ソーシャルレンディングは、投資した金額に応じた金利収入を得ることができる投資手法です。
非常に不労所得に近い性質のインカムゲインを得られるだけあって、多くの投資家から最近支持を得ています。
もしソーシャルレンディングの収入だけで生活をしたいと思うのであれば、どれくらいの投資金額が必要なのかを考えてみましょう!
目次
生活費の最低限の金額とは
まず、生活費の最低限の金額が、どれくらい必要かを知っておきたいところです。
その金額を十分ソーシャルレンディングでまかなえるのであれば、労働とは無縁の生活を送ることができるでしょう。
生活費も、
- ひとりで生活している場合
- 家族を養う場合
の2つのパターンを想定していきましょう。
①一人で生活している場合
一人で生活している場合、住居費がかかるのかかからないのかによって、5万円から10万円は生活費が変わってきます。
一般的な一人での生活に必要な費用は、22万円だと言われています。
これが、ご自宅が持ち家であれば、15万円程度でも十分な生活を送ることができるでしょう。
国民年金は支払わなければいけませんが、所得税や住民税と言った税金は、収入がなければほとんど発生しません。
ただし、健康保険に関する費用は全額自己負担となるので、国民年金と合わせれば2万円から3万円ほどの出費を覚悟しておかなければいけません。
そこまで考えると、一人ぐ足しの生活費は25万円ほどは欲しいものです。
②家族がいる場合
一方、養う家族がいる場合は、費用が一気に跳ね上がります。
家族が配偶者だけなのか、それとも子供がいるのかで変わってきます。
子供の進学まで考えた場合は、毎月の手取り収入が35万円ほどは必要になります。
そのため、ソーシャルレンディング投資だけで生活していくことは、あまり現実的な選択とは考えられません。
子供がいるのに親が働かず、投資だけで生きていくという家庭はそうはないでしょう。
配偶者がいる場合は、自分は不労所得で稼ぎ、家事育児などを担当、配偶者に給与所得を得てもらうといった生活であれば可能です。
ただし、ソーシャルレンディングのみで生活費を稼ぐという話とはずれてくるので、今回は家族がいる場合の想定はしないでおきます。
ソーシャルレンディングの金利
ソーシャルレンディングは、案件ごとに金利が設定されています。
そのため、あらかじめ収入を計算することができます。
つまり、高い金利の案件を選べば、収入も増やすことができるので高金利案件を選ぶことを考えてみましょう。
高金利案件はほぼなくなった
しかし、残念ながら現在10パーセントを超えるような高金利案件はほぼなくなりました。
いまでも継続的に10パーセント前後の高金利案件を提供しているのは、maneoファミリーである「スマートレンド」と、「アメリカンファンディング」の2社です。
海外案件を専門としているクラウドクレジットでも、時折10パーセント以上の高金利案件を提供してくることがあります。
これまで10パーセントを超える高金利案件を扱っていた
- ラッキーバンク
- グリーンインフラレンディング
- クラウドリース
- トラストレンディング
は、いずれも行政処分を受けました。
「エーアイトラスト」や「ラッキーバンク」は、ついには第二種金融商品取引業免許を剥奪されました。
高金利案件の投資はリスクが高いものであり、現在運用している会社もこれから先どうなるかは未知数です。
高金利案件が必ずしも失敗するとは言えませんが、現在の状況を見る限りは問題になる可能性が高いです。
極力、これまで行政処分を受けていない会社、貸し倒れ発生させていない会社を選びたいものです。
安全だと言われているソーシャルレンディング会社の金利
そこで、比較的安全性が高いと言われているソーシャルレンディング会社の案件を見てみましょう。
まずは、「SBIソーシャルレンディング」です。
SBIソーシャルレンディングは太陽光関係の案件では8パーセントというものもありますが、不動産関係では4パーセントから6パーセント前後となっています。
「オーナーズブック」はもっと金利が低く4パーセント。
「クラウドバンク」は「SBIソーシャルレンディング」と似たような水準です。
6パーセントから7パーセントが一般的であるため、シミュレーションの金利は6.5パーセントという想定で考えてみましょう。
金利6.5%でソーシャルレンディングに投資する場合をシミュレーション
では、実際に金利6.5パーセントで、ソーシャルレンディング投資にて毎月25万円・年間300万円の金利収入を得て生活費にするには、どれぐらいの投資の元手があれば良いのかを計算してみます。
年間300万円の生活費を稼ぐために必要な資金は約4,600万円
逆算して年間300万円を稼ぐために必要なソーシャルレンディングの元手は、約4,600万円です。
4,600万円を6.5パーセントで運用すれば、毎年ほぼ300万円の金利収入を得ることができます。
ただし、ここから所得税の10%、住民税10%が差し引かれます。
控除があるので、年間の収入300万円の人の年間の税金は20万円から30万円前後になるでしょう。
実際、4,600万円もの元手を若いうちにそろえられる人は、ほとんどいないと考えられます。
会社がよほど良い条件で早期退職を募り、退職金が割増でもらえるとしても、そういった募集に応募できるのは40歳を過ぎてからです。
そのため、ソーシャルレンディングのみで生活費を稼ぎ、悠々自適な生活を送るというのはあまり現実的ではない話かもしれません。
また、当然ながら安全な案件を選んで行ったとしても、貸し倒れが発生する可能性もあります。
案件の運用期間中に、一定のタイムロスが発生することも見込んでおかなければいけません。
そうなると、5,000万円ほどの元手が必要となると考えられます。
20代・30代でソーシャルレンディングのみで生活をするのはかなり厳しいと言えます。
ソーシャルレンディングだけでなくバイトでも生活費を稼ぐ場合
そこで、もっと現実的な選択肢を取るために、ソーシャルレンディングだけで生活費を稼ぐのではなく、アルバイト収入を得ることも考えてみましょう。
アルバイト収入を得ることのメリットは、2つあります。
アルバイトでの収入は給与所得になるので、その金額が少なくても65万円の給与所得控除が使えるようになります。
そのため大きな節税効果が生まれます。
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- ソーシャルレンディングで15万円
- アルバイトで10万円
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の生活費を稼ぐことを目的とするのであれば、ソーシャルレンディングの投資金額も2,500万円ほどまで減らすことができます。
これくらいの金額であれば、30代で貯金できる方もいるでしょう。
例えば、週2回ほどコンビニエンスストアで深夜のアルバイトをすれば、それだけで毎月10万円ほどの収入を得ることは可能です。
ソーシャルレンディング所得があるからといってまったく働かないのではなく、ある程度のアルバイト労働をした方が気分転換にもなります。
そして、収入の底支えにもなってくれます。
ソーシャルレンディングの良いところは、貯金を食いつぶしているのではなく、元手が収入を生んでくれることです。
お金を使うことに対する不安感はありません。
アルバイト所得とソーシャルレンディング収入を組み合わせていくことで、労働によるストレスを感じることがなく、悠々自適な生活を送ることは不可能ではありません。
まとめ
ソーシャルレンディング投資による不労所得生活を考えましたが、現実的に考えればソーシャルレンディング一本に投資を集中させるのはどうしてもリスクは高くなってしまいます。
ソーシャルレンディング以外の不労所得が得られる投資にも目を向け、リスクの分散を行っていくようにしましょう。
こちらでも、不労所得を得るための方法について解説しています。