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資金調達の種類には何がある?
資金調達の方法にはさまざまな種類があります。
金利や返済条件、借りることができる・できない人など、業態や立場によって利用できる資金調達の方法は異なります。
さまざまな資金調達の方法から利用できるもの、利用した方が良い資金調達には何があるのかについて確認していきましょう。
種類①:銀行融資
銀行からの融資は、最も一般的に利用される資金調達の方法です。
どのような目的で借りるのか、銀行に伝えて担保などを用意します。
銀行は、担保や事業内容、用途に応じて資金を融通します。
メリット
銀行から資金を調達するメリットは、金利が安い点です。
事業用資金であれば、1パーセント以下の金利で借りられるケースもあります。
返済条件などはケースバイケースであり、担当者との関係次第で調整が可能です。
デメリット
誰もが銀行から融資を受けられるとは限らない点です。
融通は効きますが、逆に「この状況下なら必ず融資が受けられる」とも言い切れません。
起業したばかりの人が良い条件で銀行からお金を借りることは難しいでしょう。
また、銀行の営業状態によって融資の可能性が変わってきます。
おすすめの人
ある程度事業が安定しており、収益を上げている方です。
事業が軌道に乗っている人であれば、銀行はスムーズに融資してくれます。
一方で、創業時に多くの資金を借りることは難しいでしょう。
種類②:ファクタリング
自社が保有する債権を他社が買取って現金化する方法です。
2社間でのファクタリングの場合、手数料は債権の額の5パーセントから20パーセントです。
3社間でのファクタリングであれば3パーセントから10パーセントほどです。
メリット
債権をすばやく現金に換えることができる点です。
すぐに現金が必要であるときに、最短で即日現金化できるケースもあります。
デメリット
保有する債権の額以上を現金に換えることができません。
2社間でのファクタリングでは現金化は早いのですが、手数料の金額が上がります。
そのため、自社の収入が目減りしてしまいます。
おすすめの人
特に、医療機関に適した資金調達の方法です。
医療に関係する事業者は、医療報酬債権ファクタリングを積極的に活用してもそれほど問題にはなりません。
医療報酬債権のファクタリングであれば回収の可能性が高いため、手数料は5パーセント以下で済みます。
一方で、現金がどうしても必要であるときを除き、一般の事業者はあまり活用しない方が良いかもしれません。
3社間ファクタリングであればそれほど手数料は高くつきません。
資金繰りの一環にすることを検討しましょう。
種類③:日本政策金融公庫
政府系の金融機関である日本政策金融公庫から資金を調達する方法です。
メリット
政府系の金融機関であるため、金利が低い点です。
若者・高齢者・女性などであれば、1パーセント未満の金利で融資を受けられることがあります。
デメリット
融資を受けられる金額に限界があります。
最大で7,200万円となっているため、常に日本政策金融公庫から資金を調達することができるというわけではありません。
おすすめの人
起業を予定する人に合った資金調達の方法です。
金利が低く、リスクを抑えて融資を受けることが可能だからです。
種類④:知人からの融資
知り合いから融資を受ける方法です。
メリット
知合いや親族などの関係から、非常に良い条件でお金が借りられることもあります。
返済期限が迫ったとしても、状況に応じて融資の条件を見直すこともあるでしょう。
デメリット
場合にもよりますが、1億円や2億円といった大金を貸す知人や親族は、そう簡単に見つかるものではありません。
おすすめの人
今後の起業を検討する人に向いています。
知人や親族からお金を借りるときは、贈与税に該当しないように返済計画書などを用意しておく必要があります。
返済の状況次第では人間関係のトラブルに発展する可能性が高いため、注意しましょう。
新しい資金調達の方法
近年、ITの発達によってさまざまな資金調達が生まれました。
金融機関に頼らずに融資を受けることができるようになったのです。
新しく登場している資金調達方法を4つ解説していきましょう!
