこれまでよりも一層幅広いものにしようという狙いがあると言えます。
Funds×オリックス銀行の第1号ファンド概要
今回の業務提携では、すでに第1号ファンドの融資先が紹介されているので、その内容を紹介しましょう。
融資先の企業は株式会社えんホールディングスです。
株式会社えんホールディングスは、1989年設立の不動産会社です。
福岡県博多エリアに本社を持つ、不動産の建築、開発そして総合管理を行っています。
第1号ファンドでは、株式会社えんホールディングスへの融資を行い投資家に配当を行うだけではなく、株式会社えんホールディングスが運営する宿泊施設の優待が提供されます。
投資家は株式会社えんホールディングスの案件に投資することで配当金を得るだけではなく、株式会社えんホールディングスの宿泊施設を優待価格で体験できます。
そして、株式会社えんホールディングスは、融資を受けた資金で事業の拡大を行うだけではなく、既存顧客以外の新規顧客獲得を狙うことができるのです。
Funds(ファンズ)×オリックス銀行の業務提携で生まれる効果とは
出典:Funds(ファンズ)
積極的な拡大策を打ち出しているFunds(ファンズ)。
Funds(ファンズ)とオリックス銀行の業務提携により、ソーシャルレンディング市場にはどのような効果が生まれるでしょうか?
具体的には、案件の増加や募集金額の増加、多様な融資先の増加といった効果が見込めそうです。
Fundsの案件・募集金額の増加
最初に考えられるのが、Funds(ファンズ)の募集案件数の増加、そして募集金額の増加です。
特に今回のような不動産開発事業を行う会社への融資は、物件の取得資金などで数億円規模のファンドが多数生まれることが予測されます。
Funds(ファンズ)では、投資にあたり抽選制が導入されるほど人気が過熱しており、投資したくても投資できない投資家がたくさん存在していました。
しかし、今後は数億円規模のファンドが提供されれば、投資家の需要を満たせる受け皿が生まれていくことになるでしょう。
優待特典のあるファンドの増加
次に考えられるのは、優待特典のあるファンドの増加です。
Funds(ファンズ)の提唱するファンコミュニティは、今回のような優待特典付きのファンドを提供することで融資先企業のファンを増やすことも目的としています。
宿泊施設の宿泊費の割引、飲食店の飲食代の割引、その他にも多様な優待特典が生まれることが期待されます。
ソーシャルレンディング投資を行うことで、株主優待付きの企業への株式投資を行うのと同じメリットを味わうことができるのです。
上場企業以外への融資ファンドの増加
同時に考えられるのが、上場企業以外への融資案件の増加です。
今回の株式会社えんホールディングスは上場企業ではないため、従来のFunds(ファンズ)の融資対象の条件を満たしていません。
Funds(ファンズ)は上場企業への融資を専門とすることで、投資リスクをカバーしていましたが、上場企業以外の融資も行われると、リスクは従来より高くなります。
株式会社えんホールディングスの第一号ファンドの詳細な募集条件はまだ公開されていませんが、保証や担保について、投資家は十分にチェックをするべきでしょう。
投資家の視点で見るFunds(ファンズ)×オリックス銀行ファンドの評価
今回のFunds(ファンズ)とオリックス銀行との提携による新規ファンドは、投資する価値があるのでしょうか?
結論から言えば、利回り(リターン)と担保保証の手厚さ(リスク)のバランス次第だと言えます。
Funds(ファンズ)は、これまで「上場企業への融資」ということで人気を集めていました。
しかし、今回は上場企業への融資ではありません。
そのため、仮にこれまでの無担保・無保証という条件だった場合は、従来のファンドよりリスクが高くなります。
ただし、オリックス銀行の紹介という、社会的に知名度の高い銀行の顧客ということが、一定の信用性の担保とも考えられます。
オリックス銀行が紹介する融資先がどれほどの信用性を持つのか?
その点は、投資家各自が判断しなければならないでしょう。
また、従来のFunds(ファンズ)の利回りは、年利2パーセント前後と他のソーシャルレンディングサイトよりも低いものでした。
仮に、株式会社えんホールディングスへの融資ファンドの利回りが、従来よりも高ければ、優待特典もあることと併せリターンは大きくなります。
そのリスクとリターンのバランスを見ながら、投資を判断していきましょう。
優待特典が使いやすい環境の方であれば、宿泊費で数千円の割引が期待できるので、投資する価値はそれなりのものがありそうです。
まとめ
Funds(ファンズ)は2020年10月から積極的な事業拡大行っており、今後は毎月10億円規模の案件を募集するとの計画を発表しています。
今回のこのオリックス銀行との業務提携も、その業務拡大の一端だと言えるでしょう。
上場企業への融資と言う独自性はやや薄れますが、それでもFunds(ファンズ)の中で多様な投資先が生まれることには変わりありません。
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また、「関連ページ」ではFunds(ファンズ)に関する特徴やメリット、リスクについて詳しく触れています。