「不動産投資」というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
何千万円、何億円もの初期費用を使って大きく儲けるというようなイメージがある方も多いのではないでしょうか?
確かに、不動産投資は高額な資金が必要です。
しかし、近年はインターネットの普及により、個人が少額で不動産投資を始められる方法が登場しています。
この記事では、従来の現物不動産運用を行ってきた筆者が現物不動産投資のメリットとデメリットを解説。
そして、近年新たに登場して話題を集めている少額でできる不動産投資を紹介していきます。
目次
【体験談】中古不動産を少額で購入した経験
まずは、筆者のプロフィールと中古不動産を少額で購入した体験談を紹介していきましょう。
筆者プロフィール
筆者は、北海道で2人の子育てをしながら投資利益と在宅ビジネスだけで生活している男性です。
現在は31歳ですが、2年前までは中小企業で営業職をしている年収300万円の一般的なサラリーマンでした。
副業で少額から不動産投資を行い、少しずつ資産と収入金額を増加させることに成功し脱サラ。
スキルなしの状態から脱サラした経験をもとに、個人の力で副業収入をアップさせたり、投資収入を上げるコツをお伝えしています。
中古アパートを少額で購入した体験談
筆者が中古アパートを少額で購入した体験談を紹介します。
元々不動産投資経験のなかった筆者は、不動産関連の知人からの紹介で老朽化し空室が増えていた築40年の中古アパートを見つけました。
見つけた時点では、そのアパートは売却に出されていた物件ではありませんでした。
しかし、空室が続いている状況にもかかわらず、高齢の所有者は「これ以上新しい入居者を募集しない」と情報をつかみました。
不動産は入居者がいなければ無収入となり、税金の支払いだけが発生します。
このまま経営する気がない所有者に任せるよりは、自分が買い取って運用できないだろうかと考えたのです。
- 購入後のリフォームで不動産の価値を取り戻すこと
- 自分で新しい入居者を探すこと
この2点を条件に、相場の半額以下の金額で購入できないか交渉し、成功しました。
この成功例は非常に珍しいケースで、空き家の少ない都心部ではなかなかできない取引ですが、地方物件であれば可能性がある少額不動産投資です。
物件所有者が個人の高齢者である場合、老朽化して空室のある不動産を誰かに管理して欲しいと考えている場合が多いです。
この体験談は、筆者が数少ないチャンスを少額で手にした一例ですが、もし地方で少額で買える中古不動産を探している方はこの体験談を参考にしてみてください。
一般的な不動産投資と少額でできる不動産投資の違い
一般的な不動産投資と少額不動産投資は、現物の不動産を個人で所有するかしないかが大きな違いです。
個人で不動産を購入して所有者となり、運用までを行うのが一般的な現物不動産の少額投資です。
一方で、この記事で紹介する少額不動産投資は、複数の投資家から資金を集めて一つの不動産に投資する場合が多い投資方法です。
投資家が個人で不動産を購入するわけではないため、不動産の現物を所有することにはなりません。
あくまで、個人投資家が不動産運用を始めたい企業に運用資金を支払う投資です。
不動産運用で得た利益は分配されるため個人投資家も収入を得ることができます。
- 関連サイト:ティー・フィック
少額で買える現物不動産投資のメリット
少額で買える現物不動産投資にはどのようなメリットがあるでしょうか?
不動産投資初心者は、少額で買える不動産から始めることが多いです。
まずは従来の現物を所有する不動産投資について理解していきましょう。
現物不動産投資のメリット
- 高利回りを目指せる
- 少ない資金で始められる
- リスクをコントロールしやすい
メリット①:高利回りを目指せる
少額で買える現物の不動産投資は、流通量が少ないため見つけることが非常に難しいです。
しかし、見つけて購入できれば比較的高利回りを目指せるメリットがあります。
相場よりも少額で買えて高利回りな現物不動産は、築年数の古い「中古アパート物件」や「中古戸建て物件」で見つけやすい傾向があります。
また、購入後のリフォームを自身で行ったり、管理会社を付けず自身で運営することで利回りを高く保つ方法もおすすめです。
メリット②:少ない資金で始められる
元手資金が少ない方であっても、不動産投資は始めやすいメリットがあります。
一般的な不動産投資は、数千万万円から数億円に達する場合もあり、金融機関からの融資を受けることが多いです。
しかし、少額で始めやすい中古戸建て物件などは数百万円から購入を目指すことが可能です。
数百万円であれば、会社員でも用意が可能な投資金額です。
少し頑張れば始められる少額の不動産投資は副業との相性も良いでしょう。
メリット③:リスクをコントロールしやすい
現物不動産を自分名義で所有することで、物件に関わるすべての管理を自分で行えるメリットがあります。
リフォームや修繕を最低限の出費に抑えることで、リスクは高まりますが利回りを高められます。
また、物件の細かな部分まで行き届いた修繕工事や設備投資を行う方法もあります。
修繕費は増加しますが、リスクを下げて確実な運用ができます。
このリスク管理ができる現物不動産投資は、自身ですべてのコントロールをしたい投資家にとって大きなメリットでしょう。
現物を所有せず、不動産会社に任せて運用してもらう少額の不動産投資では、投資後に個人がリスクをコントロールすることは難しくなっています。
