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かつてソーシャルレンディングが「やばい」と言われていた理由
ソーシャルレンディングは1万円という少額から投資を始めることができ、かつ、定期的に不労所得を受け取ることができる投資手法として人気があります。
しかし、かつてのソーシャルレンディング投資でさまざまな問題が発生し、「ソーシャルレンディング投資はやばい」と、投資家から言われていた時代がありました。
では、かつてのソーシャルレンディング投資はなぜ「やばい」と言われていたのでしょうか?
「やばい」と言われていた理由を知っておき、ソーシャルレンディング投資に伴うリスクに備えましょう。
そうすれば、ソーシャルレンディング投資で損失を防ぐための対策を立てることができるようになります。
理由①:行政処分を受ける会社が多くあったから
2017年から2018年にかけ、ソーシャルレンディングを運営する会社が金融庁財務局から行政処分を受けたことがありました。
行政処分が下ったということは、ソーシャルレンディング会社の営業体制や投資家に対する姿勢に何らかの問題があったからに他なりません。
つまり、ソーシャルレンディングを運営していた会社の中には、投資家に対して不正行為を働くような会社があったのです。
では、具体的にどのような不正行為だったかというと、ポイントは次の3点です。
- 担保価値の査定がいい加減だった
- 親会社に限って融資していた
- 社長が資金を流用していた
それぞれについて詳しく解説しましょう。
1. 担保価値の査定がいい加減だった
ソーシャルレンディングで会社に事業用の資金を貸す場合、返済できなくなったときのために担保を設定することが多いです。
この担保の査定がいい加減だった会社が行政処分を受けました。
貸金以上の価値を持つ不動産担保の存在を投資家に伝えながらも、担保の査定は不動産鑑定士が行ったものではなく、会社がいい加減な基準に基づいて査定したものだったのです。
実際に貸し倒れが発生した際に担保を売却したものの、投資家には満額どころか、募集額の3割ほどしか返金できなかったという事例がありました。
2. ほとんどの案件が親会社への融資だった
親会社に限って融資していたことが問題になり、行政処分を受けたソーシャルレンディング会社もありました。
では、なぜ親会社への融資は問題なのでしょうか?
それは、力関係や資本関係で資金の回収が困難になるからです。
子会社が親会社に貸し付けを行っても、無理に返済を迫ることは力の関係上困難です。
また、借金を回収して親会社が倒産してしまえば、子会社であるソーシャルレンディング会社も倒産する可能性が高くなります。
いずれにせよ、結果的に損するのはソーシャルレンディングの投資家です。
3. 社長が資金を流用していた
まったくをもって論外なのですが、ソーシャルレンディング会社の社長がソーシャルレンディングを通じて集めたお金を個人的な借金の返済に利用していたことがありました。
資金を用途以外に使うことは投資家との契約に違反することであり、詐欺行為に他なりません。
当然、行政処分を受けました。
理由②:大幅な遅延が発生しているがあるから
ソーシャルレンディング会社の中には、大規模な返済遅延を発生させた会社がありました。
その結果、2020年2月末現在、いまだに多くの投資家は返済されず資金が拘束されています。
これも、ソーシャルレンディングがやばいと言われる理由の一つです。
ソーシャルレンディングはそれぞれの案件で運用期間が決まっており、運用が終了すれば投資家に対してお金が返済されます。
しかし、ソーシャルレンディング会社の中には、運用期間が終了しても投資家にお金を返済していない会社があるのです。
それゆえ、「ソーシャルレンディング投資は危険度が高い」などの声が上がっていたのです。
理由③:貸し倒れで投資家の損失が相次いだから
返済遅延だけであれば、いずれお金が満額で返済される可能性はあります。
しかし、貸し倒れを発生させてしまったソーシャルレンディング会社もあります。
