LENDEX(レンデックス)は、不動産担保付案件を中心に取り扱うソーシャルレンディング会社です。
LENDEXは、2020年に入っても期待利回り10パーセントを上超える高利回り案件の募集を行っています。
2020年現在、LENDEX以外のソーシャルレンディング会社では、10パーセントを超える案件はほぼ見られません。
かつて利回り10パーセントを超える案件を提供していたソーシャルレンディング会社は、2020年現在では案件の募集を停止しています。
そのため、「LENDEXも同じようになるのでは?」と思う投資家の方もいるかも知れません。
そこで、LENDEXの高利回り案件について分析してみました。
目次
LENDEX(レンデックス)の短期高利回り案件
LENDEX(レンデックス)は、2020年2月に会員数が1万人を突破しました。
2019年末からの一ヶ月あたりの募集規模は毎月3億円を超えるなど、勢いのあるソーシャルレンディング会社の一つです。
高利回り案件のリスク
LENDEXでは、高い頻度で10パーセントを超える好利回りと、運用期間が6ヶ月以内の短期間案件の募集が行われています。
担保なし、保証として融資先の不動産会社の代表者連帯保証のみ設定されており、リターンは大きいですが、リスクも大きいことは明示されています。
高利回り案件の融資先情報
- 案件名:「ローンファンド 113号」
- 募集金額:3,001万円
- 利回り:11%
- 融資先:希望により非公開
2020年2月に募集が行われた案件では、次のような記載があります。
埼玉県内の不動産会社への融資案件です。
募集金額:3,000万円(利回り11.00%/年、期間6カ月、無担保、連帯保証人付、公正証書有)
《元金一括返済、配当は毎月支払》
対象物件:埼玉県川越市の一棟マンション(土地および建物)
※当案件は無担保・有保証・公正証書有です。
返済は当該不動産の売却による売却代金、借入人の事業収益、又は他の金融機関からの借り入れによって行われます。
状況によって、期限前返済の可能性がございます。
※期限前返済の場合、利息の発生は借入人からの期限前返済日までとなります。
当該案件では、期限通りに返済が行われなかった場合は、代表者が返済する義務があります。
融資の際に公正証書が発行されており、返済が速やかに行われなければ、LENDEXが連帯保証人の代表者の資産を回収し、投資家の返済に充てることが可能です。
この不動産会社への融資案件が1件や2件であれば、融資総額は数千万円規模なので、代表者の資産を処分しての返済は期待できます。
しかし、この会社への融資案件が相次ぎ、金額が1億円を超えるようになって来れば、全額が返済される可能性は低くなります。
リスク対策として、融資先の会社が今現在いくら借りているのかチェックする必要がありそうです。
LENDEX(レンデックス)による融資先の説明
このように、短期運用・高利回り・無担保案件の募集を行っているソーシャルレンディング会社は、2020年現在LENDEX(レンデックス)だけです。
その仕組を知るヒントが、クラウドアンサーが配信している記事の中にあります。
LENDEX深澤社長への取材記事からわかること
一つは、LENDEXのへの取材記事の中にあります。
その記事の中から、LENDEXの案件についての説明を引用します。
深澤克己社長へのインタビューでは以下のようなコメントがあります。
利回り13パーセントの無担保案件はどのような融資先でしょうか?
物件の購入費用の融資ではなく、物件のリフォーム費用の融資です。
リフォーム費用を対象としているため、担保に不動産を設定することができません。
そのため、無担保になっています。
その代わり、リフォームが終われば返済になっているため、3ヶ月という短期間案件です。
無担保ですが、融資先の代表者の連帯保証は設定しておりますので、まったく保証がないわけではありません。
利回り13パーセントということもあり、募集開始からあっという間に募集金額の上限に達してしまうことも多いです。
そのため「投資できない」という投資家様からの意見が多く、何らかの手段で投資家の方皆様に公平な投資機会を提供できないかと考えています。
【取材記事はこちら】
LENDEXセミナーレポート記事からわかること
もう一つは、クラウドアンサーのLENDEXのセミナーレポート記事の中にあります。
投資家の質疑において、次のような回答があります。
投資家からの質問
Q.わざわざこんな高金利で、不動産会社がLENDEXからお金を借りる意味はあるのか?
A.当社の融資先は短期転売を目指す不動産会社が多い。
金融機関は審査が降りるまで1ヶ月かかるところ、LENDEXは3日ほどで不動産鑑定士の審査を含めて融資を実行できる。
また金融機関は短期返済を嫌うが、ソーシャルレンディングは早期償還が自由である。その点でもLENDEXを使うメリットは十分にある
Q.どんな不動産会社に融資をしているのか。人的や資本的なつながりはあるのか?
A.格安の不動産を購入しリフォームなどを施して、売却益を得ている不動産会社が多い。不動産購入資金の融資の場合は、6ヶ月から12ヶ月で利回り8パーセント前後の案件(LENDEX社員の回答)。
利回り12パーセントで短期融資の案件は、リフォーム費用の融資が多い。
リフォーム費用の融資は物件の売買契約から支払期限までの融資となり、不動産を購入していないので担保を設定できない。
そのために無担保となっている。
融資先は主に10社程度。
役員など人的なつながりはないが、付き合いは長いので信頼関係はある。
【セミナーレポートはこちら】
2つの記事内容からわかる融資先の情報
これらの回答を見ると、LENDEXの融資先の実態が見えてきます。
LENDEXが融資したお金は、物件の購入費用ではなくリフォーム費用に使われています。
不動産会社はリフォームを行い物件の価値を上げて転売し、その収益をLENDEX投資家への分配金と元本返済に充てていることがわかります。
例えば、年利13パーセントで不動産会社が3,000万円を借りたとしましょう。
1年間で発生する金利は390万円(=3,000万円×13%)です。
その負担は大きいですが、2ヶ月で返済できれば金利負担は65万円(=390万円×2/12)です。
不動産価値を高めるリフォームを行い転売できれば、それほど大きな負担ではありません。
短期間転売を前提にしているからこそ、高金利で資金を調達しても、十分に返済できているのです。
また、ソーシャルレンディングは「短期での融資審査」という、金融機関からの融資にはないメリットがあります。
そして、早期償還を行っても「次の融資を断られる」リスクがありません。
不動産会社からすれば、高金利というデメリットはあっても、都合良く必要なときだけ資金調達できる方法として、十分に利用価値があるのです。
それだけに、LENDEXの高利回り案件は継続的に募集されているのでしょう。
まとめ
LENDEX(レンデックス)の高利回り案件は、不動産会社が物件購入後にリフォームするための資金として使われています。
物件そのものの購入資金ではないので、購入物件を担保に設定することができません。
しかし、リフォームが終了すれば物件を転売し、投資家にお金を返済できます。
仕組みを知れば、LENDEXの高利回り案件は、無理に投資家に高利回りを提供しているわけではなく、きちんと意味があって高利回りを提供できていることがわかるでしょう。
また、LENDEXはこれまで貸倒れを起こしたことがありません。
ただし、これから先も貸し倒れ起きないという保証はありません。
不動産市況が悪化すれば、リフォームしても高い値段で売却できず返済が行われなくなるリスクも考えられます。
そういったリスクを十分に承知した上で、LENDEXの高利回り案件が投資先として、妥当かどうかをご自分で判断してみてください。
その判断にはこちらの記事も役立つかもしれません。