資金調達方法①:エンジェル投資家
新しく事業を展開する個人事業主やベンチャー企業に対し、投資家が事業資金の融資を行う手法です。
エンジェル投資には節税の効果があり、利用する富裕層や投資家が増えています。
メリット
投資家と融資を受ける対象者の関係性(人となり)で返済の条件が決まります。
交渉次第では、有利な条件で融資が受けられます。
デメリット
エンジェル投資家は資産家が多く、ビジネスでは事業の収益面・健全性を厳しく判断します。
そのため、経営に関して問題がないことを的確に実証しなければなりません。
おすすめの人
革新的な技術を持ち、高い収益性が見込める事業を展開できる人です。
「ただ、なんとなくお金が必要」という理由では、エンジェル投資家は投資しません。
資金調達方法②:ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタル(VC)とは、ベンチャー企業を中心に未上場企業への融資を行う機関のことです。
未上場時に出資を行い、上場後に株式もしくは事業を売却することで、出資額との差額から利益を得ることを目的にしています。
メリット
金融機関からの融資が受けにくい大金を融資できたり、事業発展の支援を受けられます。
人材的な支援を受けられることもあります。
資金だけではなく、企業のプロデュース全般を請け負うベンチャーキャピタルもあります。
デメリット
業績次第で、融資を受けていた資金の返済を求められることがあります。
集積性や将来性をシビアに判断されます。
また、経営に口出しが入ることもあり、「物言うスポンサー」と言える存在です。
おすすめの人
斬新なビジネスを展開できるベンチャー企業です。
革新性のないビジネスモデルの企業では、ベンチャーキャピタルはなかなか出資してくれません。
資金調達方法③:クラウドファンディング
インターネット上で資金や作品、商品の制作などに必要な資金を個人から集める仕組みです。
融資というよりも、どちらかというと「支援」の意味合いが強いです。
メリット
金融機関に頼らず、個人を対象に最低額で数千円から資金を調達できます。
多くのファンを持つコンテンツの運営者などが個人投資家から資金を集めたいときに向いています。
デメリット
まったく無名の人がクラウドファンディングで資金を募集しても、集まる可能性はあまり高くはありません。
ある程度の知名度があり、「この人やこの作品にお金を投資したい」流れができていなければ、なかなか資金は集まりにくい傾向にあります。
おすすめの人
自分の知名度や関わる作品の認知度を活かして資金を集めたい人に向いています。
また、商品の開発を目的とした資金の調達では、魅力的な商品であることを動画などでアピールできれば資金は集まりやすいです。
資金調達方法④:ソーシャルレンディング
クラウドファンディングの一種で、「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれます。
投資家から資金を集め、資金を必要とする事業者に貸し付ける手法です。
メリット
資産価値が高い担保があれば、数億円もの金額が集まります。
また、資金を必要としているときでも匿名で融資が受けられるため、金融機関や取引先などに発覚しにくいです。
デメリット
融資時の金利は7パーセントから15パーセントと比較的高めです。
おすすめの人
不動産や債権を所有している人は担保や保証の代わりにすることで資金の調達が可能です。
ソーシャルレンディングなら中小企業でも一括返済の融資が受けられる
ソーシャルレンディングでは、中小企業であっても一定の期間は融資を受けるkとができます。
融資の期間が終了した後に、元本を一括して返済する形を取ります。
この「ソーシャルレンディング」について詳しく解説していきましょう!