そうなると、投資家の損失は甚大なものになります。
それゆえ、ソーシャルレンディング投資は「やばい」と言われたのです。
貸し倒れが一つの案件だけであれば、投資に伴うリスクとして許容できることもあるでしょう。
しかし、ソーシャルレンディング会社の中には、運用していたすべての案件で一斉に貸し倒れが発生してしまったこともあるのです。
しかも、すべての案件が一斉に貸し倒れになった理由が明らか担っていない会社が複数あります。
そのため、「自転車操業をしていた」などの憶測の声が、投資家から上がっています。
どんな理由にせよ、すべての案件が一斉に貸し倒れる事態は、正しい運用を行っていれば起こり得ないことです。
理由④:投資家から訴訟されている会社があるから
ソーシャルレンディング会社が行政処分を受けた事実を先にお伝えしましたが、投資家から訴訟を受けている会社もあります。
投資家から訴訟を受けるということは、投資家に対して何らかの不正行為をしたからです。
ウェブサイト上で投資家に説明した内容のとおりにソーシャルレンディング案件を運用していれば、投資家から訴訟を受けることはなかったはずです。
しかし、ソーシャルレンディング会社の中には社長が資金を流用したり、投資案件の実情が確認できなかったり、投資家に提示した内容が虚偽であった事実が発覚しました。
さらには、問題が起きた後に誠意ある顧客対応に努めるどころか、オフィスを勝手に畳んで社長が雲隠れしてしまった会社もあるのです。
そのような理由から、ソーシャルレンディング会社の中には訴訟を受けているところがあります。
訴訟を受けるような会社は、間違いなくやばい会社です。
やばいと言われたソーシャルレンディング会社の特徴
投資家から「やばい」と呼ばれているソーシャルレンディング会社には、共通する特徴がありました。
どういった会社が問題を起こし、「やばい」などの悪評を受けているのでしょうか?
特徴①:案件の利回りが高い
やばいと言われたソーシャルレンディング会社の多くは、提供している案件が10パーセントほどと非常に高い年間予定利回りを投資家に提示していました。
その高利回りを提供するために、無理な営業を行っていたのです。
その結果、高利回りを続けることができず、営業停止に陥りました。
一見すると、利回り10パーセントは大いに魅力的に映ります。
例えば、投資信託の平均的な利回りは4パーセントほどであるため、10パーセントがいかに高い利回りかわかるでしょう。
ソーシャルレンディングは、貸付時の金利を投資家に分配するという仕組みです。
つまり、利回りが10パーセントの案件は、利回り10パーセント以上の金利で会社に貸し付けているということです。
それだけの高金利を設定していると、貸付先から返済が行われない可能性は高いです。
その結果、融資先の貸し倒れや返済遅延が起こる可能性も高くなるのです。
結局、この高い利回りは無理のある運用スキームの上に成り立つものであり、投資家を呼び寄せるために設定したものだったと言えます。
最終的に、利回り10パーセントほどの案件を提供していたソーシャルレンディング会社のほとんどは貸し倒れや返済遅延を発生させ、2020年現在2月末現在営業停止状態に陥っています。
特徴②:融資先が明らかではない
ソーシャルレンディングではお金を貸して金利収入を得ますが、融資先の会社名は2019年3月まで匿名化されていました。
その匿名性を都合よく利用していたソーシャルレンディング会社は、「やばい」会社と言える存在だったのです。
匿名であるため、投資家はどういった会社に貸付を行っているかわかりません。
そこで、匿名性を悪用し、資金回収が難しい会社への融資や、中には架空の会社への融資を行っていたソーシャルレンディング会社がありました。
後者は、運用スキームの欠陥以前にほぼ詐欺です。
投資家が融資先の会社を確認できないソーシャルレンディング案件は危険性をはらんでいます。
特徴③:キャンペーンを乱発していた
