ソーシャルレンディングは利回りが高くて人気が上がってきている投資方法ですが、それに伴ってソーシャルレンディング会社の数も増えてきています。
似たような会社が多く、どれを選んだら良いのかわからない方も多いでしょう。
この記事では、利回りを重視する人やリスクの低さを重視する人など、さまざまなニーズに合ったソーシャルレンディング会社を紹介していきます。
ご自身に合った会社を見つけるためのヒントにしてみてください。
目次
筆者プロフィール
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持つ、金融機関出身の女性フリーライターです。
投資歴は4年、運用資産は1,000万円に突入し、毎月約2万円以上の不労所得が入ってくるようになりました。
読者の方々の老後の豊かな暮らしや早期リタイアをサポートするため、金融や投資の記事を多く執筆しています。
ソーシャルレンディングも使っており、不労所得のメインになっています。
人によってどの会社が合っているかは異なるので、ポイントごとにおすすめの会社をお伝えしていきましょう。
ソーシャルレンディング会社の比較表
項目ごとにソーシャルレンディング会社を比較してみましょう。
利回りや担保・保証などが異なるため、投資家が何を重視するかによって選ぶべき会社が異なります。
以下では、それぞれの比較ポイントごとにおすすめの会社を紹介していきます。
会社名 | 投資先の種類 | 利回り | 目安の最低投資額 | 担保・保証 | 運用期間 | 為替変動リスク | 貸し倒れ・遅延 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クラウドバンク | 国内外の企業等 | 7% | 1万円~ | あり | 1年~2年 | あり | あり |
SBIソーシャルレンディング | 国内外の企業等 | 2.5~10% | 1万円~ | あり | 1年程度 | あり | あり |
CRE Funding | 物流施設 | 3% | 1万円~ | あり | 9ヶ月~12ヶ月 | なし | なし |
クラウドクレジット | 海外の中小企業や個人等 | 3.9%~12% | 1万円 | あり | 1年~3年 | あり | あり |
オーナーズブック | 不動産 | 3.5~5% | 1万円 | あり | 1年~3年 | なし | あり |
クリアル | 不動産 | 3%~6.5% | 1万円 | あり | 1年~1.5年 | なし | なし |
レンデックス | 不動産 | 7%~10% | 2万円 | あり | 6か月~12ヶ月 | なし | なし |
ファンズ | 国内の上場企業 | 2% | 1円 | なし | 12ヶ月以下 | なし | なし |
高利回りを狙う人におすすめの会社
ソーシャルレンディングで狙える利回りは、5パーセントから10パーセントが目安です。
多くの会社では2パーセントから7パーセントとなっているのに対「CrowdCredit(クラウドクレジット)」や「LENDEX(レンデックス)」ではそれ以上の利回りを狙うことができるため、高利回りを狙いたい人におすすめです。
- Crowd Credit(クラウドクレジット)
- LENDEX(レンデックス)
Crowd Credit(クラウドクレジット)
Crowd Credit(クラウドクレジット)の利回りは、3.9%~12.0%が目安です。
その中でも8%~12%の高利回りな案件も豊富にあるので、高利回りな投資をしたい人におすすめのソーシャルレンディング会社です。
「3.9%~12.0%」を掲げていても、大半が3.9%あたりといったことはありません。
むしろ高利回りな案件の方が多く、ときどき中程度の利回りの案件が入るくらいです。
LENDEX(レンデックス)
LENDEX(レンデックス)も高い利回りの案件が掲載されているサイトです。
過去の募集ファンドを見ると、利回り7%~10%の案件が中心となっています。
融資額の大部分に担保が設定されているので、利回りが高いからといって一様にハイリスクなわけではありません。
担保の評価も自社の査定と第三者の査定で低い方を採用しており、担保の過大評価による貸し倒れを防ぐ仕組みができています。
最低投資額が小さい会社
投資をするときは、予算をすべて1つの案件につぎ込むのではなく、少しずつ複数の案件に分散投資しましょう。
もし1つの案件で貸し倒れなどの事故があっても、他の案件で利益が出ればダメージを減らせるからです。
分散投資するときに重要なポイントになるのが、1つの案件への最低投資額です。
最低投資額が小さいほどさまざまな案件に分散投資できるので、低リスクの運用ができます。
以下では、最低投資額が小さく資金面のハードルが低い会社を紹介していきます。
- Funds(ファンズ)
- CRE Funding
- Crowd Bank(クラウドバンク)
- CREAL(クリアル)
Funds(ファンズ)
引用:Funds(ファンズ)