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少額で買える現物不動産のデメリット・リスク
少額だとしても現物の不動産を所有することはデメリットもあります。
利回りの高さに薄れてしまいがちな3つのデメリットを解説していきます。
現物不動産のデメリット・リスク
- リフォームリスク
- 空室リスク
- 修繕リスク
デメリット①:リフォームリスク
リフォームリスクとは、購入後に老朽化が進んでいる物件を修繕しなければならないリスクのことです。
少額で購入できる現物不動産は、新築ではなく中古物件であることがほとんでしょう。
入居者が継続して住んでいる場合を除き、空室から新たに入居者を募集するためにはリフォームと修繕が必要です。
少額で不動産を買えたとしても老朽化が進み、リフォーム費用がかさんでしまうことで最終的に赤字になる可能性があります。
このデメリットに対応するには、事前の状態確認と物件の良し悪しを見極める経験が必要です。
デメリット②:空室リスク
空室リスクとは、購入した現物不動産に住んでいた入居者やテナントが退去し、空き部屋になることです。
一時的な空室はある程度予測できますが、空室後に長い期間入居者が続くことは経営難に陥る大きなデメリットです。
現物の不動産投資家がもっとも恐れているのがこの空室リスクです。
都心などの需要が高い物件は空室になるリスクが低いですが、地方物件は年々空室リスクが高まっています。
空室リスクへの対策として、購入前に周辺相場と価格がズレていないか確認することが有効です。
周辺の似た物件で空室がどのくらい発生しているかを確認することをおすすめします。
この相場チェックも、ある程度の不動産投資の知識が必要なため経験を積むまでは時間がかかるでしょう。
デメリット③:修繕リスク
少額で買える現物不動産は、建物のどこかに欠陥や故障箇所が見つかり、修繕工事が必要になるリスクがあります。
購入後に欠陥が見つかった場合、購入した所有者が修繕費を支払わなくてはなりません。
物件の契約内容によっては、事前に申告されなかった修繕費用を保証してもらう「瑕疵担保責任」がありますが、築年数の古い現物不動産では適用されない場合があります。
修繕リスクや支払いトラブルを未然に防ぐためには、契約内容をよく確認してから契約する必要があります。
不動産投資の初心者を標的に、修繕リスクの高い物件を少額ですすめてくる不動産会社も多いため注意してください。
不動産投資の経験がないのであれば、自身だけで購入を判断せず必ず詳しい方にアドバイスをもらうことをおすすめします。
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少額の現物不動産投資を初心者にはおすすめしない理由
少額で買える現物不動産投資は、初心者にも挑戦しやすく魅力的な投資に見えるかもしれません。
しかし、不動産投資経験のない初心者が行うにはあまりにもリスクが高い投資です。
ここからは、少額で買える現物不動産投資を初心者におすすめしない理由を2つ紹介します。
少額の現物不動産投資が初心者におすすめでない理由
- 空き家が増加していくから
- 経験と人脈が必要だから
理由①:空き家が増加していくから
今後の日本国内にある不動産では、空き家が増加していくことがほぼ確実です。
加えて人口が増加していくため、家が不要になり売却したいと考える所有者が増えます。
売却者が増え流通量が増えると、誰でも少額で不動産を買うチャンスが増えていきます。
それと同時に、家を借りたいという賃貸需要は減少していくのではないかと考えられています。
個人投資家が少額で購入できる現物不動産は、地方のアパートか一戸建て程度ですが、どちらも需要がなくなっていくでしょう。
今後も需要を維持できる不動産は、「都心部マンション」や「商業施設周り」の物件です。
現物不動産にこだわらず、少額で都心部の不動産に投資できる方法を考えるべきではないでしょうか。
後ほど紹介する、現物を所有しない少額不動産投資では「都心部マンション」など需要が見込める物件に投資可能となっています。
理由②:経験と人脈が必要だから
不動産業界で成功するためには、投資経験と同時に人脈が重要です。
なぜなら、不動産業界は情報が「オープン(開放的)」ではなく「クローズド(閉鎖的)」になっているからです。
インターネットでいくら調べても見つからない有益な情報が、一部の不動産投資家だけ知っているという状況が当たり前な業界なのです。
筆者も、地元の不動産関係者である知人から物件情報を仕入れたことで、投資初心者ながらに運良く成功できました。
筆者と同じように、もし自身に不動産投資の経験がない場合は、現物ではない方法で不動産投資の経験を積むことをおすすめします。
- 関連サイト:ティー・フィック
現物を買わずに少額でできる不動産投資
実際に現物の不動産を購入しなくても不動産投資は可能です。
ここからは、現物を買わずに少額で始められる不動産投資を紹介します。
現物を買わずに少額でできる不動産投資
- REIT(リート)
- 不動産投資型クラウドファンディング
REIT(リート)
REIT(リート)は、投資家から集めた資金で不動産に投資し、その運用利益を出資した投資家に分配する商品です。
購入方法や仕組みが投資信託と同じなので、「不動産投資信託」と呼ばれることもあります。
