ソーシャルレンディングにおけるクリック競争
ソーシャルレンディングを始めようと思っていて、「クリック競争」や「クリック合戦」ということばが気になっている人もいるでしょう。
「クリック競争」や「クリック合戦」とは、ソーシャルレンディングで新しいファンド募集時に、投資家の出資申込が殺到してクリックが集中した状態になることです。
ファンドの募集が始まると、投資家はパソコンやスマホで出資申込をします。
人気事業者になると「アクセスが集中しすぎて画面がフリーズ。しばらくして再度申し込もうとしたらすでに完売していて申し込めなかった」なんて事態はざらにあります。
投資家である筆者自身、画面フリーズは何度も経験しました。
特に、最近のソーシャルレンディング業界は、「ラッキーバンク」や「みんなのクレジット」といった詐欺事業者の横行、業界最大手のmaneoファミリーの大規模遅延騒動などトラブルが多発しています。
そのため、投資家が事業者を選ぶ目はかなりシビアなものになってきています。
その結果、人気事業者や人気のあるファンドに投資家人気が集中し、クリック競争という状況が生まれるようになったのです。
これからソーシャルレンディングを始めるときは、人気事業者ほどこうしたクリック競争に打ち勝たなければ投資できないという現状を知ったうえで、投資家登録をするようにしてください。
投資したくでもできない人気ソーシャルレンディング事業者まとめ
ソーシャルレンディングでクリック競争必須の人気事業者を5つご紹介していきましょう。
せっかく口座開設して投資家登録したのに、「うまく投資できなくてモチベーションが下がってしまう」なんて事態は避けたいものです。
ソーシャルレンディングでの投資を成功させるためにも、あらかじめ事業者の人気度や投資のしにくさを知っておきましょう。
人気ソーシャルレンディング会社①:Funds(ファンズ)
引用:Funds(ファンズ)
ソーシャルレンディングメディアのクラウドポートが立ち上げたFunds(ファンズ)は、貸付ファンドのオンラインマーケットとして、複数のファンド組成企業を登録して募集をしています。
2019年6月現在、Funds(ファンズ)に登録しているファンド組成企業は7企業ですが、アイフル株式会社(東証一部上場)など上場企業や上場企業の関係会社が名を連ねており、どのファンドも募集後すぐに完売しています。
Funds(ファンズ)は人気もあり注目度の高い事業者なのですが、いかんせん募集ファンドが少なく、常時募集ファンドもないので投資タイミングは非常に少ないです。
今後登録企業が増えれば状況も改善されると思いますが、ファンド募集のタイミングをしっかり確認しておくことが大切です。
人気ソーシャルレンディング会社②:OwnersBook (オーナーズブック)
不動産投資に特化したOwnersBook(オーナーズブック)は、東証マザーズ上場の「ロードスターキャピタル株式会社」が運営することで人気と信頼度が高い事業者です。
数千万円から億単位の大型案件を取り扱うにも関わらず、瞬殺で完売してしまうという人気の高さ。
クリック競争がもっとも加熱している事業者と言っても過言ではありません。
ファンド募集時にアクセスが殺到してサーバーがダウンしたあげく、次の案件募集ではファンドの募集開始時間が非公表になるという事態になりました。
募集開始時間非公表にするってよっぽどですよね……。
OwnersBook(オーナーズブック)は非公表の理由をネットワークの混雑回避としていますが、投資家からのクレームも多かったのです。
ここまでに人気が過熱しているものの、OwnersBook(オーナーズブック)は案件が増えることもなく、投資家登録も普通に受け付けています。
これからOwnersBook(オーナーズブック)に登録をする人は、クリック競争に本気で取り組まないと投資できないということを心しておきましょう。
人気ソーシャルレンディング会社③:CREAL(クリアル)
出典:CREAL(クリアル)
CREAL(クリアル)は、不動産投資型クラウドファンディング事業者で、ホテルや保育所など珍しい大型案件を取扱う人気事業者です。
扱う物件情報の透明性が高く、不動産投資好きの投資家から熱い支持を集めています。
CREAL(クリアル)も募集ファンドが非常に少ない事業者なので、投資タイミングを逃すとなかなか投資できません。
ただ、CREAL(クリアル)の場合、億を超える大型案件についてはクリック競争が起こりにくく(それでも当日に完売しますが)、比較的投資しやすい状況です。
逆に、中規模の案件はクリック競争が起こりやすいので、事前にお知らせされる募集開始の案内メールを見て、募集金額の規模を確認しておきましょう!