「やばい」と言われたソーシャルレンディング会社の中には、投資家を集めるために「利回りアップ」や「キャッシュバックキャンペーン」などの販促活動を乱発していた会社もありました。
しかし、そのようなことを続ければ会社の資金繰りは悪化し、いずれ倒産に至ってもおかしくありません。
そういった会社は、ソーシャルレンディングサイトの運営開始から1年も経たないうちに金融庁から行政処分を受け、実際に営業停止の状態に陥りました。
もちろん、顧客獲得のためのキャンペーン自体に問題はありません。
しかし、キャンペーンとは名ばかりに、常時開催する「10万円の投資額に対して5,000円のキャッシュバック」など、法外と言えるほどに特典が大盤振る舞いだったのです。
高利回りと同じくキャンペーンによる現金バラマキも、危険度の高いソーシャルレンディング会社の特徴です。
特徴④:社員数が少ない
社員数が少ない会社も、「やばい」と言われる理由の一つです。
人数が少ないと、顧客対応や貸し倒れ時に回収を行う人員がいません。
また、社員数が少なければ会社を容易に畳むことができ、いつでも簡単に姿をくらますことができてしまうのです。
ソーシャルレンディング会社の中には、投資家が会社の住所の事務所に押しかけたら、机があるだけでほぼもぬけの空だったことも実際にありました。
会社としての体を成していないソーシャルレンディング会社は危険です。
特徴⑤:maneoのシステムを利用していた
2020年2月末現在営業停止中のmaneoマーケット株式会社は、ソーシャルレンディング投資のシステムをさまざまな会社に提供していました。
ソーシャルレンディング事業を行うためには、金融庁への「第二種金融商品登録」が必要です。
しかし、事業の登録には金融庁のさまざまな審査を通過する必要があり、時間・資金・人員ともに必要となります。
そこで、maneoマーケット株式会社は、手軽にソーシャルレンディング事業を営みたい会社に自社のソーシャルレンディングシステムを貸していました。
システムを借りれば、書類上は第二種金融商品取引業登録を行っていない会社でもソーシャルレンディング事業が行えたのです。
最盛期は、このシステムの利用社数は12社にものぼりました。
しかし、第二種金融商品取引業登録を行っていないソーシャルレンディング会社は社員数が少なく、実態はほぼペーパーカンパニーという会社もありました。
そのため、貸し倒れや返済遅延が起きても資金回収が進まず、投資家が損失を被ってしまったのです。
2020年現在もソーシャルレンディングはやばい?
2020年現在も、ソーシャルレンディング投資は投資家から「やばい」という評判を受けているのでしょうか?
実は、そんなことはありません。
現在は、ソーシャルレンディング投資の問題点が見直されたことにより、各社が投資家保護のための対策に力を入れています。
では、最近の傾向をお伝えしましょう。
傾向①:匿名化解除で融資先の名前は明らかにされるようになっている
ソーシャルレンディングの数々の問題を引き起こした背景には、融資先の匿名がありました。
その問題を見て、金融庁財務局は2019年3月に匿名化解除の方針を打ち出しました。
融資先の名前が明らかになれば、投資家が融資先の会社名を確認し、「この会社は倒産寸前だから投資することはやめよう」「この会社はソーシャルレンディング会社の親会社だから資金回収に問題がある」などの情報を集めることができ、投資の是非を判断できるようになったのです。
ソーシャルレンディング会社側でも、積極的に融資先の社名を公開するようにしています。
情報の開示性が高まったことにより、投資家がリスクを自分できちんと把握しながら投資できるようになったのです。
傾向②:金利は低下傾向にある
投資家に提供される案件の利回りは、低下傾向にあります。
そのため、貸し倒れが起きにくくなっています。
利回り10パーセント以上の案件を提供する会社が多かったころは、ソーシャルレンディング業界全体で見た時の平均利回りは8パーセントほどでした。
しかし、現在は3パーセントから6パーセントほどの利回りの案件が多くなり、業界の平均的な利回りは5パーセント弱です。