ソーシャルレンディングの仕組み
ソーシャルレンディングはインターネット上で完結する融資です。
「第二種金融商品取引業事業者」登録を行っているソーシャルレンディング会社が、事業用の資金を必要とする企業と個人投資家をインターネット上で結びつける仕組みとなっています。
中小企業が必要とする金額に応じて募集額と金利を設定し、資金の運用期間などを含めて案件が構成されます。
案件は、
- 金利:〇パーセント
- 運用期間:〇ヶ月
といった条件を盛込んだうえで投資家に提示されます。
投資家は、その案件の内容に応じて投資の可否を判断します。
資金を集める企業にとっては、金融機関に頼らずにまとまった資金を調達できるというメリットがあるのです。
他の資金調達方法と比較した際のメリット
では、他の資金調達方法と比較した場合、ソーシャルレンディングにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ソーシャルレンディングを利用する場合は次の4つのメリットがあります。
メリット①:短期の返済に向いている
ソーシャルレンディングは、融資事務手数料が非常に低いです。
貸付金利の中に、各種の手数料が含まれているからです。
ソーシャルレンディング事業者によっては、融資金額の1パーセントから2パーセントしか営業者報酬を取らない会社もあります。
投資家への貸付金利は決して低くありませんが、短期に返済すれば支払う金利は少なくて済みます。
また、早期償還(予定よりも早く返済する場合)であっても、特に手数料は必要となりません。
短期的な資金調達、そして短期に返済できる見込みがある事業者にとってはメリットの大きい融資方法なのです。
メリット②:担保なしでも融資が受けられることがある
多くの資金調達の方法では、ほぼ担保が必須です。
ソーシャルレンディングでも担保を設定した方が有利で、資金が集まりやすいことに変わりありません。
しかし、必ずしも担保がなければ融資が受けられないわけではありません。
例えば、2ヶ月から3ヶ月といった非常に短い期間で返済が可能な場合、投資家はリスクが低いと感じます。
金利を高めに設定しておけば、資金を集めやすいのです。
「収益性のある事業を展開しているが、どうしても一時的に資金が足りない」といったような場合は、ソーシャルレンディングを利用するメリットが大きいのです。
メリット③:審査が早い
2社間でのファクタリングを除けば、融資を受けるには審査の時間が必要です。
一方で、ソーシャルレンディングでは担保にする不動産の鑑定書があれば、1日から3日ほどの短期間で審査が完了できるというメリットがあります。
審査が完了すれば、数日後には資金の募集が始まります。
そのため、1週間後にはまとまった額の融資が受けられることがあるのです。
メリット④:資金の集まりが早い
インターネット上で資金を集める方法としては、クラウドファンディングやベンチャーキャピタル、エンジェル投資などがあります
しかし、これらの資金調達の方法では、有力なフローが確立されていません。
クラウドファンディングは有名なサイトもありますが、必要な資金が集まるまでに数ヶ月を要することがあります。
しかし、ソーシャルレンディングには投資家から巨額の資金を集めるだけの有力なサイトが複数あり、中にはわずか数10分ほどで数億円もの資金を集めることのできるサイトもあります。
そのため、多額の融資が受けられる可能性は高いのです。
ソーシャルレンディングはこんな人におすすめの資金調達方法
これまで、ソーシャルレンディングのメリットについて詳しくお伝えしました。
では、どういった人がソーシャルレンディングで資金を調達することに向いているのでしょうか?
次の3つに当てはまる方にはおすすめの方法です。
おすすめ①:不動産の購入資金が欲しい方
ソーシャルレンディングは、不動産の購入用の資金として利用されることが最も多いです。
特筆すべきは、購入予定の不動産そのものを担保に設定できる点です。
不動産担保が設定されている案件は、投資家からの人気も高いです。
そのため、資金が集まりやすいのです。
おすすめ②:短期的な転売が見込める事業のある方
ソーシャルレンディングは、融資を受ける際の貸付金利がやや高めです。
しかし、早期の返済が自由であるメリットがあるため、短期での転売を見込んだ事業を計画している方には利用しやすい資金調達方法です。
おすすめ③:資産価値が低い不動産担保を持っている方
不動産を担保とするローンには、不動産担保ローンがあります。
不動産担保ローンの場合は、担保とする不動産の価値が厳しくチェックされ、売却できることが重要であるため、東京の都心にある不動産でないと融資額が大きくならないケースが多いです。
一方、ソーシャルレンディングの場合は不動産担保ローンほど不動産の価値はチェックされません。
そのため、都心の一等地の不動産以外であっても担保として設定することができ、融資を受けることができるのです。
まとまった評価額の不動産を持っていれば、それを担保にして融資を受けられます。
ソーシャルレンディングでお金を借りる方法
それでは、ソーシャルレンディングで資金調達をするにはどういう流れを踏めば良いのでしょうか?