狙い目は大型案件です。
人気ソーシャルレンディング会社④:FANTAS funding(ファンタスファンディング)
FANTAS funding(ファンタスファンディング)は、空き家再生や中古物件など特徴的な不動産を扱う不動産投資型クラウドファンディング事業者です。
不動産投資案件にしては珍しく利回りが高いこと、特徴的な案件があることから人気を集めています。
FANTAS funding(ファンタスファンディング)は案件の数自体は多めなのですが、中規模の小口案件が多いため、募集金額がすぐ集まってしまう傾向があります。
空き家や中古物件が対象なので今後も大型案件の取扱いはないでしょうし、小口案件を地道にクリックして投資に臨みましょう!
ソーシャルレンディングでクリック競争に勝つための対策
ソーシャルレンディングのクリック競争に勝つためには、事前の対策が重要です。
次の5つはしっかりとおさえておきましょう!
対策①:募集案内を見落とさない
募集開始の事前案内は、ソーシャルレンディング事業者からメールで配信されます。
メールを見落とさないように、日常的によく使うアドレス、もしくはよくチェックするアドレスを宛先として設定しておきましょう。
対策②:募集前にある程度投資したい案件の目星をつけておく
募集が開始してから案件の詳細を見ていても、クリック競争に勝つことはできません。
募集前に、投資するかどうかを決めておく必要があります。
ソーシャルレンディング事業者ごとに、どのような案件募集が多いのか案件の特徴や傾向を把握しておき、「次にこういう案件が出たらすぐ投資しよう」と目星をつけておくようにしましょう。
対策③:ファンドの出資申込完了までの流れを確認しておく
ファンドの出資申込は、ボタン一つで完了するものではありません。
出資申込ボタンを押しても、その後重要事項説明書類の確認などいくつかの動作をふまえて募集が完了します。
一瞬のボタン操作ミスが命取りになるため、出資申込完了までの流れを把握しておき、クリック競争に挑んでください。
対策④:募集開始時刻5分前にはパソコンの前でスタンバイする
ソーシャルレンディング事業者や案件によって募集開始時刻は朝だったり、夕方だったりとバラバラ。
事前にパソコンやスマホで通知設定をしておき、募集開始時刻5分前にはパソコンやスマホの前でスタンバイしておきましょう。
対策⑤:クリックのメインはパソコン、予備にスマホを用意しておく
クリック競争では一瞬のボタン操作ミスが命取りになります。
ボタン操作が早く画面遷移がスムーズなのはパソコンなので、できればパソコンで投資をすることをおすすめします。
ただし、パソコンでも画面が固まって動けないという事態はあり得ますし、仕事でパソコンが使えない人もいるでしょう。
パソコンとスマホは常にセットで用意し、どちらからでも投資できるように用意しておきましょう。
まとめ
ソーシャルレンディングをこれから始める人のために、クリック競争で投資が難しくなってきているという状況をお話してきました。
大切なポイントは次の4点です。
- クリック競争とは、ファンドの募集が殺到して投資したくでもできない状態になっていること
- クリック競争が起きやすいソーシャルレンディング事業者の場合、口座を開設してもすぐに投資できるわけではない
- Funds(ファンズ)、CREAL(クリアル)、OwnersBook(オーナーズブック)、FANTAS funding(ファンタスファンディング)はクリック競争が起こりやすいので要注意
- クリック競争に勝つためには事前準備が必要不可欠
クリック競争でクリックしてもなかなか投資できない状況を経験すると、投資のモチベーションが下がってしまいます。
しかし、コツさえつかめば投資できるチャンスはありますし、状況が過熱すれば投資が抽選制になる可能性もあります。
いずれにしても、人気事業者がこうしてソーシャルレンディング業界を盛り上げてくれれば、ここ最近不祥事やトラブルが多かった業界全体の雰囲気も大いに変わってくるでしょう!
正直なところ、筆者もクリック競争に辟易することがあります。
しかし、ソーシャルレンディング業界の発展には、こうした状況が必要だとも思います。
これからソーシャルレンディングを始める人は、クリック競争も今後業界が良い方向に向かうために必要な過程と前向きにとらえ、ソーシャルレンディング投資に臨んでください。