収益性こそ低下しましたが、投資家の利回りが下がればソーシャルレンディング会社が融資するときの金利も下がります。
かつては、無理に高金利で貸し付けた結果、融資先から回収できなくなって貸し倒れが頻発しました。
そのことを考えれば、収益性が下がってでもしっかりと資金を回収できる案件が好まれるようになっているのです。
結果として、ソーシャルレンディング業界では2019年・2020年とも、ほぼ貸し倒れが発生していません。
傾向③:上場企業への融資を専門とする会社が現れている
ソーシャルレンディングの融資先が、上場企業のように会社としての信用を重視する会社であれば、資金を回収できない可能性は低くなります。
それは、上場企業は信用を損なえば、株価などに大きなダメージを負ってしまうからです。
そういった「回収の確実性」を考えて、融資先を上場企業に限定しているソーシャルレンディング会社が登場しました。
もし、上場企業がソーシャルレンディングで借りたお金を返済できなければ、「この会社は資金繰りに余裕がないのだな」などの悪評が株主や取引先から立ってしまいます。
そうなると株価にも影響しますし、取引先から大丈夫かと思われて取引を打ち切られることもあります。
それゆえ、上場企業は評判の毀損を避けるため、確実に返済を行ってくれる可能性が高いです。
傾向④:さまざまな情報が開示されるようになっている
匿名化の解除によって、融資先の社名だけではなくそれに付随してさまざまな情報も開示されるようになっています。
ポイントとしては、次のようなものが具体的に挙げられます。
1. ソーシャルレンディング会社の人的および資本的な関係
先に挙げたように、ソーシャルレンディングで問題を起こした会社の中には、親会社に融資を行った会社がありました。
そこで、ソーシャルレンディング会社では
- 融資先とは資本面や人材面で無関係であること
- 資金の回収時に障害がないこと
を明示するようになったのです。
2. 担保の不動産の詳細
担保にした不動産の評価がいい加減であった結果、投資家に対して満足に資金を返済できない会社が出てきました。
かつての事例を教訓としたソーシャルレンディング会社は、担保に設定した不動産の住所や面積、事業内容などを公開する会社が現れています。
こういった情報が公開されていれば、投資家の方で不動産の収益性や市場での価値を計算できます。
担保の価値が募集金額に等しいか把握できれば、安心して投資できるでしょう。
また、貸し付けを受ける会社は、ソーシャルレンディングで資金調達を行う目的や資金の用途について詳細に公開するようになっています。
投資家にきちんとした情報を提供することで、投資前に自己判断でリスクを把握できるようになって欲しいと考えるソーシャルレンディング会社が増えているのです。
投資しても良いソーシャルレンディング会社
2020年2月末現在、日本では10社以上のソーシャルレンディング会社が営業を行っています。
それらの会社の中から、投資家保護の取り組みを行うなど、投資において比較的リスクが低いソーシャルレンディング事業者を6社紹介しましょう。
SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは、国内でも知名度の高い金融グループ「SBIグループ」に属してるソーシャルレンディング会社です。
SBIソーシャルレンディングに投資をしても良いと言える理由は、次の2つです。
- 親会社が上場している
- デフォルト発生時の対応力の高さ
SBIソーシャルレンディングの親会社であるSBIホールディングスは、東証一部上場企業です。
それゆえ、子会社のSBIソーシャルレンディングが問題を起こせば、その悪評は親会社のSBIホールディングスの株価に影響します。
SBIソーシャルレンディングの問題は、自社だけの問題だけではなく親会社や関連会社の問題にも発展するのです。
それだけに、投資家に不利益をもたらすような不正行為のリスクは非常に大きく、そのような行為を行うことは考えにくいのです。
