クラウドクレジット株式会社は、2020年1月31日(金)に「【新春特別企画】貸付型クラウドファンディングのリスクとリターン」と銘打ち、3つのソーシャルレンディング運営会社による共同セミナーを開催しました。
- クラウドクレジット株式会社
- SBIソーシャルレンディング株式会社
- ロードスターキャピタル株式会社
そこで、そのセミナーの様子をクラウドアンサー編集部でもレポートします。
目次
セミナーの概要
まずは、当該セミナーの概要を確認しましょう。
上の画像は、左から次のとおりです。
- SBIソーシャルレンディング取締役:渡部一貴氏
- ロードスターキャピタル代表取締役社長:岩野達志氏
- クラウドクレジット代表取締役社長:杉山智行氏
セミナー名 | 【新春特別企画】<大手3社>貸付型クラウドファンディングのリスクとリターン |
開催日時 | 2020年1月31日(金)19時00分~20時50分 |
会場 | FinGATEKAYABA |
参加会社 |
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セミナーに参加した3社の特徴は次のとおりです。
- SBIソーシャルレンディング:2020年現在国内で運営中のソーシャルレンディング会社の中で累計募集金額でトップの実績
- クラウドクレジット:海外案件を専門に取り扱うソーシャルレンディングサイト
- ロードスターキャピタル:OwnersBook(オーナーズブック)を運営する東証マザーズ上場企業
発起人はクラウドクレジット株式会社です。
クラウドクレジット株式会社は、2019年11月にも「アクティブ投資ナイト」というイベントを主催していました。
アクティブ投資ナイトはソーシャルレンディング以外の投資業界の人を招いてのイベントでしたが、今回は国内ソーシャルレンディングサイトで3社のトップ層を招いてのセミナーです。
ソーシャルレンディング会社の共同セミナーは非常に珍しいものであり、当日はメディア関係者、ソーシャルレンディング投資家が多数参加しました。
SBIソーシャルレンディングセミナー
SBIソーシャルレンディングは、取締役の渡部一貴氏が登壇しました。
SBIソーシャルレンディングについて
SBIソーシャルレンディングの成り立ちから、現在日本のソーシャルレンディング市場において20パーセント以上のシェアを占めるなど、SBIのソーシャルレンディングの歴史を中心にセミナーが行われました。
リスク管理について
「リスクコントロール」は、当該セミナーのテーマの一つです。
SBIソーシャルレンディングでは、担保はあくまでリスク対策の一環であり、融資最も重視しているのは資金用途だという話がされました。
SBIソーシャルレンディングにおいて貸付を行う際に審査されるのは、資金を使って展開されるビジネスの収益や将来性であり、だからこそ不動産関係と自然由来エネルギー案件が多くなっているということです。
また、SBIグループ内への融資や、SBIグループ内からの資金調達は行っていないという、自社グループとの関係性に関する話も行われました。
OwnersBook(オーナーズブック)セミナー
OwnersBook(オーナーズブック)は、ロードスターキャピタル株式会社代表取締役社長岩野達志氏が登壇しました。
ロードスターキャピタルの強み
ロードスターキャピタル株式会社の強みとして、不動産300億円の不動産を所有しており家賃収入などがあるため、70人の社員を雇うだけの資本力があるという信頼性に関する話がされました。
そして、ロードスターキャピタル株式会社が東証マザーズにしたのも、監査法人などのチェックを受け、上場することにより会社としての信用度を高めるため。
投資家も安心して投資できるように、ある意味箔をつける狙いがあったということです。
オーナーズブックでは不動産案件が全案件を占めるため、担保価値を重視し、民泊や京町家物件などの話題性のある不動産案件よりも、都内オフィスビルやマンションといった常に需要があり市場での流動性が確保された案件を組成し、リスク対策を行っているという話でした。
リスク管理について
融資先の情報公開ができるようになったことを受け、2019年11月にはオーナーズブックを通じてロードスターキャピタル株式会社本体が資金調達を行ったことも、リスク管理における特徴的な出来事として挙げられました。
不動産会社が銀行以外にソーシャルレンディング会社を使う理由も説明されました。
銀行では、大金を借りて長期間にわたって返済することが前提となっており、早期返済することは銀行との関係性が悪化します。
一方で、ソーシャルレンディングは短期間での返済を行うことできるという特徴があり、銀行からの資金調達だけでは足りない資金はソーシャルレンディングを利用すれば調達できます。
銀行・ソーシャルレンディングそれぞれにメリットがあるため、ソーシャルレンディングの需要も増しているとのことでした。
不動産案件について
ロードスターキャピタル株式会社としては、取得する不動産および融資する不動産案件は、話題性より流動性を重視してるということです。
民泊やホテルなど話題性のある物件より、都心のテナントビル・オフィスビルなど市場での需要が常にあるものを選んでいるそうです。
売りたいときにすぐ売れる物件であるからこそ、ロードスターキャピタル株式会社は自信を持って投資家に案件を提供できるということでした。
クラウドクレジットセミナー
Crowd Credit(クラウドクレジット)は、代表取締役社長の杉山智行氏が登壇しました。
分散投資の必要性について
杉山氏は、常に分散投資の必要を訴えており、20案件から30案件の分散投資が必要だと話していました。
クラウドクレジットは無担保案件が多いため、いかに分散投資をしてリスクコントロールをするのかが重要になってくるということです。
分散投資を手軽に行うために、クラウドクレジット2020年1月から「ファンドパッケージ」という自動的に分散投資ができるファンドを提供しています。
今後の取り組みについて
今後は、日本の法律上ではまだ不可能であるものの、資金を入れれば自動的にソーシャルレンディング案件に投資できる自動投資機能を盛り込みたいと話しました。
随時システム改善に取り組みたいという意欲的な発言も多く聞かれました。
クラウドクレジットには70名ほど社員がおり、その中でも内部監査・内部統制そしてファンドのモニタリング部門に特に注力しているということです。
まとめ
ソーシャルレンディング会社の共同セミナー、特に大手といえる3社の共同セミナーの開催はほぼ初と言えます。
まだ業界団体などが組織されていないソーシャルレンディング業界。
この共同セミナーをきっかけに、ソーシャルレンディングの業界団体が発足し、業界をあげての活動を実施したり、認知度が上がっていくことが期待されます。
ソーシャルレンディング大手3社がこのような手を取り合ったイベント開催したことは、ソーシャルレンディングの歴史に刻まれる一歩になるかもしれません。
特に、イベントの主宰として積極的な活動を行っているクラウドクレジットの取り組みには、注目していきたいものです。
なお、今回セミナーに参加した3社については、こちらで詳しく解説しています。