Funds(ファンズ)は、1円から1円単位で投資できるソーシャルレンディングです。
業界で最も少額で投資できるので、100円や1,000円からソーシャルレンディングに投資したい人におすすめです。
利回りは2%前後の案件が多くなっています。
他の会社だと、最低投資額が低い会社でも1万円以上に設定されていることが多いです。
より少額で投資したいなら、Funds(ファンズ)を使って行きましょう。
CRE Funding
出典:CRE Funding
CRE Fundingは1万円から投資できるソーシャルレンディング会社です。
ただし、案件によっては最低投資額が1万円より高い金額に設定されていることもあるので、よく確認してから申し込みましょう。
CRE Fundingの案件は物流施設に特化しており、需要が景気に左右されにくいため、継続的な投資が期待できます。
利回りは3%前後と低めですが、保全性を重視する方におすすめです。
Crowd Bank(クラウドバンク)
Funds(ファンズ)は、国内の融資なら1万円から、海外への融資なら100ドル(1ドル=110円の場合、1万1,000円)から投資することができます。
海外にも投資できるサービスは少ないので、少額で海外投資を試したいならCrowd Bank(クラウドバンク)がおすすめです。
Crowd Bank(クラウドバンク)は平均利回りが7%前後なので、比較的高い利回りを狙うことができます。
他の最低投資額が少ない会社だと利回りも低い傾向があるので、少額で利回りの高い投資をしたいならCrowd Bank(クラウドバンク)がおすすめです。
CREAL(クリアル)
出典:CREAL(クリアル)
CREAL(クリアル)は不動産に特化したソーシャルレンディング会社です。
1万円から投資することができます。
従来の不動産投資は物件を購入して賃料をもらう方法であるため、物件を買うのに多額のローンを組むなど大変でした。
CREAL(クリアル)は不動産投資を小口に分けたようなサービスなので、1万円でも不動産投資に参加することができます。
利回りは3%~6.5%ほどの案件が多く、不動産投資としても標準的な水準です。
担保・保証が充実している会社
ソーシャルレンディングで元本割れのリスクを下げるためには、担保や保証を確認しましょう。
もし貸付先の企業が投資家に借りたお金を返せなくなったとき、担保を売却したり保証人が補填したりして、投資家にお金を返済するからです。
逆に言えば、担保や保証が十分でない案件は投資しない方が良いとも考えられます。
これから紹介するソーシャルレンディング会社は、特に担保や保証の設定に定評がある会社です。
低リスクの運用をしたいなら、これらの会社を利用してみましょう。
- Crowd Bank(クラウドバンク)
- CRE Funding
- SBIソーシャルレンディング
- テキスト
Crowd Bank(クラウドバンク)
Crowd Bank(クラウドバンク)の場合、案件ごとに担保となる不動産や評価額の計算方法などが公表されています。
見られるのは会員のみですが、投資するためには会員になる必要があるので、ログインすれば投資をする前に資料を確認することができます。
今のところ融資元本回収率は100%で、貸し倒れが起きたことはありません。
この事実からも、担保の設定や評価が適切であることを推察することができます。
CRE Funding
出典:CRE Funding
CRE Fundingの案件には、株式会社シーアールイーによる保証がついています。
そのため、融資先が投資家から借りたお金を返せなくなった場合、基本的にはシーアールイーが保証し代わりに返済してくれます。
元本が保証されているわけではなく、投資額の全額が保証されるとは限りません。
とはいえ、東証一部上場企業のシーアールイーの保証がついているのは心強いでしょう。
もちろん案件は厳正に審査されており、貸し倒れが起こりにくい仕組みもできています。
SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは大手ゆえに多様な案件を扱っているのですが、名前に「不動産担保」が入っているプロジェクトは不動産の担保が設定されています。
この種類のファンドなら、貸し倒れしにくいと期待できます。
SBIソーシャルレンディングは大手金融グループが運営するソーシャルレンディングサービスであり、担保の設定だけでなく貸付先の企業の審査も厳正に行われています。
企業の資本金の大きさ、直近数年間の貸し倒れ実績がない、または少額であることなどが融資の条件となっています。
運用期間が短い会社
ソーシャルレンディングの1つの案件の運用期間は、3ヶ月~数年間まで多岐にわたります。
ソーシャルレンディングは原則として途中で解約できないため、急にお金が必要な場面が出てきても対応しやすいよう、運用期間が短めの案件を選ぶことをおすすめします。
運用期間が短い案件を扱っている会社を紹介していきますので、途中で解約できないリスクに不安を感じる方は次の3つの会社から選んでみてはいかがでしょうか?
