ソーシャルレンディングは、5%から10%の利回りを出すことも可能なため、昨今人気の投資手法となっています。
発展途上の産業分野として、今後もフィンテック技術などとともに不動産業界などで進展していくことが期待されています。
ソーシャルレンディングは高利回りが可能な一方で、元本割れや返済遅延のリスクがあります。
このリスクヘッジとして、短期投資が有効となります。
今回は、短期投資が可能なソーシャルレンディング事業者をピックアップしていきます。
目次
ソーシャルレンディング短期投資のポイント
ソーシャルレンディング業者の中から、6ヶ月までの短期投資を募集している事業者を6つ紹介していきます。
その前に、短期投資のポイントについて触れておきましょう。
ソーシャルレンディングで懸念される最大のリスクは「元本割れ」です。
元本割れを回避していくためには、
- カントリーリスク
- 事業者リスク
- ファンドリスク
などがないようにしていくことが必要性であると言われています。
①過去の実績を見て分散的に投資する
解決策のひとつは、各事業者のファンドの実績をサイトで確認することです。
過去のファンド実績の中には、ソーシャルレンディングのシリーズによって継続的に完済を続けているものもあります。
このシリーズは、判断の材料として実績的に信用性が確認できるものです。
ただし、ファンドによっては借り換えによって完済している場合もあります。
リスクヘッジのために短期投資を考える場合には、さらに「分散型の投資」を取り込むことにより安全性を高めることができます。
高利回りを考えたいものですが、安全のためにはリスクヘッジに配慮した投資方法も大切です。
②担保設定を確認する
また、ファンドに担保設定があれば、リスクは低減されます。
担保能力が高いファンドほど、返済がなされない状況(元本割れ)を回避できるからです。
担保とは
担保とは、お金を借りている人(債務者)が債務を履行できない場合に備えてお金を貸している人(債権者)がその債権を担保するために設定するもののことです。
ソーシャルレンディングの担保には、質権や抵当権などがあります。
詳しくは別の記事で解説します。
それでは、ソーシャルレンディング業者の中で短期投資を扱っているものを紹介していきましょう。
※2019年2月1日現在、6ヶ月以内の短期ファンドを取り扱っている事業者の中から選定しています。
①LCレンディング
出典:LCレンディング
LCホールディングス株式会社の子会社であり、JASDAQ上場しているLCレンディング株式会社が運営しています。
ソーシャルレンディングサービスに関しては、maneoマーケット株式会社が、サービスサイトの運営、募集の取扱い(取得勧誘)、投資家の管理まで担当しています。
maneoマーケット株式会社が第二種金融取引業の認可を取得しています。
LCレンディングでは、不動産賃貸、不動産ファンド事業を主に取り扱っています。
不動産金融に関する豊富な知識、経験、ネットワークを有するプロフェッショナルがファンドに携わっています。
2万円から投資することができます。
②maneo(マネオ)
出典:maneo(マネオ)
業界最大手のmaneo(マネオ)は、ソーシャルレンディングサービスを2011年に国内ではじめてスタートした企業です。
社名はmaneoマーケット株式会社となり、
- GMOフィナンシャルホールディングス株式会社
- 株式会社VOYAGE VENTURES
- SMBCベンチャーキャピタル2号投資事業有限責任組合
などが株主となっています。
maneoは2019年2月時点において、ローン成約額は累計で1,500億円を超えており、業界を牽引するリーディングカンパニーです。
投資家の安全確保を最優先として事業に取り組んでいます。
③Crowd Bank(クラウドバンク)
Crowd Bank(クラウドバンク)は、日本クラウド証券が運営するもので、証券会社として第一種・第二種金融商品取引業の認可を持っていることを強みとしています。
「資産を育む体験をすべてのひとに」をモットーにしています。
日本クラウド証券は、
- 融資型クラウドファウンディング事業(ソーシャルレンディング事業)
- 投資・コンサルティング事業
- グリーンシート事業
を取り扱っています。
ソーシャルレンディングでは海外や、国内のインフラ・不動産などまで、幅広い範囲のファンドを取り扱っています。
④アメリカンファンディング
出典:アメリカンファンディング
アメリカファンディングは、米国における不動産投資案件に特化したソーシャルレンディングサービスを展開しています。
アメリカンファンディング株式会社は本社が東京にあり、不動産投資コンサルティングサービスや、ソーシャルレンディングにおける借り手の管理を行っている会社です。