また、SBIソーシャルレンディングは1,300億円以上の募集実績を持っています。
それだけに、僅かですが過去には貸し倒れを発生させたことがありました。
ここで「SBIソーシャルレンディングは貸し倒れを起こしたから危険!」と判断するのは早いです。
貸し倒れを起こした後、SBIソーシャルレンディングは速やかにその内容を投資家に告知し、担保不動産を売却、1ヶ月後には投資家に投資金額の90パーセント以上を返済しました。
それまでの分配金問わせれば、投資家の損失はほぼなかったと言えます。
この貸し倒れ時の対応の速さ、不動産担保の担保価値の正確さにより、SBIソーシャルレンディングは投資家に対し、「貸し倒れが起きてもも大きな損失にはつながらない」ことを証明してみせたのです。
貸し倒れは、投資である以上いつ起こってもおかしくないもの。
SBIソーシャルレンディングであれば、貸し倒れ発生時でも投資家の損失はそこまで大きなものにはならなかったのです。
それゆえ、投資しても資産の保全性が高いと言えます。
OwnersBook(オーナーズブック)
オーナーズブックは、東証マザーズ上場企業の株式会社ロードスターキャピタルが運営するソーシャルレンディングサイトです。
オーナーズブックに投資しても良いと言える理由は、運営会社が上場しているからです。
まず、株式上場時には証券取引所に次のような項目を審査されます。
- 財務状況
- 反社会勢力との交際
- 監査体制
- 業務遂行能力
上場済みの企業は、こういった審査基準を突破しているため倒産しにくいですし、投資家に不正な行為をする確率も低いです。
それゆえ、初心者がローリスクで投資できるのです。
また、運営元が上場しているため、不正行為や投資家への不利益を招く行為を行うと、その悪評が株価に影響します。
僅かな利益のための不正行為を働いたばかりに、ロードスターキャピタル株式会社の株価が大きく低迷したり、取引先の信用を失うことになるのです。
そのようなリスクがあるため、オーナーズブックおよびロードスターキャピタル株式会社は不正行為に手を染める可能性が非常に低いと言えます。
Crowd Credit(クラウドクレジット)
クラウドクレジットは、海外案件を専門とするソーシャルレンディング会社です。
同社への投資をおすすめする理由は次の2点です。
- 情報の開示性が高い
- 簡単に分散投資できる
クラウドクレジットは、貸し倒れ率自体は高いです。
しかし、なぜ貸し倒れが起きたのか、その理由や回収の状況を逐一報告してくれます。
また、投資家に対してソーシャルレンディング投資は必ず貸し倒れが起こるものとして、分散投資を訴求しています。
過去、多くのソーシャルレンディング会社はリスクが低く、安全に投資できると投資家に伝えていました。
しかし、クラウドクレジットはその時期から「ソーシャルレンディング投資は安全ではない。必ず分散投資を!」と謳っていたのです。
融資先の開示等も積極的に行っています。
さらに、分散投資を提唱しているだけに、煩わしい分散投資を簡単にできる独自の仕組みである「ファンドパッケージ案件」構築しました。
ファンドパッケージ案件は国や融資先の事業などがバラバラな複数の案件が合成されています。
1案件に投資をすれば、簡単に複数の案件に投資したのと同じ効果が生まれます。
また、セミナーなどの主催も積極的に行っており、投資家の方向を向いた情報発信を行っている点も信頼に足るでしょう。
LENDEX(レンデックス)
レンデックスは、不動産担保付き案件を中心に扱うソーシャルレンディング会社です。
レンデックスをおすすめできる理由は、担保価値の審査を第三者の審査のもと入念に行っているからです。
ソーシャルレンディングでは、貸倒れが発生したときに担保を処分して投資家に資金を返済します。
しかし、その担保の価値が低ければ投資家に満足に資金を返済できず、投資家は大きな損失を被ります。
そこで、レンデックスは二重の担保価値の審査を行うことで、正確な担保価値を算出しています。
まずレンデックスの社内基準による審査を行い、次に東急リバブルや不動産鑑定士など、資本関係のない第三者にも不動産価格の算出を依頼しています。