- LENDEX(レンデックス)
- Funds(ファンズ)
- CRE Funding
LENDEX(レンデックス)
LENDEX(レンデックス)は1年以内の短期投資が中心で、特に運用期間が6ヶ月の案件が多いです。
一般的なソーシャルレンディングだと1年~2年のことが多いため、レンデックスはかなり短期の案件で、解約できないリスクが不安な方にもおすすめです。
運用期間が短いほど不確実な要素が起こりにくいので、貸し倒れなどの事故も起こりにくいです。
レンデックスはこの法則を生かし、短期だからこそ利回りを10%など高く設定できています。
そのため、高い利回りを狙いつつリスクも抑えたい人におすすめです。
Funds(ファンズ)
引用:Funds(ファンズ)
Funds(ファンズ)では、11ヶ月や12ヶ月など、運用期間が1年以下の案件を中心に扱っています。
5ヶ月、8ヶ月、9ヶ月といった案件もあり、少々中途半端な単位ではありますが短めの案件が中心です。
Funds(ファンズ)は利回りが2%前後とLENDEX(レンデックス)と比べると低いのですが、上場企業にしか融資をしないため貸付先の信用性が高いメリットがあります。
短期で低リスクな案件に投資したいなら、Funds(ファンズ)がおすすめです。
ただし、ファンズは分配金の支払いが3ヶ月に1回という短所があります。
期間が短い案件が終了しても、タイミングによってはすぐに分配金が支払われないことがあるので、理解しておきましょう。
CRE Funding
出典:CRE Funding
CRE Fundingの場合、2020年9月現在運用している案件は9ヶ月から12ヶ月で、1年以下となっています。
LENDEX(レンデックス)やFunds(ファンズ)に比べるとやや長いですが、一般的なソーシャルレンディングの案件が1年~2年であることを踏まえると、短期の案件と言えるでしょう。
上述したように、CRE Fundingは株式会社シーアールイーによる保証がメリットとなるため、低リスクの運用が期待できます。
9ヶ月から1年の運用期間でも大丈夫だと感じる方は、CRE Fundingを使ってみてはいかがでしょうか?
為替変動リスクがある会社
海外に投資する場合、さらに「為替変動リスク」にも注意が必要です。
「CrowdCredit(クラウドクレジット)」や「Crowd Bank(クラウドバンク)」を通じて海外に融資する場合、関係があるリスクです。
もし為替変動リスクを避けたいなら、これらのソーシャルレンディング会社を使うときは注意しましょう。
為替変動リスクとは、為替レートの変動によって損失を被るリスクのことです。
例えば、1ドル=100円のときに100ドルを投資したとしましょう。
このとき、使ったお金は円換算で1万円です。
次に、1ドル=90円になったときに融資が終わり、投資家にお金が返済されると仮定します。
このとき、100ドルは9,000円になるので、投資家に返還されるお金は9,000円となります。
運用に失敗したわけではなく元本がきちんと返って来ているのに、1,000円の損失になっていることがわかるでしょう。
これが為替変動リスクです。
投資家が損をしていると言っても、貸付先の企業の過失ではないため、担保の売却はされないのが一般的と言えます。
保証があるかは案件によって異なるため、為替変動で損が出たときの対応について資料を読んでから投資しましょう。
- Crowd Credit(クラウドクレジット)
- Crowd Bank(クラウドバンク)
Crowd Credit(クラウドクレジット)
Crowd Credit(クラウドクレジット)はロシアやメキシコなど海外の企業に融資するため、為替変動リスクがあります。
「米ドル建て」「ロシアルーブル建て」などと記載されている、海外の通貨での運用となる案件は、基本的に為替変動リスクがあります。
詳しくは、各案件の詳細を見て確認するようにしてください。
「円建て」と書かれている場合は、為替変動の影響を受けないようにリスクヘッジされていることが多いです。
その分コストが高くなるので利回りは低くなる傾向がありますが、為替変動リスクが怖い方は円建ての案件を選ぶと良いでしょう。
Crowd Bank(クラウドバンク)
Crowd Bank(クラウドバンク)は国内向けと海外向けの融資の両方を行っており、海外向けの方には為替変動リスクがあります。
案件一覧を見ると、投資先の国や通貨がわかります。
投資先が海外で、「米ドル建」のように海外の通貨で運用されると書いてある案件は、為替変動リスクがあります。
投資の申し込みもドル建てなので、最低投資額が100ドルに設定されるなど、円での投資とはやや異なります。
