日本には20社以上のソーシャルレンディング会社があります。
その中で、「これまで目立った問題を起こしていない」または、「貸し倒れ(デフォルト)を発生させていない」という会社は、かなり減ってしまいました。
maneo(マネオ)、SBIソーシャルレンディングといった大手ソーシャルレンディング会社でも、2018年に貸し倒れが発生。
投資家としては実績重視で投資先を選ぶ場合は、できるだけ貸し倒れ起こしていない会社を選びたいと思う人も多いでしょう。
今回は、これまでの実績を見ながら、1年以上の運営実績がある会社の中で、貸し倒れ起こしていない会社を紹介していきたいと思います。
目次
①オーナーズブック
ロードスターキャピタルが運営するオーナーズブックは、4年以上のソーシャルレンディング募集実績を持っていますが、一度もこれまで貸し倒れ起こしたことがありません。
2017年に東証マザーズ上場を果たしたロードスターキャピタルには、不動産のプロフェッショナル社員が揃っています。
投資案件を見ると、無理のない価格帯の金利など、投資家安全保護を考えていることが取り組みが伝わってきます。
それだけに非常に堅実な運営をしていると見られます。
②Crowd Bank(クラウドバンク)
ソーシャルレンディングの累計報酬実績第3位のクラウドバンク。
この会社は、問題起こしていないのかというとそれのようなことはないです
2015年と2017年に2度の行政処分を受けています。
ただし、貸し倒れ時代を発生させたことはなく、投資家の利益を守ることは貫いています。
行政処分を受けた後、事業を立て直したその手腕は見るべきものがあると言えます。
③LCレンディング
出典:LCレンディング
maneoのシステムを利用して、ソーシャルレンディング募集を行っているLCレンディング。
LCレンディングの親会社LCホールディングスは、東証一部上昇企業です。
それだけに、高いコンプライアンス遵守精神などを見込める会社となっています。
ただし、LCレンディングはLCグループの中の資金調達部門であり、融資先は主にグループ内となっています。
その点は「ラッキーバンク」と同様ですので、注意しておいた方が良いかもしれません。
また、maneo(マネオ)が第二種金融商品取引業免許を剥奪された場合、LCレンディングは資金募集ができなくなってしまう点にも要注意です。
④LENDEX(レンデックス)
2017年からソーシャルレンディング事業に進出したレンデックス。
累計報酬金額は14億円ほどと、あまり大きなソーシャルレンディング会社でありません。
しかし、堅実に募集と返済を繰り返しています。
ただ、2018年の決算は赤字であり、社長も交代したばかりとやや現在の状況は見通しが良いとは言えません。
投資家への情報開示や投資家対応が早いことで定評があるので、今後の対応に注目したいところです。
⑤さくらソーシャルレンディング
出典:さくらソーシャルレンディング
さくらソーシャルレンディングも、maneo(マネオ)のシステムを利用しているソーシャルレンディング会社の1つです。
同社の募集実績は30億円以上あまり。
そこまで金額は大きくはありませんが、着実に堅実にソーシャルレンディング事業の運営に取り組んでいます。
また、診療債権報酬関係の募集を行っており、非常に手堅いファンドに投資できることが特徴と言えるでしょう。
maneoファミリーというリスクはありますが、さくらソーシャルレンディング自体の運営に大きな問題は現時点では見られません。
⑥アップルバンク
出典:アップルバンク
アップルバンクもmaneo(マネオ)のソーシャルレンディング募集システムを利用している会社です。
給与前借りファンドという特徴的なファンドを組成しているとおり、30億円以上の募集実績を持っています。
ただし、2019年に入って案件の募集が行われていないため、現在は事業停止状態にあるのは当社とした不安の残るところでしょう。
案件の募集、そして貸付が行われないと、ソーシャルレンディング会社は利益を得る手段がなくなってしまいます。
どうしても倒産リスクを気にしなければいけません。
⑦スマートレンド
出典:スマートレンド
スマートレンドも、maneo(マネオ)のシステムを利用しているソーシャルレンディング会社です。
特徴としては、香港の金融機関に対する案件を多数取り扱っており、金利も10パーセントを超えるものが提供されていることです。
10パーセントを超える案件を提供していたソーシャルレンディング会社が現在募集停止状態にほぼ追い込まれていることを考えると、スマートレントはわずかか高金利案件に投資できるソーシャルレンディング会社と言えます。
香港の案件は国内の貸金業法の制限を受けないため、高金利を設定できるがためにこのような高金利を提供できていると考えられます。
ただし、maneo(マネオ)のシステムを利用している以上、やはりmaneoが第二種業免許を「ラッキーバンク」のように剥奪されてしまえば、資金募集ができなくなってしまいます。
⑧アメリカンファンディング
出典:アメリカンファンディング
アメリカンファンディングもmaneo(マネオ)のシステムを利用して募集を行っているソーシャルレンディング会社です。
名前のとおり、アメリカの案件を専門に取り扱っており、「ガイアファンディング」と同様にアメリカの不動産案件に投資したい人向けのソーシャルレンディング会社です。
ガイアファンディングは現在遅延が大量発生しており、投資家にお金を返済できていません。
それだけに似たような性質を持っているアメリカンファンディングに不安の目が行くのは投資家心理としては仕方のないところでしょう。
募集実績は着実に積み重ねていますが、金利の高さやmaneoのシステムを利用している会社であるというリスクはきちんと知っておくべきです。
⑨クラウドリアルティ
出典:クラウドリアルティ
クラウドリアルティは、2017年から案件の募集を行っていますが、累計の募集実績は十数件程度とあまり大きな会社ではありません。
案件の内容としては個性的なものがあり、
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- 保育所に対する投資ファンド
- コワーキングスペースに対する投資ファンド
- 民泊事業者に対する投資ファンド
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などがあります。
さまざまな事業に投資することができるのが同社のメリットと言えます。
また、他社のシステムを利用しておらず、自社で第二種金融商品取引業免許を取得している点も、いまとなってはメリットに数えられるポイントのひとつです。
2019年の募集実績はわずかであり、金額もあまり大きくないため自分が投資したい時にすぐに投資できる会社と言えない点は、投資家にとってはマイナスかもしれません。
重要なことは貸し倒れが起きた際の対応
これまで、貸し倒れを発生させていない9つのソーシャルレンディング事業会社を取り上げてきました。
この他にも、運営実績がやや約1年ほどである「サムライ」、そして「プレリートファンド」なども貸し倒れを発生させていません。
また、今年2019年に入ってからサービスを開始したばかりの「Funds」なども注目するべき企業の一つと言えます。
投資家としてリスク回避のために気にかけるのは、貸し倒れを発生させていないという点だけではなく、「貸し倒れが発生したときにどのようにリカバリしたか」という点が重要になってくるでしょう。
「SBIソーシャルレンディング」は貸し倒れ発生したものの、短期間で担保を売却し、投資家に8割から9割のお金を返済することに成功しています。
投資を行うときは、会社としての投資家に対する真摯な姿勢を重視するべきです。