関連会社にはアメリカの「111 Capital, Inc.」があり、
- 米国不動産投資全般
- 物件管理業務
- 米国不動産投資案件
に特化したソーシャルレンディングサービスを取り扱っています。
maneoマーケット株式会社がサービスサイトの運営、募集の取扱い(取得勧誘)、投資家の管理まで担当しています。
2万円から投資することができます。
⑤さくらソーシャルレンディング
出典:さくらソーシャルレンディング
さくらソーシャルレンディングは、地方に特化してソーシャルレンディングを取り扱っています。
地方企業の資金調達が難しい現状を克服するために、地域の需要にタイムリーで柔軟な対応ができるようにソーシャルレンディングサービスを展開しているのです。
これにより、地方創生を実現することを大きな目的とし、地域の活性化をはかっています。
また、不動産担保により健全な投資案件として提供できるように活動しています。
さくらソーシャルレンディング株式会社は本社所在地が福岡であり、「さくらソーシャルレンディング」のサイトの管理、運営を行っています。
- ソーシャルレンディングサービスにおける募集の取扱い(取得勧誘)
- 投資家の管理
- サイトの共同管理
までを、maneoマーケット株式会社が行っています。
⑥スマートレンド(SmartLend)
出典:スマートレンド
スマートレンドは、主に香港など海外の案件を取り扱っています。
長期と短期の両方の案件の取り扱いがあります。
消費者向けの融資や保証に関する事業に携わる企業に特化して融資を行っていることが特徴です。
そのため、小口案件も多数あります。
融資先は、スマートレンドとの関連性の高い企業としているため、経営体制の把握もしっかりとしており、十分なリスク管理体制になっています。
SmartLend株式会社は、事業者向けの貸金業やソーシャルレンディングにおける借り手の管理などを行っています。
- ソーシャルレンディングサービスにおける募集の取扱い(取得勧誘)
- 投資家の管理
- サイトの共同管理
については、maneoマーケット株式会社が担当しています。
この他、
- ラッキーバンク
- PocketFunding(ポケットファウンディング)
といったソーシャルレンディング事業者にも短期で投資できるファンドはあります。
ただ、2019年2月1日現在は募集が終了しており、次の案件が出てくるまでは時間が必要です。
その他のソーシャルレンディング企業は、新規案件の公開については未定にしているところもあります。
まとめ
ソーシャルレンディングの短期投資をする際の注意点と、2019年2月1日現在取り扱いのある業者を6社紹介しました。
もう一度、ソーシャルレンディングにおける短期投資について重要なポイントをまとめておきましょう。
案件を厳しく精査する
ソーシャルレンディングでは、貸金業法の規制のため、借り手の具体的な名称を、借り手は把握することができない匿名性となっています。
そのため、信用性の高いソーシャルレンディング事業者を選ぶことが大切になります。
【2019年3月19日更新】:匿名性の解除が発表されました。
短期投資においても、一度でも貸し倒れ(デフォルト)があるとダメージが大きくなります。
銀行などと同じように資金を貸し出すことになるのですから、ひとつ一つの案件を約款などまでよく精査してから、どのように投資するかについてよく考えることが必要です。
また、短期投資を分散して実施する場合は、
- 事業者
- ファンド
- 投資対象のジャンル(不動産、個別事業、社会インフラ)
- 融資先
の各カテゴリーにおいて分散することが望ましいリスクヘッジとなります。
短期投資の場合は、満期償還で返ってきた資金を次のファンドへ投資することを繰り返していくことができれば、複利の効果をうまく使うことができるため、長期投資よりも利益が望めることになります。
不動産ファンドに大きな期待あり
今後の展望としては、不動産の関連において規制緩和が進むことが予測されいます。
2018年12月に施行された不特法とともに、ファンドの組成を促進することが期待されています。
また、技術的にはフィンテックの進展がサービスの在り方を改善してくることに期待が寄せられています。
「2018年度の国内クラウドファンディング市場は、新規プロジェクト支援額ベースで、前年度比20.3%増の2,044億円の見込みである」と矢野経済研究所が公表しています。
この中で、融資型クラウドファンディングであるソーシャルレンディングの活躍は目覚ましいものであります。
リスクヘッジによく配慮して、高利回りなソーシャルレンディングでの投資を堅実に行うことが大切です。