ソーシャルレンディング投資を法人口座で行うことは可能です。
取引メリットも多いため、各社で法人口座の取り扱いがされています。
今回は、法人口座開設に必要な書類も含め、手続きのポイントをまとめて紹介していきます。
目次
ソーシャルレンディングの法人口座は20社以上で開設可能
ソーシャルレンディングの法人口座の開設は、事業者の大半にあたる20社以上で可能です。
なぜ、これだけ多くの事業者で採用しているのでしょうか?
それは、貸し手にとって法人口座の需要が多く、口座開設のメリットが大きいからです。
法人口座の開設手続きは、個人口座と比べると必要な書類が多くなります。
しかし、手続き自体は難しい内容ではありませんよ。
ソーシャルレンディングの法人口座で取引するメリット
それでは、ソーシャルレンディングを法人口座を解説して取引するメリットについて、2つに分けて解説していきましょう。
法人口座での取引メリット①:損益を合算して考えられる
法人口座で運用を行うと、発生した収益は法人の利益となります。
法人運用のメリットは、利益や損失を他の事業益または事業損失と合算できることです。
個人でソーシャルレンディング投資を行う場合、収益は「雑所得」に分類されます。
一般的なサラリーマン投資家の場合、給料は給与所得に分類されます。
個人では、給料とソーシャルレンディングの収益を合算して考えることができません。
つまり、たとえどちらかに損失があっても、利益が出ている側には考慮されず通常通りの税金がかかってしまうことになるのです。
一方で、法人の場合はFX(外国為替)など他の投資収益や多彩な事業活動の収益も、法人の収益というひとつの括りで考えられるのです。
よって、法人ではこのまとめて考えられるという点が非常に有利です。
法人口座での取引メリット②:1年前後の短期投資に幅が持てる
ソーシャルレンディング投資では、1年前後の短期的な投資ができるため、有効に資金を投資をすることができるというメリットがあります。
会社に余剰資金として寝かせておいている資金があるのであれば、それは特に利益を生み出さないためもったいない存在です。
そのような資金を投資に回すことができるのです。
通常業務を行うための運転資金は、現金もしくは現金に近い形で手元に置いておく必要があります。
逆に、長期事業目的に沿った長期投資は、大きな収益を狙うことや今後の営業基盤構築に向けて充てるための資金です。
この、「短期」と「長期」の中間に位置している資金があれば、ソーシャルレンディングで有効活用することができるのです。
つまり、目的がはっきりしていない資金を利用して投資が可能になるのです。
事業運営を行う中で、選択肢が多いことはそれだけ有利に働きます。
ソーシャルレンディングの法人口座開設に必要なこと
先ほどお伝えしたように、ソーシャルレンディングの法人口座開設に必要となる書類は、個人口座と比べえ多くなります。
しかし、特段用意することが難しい書類はありません。
法人口座の開設時に書類不備があると、電話や郵送などで連絡の手間がとてもかかります。
口座開設も遅くなるため、できる限り一度でにそろえておきたいものです。
また、登記簿謄本や法人番号など、必要書類の大半はどのソーシャルレンディング事業者の法人口座でもほとんど変わりません。
複数社の口座を開設したい場合は、同時期に必要書類を集めると手間を省くことができるためおすすめです。
法人口座で必要とされる代表的な書類
- 登記簿謄本、印鑑証明
⇒取得期間(例えば所得日が2ヵ月以内の書類が対象)の指定が通常あります。
- 法人、代表者、取引者の登録
取引者は、ソーシャルレンディング投資を実際に法人で行う担当者のことを指します。
代表者が兼任する場合は、同じ人を登録します。
また、本人確認については、個人口座開設と同様に本人確認書類で行うことが一般的です。
- 法人番号指定通知書の確認
いわゆる法人版のマイナンバーにあたる番号です。
- 近年必要とされてきた登録事項
- 実質的支配者の登録
⇒犯罪収益移転防止法の観点から必要とされています。
- FATCAに関する確認書類
FATCAとは、外国口座税務コンプライアンス法(Foreign Account Tax Compliance Act)の略称です。
投資行動が不正行為ではないという宣言です。
主に、ここでの「不正行為」とは、金融資産を海外口座へ資金逃避させることを指します。
通常、ソーシャルレンディング業者側によってフォーマットが用意されています。
【手続き別】開設可能な法人口座
ソーシャルレンディングの法人口座の開設手続きは、次の2通りで開始できます。
- オフィシャルサイト上の申し込みフォームから申し込み
- 電話やメールにて個別対応
どちらも、手続きに必要な書類や内容にあまり差はありません。
さらに、一部デジタルデータにて必要書類を受け付けてもらえるようになってきました。
郵送手続きに対しても、だんだんと簡素化が図られ始めていますよ。
1.オフィシャルサイト上の申し込みフォームから申し込み
2.電話やメールにて個別対応
法人設立を行う際に気をつけたい2つのポイント
最後に、これから法人設立を考えている方に、気をつけてもらいたい点が2つあります。
「固定費の把握」と「顧問税理士」についてです。
1.固定費の把握
法人には、思っている以上に多くの固定費がかかります。
営業上必要な設備維持費であれば目に見えやすいです。
しかし、気をつけなければ見落としがちな固定費もあります。
例えば、法人住民税の均等割は赤字法人でもかかります。
法人を設立するか悩んでいる場合は、税金や社会保険も含め、法人化せず個人で事業を行う場合と比較して考える必要があります。
2.顧問税理士
一般的に、法人設立後は税理士に決算をお願いすることになります。
この際、筆者の経験上、ソーシャルレンディングや投資に詳しい税理士に顧問をお願いすることが大切だと考えられます。
適切な税務指南を受けるには、事業について説明します。
しかし、ソーシャルレンディングの概念から説明することは大変です。
法人の収益を高めるためには、経営者はが事業に専念することが重要です。
そのため、できるだけ専門家にお願いする部分はスムーズに行える体制を整えておくことが大切です。
まとめ
ソーシャルレンディングの法人口座は、ほぼすべての事業者で対応してもらうことが可能です。
手続き書類は個人口座と比べれば増えますが、さほど複雑ではありません。
法人取引にするか個人取引にするかどうかの判断は、法人化した場合に可能になる「損益の合算」が活かせるかどうか次第です。
お得であれば、法人口座を開設してソーシャルレンディング投資に活用していくと良いでしょう!