5つのステップに分けて解説していきます。
ステップ①:ソーシャルレンディング会社の与信審査を受ける
まず、自社に返済能力があるのか、どのような事業で返済を行なっていくのかについて、ソーシャルレンディング会社の審査を受けます。
資金を調達の直前ではなく、前もって行うことで資金調達までの時間を短縮できます。
ステップ②:融資を受けたい金額や返済条件を申請する
資金調達の必要が出てきた場合、ソーシャルレンディング会社に案件を組成してもらいます。
金利や返済期間といった条件を設定して申請します。
投資家からお金が集まりやすいのは、短期返済、高金利、担保や保証が手厚い案件です。
ステップ③:担保や保証の内容を伝える
案件に対し、どのような担保や保証が設定できるのかを伝えます。
担保がない場合はその旨も伝えましょう。
また、融資時に投資家へ自分の企業情報を公開するかどうかもこの段階で決定します。
ステップ④:案件の募集が始まる
審査が下りれば、案件の募集が始まります。
ステップ⑤:集まった資金に応じて融資を受ける
無事にお金が集まれば、その資金の融資を受けることができます。
資金調達可能なソーシャルレンディング業者
ソーシャルレンディングのメリットや資金調達のステップについてお伝えしてきました。
しかし、国内には10社以上のソーシャルレンディング事業者があるため、どこを選べば良いか悩んでしまう方も多いでしょう。
そこで、資金調達に適した会社を4つピックアップして紹介していきます。
事業者①:SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは、国内で第2位の規模を誇るソーシャルレンディング会社です。
数億円規模のソーシャルレンディング案件を募集しても、あっという間に上限金額に達してしまうほどの人気があります。
多額の資金を調達したいという事業者向けです。
事業者②:Crowd Bank(クラウドバンク)
Crowd Bank(クラウドバンク)は、国内第3位の規模を誇るソーシャルレンディング会社です。
テレビCMを放映するなど、一般への知名度が高くなりつつあります。
クラウドバンクも投資家から人気があり、数千万円から数億円の案件を主に組成しています。
SBIソーシャルレンディングを利用するほどではないけれども、数千万円単位の資金調達が行いたい場合は、クラウドバンクに申し込んでみると良いでしょう。
事業者③:LENDEX(レンデックス)
LENDEX(レンデックス)は、不動産担保案件を主に取り扱うソーシャルレンディング会社です。
最近では、3ヶ月ほどの短期返済を前提に無担保案件を取り扱うこともあります。
無担保だけれども融資を受けたい場合は、レンデックスに相談してみると良いでしょう。
事業者④:Ownersbook(オーナーズブック)
Ownersbook(オーナーズブック)は、不動産担保付き案件を専門に扱うソーシャルレンディング会社です。
株式会社ロードスターキャピタルが運営しているサービスです。
金利は4パーセントから6パーセントであるため投資家にとっては低めですが、東証マザーズ上場企業ということもあり投資家からの信頼を得ています。
あまり高い金利で資金調達をしたくないというときは、オーナーズブックに相談してみましょう!
まとめ
資金調達の方法は多種多様です。
最も低金利で融資が受けられるのは銀行です。
銀行から融資を受けられるくらい、社会的に信用がある会社を目指すべきでしょう。
それ以外の資金調達の方法は、基本的には次の選択肢として考えましょう。
最近では、ソーシャルレンディングで資金調達をする企業が増えています。
ソーシャルレンディングは、半年から1年での一時的な資金調達を行うときに大変に適した資金調達の手段です。
長期は銀行、短期はソーシャルレンディングというそれぞれの特性を活かし、併用して資金調達することを検討してみてはいかがでしょうか?
なお、資金調達に関するご相談は下の問い合わせフォームから受け付けています。
必要事項にご記入してお送り頂ければ幸いです。