そして、その2つの担保価格を比較し、低い数字を採用しているのです。
さらに、その担保になる不動産価格の8割までしか融資しません。
例えば、不動産A物件に対し、
- レンデックス:1億円
- 東急リバブル:9,000万円
と審査した場合を考えてみましょう。
東急リバブルの方が9,000万円と小さいためこちらの担保価格を採用し、
- 9,000万円×80%=7,200万円
しか融資しないのです。
そのため、万が一貸し倒れが起きても資金の大半を回収を見込めるのです。
投資家が損失を被る可能性を、抑える取り組みに注力している会社です。
Funds(ファンズ)
出典:Funds(ファンズ)
ファンズは、2019年1月に運営を開始した比較的新しいソーシャルレンディングサイトです。
ファンズは融資先の企業を上場企業や、ベンチャーキャピタルから出資を受けている有力なベンチャー企業に限定しています。
上場企業やベンチャーキャピタルから出資を受けているということは、資本力があり簡単には倒産しないと考えられます。
また、もしファンズを通じて調達した資金を返済できなければ、「あの会社はお金を返済するほどの余裕がない」という事実が世間に露呈し、信用問題や株価の毀損を招きかねません。
そのため、ファンズを通じて資金調達した会社からお金が返済される可能性は高いのです。
また、投資家への利回りは3パーセント前後の案件が多いです。
収益性は低いですが、利回りが低い分貸付金利が低く、返済されないリスクが軽減されています。
CRE Funding
出典:CRE Funding
CRE Fundingは、2020年2月に運営を開始したばかりのソーシャルレンディングサイトです。
fuel株式会社のソーシャルレンディングプラットフォームを利用しています。
CRE Fundingの運営元は、東証一部上場企業である株式会社シーアールイーです。
ソーシャルレンディングサイトの中で、運営元の会社そのものが東証一部上場企業なのはCRE Fundingだけです。
ソーシャルレンディングプラットフォームを利用していますが、株式会社シーアールイーはmaneoのシステムを利用していた会社とは異なり、大きなオフィスを構え多くの社員がいる会社です。
もちろん、株式上場時の審査も通過しています。
上場企業がなぜ信頼できる投資先であるのか、その理由は再三お伝えしてきましたが、CRE Fundingは特に信頼性の高い会社が運営してるソーシャルレンディングサイトと言えます。
また、自社が取得している倉庫などの不動産をソーシャルレンディング案件の運用に利用しています。
自社物件だけに、運用される物件の情報は細かく説明されており、情報開示面にも優れています。
今後が気になるソーシャルレンディングサイトだと言えるでしょう。
まとめ
ソーシャルレンディング投資がかつて、投資家から「やばい」と言われていたことは紛れもない事実です。
特に、ソーシャルレンディングでは融資先の匿名性を利用して不正な行為をする会社が数多く現れました。
しかし、そういった問題を受けて、金融庁はもちろん投資家が納得した上で投資できるよう、2020年現在ではソーシャルレンディング会社側も積極的に情報を公開するようになっています。
ソーシャルレンディング会社側も、ソーシャルレンディングが健全な投資先として多くの投資家に親しまれることを切望しているのです。
ハイリターンである投資には高いリスクが伴うもの。
ソーシャルレンディングでも、無理して高い利回りの案件から投資を始めるのではなく、利回りが低いけれど同時にリスクも低い案件から投資を始めるようにしましょう。
そうすれば損失の可能性を抑えつつ、ソーシャルレンディング投資の経験を積むことができます。
そして、その過程でしっかりと情報の収集と分析を行う習慣を身につければ、ソーシャルレンディング投資で安定して利益を得ることも難しくないでしょう。
ソーシャルレンディングでの投資を始める前に、もう少し詳しく知りたいという方は、こちらがおすすめです。