クラウドアンサー編集部では、実際にソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングに投資を行い、配当の様子を定期的にレポートしています。
2019年7月には、累計募集金額日本国内第1位の実績を持つソーシャルレンディングサイト「SBIソーシャルレンディング 」に投資を行い、2019年9月からそのレポートを掲載しています。
2020年3月には、SBIソーシャルレンディングから7回目の配当がありました。
その結果はどうだったのでしょうか?
独自の分析を行います。
目次
SBIソーシャルレンディングで投資を行った案件
クラウドアンサーで投資を行っているSBIソーシャルレンディングの案件は、2019年7月に募集が行われた「SBISL不動産担保ローン事業者ファンドNeo3号」です。
案件概要
ファンドID | CF0149 |
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ファンド名 | SBISL不動産担保ローン事業者ファンドNeo3号 2019年7月 |
予定運用期間 | 12ヶ月 |
名目利回り | 6.0% |
募集入金済額 | 1,979,450,000円 |
投資家数 | 3,660 |
投資家への分配金の予定利回りは年利6パーセント、運用期間は12ヶ月です。
2019年9月から配当が開始され、2020年2月まで6回配当が行われています。
クラウドアンサーの投資金額は10万円ですが、配当とともにすでに約4万5千円が早期償還されており、2020年3月時点で運用されている金額は、投資元本10万円のうち約5万5千円です。
前回の、2020年2月分配当レポートは、この記事の一番下にリンクがあります。
2020年3月の配当金の結果・内訳
「SBISL不動産担保ローン事業者ファンドNeo3号」では、2020年3月16日(月)に7回目の配当がありました。
配当の結果は、SBIソーシャルレンディングのサイトにログインした後、マイページ内の「運用予定表」で確認することができます。
配当の結果はこちらのとおりになりました。
利益分配金 | 278円 |
源泉徴収税 | 56円 |
税引後利益 | 222円 |
元本償還 | 426円 |
配当金:2月を上回る278円
2020年3月の配当金は「278円」であり、2月の「230円」を上回りました。
運用される金額は徐々に減少していますが、必ずもしも毎月の配当金が減少するわけではないようです。
元本償還額:過去最小の426円
注目したい点が、元本償還の金額が過去最小の426円であったということです。
2019年10月から2020年1月までは、毎月5,000円以上が早期償還されていました。
ソーシャルレンディングで融資を受けた会社は、借入期間が長くなると金利支払額が増えるため、可能な限り早期償還を行おうとします。
特に、2019年12月には2万5千円以上の早期償還が行われています。
しかし、2020年3月の早期償還額は過去最小の金額であり、500円を下回っています。
これは何を意味するのかを考えてみましょう。
元本償還額が過去最小であることの考察
では、当該案件において「元本償還額が大きく減ったことの意味」について考察してみましょう。
そこには、融資を受けた会社側の都合があると考えられます。
不動産担保ローンの債務者は複数の事業者
クラウドアンサーが投資した案件は「SBISL不動産担保ローン事業者ファンド」と名付けられています。
SBIソーシャルレンディングが、不動産担保ローンを運営する会社に融資を行っている案件です。
金融業者への融資なので、実際の融資先は不動産担保ローン事業者からお金を借り入れている複数の事業者です。
つまり、最終的な融資先は1社ではなく分散されています。
債務者側の資金繰り事情の変化
2020年3月に入り、コロナウイルスの影響で国内外の株価が下落し、金融危機の兆候が見え始めています。
日本では、観光客数の大幅な減少により、ホテルや物産店、飲食店などに影響が出ていると報道されています。
不動産担保ローン会社から融資を受けている事業者の中に、そういった事業者が含まれている可能性は決して低くありません。
資金繰りが悪化し、借り入れた事業資金を満足に返せなくなる事態も起こりえるでしょう。
その結果、最終的な債務者である不動産担保ローンから融資を受けた事業者からの繰り上げ返済が行われなくなり、早期償還額が大幅に減った可能性が考えられます。
ただ、2020年2月の早期償還額も1,000円台であり、3月と金額的にはさほど大きな差はありません。
2月時点ではコロナウイルスの影響はそこまで大きなものとして取り上げられていませんでした。
その状況下でも、すでに早期償還額は大きく減っていたこともまた事実です。
当サイトで投資しているSBIソーシャルレンディングの案件は当該案件1件だけであり、この1件ですべてのSBIソーシャルレンディングの案件の動向を判断することは危険だと言えます。
あくまでも、1件の投資案件中の2020年3月の配当と償還額だけを見た上での推察であることはご承知おきください。
まとめ
SBIソーシャルレンディングへの投資記録第7回目のレポートをお伝えしました。
2020年3月現在、スケジュールの遅れなどは発生せず、きちんと投資家に対して利益が配当されています。
一方で、早期償還の金額は2020年2月に続いて僅かな金額となっており、そこには融資を受けた事業者側の金策の事情が変化していることが推測されます。
ただし、あくまでも1案件を見ての推測です。
クラウドアンサー編集部では引き続き、SBIソーシャルレンディングのレポートを掲載していきますので、その動向にご注目ください。
なお、2020年2月分のレポートは、こちらに掲載しています。
また、「SBIソーシャルレンディング」について詳しく知りたい方、口座開設をしたい方は、こちらのページ・記事もチェックしておいた方が良いでしょう。