投資家は、特定の不動産に対して出資するのではなく、投資会社にお金を預けることで自分の代わりに不動産運用してもらいます。
不動産の知識が少ない投資初心者でも、運用判断をプロに任せられたり、好きなときにいつでも売買ができるメリットがあります。
一方で、リートは株式のように売買価格が毎日変動しています。
買った時よりも価格が上がるとその差額が利益になりますが、逆に価格が下がると損失になる可能性があるのがデメリットです。
また、手数料が高額になる場合があるため購入前に確認が必要です。
不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産運用をしたい企業が投資したい投資家からお金を集めて不動産投資を行う商品です。
REIT(リート)はプロにすべての運用を任せますが、不動産投資型クラウドファンディングはお金を預ける時点で投資先を選択できる点が異なります。
不動産投資型クラウドファンディングは、最低1万円と少額から不動産投資ができ、運用利益は配当として投資家に分けられます。
ただし、運用が上手くいかなかった場合に元本損失のリスクがあることも知っておく必要があります。
個人では購入できない都心部マンションなどの高額物件に投資できるメリットも大きいですが、利回りが5パーセントから10パーセントと高いことも人気を集めている理由です。
また、不動産投資型クラウドファンディングにはREIT(リート)のような価格変動がありません。
購入後の価格変動を気にすることなく分配を待つだけの投資なので、「不労所得」に限りなく近い収入を得ることができます。
不動産投資型クラウドファンディングは、比較的新しい投資なのでまだこれから人気が出てくると考えられています。
すでに、人気の案件によっては募集後に一瞬で投資枠が埋まってしまうことも多いです。
こちらで詳しく解説されているので、初めて知ったという方や詳しく知らないという方は一度チェックしておいた方が良いでしょう。
おすすめの不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングを提供している会社は1社だけではありません。
ここからは、数ある不動産投資型クラウドファンディング会社の中から、おすすめの会社を紹介していきます。
CREAL(クリアル)
出典:CREAL(クリアル)
CREAL(クリアル)は、東京に拠点を置く株式会社ブリッジ・シー・キャピタルが運営するサービスです。
最低投資金額は1口1万円から可能で、案件によって毎月配当を得られる場合もあります。
投資案件の詳細情報が公開されており、一般的なマンション以外にもホテルや学校など幅広く投資先を選択できます。
投資後の運用・管理手数料がかからないうえに、劣後出資の導入により10%までの価格下落リスクを軽減できる安心感があります。
さらに、投資先物件によっては投資家としての優待を受けられる制度があります。
FANTAS funding(ファンタスファンディング)
出典:ファンタスファンディング(FANTAS funding)
FANTAS funding(ファンタスファンディング)は、東京・大阪に拠点を置くFANTAS technology(ファンタク テクノロジー)株式会社が運営するサービスです。
1口1万円から投資可能で、最短4ヶ月からの短い運用期間の案件にも投資できることが他社とは差別化されるポイントです。
他の不動産投資型クラウドファンディングと比べて高利回りな案件が多く、利回り8パーセント以上のリターンを期待できます。
また、元本対策としてファンタスファンディングが案件全体の20パーセントを出資しているため、20パーセントを超える減額までは損失になりません。
投資家はリスクを抑えて運用することが可能でしょう。
Rimple(リンプル)
出典:Rimple(リンプル)
Rimple(リンプル)は、プロパティエージェント株式会社が運営する不動産型クラウドファンディングです。
東証一部上場企業として案件の量・質ともに安定性があります。
また、劣後出資の割合が高いことで企業としての信頼性を獲得しています。案件は主に都内物件を対象としている特徴があります。
他社のポイントを投資に使えることで、他のサービスとの差別化をはかっています。
Ownersbook(オーナーズブック)
Ownersbook(オーナーズブック)は、ロードキャピタル株式会社が運営する不動産型クラウドファンディングサイトです。
2014年からサービスが運営され、2017年に東証マザーズ上場しています。
1口1万円から投資が可能で、すべての案件が不動産関連という特徴があります。
Ownersbook(オーナーズブック)独自の機能として、応募が集中する案件では、申し込みに一部抽選制度を導入しています。
人気案件が、すぐに締め切りになることを防ぐための制度です。
まとめ
少額で現物不動産投資を行うメリットとデメリットから、新たに生まれた少額不動産投資まで幅広く解説してきました。
本来、不動産投資は多額の初期費用と覚悟を持って行う投資でした。
しかし、現在ではインターネットの普及により全国の投資家と不動産会社をつなぐことが可能になりました。
これにより、個人投資家が都内一等地にある不動産運用に関わることができるようになっています。
これからのトレンドは従来の現物不動産投資よりも、不動産投資型クラウドファンディングに傾いていくことは間違いないでしょう。
1万円から始められるので、まずは少額から試してみてください。