Crowd Bank(クラウドバンク)の場合、投資先が海外で「円投資」と書いてある案件でも、為替変動リスクがあるものが多いです。
投資の申し込みは円でできるものの、運用は外貨で行われるため為替変動リスクが無くなるわけではないことを理解して投資をしましょう。
貸し倒れ・遅延が起きていない会社
ソーシャルレンディングの元本割れの大きな原因となるのが、「貸し倒れ」と「遅延」です。
遅延は返済や分配金の支払いが遅れることで、どうしても返済できず破産してしまうのが貸し倒れです。
投資家が投資したお金は返って来なくなるため、貸し倒れや遅延が起きにくいソーシャルレンディング会社を選ぶことは重要です。
これまでに貸し倒れや遅延が起きていない会社を2社紹介していきましょう。
- Funds(ファンズ)
- CREAL(クリアル)
Funds(ファンズ)
引用:Funds(ファンズ)
Funds(ファンズ)は信用力のある上場企業にしか融資しないため、低リスクの運用ができています。
これまでの遅延や貸し倒れはゼロ件で、信頼して良いソーシャルレンディング会社と言って良いでしょう。
ただし、Funds(ファンズ)は2019年に始まったばかりサービスのため、まだ実績が豊富というわけではありません。
扱った案件がたまたま貸し倒れしなかっただけとも解釈できることには留意した方が良いでしょう。
CREAL(クリアル)
出典:CREAL(クリアル)
CREAL(クリアル)も、これまで貸し倒れや遅延を起こしたことはありません。
Funds(ファンズ)と同様、2019年に始まったサービスでまだ実績が豊富ではないため、今のところ貸し倒れが起きていないと解釈した方が良いかもしれません。
とはいえ、10%の損失は保証されるなど投資家を保護する仕組みがあるので、万が一貸し倒れが起きても戻ってくるお金がゼロ円、といった極端なことにはなりにくいと考えられます。
貸し倒れ・遅延の対応が評価されている会社
大量の案件を扱っている大手のソーシャルレンディング会社では、多かれ少なかれ遅延や貸し倒れが起きています。
注目すべきは、事故があったかどうかではなく、その後にどのような対応をしたかです。
ここでは、貸し倒れや遅延の後の対応が評価されている会社を3つ紹介します。
これらの会社を選べば、また万が一のことが起きても資金の回収に尽力してくれると考えられます。
- SBIソーシャルレンディング
- Crowd Bank(クラウドバンク)
- OwnersBook(オーナーズブック)
- テキスト
SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは、2018年に「不動産バイヤーズローン」で遅延が発生しています。
遅延が起きてからすぐに投資家に報告し、4ヶ月で90%の資金を回収したため、高く評価されています。
遅延が発生してからすぐに担保の売却に踏み切ったそうで、迅速な対応が功を奏した形です。
一昔前の緩いソーシャルレンディング会社は、遅延が発生しても放置して宙ぶらりんになっているなどの問題がありましたが、SBIソーシャルレンディング会社はそうではなく、迅速に対応してくれました。
Crowd Bank(クラウドバンク)
Crowd Bank(クラウドバンク)はこれまで貸し倒れが起きておらず、融資元本回収率は100%です。
しかし、2020年6月に「カリフォルニア不動産ローンファンド」の一部の案件で運用期間を延長することになり、実質的には遅延が発生しています。
新型コロナウイルスの影響で先方の計画が狂ったことが原因のようで、1ヶ月ほどの延長となったのですが、投資家には詳細な説明資料が配布されました。
対象の不動産の売却や他の金融機関からの借り換えを検討するなど対応もしっかりしており、遅延が起きたのに投資家からの信頼が厚くなった事例でもあります。
OwnersBook(オーナーズブック)
OwnersBook(オーナーズブック)も、2019年に「江東区商業ビル第1号ファンド第1回」の貸付先の破産があり、貸し倒れが起きています。
とはいえ、保証人の弁済を受けることができたため、投資家には元本とそれまでの利息が支払われました。
OwnersBook(オーナーズブック)も投資家への説明が迅速で、事案は速やかに解決されました。
結果的には早期償還となり、返済期日が遅延するといったことには至りませんでした。
まとめ
ソーシャルレンディング会社を、ポイントごとに比較してきました。
利回りで選びたい人や、担保や保証の充実度で選びたい人など、投資家のニーズはさまざまです。
ご自身に合った会社を見つけるヒントにしてみてください。